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第一章《ギルド》「闇の権力者編」
第十五話 「デート」
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「美味しいね♡レイくん!」
「そうだね」
魔道具を買いに来たはずの僕らは今、なぜか街のカフェでいちごのパフェを食べている。
ティアちゃんは「あまぁい♡」と「美味しぃー!」を連呼しながら、彼女の顔ぐらいの大きさの巨大なパフェをペロリと平らげてしまった。
やっぱり女の子は甘いものが好きなんだなぁーなんて呑気に考えていたが、ティアちゃんが店員さんを呼び止めておかわりを要求した時には流石に驚いた。
ちなみに僕のパフェはまだ3分の1も減っていない。
「デートなんて、急にどうしたの?」
「ん?レイくんつまんない?」
「いや、つまんなくは無いけど...こんなことしていていいのかなって」
人想いのアンナは、こうしている間にも心配して待っているだろう。ギルドの被害も拡大しているかもしれない。
ティアちゃんだってわかっているはずだ。彼女はそれらを無視して、自分のわがままを優先するような人じゃない。何か理由があると思った。
「レイくんさぁ...」
僕は無意識に姿勢を正してしまった。
彼女の顔こそ今までと変わらず笑っていたが、その口調は普段のそれではなかった。「芯」のあるその声は、どこか覇気があった。
「さっき悪いこと考えてたでしょ」
「悪い…こと?」
ティアちゃんがため息をつき、疑問の答えを口にすると
「レイくんは足でまといなんかじゃないよ?」
自分の心臓がドキンとなるのがわかった。なんで、
「なんで考えてたことがわかるのって顔してるね?」
クスクスと笑うが、その目は笑っていなかった。
僕は何も言えなかった。
「私はレイくんのこと足でまといだなんて思ってないし、邪魔だと思ったことも1回も無い。レイくんが一緒にいてくれて、仲間で本当に良かったと思っている」
でも…
「アンナだってそう思ってるんだよ?言ってたもの」
え?アンナが?
「アンナ言ってた。レイくんはいつも周りのことばかり考えちゃって、それで自分のことを凄く責めちゃう子だって」
そんなつもりは…
「無意識なんだろうけど、気づいていないのはレイくんだけだよ?私にだってわかるもん。
わかっちゃうんだよ!レイくんが私達のために苦しんでいるのが!それが痛いほどわかっちゃうんだよぉ…」
彼女の瞳から大粒の涙が流れ出す。
彼女は泣いてくれた。僕の、為に。
「ティアちゃん…」
「だからね?」
涙を拭き、続ける。
「私とアンナがレイくんに言いたいことはただ一つ…」
大きく息を吸い込み...
「仲間をもっと頼れよぉお!ばかぁああ!!」
聴いたことないような大声で叫ぶ。
店中が驚いてこちらを振り返る。
仲間。
ティアちゃんが言ってくれた言葉。
その言葉の意味を、僕はわかっているつもりだった。偉そうにアンナに説教をしたりもした。
「レイくんのそれは優しさなんかじゃない!
私達を仲間として信頼してないだけ!
なんで頼ってくれないの!?
頼ったり頼られたりするのが仲間じゃないの!?
おんぶにだっこ?そんな訳ない!
レイくんはちゃんと力になってくれてる!
ジャックくんが生き返ったのもレイくんの手に入れてくれた霊魂玉のおかげだった!
アンナも、レイくんが護ってくれるから調査に集中できるようになって凄い助かるって言ってたもん!
お金?そんなのどうでもいいよ!
レイくんが私達を利用して捨てるような人じゃないの知ってるもん!!
てか、レイくんと一緒に笑い合う日々が大好きなだけよ!
なんでそこに貸し借りと持ち込むの!!?
