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第十九章 手折られた彼岸花
19-21 衝動と傷
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「っ!」
痛みは無い。服だけが器用に切り裂かれただけだ。
不意に晒された素肌に恥じらいを覚え、両腕で自分自身を抱きしめるように前を隠した。
「何のつもり……?」
「勘違いするな。性的な興味は無い」
と、一真は私に馬乗りになり、腹部に被さっている布を摘む。
十八禁に抵触しない表現のラインを勝ち取ったが、何かに敗北した気がするのはどうしてだろうか。
服は裂かれたところから、ゆっくりと捲りあげられる。ひんやりとした外気が腹部を撫でた。
「ここを……掻っ捌けば……」
一真は独り言をブツブツと呟きながら、指の腹でヘソの少し上から下腹部にかけて一本の線を描く。
指先に乗っている鋭い爪が食い込めば、すぐに切り裂かれるんだ。
それにも関わらず、私は妙に冷静だった。
「私の腹わたを引きずり出して、どうするつもり?」
「どうもしない」
「そう」
彼の返答は素っ気ないものだった。
私の腹を裂きたがっているが、その先は無いのだ。ただ、衝動に駆られているだけ。そこに自分は無い。
心の空虚さを衝動で埋めている。それが今の彼の在り方だ。
彼の指は縦に線を描いていたが、急に方向転換し、脇腹にかけて斜めの線をなぞり始めた。
その動きは何かの軌道を確かめるように上に向かう。
まだ身体を覆っている服も捲り、上を隠している私の腕を退けようとする。
「——ッ」
羞恥心はあったが、彼の指に道を譲った。撫でられる感触がこそばゆい。
指はまだ上に向かい、右肩まで達する。
「……何故……」
一真は小さく呟いた。その声音は、今までのものとは違う。
確かめるように、私に刻まれた線を指先で何度も辿る。
「何故お前がこの傷を……?」
それはロボットの機械的な混乱じゃない、感情を持った生き物の動揺だ。
「そこを傷つけられたからだよ」
「ふざけるな、答えになってない……!」
と一真は手を振り上げる。
私は彼の震える瞳をじっと見つめていた。
彼の目は鬼の魔眼でも、冷徹な目でもない。酷く怯えた、同年代の男の子の目だ。
今は大丈夫。怖くない。
鉤形に構えられた手は、振り下ろされることはないのだから。
「俺に何をした……!」
悪態をつきながらも、一真の手は麻痺して動くことはない。ぷるぷると震え、掲げられているだけだ。
これでわかった。一真は私を傷つけられない。
刀を何度も刺してきた時、本当は当てるつもりだったのだろう。結果、全て外してしまった。
それは、無意識に私を傷つけないようにわざと外したから——なんて、都合の良い解釈だろうか?
「お前を相手にすると、判断力が鈍る」
と、彼は憎々しげに呪詛を吐く。
「余計、頭がいかれそうだ」
彼の瞳の中には、混乱、怒り、疑念が入り混じっている。
最初は私を殺すこと自体に抵抗は無かったようだが、彼の中に迷いが生じているようだ。
そうだろう。あの様子からして、私の傷に見覚えがあるのだから。
「お前を壊せば良いのか? 何が目的だ? 何故希望に満ちた目で俺を見る?」
そう捲したてる彼は、漠然とした違和感への答えを得ようと必死に見える。
その姿は、私に希望を与えた。
「お前は一体、何者だ……?」
一真は無意識に自分自身と戦っている。私たちを包むこの闇の中に、彼自身も囚われていたんだ。
彼が抱いた疑問こそが、突破口になると確信した。
「私は何もしていないよ」
「嘘をつけ」
一真の精神は、この世界にも影響するようだ。
どこまでも続くような闇でさえ薄らいだのは、彼の精神が不安定だから。
「私を殺したとしても、あなたが欲しい答えが見つかるとは限らない」
「適当なことを」
——!
