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10話 掃除をして料理をして
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二番に掃除。これは洗濯機が回っている間に済ませてしまおう。掃除機はお父さんが休みの日にやるそうだし今日はしなくてもいいだろう。
「掃除機は毎日かける必要はありません。そんな時間もありませんし。一週間に一回くらいが妥当でしょう」
掃除は毎日よく使うところを少ししておけばいい。できないところは週末にまとめてやればいいのだから。この家にはちょうどモップがあるようだし、それを使わせてもらおう。
「洗面所をお願いできますか」
トイレは後でやるとして……。
「スポンジで洗面ボウルを擦っておいてください。ああ、鏡は雑巾でお願いします」
鏡は水の跡が残らないように水拭きしたあと、乾拭きで拭いてくださいね。私がそういって微笑すると、正樹様は楽しそうに笑って頷いた。
三番に料理。作り置きのおかずも特にないし、何か適当に作りますか。
「簡単なものでいくと……オムライスとかいいかもしれませんね」
正樹様は料理をした経験がほとんどないのだという。学校の調理実習でも他の子達に任せきりで精々包丁を使ったことがあるくらいなのだとか。
「包丁の使い方は上手ですね」
正樹様の表情からそんなにできないのかと少し心配だったのだがそこまでではないようだ。包丁もちゃんと扱えている。
小さくした野菜をお皿の上に並べラップをかける。
「炒めるんじゃないんですか」
正樹様が不思議そうに聞いてきたので私は野菜の入ったお皿を電子レンジに入れながらその疑問に答えた。
「電子レンジで温めてからだと、炒める時間が短く済むんですよ」
正樹様はそうなんですかと抑えきれない好奇心を丸見えにしながらレンジの中で回るお皿を見つめていた。
最後の洗濯物を物干し竿にかけ終えて3人で笑う。流石にお嬢様もこれはできるようだったので、たまには、といって体験してもらったのだ。3人でやったほうが早く済むし、台所のように人数が多くて狭い、とはならないからなのだが、思ったよりも時間がかかってしまった。
「服が風に煽られて落ちないように洗濯バサミをうまく使ってくださいね」
というと気がつけば洗濯バサミだらけになっていた。加減というものを知って欲しいものだ、全く。
「あ、そろそろお父さんが帰ってくる時間だ」
気がつけばもう夕方だ。正樹様のお父様は家事をするためにいつも早く帰ってくるのだという。そんなに家事に時間がかかっているのか。私は執事だから仕事が家事だからな。家事と仕事の両立はやはり難しいのだろう。子供がいると、洗濯物や料理の量も増えて余計に。
玄関の前から気配がする。どうやら帰ってきたようだ。
「じゃあ、私たちは正樹くんの部屋にいるから」
そういって私たちは正樹様の自室から様子を窺っていた。
「掃除機は毎日かける必要はありません。そんな時間もありませんし。一週間に一回くらいが妥当でしょう」
掃除は毎日よく使うところを少ししておけばいい。できないところは週末にまとめてやればいいのだから。この家にはちょうどモップがあるようだし、それを使わせてもらおう。
「洗面所をお願いできますか」
トイレは後でやるとして……。
「スポンジで洗面ボウルを擦っておいてください。ああ、鏡は雑巾でお願いします」
鏡は水の跡が残らないように水拭きしたあと、乾拭きで拭いてくださいね。私がそういって微笑すると、正樹様は楽しそうに笑って頷いた。
三番に料理。作り置きのおかずも特にないし、何か適当に作りますか。
「簡単なものでいくと……オムライスとかいいかもしれませんね」
正樹様は料理をした経験がほとんどないのだという。学校の調理実習でも他の子達に任せきりで精々包丁を使ったことがあるくらいなのだとか。
「包丁の使い方は上手ですね」
正樹様の表情からそんなにできないのかと少し心配だったのだがそこまでではないようだ。包丁もちゃんと扱えている。
小さくした野菜をお皿の上に並べラップをかける。
「炒めるんじゃないんですか」
正樹様が不思議そうに聞いてきたので私は野菜の入ったお皿を電子レンジに入れながらその疑問に答えた。
「電子レンジで温めてからだと、炒める時間が短く済むんですよ」
正樹様はそうなんですかと抑えきれない好奇心を丸見えにしながらレンジの中で回るお皿を見つめていた。
最後の洗濯物を物干し竿にかけ終えて3人で笑う。流石にお嬢様もこれはできるようだったので、たまには、といって体験してもらったのだ。3人でやったほうが早く済むし、台所のように人数が多くて狭い、とはならないからなのだが、思ったよりも時間がかかってしまった。
「服が風に煽られて落ちないように洗濯バサミをうまく使ってくださいね」
というと気がつけば洗濯バサミだらけになっていた。加減というものを知って欲しいものだ、全く。
「あ、そろそろお父さんが帰ってくる時間だ」
気がつけばもう夕方だ。正樹様のお父様は家事をするためにいつも早く帰ってくるのだという。そんなに家事に時間がかかっているのか。私は執事だから仕事が家事だからな。家事と仕事の両立はやはり難しいのだろう。子供がいると、洗濯物や料理の量も増えて余計に。
玄関の前から気配がする。どうやら帰ってきたようだ。
「じゃあ、私たちは正樹くんの部屋にいるから」
そういって私たちは正樹様の自室から様子を窺っていた。
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