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序章 《始まった物語》
第八話 「装備一式」
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「フライドくんとの仕事の話は今ちょうど終わったところでしてね。そうそう、レイジさんのことや貴女のことは彼から聞きましたよ?なんでもフライドくんの売り込みを断ったそうで」
そう言って愉快そうに笑う。隣のフライドさんはバツの悪そうな顔をしてセンリさんを睨んでる。仲がいいんだろうな、このふたりは。
「その節は大変失礼致しました」
結果的にフライドさんに恥をかかせてしまった形になったことを謝る。
「いえいえ、謝ることはありませんよ。彼は昔から頑固と言いますか、やけに自信家な所がありました。普通、初対面の、それも素性の分からない男からの高額な取り引きに応える人はいません。貴女の判断は正しいですよ」
そう言って微笑むヒービロング店主は品格があって、どこぞのおっさん臭いおっさんとは大違いだ。かっこいい!
「おいセンリ、」
「でも彼の腕は確かですよ?この店の店主であるわたくしが保証致します」
「えぇ、それはわかります」
私は既に気づいてしまっていた。フライドさんに裏はなく、ただ単純に魔法剣士の、レイのための武器を作れることにわくわくしているだけなのだ。いい歳して、鍛冶に対しては子供みたいにまっすぐ...それがフライドさんという男なのだ。
しかし、、
「確かに彼のオーダーメイドは高いですよね。わたくしもそれでは買い手が現れないことを何回も諭してはいるのですが、そこだけは譲ってくれないのですよ…」
「俺はオーダーメイドは絶対に手を抜かないって決めてんだよ!客の能力に応えるため、その為にはどうしても高級な素材が必要になってくる…仕方ないだろう?」
なるほどそうゆう訳か。思ってたより真面目なんだな。手抜きができず、客の力を引き出すために全力を注いでいるのだ。
少しだけ見直さなくもないぞ。
「特にお嬢ちゃんの彼氏くんの素質はそそるぜ、ワハハハ!」
あ゛?
「彼氏じゃないですってば」
こういう絡み...
やっぱり苦手なタイプだ、前言撤回。
「すみません、こういう男なんです…」
ヒービロングさんが几帳面に頭を下げる。なんて紳士な人なんだ!ヒービロングさんを見習えよ、フライド。
「オーダーメイドには勝りませんが、この店の商品もなかなか良いものが揃っていますよ。フライドくんを始めとする色んな腕利きの鍛冶屋の商品を取り揃えております。彼が色々と振り回したお詫びとして、レイジさんの武具選びお手伝いさせては頂けませんか」
「え!?いいんですか?」
店を駆け回っていたはずのレイがいつの間にか会話に混ざっていた。
「勿論です。レイジさん、この店の店主として貴方に最高の武具を選んで差し上げましょう」
オーダーメイドは買えなかったけど、数多ある商品の中から店主自らレイに合う、最適な武具を選んでくれるなら安心だ。ヒービロングさんに会えて本当に良かったです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「レイ、着替えたー?」
「う、うん。どう…かな?」
照れながら試着室から出てきた、防具姿のレイは、
一言で言うと……
「カッコイイよ!レイ!とても似合ってる!!」
「えへへぇー、そうかな」
軽くて丈夫そうな、金属で作られた胸当てはスマートなデザインで、細身のレイにとてもよく似合っていた。
天空竜の鱗のアームカバーは宝石のように輝いていて綺麗だし、左足に縛り付けてるホルダーには収納箇所が沢山着いてて便利そうだ。
そして珍しいことにどの防具も水晶でコーティングしてあった。同じシリーズなのだろうか。
「性能の方は?」
「ご心配なく、魔術師としても剣士としても活躍されるであろうレイジさんの戦闘スタイルを妨害しないような武具を選んでおります。
そしてこちらがわたくしとフライドくんで取捨選択し、選び抜いた剣でございます」
それはとても美しい剣だった。刃はまるで血のように真っ赤で真ん中に溝が彫ってあった。長くて細いその剣身は光で反射し、妖しく光っていた。持ち手は逆に漆黒で、頭には龍の頭の彫刻が着いていた。
「す、凄いよ!ありがとう、フライドさん!ヒービロングさん!ありがとう!アンナ!」
「ご満足頂けて良かったです」
「剣は誰のか知らんが、その防具一式はこの俺の作品だ。大事にしろよ?」
フライドさんがえへんと胸を張る。年甲斐もないと、センリさんに頭を叩かれている。
「これで戦える...アンナの力になれる!」
先ずそれか...本当に、こいつって奴は。
「これからは2人で力を合わせてやっていこうな、レイ」
「うん!!よろしく、アンナ!」
固い握手を交わす。温かくて、強い手だった。
そう言って愉快そうに笑う。隣のフライドさんはバツの悪そうな顔をしてセンリさんを睨んでる。仲がいいんだろうな、このふたりは。
「その節は大変失礼致しました」
結果的にフライドさんに恥をかかせてしまった形になったことを謝る。
「いえいえ、謝ることはありませんよ。彼は昔から頑固と言いますか、やけに自信家な所がありました。普通、初対面の、それも素性の分からない男からの高額な取り引きに応える人はいません。貴女の判断は正しいですよ」
そう言って微笑むヒービロング店主は品格があって、どこぞのおっさん臭いおっさんとは大違いだ。かっこいい!
