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第十四話①
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いつものように、私──咲良花奈──は昼休み、エリザちゃんと調理実習室でキスをしていた。
エリザちゃんは私のスカートの中に手を入れて、下着越しにあそこを撫でてくる。
「今日、楽しみだね」
エリザちゃんはまるで頭と体が別の意思で動いているようだった。私の体をもてあそびながら、そんなことしていないかのように、世間話をするような調子で言った。
エリザちゃんは今日、うちに泊まりにくる。
「お世話になるんだから、何かお土産買ってこうかな。何がいい?」
エリザちゃんが私に微笑みかける。
「別に……」
何もいらない。来ないでほしい。
エリザちゃんがうちに泊まりにくるなんて、全然楽しみじゃない。嫌だ。
いつも学校でこんなことをして、放課後はお姉ちゃんたちが帰ってくるまで変なことをされる。それなのに一晩中、一緒にいると思うと、嫌な気持ちで胸の中がいっぱいになった。
それにエリザちゃんはお姉ちゃんにも、あんなひどいことをしていた。学校がある日は、夕飯の準備があるからお姉ちゃんには何もしていなかったけれど、泊まっていくということは、夜中に何かひどいことをするつもりだろう。お母さんだって危ないかもしれない。
分かっているけれど、私には何もできない。
私はお姉ちゃんを助けることができなかった。乳首にピアスを刺すことができなかった。私はもうどうしたらいいのか分からなかった。
私が死んで解決するのなら──そう思っていたけれど、今さら私が死んでも、エリザちゃんはお姉ちゃんを逃さないだろう。
本当のことかは分からないけれど、お姉ちゃんは私たち家族のために体を売っていて、エリザちゃんはお金を払ってお姉ちゃんを買ったらしい。そしてその場所に私を連れて行って、姉妹であんなことをさせた。
エリザちゃんが私とお姉ちゃんにあんなことをさせたのは「家族になるため」だと言った。それがどういうことなのか私には理解できなかった。
私もお姉ちゃんも、エリザちゃんに逆らうことができない。こんな恐怖で支配するのが、エリザちゃんのいう家族なのだろうか。
「おっと」
不意にエリザちゃんが私のあそこから手を離す。
「今、イキそうだったでしょ?」
エリザちゃんの手つきは、前は強引で痛かったけれど、最近は撫でるように、優しくさすってくる。その手つきが嫌だった。痛い方がマシだった。
「まだおあずけ」
エリザちゃんが目を細めて、意地悪く笑う。
私の体は、エリザちゃんの手でおかしくなってしまった。
ゆっくりとあそこをいじられていると、熱いものが滲んできて、濡れてくる。それが感じるということだと、エリザちゃんに教えられた。そしてお姉ちゃんがしたように、私がお姉ちゃんにしてしまったことのように、おしっこを我慢できなくなって漏らしてしまうことをイクというらしい。
私はエリザちゃんの手でイキたくなんてないし、感じてしまうことが嫌だった。
「ね、ハナちゃん、私上手になったでしょ?」
こんなことなら前の方がよかったけれど、かといって痛いのも嫌だった。何もしないでほしかった。
「いっぱい練習したんだよ」
そうエリザちゃんは笑った。琥珀色の瞳を細めて、八重歯をのぞかせて。
その練習が、お姉ちゃんでしたことなのは分かっている。
お姉ちゃんがずっと、こんなことをされていたと思うと、胸が痛かった。
「次はハナちゃんが私にして」
エリザちゃんが私の手をとってスカートの中に入れる。ほのかに湿った彼女の下着に私の指が触れた。そのままゆっくりと、ふくらんだ彼女の感触をこする。
「あ、ハナちゃん……あ、んっ……」
エリザちゃんは私の体にもたれてくる。首筋に彼女の唇が触れた。まるでナメクジが這っているようで気持ちが悪かった。