イくんがこの世界に来たてで困ってる人だもん!手伝わせてよぉ!!!!大切な仲間だもん!!!!!!!!!」
息を切らしたティアちゃんが席に座る。言いたいことを全て言えた満足げな顔をしている。
僕は言葉が出なかった。変わりに、涙がどんどんと溢れ出す。
「え、あ、ちょっと...」
僕の涙を見てティアちゃんが慌てる。
言い過ぎたと思ったらしい。
...言い過ぎなもんか。
彼女が言ってくれた言葉一つ一つが本当に嬉しかった。未だかつてこんなに愛のこもった説教をされたことがない。
彼女の言う通り、僕は仲間の本当の意味を理解していなかった。本当は彼女達の純粋な優しさだった「恩」に勝手に縛られて、大切なことを見失っていた。
そしてこうやって、僕のために伝えてくれたこと、泣いてくれたこと、想ってくれたこと、その全てに僕の心は幸せではち切れそうになった。
本当に...ほんとにほんとに.....嬉しかった。
「あーあ、今世紀最大のヒモ化計画がバレちゃったなぁ~」
照れ隠しで嘯いてしまった。ダサいなぁ。
「ばぁぁぁぁぁぁぁか♡」
そんな僕も見透かすようなティアちゃんの笑顔が、最高に可愛かった。
「そうだね」
魔道具を買いに来たはずの僕らは今、なぜか街のカフェでいちごのパフェを食べている。
ティアちゃんは「あまぁい♡」と「美味しぃー!」を連呼しながら、彼女の顔ぐらいの大きさの巨大なパフェをペロリと平らげてしまった。
やっぱり女の子は甘いものが好きなんだなぁーなんて呑気に考えていたが、ティアちゃんが店員さんを呼び止めておかわりを要求した時には流石に驚いた。
ちなみに僕のパフェはまだ3分の1も減っていない。
「デートなんて、急にどうしたの?」
「ん?レイくんつまんない?」
「いや、つまんなくは無いけど...こんなことしていていいのかなって」
人想いのアンナは、こうしている間にも心配して待っているだろう。ギルドの被害も拡大しているかもしれない。
ティアちゃんだってわかっているはずだ。彼女はそれらを無視して、自分のわがままを優先するような人じゃない。何か理由があると思った。
「レイくんさぁ...」
僕は無意識に姿勢を正してしまった。
彼女の顔こそ今までと変わらず笑っていたが、その口調は普段のそれではなかった。「芯」のあるその声は、どこか覇気があった。
「さっき悪いこと考えてたでしょ」
「悪い…こと?」
ティアちゃんがため息をつき、疑問の答えを口にすると
「レイくんは足でまといなんかじゃないよ?」
自分の心臓がドキンとなるのがわかった。なんで、
「なんで考えてたことがわかるのって顔してるね?」
クスクスと笑うが、その目は笑っていなかった。
僕は何も言えなかった。
「私はレイくんのこと足でまといだなんて思ってないし、邪魔だと思ったことも1回も無い。レイくんが一緒にいてくれて、仲間で本当に良かったと思っている」
でも…
「アンナだってそう思ってるんだよ?言ってたもの」
え?アンナが?
「アンナ言ってた。レイくんはいつも周りのことばかり考えちゃって、それで自分のことを凄く責めちゃう子だって」
そんなつもりは…
「無意識なんだろうけど、気づいていないのはレイくんだけだよ?私にだってわかるもん。
わかっちゃうんだよ!レイくんが私達のために苦しんでいるのが!それが痛いほどわかっちゃうんだよぉ…」
彼女の瞳から大粒の涙が流れ出す。
彼女は泣いてくれた。僕の、為に。
「ティアちゃん…」
「だからね?」
涙を拭き、続ける。
「私とアンナがレイくんに言いたいことはただ一つ…」
大きく息を吸い込み...
「仲間をもっと頼れよぉお!ばかぁああ!!」
聴いたことないような大声で叫ぶ。
店中が驚いてこちらを振り返る。
仲間。
ティアちゃんが言ってくれた言葉。
その言葉の意味を、僕はわかっているつもりだった。偉そうにアンナに説教をしたりもした。
「レイくんのそれは優しさなんかじゃない!
私達を仲間として信頼してないだけ!
なんで頼ってくれないの!?
頼ったり頼られたりするのが仲間じゃないの!?
おんぶにだっこ?そんな訳ない!
レイくんはちゃんと力になってくれてる!
ジャックくんが生き返ったのもレイくんの手に入れてくれた霊魂玉のおかげだった!
アンナも、レイくんが護ってくれるから調査に集中できるようになって凄い助かるって言ってたもん!
お金?そんなのどうでもいいよ!
レイくんが私達を利用して捨てるような人じゃないの知ってるもん!!
てか、レイくんと一緒に笑い合う日々が大好きなだけよ!
なんでそこに貸し借りと持ち込むの!!?
イくんがこの世界に来たてで困ってる人だもん!手伝わせてよぉ!!!!大切な仲間だもん!!!!!!!!!」
息を切らしたティアちゃんが席に座る。言いたいことを全て言えた満足げな顔をしている。
僕は言葉が出なかった。変わりに、涙がどんどんと溢れ出す。
「え、あ、ちょっと...」
僕の涙を見てティアちゃんが慌てる。
言い過ぎたと思ったらしい。
...言い過ぎなもんか。
彼女が言ってくれた言葉一つ一つが本当に嬉しかった。未だかつてこんなに愛のこもった説教をされたことがない。
彼女の言う通り、僕は仲間の本当の意味を理解していなかった。本当は彼女達の純粋な優しさだった「恩」に勝手に縛られて、大切なことを見失っていた。
そしてこうやって、僕のために伝えてくれたこと、泣いてくれたこと、想ってくれたこと、その全てに僕の心は幸せではち切れそうになった。
本当に...ほんとにほんとに.....嬉しかった。
「あーあ、今世紀最大のヒモ化計画がバレちゃったなぁ~」
照れ隠しで嘯いてしまった。ダサいなぁ。
「ばぁぁぁぁぁぁぁか♡」
そんな僕も見透かすようなティアちゃんの笑顔が、最高に可愛かった。
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