「おいセンリ、」
「でも彼の腕は確かですよ?この店の店主であるわたくしが保証致します」
「えぇ、それはわかります」
私は既に気づいてしまっていた。フライドさんに裏はなく、ただ単純に魔法剣士の、レイのための武器を作れることにわくわくしているだけなのだ。いい歳して、鍛冶に対しては子供みたいにまっすぐ...それがフライドさんという男なのだ。
しかし、、
「確かに彼のオーダーメイドは高いですよね。わたくしもそれでは買い手が現れないことを何回も諭してはいるのですが、そこだけは譲ってくれないのですよ…」
「俺はオーダーメイドは絶対に手を抜かないって決めてんだよ!客の能力に応えるため、その為にはどうしても高級な素材が必要になってくる…仕方ないだろう?」
なるほどそうゆう訳か。思ってたより真面目なんだな。手抜きができず、客の力を引き出すために全力を注いでいるのだ。
少しだけ見直さなくもないぞ。
「特にお嬢ちゃんの彼氏くんの素質はそそるぜ、ワハハハ!」
あ゛?
「彼氏じゃないですってば」
こういう絡み...
やっぱり苦手なタイプだ、前言撤回。
「すみません、こういう男なんです…」
ヒービロングさんが几帳面に頭を下げる。なんて紳士な人なんだ!ヒービロングさんを見習えよ、フライド。
「オーダーメイドには勝りませんが、この店の商品もなかなか良いものが揃っていますよ。フライドくんを始めとする色んな腕利きの鍛冶屋の商品を取り揃えております。彼が色々と振り回したお詫びとして、レイジさんの武具選びお手伝いさせては頂けませんか」
「え!?いいんですか?」
店を駆け回っていたはずのレイがいつの間にか会話に混ざっていた。
「勿論です。レイジさん、この店の店主として貴方に最高の武具を選んで差し上げましょう」
オーダーメイドは買えなかったけど、数多ある商品の中から店主自らレイに合う、最適な武具を選んでくれるなら安心だ。ヒービロングさんに会えて本当に良かったです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「レイ、着替えたー?」
「う、うん。どう…かな?」
照れながら試着室から出てきた、防具姿のレイは、
一言で言うと……
「カッコイイよ!レイ!とても似合ってる!!」
「えへへぇー、そうかな」
軽くて丈夫そうな、金属で作られた胸当てはスマートなデザインで、細身のレイにとてもよく似合っていた。
天空竜の鱗のアームカバーは宝石のように輝いていて綺麗だし、左足に縛り付けてるホルダーには収納箇所が沢山着いてて便利そうだ。
そして珍しいことにどの防具も水晶でコーティングしてあった。同じシリーズなのだろうか。
「性能の方は?」
「ご心配なく、魔術師としても剣士としても活躍されるであろうレイジさんの戦闘スタイルを妨害しないような武具を選んでおります。
そしてこちらがわたくしとフライドくんで取捨選択し、選び抜いた剣でございます」
それはとても美しい剣だった。刃はまるで血のように真っ赤で真ん中に溝が彫ってあった。長くて細いその剣身は光で反射し、妖しく光っていた。持ち手は逆に漆黒で、頭には龍の頭の彫刻が着いていた。
「す、凄いよ!ありがとう、フライドさん!ヒービロングさん!ありがとう!アンナ!」
「ご満足頂けて良かったです」
「剣は誰のか知らんが、その防具一式はこの俺の作品だ。大事にしろよ?」
フライドさんがえへんと胸を張る。年甲斐もないと、センリさんに頭を叩かれている。
「これで戦える...アンナの力になれる!」
先ずそれか...本当に、こいつって奴は。
「これからは2人で力を合わせてやっていこうな、レイ」
「うん!!よろしく、アンナ!」
固い握手を交わす。温かくて、強い手だった。
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