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序章 旅の始まり
黙祷と旅立ちの備え
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星石を拾い上げた時から10日が経った。
レインはヴァイスのつけていた鞘の紐を手首に巻いて、形見とした。
レイン「悪いなみんな。時間がなくてこれくらいしかできなかった。」
レインは毎日焼き払われたヒューマンを土に埋葬して森の木で十字架を作りたてた。一人一人。名前を呼びながら。
全て終えた10日の今、彼はいよいよ旅立とうとしていた。
森の木を集めながら、食料を調達。島の港にヒューマン共有の船が一隻。それに集めながら、旅の支度を進めていたのだ。
「しっかし、サラエフの力ってどうやって使うんだろうなー。あれからてんで応答なしだし。まぁ、その時はいずれ来るだろうから、今はエルフの森に進むしかないか!」
彼は最後に唯一残されたレイン、カイル、ヴァイスの3人で過ごした家に戻った。
「ヴァイス。。いずれ自分の力で手に入れるから、しばらく借してくれ。」
レインとカイルがまだ幼き時、ヴァイスが話をしたことがあった。
「いいか。これから先もまたなにが起こるかわからねぇ。お前たちもいずれ外の世界に行くことがある。その時のために2人にとっておきの剣を俺の信頼できる鍛治職人に作ってもらったんだ。」
「カジショクニン??」
「あぁ。剣や槍。いろんな武器を作ってくれる人のことさ!そんな奴らの中でも俺の頼んだ男はピカイチでなぁ。ジースって言うやつなんだがすげぇやつだよ。未来のお前らにきっとピッタリだって作ってくれた代物だぜ。」
2人はその2つに並んだ剣を見ながら剣の輝きに引けを取らないほど目をキラキラと輝かせた。
「ここ、ルージ村を旅立つ時にお前たちに渡してやる。赤がレイン、黒がカイルのだ。まぁ、お前らにそれができるような力が備わってからだけどなぁ!ガッハッハ!」
2人は幼いながら馬鹿にされたことを理解してギャーギャーと騒いでいた。
ヴァイスは笑いながら2人から逃げていた。
そんな昔を思い出しながらレインは2つに並んだうちの赤の剣を手に取り鞘から剣を勢いよく抜いた!
キーーーーーーン!
それは家の中が一度輝きで見えなくなるくらいの光を放って美しい刀身を魅せた。
「すげぇ。目利きなんてできないけど、なんか、伝わるな…。」
何度か試しぶりをした後剣を納めると何かに背中を押されたかのように感じた。
「よし!!行くか!」
レインは船の元に行き、いよいよ港と繋がっていたロープを外し、帆を広げ、長い木の棒で押して、沖へと突き進んだ。
これから彼の、アストラシアでのちに語り継がれる長い長い、第2の伝説への旅が始まる…。
レインはヴァイスのつけていた鞘の紐を手首に巻いて、形見とした。
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「いいか。これから先もまたなにが起こるかわからねぇ。お前たちもいずれ外の世界に行くことがある。その時のために2人にとっておきの剣を俺の信頼できる鍛治職人に作ってもらったんだ。」
「カジショクニン??」
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2人はその2つに並んだ剣を見ながら剣の輝きに引けを取らないほど目をキラキラと輝かせた。
「ここ、ルージ村を旅立つ時にお前たちに渡してやる。赤がレイン、黒がカイルのだ。まぁ、お前らにそれができるような力が備わってからだけどなぁ!ガッハッハ!」
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キーーーーーーン!
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レインは船の元に行き、いよいよ港と繋がっていたロープを外し、帆を広げ、長い木の棒で押して、沖へと突き進んだ。
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