闇の亀裂から断片的な声が聞こえる。
「私はただ、あなたに帰ってきてほしいの」
「俺の場所は、お前の傍じゃない」
——ちゃん!
私の孤独な戦いは——、
「私はあなたを信じてるよ」
「何を根拠に……」
「私は……」
——此処まで。
「私が神凪千真だから!」
「……!」
刹那、突風が吹き荒れる。
「この者を捕縛せよ! 急急如律令!!」
「承知!」
闇を突き破るのは、同じ闇色の翼。
私の臨時の式は不敵な笑みを浮かべ、顔の前で人差し指と中指を立てるポーズを取る。
「チッ!」
翼君は宙で印を切り、妖力で編まれた鎖を生成した。その鎖はオレンジ色に輝き、一真を瞬時に取り囲む。
「隙だらけだぜェ白鬼!」
翼君が手を横一文字に振ると、鎖は一真の腕を後ろ手に縛り上げた。その拍子に、漆黒の刀が手からこぼれ落ちる。
「野郎……!」
一真はすぐに暴れだし、鎖の擦れる音が響く。
しかし、彼の怪力を以ってしてもそれが千切れることはなかった。凄まじい耐久力だ。
翼君は鎖を締め上げながら、額を手で押さえて溜息をつく。
「はぁ~。守り抜くって大見得切ったクセにこの体たらく。ホントごめんな」
彼は私が攫われたことを気に病んでいるようだ。
「翼君が戦ってくれなかったら、私はとっくに死んでたよ。今は無事だから良いじゃない?」
「いやぁ、それ無事って言えるんスかぁ?」
翼君は視線を少しだけ下にズラし、薄目になる。
ん? この視線の先には……。
「おおっふぅ……?」
一真に服を斬られ、肌が大きく露出していたのを忘れていた。ええもう、そりゃぽろりの一つや二つありますよ。
「ひゃあああああっ!」
私は悲鳴を上げ、急いで前を隠した。
「翼君のえっち!」
「理不尽なえっち!」
痛みは無い。服だけが器用に切り裂かれただけだ。
不意に晒された素肌に恥じらいを覚え、両腕で自分自身を抱きしめるように前を隠した。
「何のつもり……?」
「勘違いするな。性的な興味は無い」
と、一真は私に馬乗りになり、腹部に被さっている布を摘む。
十八禁に抵触しない表現のラインを勝ち取ったが、何かに敗北した気がするのはどうしてだろうか。
服は裂かれたところから、ゆっくりと捲りあげられる。ひんやりとした外気が腹部を撫でた。
「ここを……掻っ捌けば……」
一真は独り言をブツブツと呟きながら、指の腹でヘソの少し上から下腹部にかけて一本の線を描く。
指先に乗っている鋭い爪が食い込めば、すぐに切り裂かれるんだ。
それにも関わらず、私は妙に冷静だった。
「私の腹わたを引きずり出して、どうするつもり?」
「どうもしない」
「そう」
彼の返答は素っ気ないものだった。
私の腹を裂きたがっているが、その先は無いのだ。ただ、衝動に駆られているだけ。そこに自分は無い。
心の空虚さを衝動で埋めている。それが今の彼の在り方だ。
彼の指は縦に線を描いていたが、急に方向転換し、脇腹にかけて斜めの線をなぞり始めた。
その動きは何かの軌道を確かめるように上に向かう。
まだ身体を覆っている服も捲り、上を隠している私の腕を退けようとする。
「——ッ」
羞恥心はあったが、彼の指に道を譲った。撫でられる感触がこそばゆい。
指はまだ上に向かい、右肩まで達する。
「……何故……」
一真は小さく呟いた。その声音は、今までのものとは違う。
確かめるように、私に刻まれた線を指先で何度も辿る。
「何故お前がこの傷を……?」
それはロボットの機械的な混乱じゃない、感情を持った生き物の動揺だ。
「そこを傷つけられたからだよ」
「ふざけるな、答えになってない……!」
と一真は手を振り上げる。
私は彼の震える瞳をじっと見つめていた。
彼の目は鬼の魔眼でも、冷徹な目でもない。酷く怯えた、同年代の男の子の目だ。
今は大丈夫。怖くない。
鉤形に構えられた手は、振り下ろされることはないのだから。
「俺に何をした……!」
悪態をつきながらも、一真の手は麻痺して動くことはない。ぷるぷると震え、掲げられているだけだ。
これでわかった。一真は私を傷つけられない。
刀を何度も刺してきた時、本当は当てるつもりだったのだろう。結果、全て外してしまった。
それは、無意識に私を傷つけないようにわざと外したから——なんて、都合の良い解釈だろうか?