「ね、そういえば……もうすぐ、お姉ちゃんの誕生日だね……ハナちゃんは、何するの……?」
「えっ」
エリザちゃんはあえぎながら、私の耳元で囁いた。なぜお姉ちゃんの誕生日を知っているのか、私はそれに驚いて、エリザちゃんのあそこを強く押してしまった。
「んっ……! ハナちゃん……」
エリザちゃんが苦しそうな声をあげて、私にしがみついた。
「ご、ごめんなさい……」
エリザちゃんに怒られるのではないかと思うと、私は怖くて漏らしそうになってしまった。
エリザちゃんが体を離すと、息のかかる距離で、その琥珀色の瞳で私の顔を映しながら微笑む。
「いいよ。ハナちゃんになら、痛いことされても」
そう言うと、私の唇に、その唇を重ねてきた。私はねじ込まれてくる舌を素直に受け入れた。
そんなことよりも──どうしてエリザちゃんがお姉ちゃんの誕生日を知っているのだろうか。私は嫌な気持ちになった。
お姉ちゃんの誕生日、去年、小学六年生だった私は、お姉ちゃんの似顔絵とメッセージを描いて渡した。あまりもらっても嬉しいものではないけれど、お姉ちゃんはすごく喜んでくれた。
エリザちゃんが私の口から舌を引き抜き、唇を離すと、とても楽しそうな様子で言う。
「ね、お姉ちゃんの誕生日、二人で何か料理でもつくらない? きっとお姉ちゃん、びっくりするだろうな。喜んでくれるかな」
「でも、私、料理できないし……」
「私もできないけど、二人でがんばろうよ! あ、実はお姉ちゃんの誕生日の一日前が、マリーちゃんの誕生日なの。ダリアちゃんと準備する予定だから、一緒にお姉ちゃんへのプレゼントも準備しない?」
私はエリザちゃんが、お姉ちゃんに何かプレゼントすることが嫌だった。特に料理。
エリザちゃんがお姉ちゃんに変なことをするから。私たちにあんなことをさせたりするから。それだけではなくて、何か悪だくみをしていそうだから、なんて生やさしい理由ではない。
一昨日、エリザちゃんが私をお母さんから引き離すために、砂村さんと姫山さんに監視させていた時、あんな話を聞いてしまったから──
エリザちゃんは私のスカートの中に手を入れて、下着越しにあそこを撫でてくる。
「今日、楽しみだね」
エリザちゃんはまるで頭と体が別の意思で動いているようだった。私の体をもてあそびながら、そんなことしていないかのように、世間話をするような調子で言った。
エリザちゃんは今日、うちに泊まりにくる。
「お世話になるんだから、何かお土産買ってこうかな。何がいい?」
エリザちゃんが私に微笑みかける。
「別に……」
何もいらない。来ないでほしい。
エリザちゃんがうちに泊まりにくるなんて、全然楽しみじゃない。嫌だ。
いつも学校でこんなことをして、放課後はお姉ちゃんたちが帰ってくるまで変なことをされる。それなのに一晩中、一緒にいると思うと、嫌な気持ちで胸の中がいっぱいになった。
それにエリザちゃんはお姉ちゃんにも、あんなひどいことをしていた。学校がある日は、夕飯の準備があるからお姉ちゃんには何もしていなかったけれど、泊まっていくということは、夜中に何かひどいことをするつもりだろう。お母さんだって危ないかもしれない。
分かっているけれど、私には何もできない。
私はお姉ちゃんを助けることができなかった。乳首にピアスを刺すことができなかった。私はもうどうしたらいいのか分からなかった。
私が死んで解決するのなら──そう思っていたけれど、今さら私が死んでも、エリザちゃんはお姉ちゃんを逃さないだろう。
本当のことかは分からないけれど、お姉ちゃんは私たち家族のために体を売っていて、エリザちゃんはお金を払ってお姉ちゃんを買ったらしい。そしてその場所に私を連れて行って、姉妹であんなことをさせた。
エリザちゃんが私とお姉ちゃんにあんなことをさせたのは「家族になるため」だと言った。それがどういうことなのか私には理解できなかった。
