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5話 デタラメ?

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 ざわざわとあたりがざわめく。いったいなぜ。そんな声が両手で抱え切れないほど聞こえてくる。
「ふむ。シャーロット王女、理由を聞いても構わんかね」
リアム様が驚いて私の方を見ている中、王様だけは冷静だった。もしかしたらご存知だったのかもしれない。
「はい、それはリアム様が沢山の御令嬢方と恋愛関係にあるからです」
そこに愛はないのだろうが、あえて恋愛関係と言い放つ。これは浮気なのですと、なるべくわかりやすく伝えるために。
 聞こえてくる声が一気に小さくなった。心当たりのある人がいるからだろう。もしかしたら自分たちにも何かあるかもしれない。それを恐れているのではないだろうか。
「それは事実かね」
髭を撫でながら王様は私たちを見下ろした。ここで弱気になってはいけない。最後まできちんと笑顔でやり通さないと。
「はい、王様。これをご覧ください」
窓という窓に映像が映し出される。
「ねえ、リアム様。私たちのこと愛していますか。婚約者の王女様よりも」
注意、プライバシー保護のためリアム様以外の顔と声は変えさせていただいております。
「ああ、もちろんさ。あんな弱そうな女」
私達王家の人間は1人に1つずつ魔法の付与された道具が配られる。ウィリアムの記録する魔道具でこの映像を記録し、イザベラの映し出せる魔道具でそれを窓に映し出す。そして私の全てを隠せる魔道具で御令嬢方の声と顔を隠させていただいたのだ。
「で、デタラメだ」
リアム様の声が響く。その声は耳が痛くなるほど大きかった。
「この女が嘘をついているんだ。そんなもの魔法でいくらでも作り出せるだろ」
確かに、そうだそうだと小さな声が聞こえてくる。浮気に加担していた方達はなかったことにしてしまった方が都合が良いのだろう。
 けれど、確かにリアム様の言う通りなのだ。魔法のあるこの世界。映像を作り出そうと思えばいくらでも偽造できる。だからこそ重要なのはどれだけの人に信じてもらえるかだったのだが、まさかこんなに浮気に加担している者が多いとは思わなかった。
「それが偽物ではないと言う証拠を見せてみろ」
なんと返せば良いのかわからない。私は動くことすらできずに彼を見ていた。そんな時。
「まあ、浮気の件がなくとも兄上は王位継承権を失うことになりますがね」
救いの声が上がった。
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