「お前を相手にすると、判断力が鈍る」
と、彼は憎々しげに呪詛を吐く。
「余計、頭がいかれそうだ」
彼の瞳の中には、混乱、怒り、疑念が入り混じっている。
最初は私を殺すこと自体に抵抗は無かったようだが、彼の中に迷いが生じているようだ。
そうだろう。あの様子からして、私の傷に見覚えがあるのだから。
「お前を壊せば良いのか? 何が目的だ? 何故希望に満ちた目で俺を見る?」
そう捲したてる彼は、漠然とした違和感への答えを得ようと必死に見える。
その姿は、私に希望を与えた。
「お前は一体、何者だ……?」
一真は無意識に自分自身と戦っている。私たちを包むこの闇の中に、彼自身も囚われていたんだ。
彼が抱いた疑問こそが、突破口になると確信した。
「私は何もしていないよ」
「嘘をつけ」
一真の精神は、この世界にも影響するようだ。
どこまでも続くような闇でさえ薄らいだのは、彼の精神が不安定だから。
「私を殺したとしても、あなたが欲しい答えが見つかるとは限らない」
「適当なことを」
——!
闇の亀裂から断片的な声が聞こえる。
「私はただ、あなたに帰ってきてほしいの」
「俺の場所は、お前の傍じゃない」
——ちゃん!
私の孤独な戦いは——、
「私はあなたを信じてるよ」
「何を根拠に……」
「私は……」
——此処まで。
「私が神凪千真だから!」
「……!」
刹那、突風が吹き荒れる。
「この者を捕縛せよ! 急急如律令!!」
「承知!」
闇を突き破るのは、同じ闇色の翼。
私の臨時の式は不敵な笑みを浮かべ、顔の前で人差し指と中指を立てるポーズを取る。
「チッ!」
翼君は宙で印を切り、妖力で編まれた鎖を生成した。その鎖はオレンジ色に輝き、一真を瞬時に取り囲む。
「隙だらけだぜェ白鬼!」
翼君が手を横一文字に振ると、鎖は一真の腕を後ろ手に縛り上げた。その拍子に、漆黒の刀が手からこぼれ落ちる。
「野郎……!」
一真はすぐに暴れだし、鎖の擦れる音が響く。
しかし、彼の怪力を以ってしてもそれが千切れることはなかった。凄まじい耐久力だ。
翼君は鎖を締め上げながら、額を手で押さえて溜息をつく。
「はぁ~。守り抜くって大見得切ったクセにこの体たらく。ホントごめんな」
彼は私が攫われたことを気に病んでいるようだ。
「翼君が戦ってくれなかったら、私はとっくに死んでたよ。今は無事だから良いじゃない?」
「いやぁ、それ無事って言えるんスかぁ?」
翼君は視線を少しだけ下にズラし、薄目になる。
ん? この視線の先には……。
「おおっふぅ……?」
一真に服を斬られ、肌が大きく露出していたのを忘れていた。ええもう、そりゃぽろりの一つや二つありますよ。
「ひゃあああああっ!」
私は悲鳴を上げ、急いで前を隠した。
「翼君のえっち!」
「理不尽なえっち!」
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