私もお姉ちゃんも、エリザちゃんに逆らうことができない。こんな恐怖で支配するのが、エリザちゃんのいう家族なのだろうか。
「おっと」
不意にエリザちゃんが私のあそこから手を離す。
「今、イキそうだったでしょ?」
エリザちゃんの手つきは、前は強引で痛かったけれど、最近は撫でるように、優しくさすってくる。その手つきが嫌だった。痛い方がマシだった。
「まだおあずけ」
エリザちゃんが目を細めて、意地悪く笑う。
私の体は、エリザちゃんの手でおかしくなってしまった。
ゆっくりとあそこをいじられていると、熱いものが滲んできて、濡れてくる。それが感じるということだと、エリザちゃんに教えられた。そしてお姉ちゃんがしたように、私がお姉ちゃんにしてしまったことのように、おしっこを我慢できなくなって漏らしてしまうことをイクというらしい。
私はエリザちゃんの手でイキたくなんてないし、感じてしまうことが嫌だった。
「ね、ハナちゃん、私上手になったでしょ?」
こんなことなら前の方がよかったけれど、かといって痛いのも嫌だった。何もしないでほしかった。
「いっぱい練習したんだよ」
そうエリザちゃんは笑った。琥珀色の瞳を細めて、八重歯をのぞかせて。
その練習が、お姉ちゃんでしたことなのは分かっている。
お姉ちゃんがずっと、こんなことをされていたと思うと、胸が痛かった。
「次はハナちゃんが私にして」
エリザちゃんが私の手をとってスカートの中に入れる。ほのかに湿った彼女の下着に私の指が触れた。そのままゆっくりと、ふくらんだ彼女の感触をこする。
「あ、ハナちゃん……あ、んっ……」
エリザちゃんは私の体にもたれてくる。首筋に彼女の唇が触れた。まるでナメクジが這っているようで気持ちが悪かった。
「ね、そういえば……もうすぐ、お姉ちゃんの誕生日だね……ハナちゃんは、何するの……?」
「えっ」
エリザちゃんはあえぎながら、私の耳元で囁いた。なぜお姉ちゃんの誕生日を知っているのか、私はそれに驚いて、エリザちゃんのあそこを強く押してしまった。
「んっ……! ハナちゃん……」
エリザちゃんが苦しそうな声をあげて、私にしがみついた。
「ご、ごめんなさい……」
エリザちゃんに怒られるのではないかと思うと、私は怖くて漏らしそうになってしまった。
エリザちゃんが体を離すと、息のかかる距離で、その琥珀色の瞳で私の顔を映しながら微笑む。
「いいよ。ハナちゃんになら、痛いことされても」
そう言うと、私の唇に、その唇を重ねてきた。私はねじ込まれてくる舌を素直に受け入れた。
そんなことよりも──どうしてエリザちゃんがお姉ちゃんの誕生日を知っているのだろうか。私は嫌な気持ちになった。
お姉ちゃんの誕生日、去年、小学六年生だった私は、お姉ちゃんの似顔絵とメッセージを描いて渡した。あまりもらっても嬉しいものではないけれど、お姉ちゃんはすごく喜んでくれた。
エリザちゃんが私の口から舌を引き抜き、唇を離すと、とても楽しそうな様子で言う。
「ね、お姉ちゃんの誕生日、二人で何か料理でもつくらない? きっとお姉ちゃん、びっくりするだろうな。喜んでくれるかな」
「でも、私、料理できないし……」
「私もできないけど、二人でがんばろうよ! あ、実はお姉ちゃんの誕生日の一日前が、マリーちゃんの誕生日なの。ダリアちゃんと準備する予定だから、一緒にお姉ちゃんへのプレゼントも準備しない?」
私はエリザちゃんが、お姉ちゃんに何かプレゼントすることが嫌だった。特に料理。
エリザちゃんがお姉ちゃんに変なことをするから。私たちにあんなことをさせたりするから。それだけではなくて、何か悪だくみをしていそうだから、なんて生やさしい理由ではない。
一昨日、エリザちゃんが私をお母さんから引き離すために、砂村さんと姫山さんに監視させていた時、あんな話を聞いてしまったから──
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