仁川路朱鳥詩集

高3後半

Bloodhemispherev2.019.exe

両極に反転し続ける半球
自転軸をアップデート
人類史を軌道修正します

言葉が聞こえる、浮かぶ
目の前を通り過ぎて喧騒も通り
私のCPUの中にまで浸透する
命令

星の色も様々に人の血も様々に
けれど一色にタスクされる
束ねられた生物学の山
解決法を模索
N/A-N/A

赤潮に染まる太陽の海に
人類を浸してサラダにしよう
その発想から神は生まれ
その発想から神は死んだ

月
回転する
どこから見上げても結果は同じ
|:満ちて欠けて:|
メモリ領域に保持された母性の幻想
即ち月の文化
透明な肌の母親

世界
すべて満たされている
ここには全てがある
あるがある

しかしその中で
人類史とは裏腹に空
空だけが緯度を跨いで
時空すら跨いでおそらく
ギリシアの空と日本の空は
≒

CPU交換の効かない
生体パーソナルコンピューター
生殖するグラフィックカードの私たち
使い回されたテクスチャに如く
OSも変化しない
全て繋がっているんだ
それでも回っているんだ


血の半球ver.2019
即ち
知の半球ver.2019