7 / 17
7話 プレゼント
しおりを挟む
あれから何日かして10月12日がやってきた。私、ガーベラの誕生日だ。今日は朝起きた時からウキウキしていた。今日で私は6歳になるのだが今日の夜、家で開かれる私の誕生日パーティーには私の婚約者としてロー様もきてくださるらしい。それが嬉しくてたまらないのだ。ロー様は私の婚約者であり、私の好きな人であると同時に私が唯一知っている同年代の子供でもある。私の中身は優香が死んだのは16歳の時だからもう私は二十代お姉さんなのだが、体に引っ張られるのかどうも私の精神年齢は幼い。
そういえば、お父様とお母様が私のために素晴らしいプレゼントを用意してくれたらしい。お昼ご飯のタイミングで呼ぶとかおっしゃっていたな。呼ぶということは生き物なのだろうか。可愛い小鳥とかだったら嬉しいな。私は前世でも小鳥を買っていたから、鳥は大好きだ。窓の外の可愛らしい小鳥たちを眺める。そろそろメイドが昼食だと呼びにくる時間だろうか。そう思ってドアの方を振り返ると、コンコンコン、とノックの音が聞こえてきた。来たんだ。
「お嬢様、お昼の時間でございます。皆様がお待ちです」
笑顔でメイドについていく私に、メイドも笑顔で応えてくれた。
食堂に着くと、もうすでにお父様とお母様もいらっしゃった。その横には、見知らぬ男の子がいる。メイド長や執事長もいる。もしかして、プレゼントって。
「ガーベラ。この子がプレゼントだよ」
やっぱりそうか。人がプレゼルとだなんて、私の両親も面白いことを考えるものだ。
「ありがとうございます」
一言お父様とお母様にお礼を言って、私はその男の子に向き直った。茶色の髪を後ろで束ねていて、顔立ちの整った綺麗な男の子。彼は執事の服を着ていた。おそらくこれからは私専属の執事として仕えてくれるのだろう。
「彼は家の前で行き倒れていてね。私が拾ったんだ」
私はその男の子に手を差し出し、握手を求めた。男の子は戸惑いながらも私の手を握ってくれた。
「よろしくね、私はガーベラ。あなたは」
私が男の子の手を握り返すと、その男の子ははにかみながら私の手を両手で優しく包んだ。
「マテオと申します。よろしくお願いします」
なんだかこっちまで恥ずかしくなりそうだ。
そういえば、お父様とお母様が私のために素晴らしいプレゼントを用意してくれたらしい。お昼ご飯のタイミングで呼ぶとかおっしゃっていたな。呼ぶということは生き物なのだろうか。可愛い小鳥とかだったら嬉しいな。私は前世でも小鳥を買っていたから、鳥は大好きだ。窓の外の可愛らしい小鳥たちを眺める。そろそろメイドが昼食だと呼びにくる時間だろうか。そう思ってドアの方を振り返ると、コンコンコン、とノックの音が聞こえてきた。来たんだ。
「お嬢様、お昼の時間でございます。皆様がお待ちです」
笑顔でメイドについていく私に、メイドも笑顔で応えてくれた。
食堂に着くと、もうすでにお父様とお母様もいらっしゃった。その横には、見知らぬ男の子がいる。メイド長や執事長もいる。もしかして、プレゼントって。
「ガーベラ。この子がプレゼントだよ」
やっぱりそうか。人がプレゼルとだなんて、私の両親も面白いことを考えるものだ。
「ありがとうございます」
一言お父様とお母様にお礼を言って、私はその男の子に向き直った。茶色の髪を後ろで束ねていて、顔立ちの整った綺麗な男の子。彼は執事の服を着ていた。おそらくこれからは私専属の執事として仕えてくれるのだろう。
「彼は家の前で行き倒れていてね。私が拾ったんだ」
私はその男の子に手を差し出し、握手を求めた。男の子は戸惑いながらも私の手を握ってくれた。
「よろしくね、私はガーベラ。あなたは」
私が男の子の手を握り返すと、その男の子ははにかみながら私の手を両手で優しく包んだ。
「マテオと申します。よろしくお願いします」
なんだかこっちまで恥ずかしくなりそうだ。
11
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説

他人の婚約者を誘惑せずにはいられない令嬢に目をつけられましたが、私の婚約者を馬鹿にし過ぎだと思います
珠宮さくら
恋愛
ニヴェス・カスティリオーネは婚約者ができたのだが、あまり嬉しくない状況で婚約することになった。
最初は、ニヴェスの妹との婚約者にどうかと言う話だったのだ。その子息が、ニヴェスより年下で妹との方が歳が近いからだった。
それなのに妹はある理由で婚約したくないと言っていて、それをフォローしたニヴェスが、その子息に気に入られて婚約することになったのだが……。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
悪役令嬢はもらい受けます
SHIN
恋愛
会場に響く声に誰もが注目する。
声を発したのは少し前に留学してきた美しい少女。
彼女は、婚約破棄され濡れ衣を被せられた悪役令嬢を救えるのか。
という婚約破棄物です。
欲望のままに書いたからながいです。
なんか、話が斜め横にいきました。あれぇ、主人公くんが暴走してる。
10/2完結。
10/9捕捉話。
SHIN

【完結】ざまぁなんて、おかしいですわ!!
紫宛
恋愛
第2王子殿下が侯爵令嬢を婚約破棄しようとしていた。
だが、そこに『待った』の声がかかる。
『待った』の声を掛けたのは、思わぬ人物だった。
タイトルと内容にズレ有り、迷走中。
4月28日
3話、第1王子→第2王子に変更。更に、王太子になる→王太子になる予定に変更しました。誤字の報告ありがとうございます。
※タイトル変更※
ざまぁなんて、おかしいですの!!
⇒ざまぁなんて、おかしいですわ!!

わたくしが悪役令嬢だった理由
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、マリアンナ=ラ・トゥール公爵令嬢。悪役令嬢に転生しました。
どうやら前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したようだけど、知識を使っても死亡フラグは折れたり、折れなかったり……。
だから令嬢として真面目に真摯に生きていきますわ。
シリアスです。コメディーではありません。

婚約破棄の、その後は
冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。
身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが…
全九話。
「小説家になろう」にも掲載しています。

【完結】もしかして悪役令嬢とはわたくしのことでしょうか?
桃田みかん
恋愛
ナルトリア公爵の長女イザベルには五歳のフローラという可愛い妹がいる。
天使のように可愛らしいフローラはちょっぴりわがままな小悪魔でもあった。
そんなフローラが階段から落ちて怪我をしてから、少し性格が変わった。
「お姉様を悪役令嬢になんてさせません!」
イザベルにこう高らかに宣言したフローラに、戸惑うばかり。
フローラは天使なのか小悪魔なのか…

辺境伯と悪役令嬢の婚約破棄
六角
恋愛
レイナは王国一の美貌と才能を持つ令嬢だが、その高慢な態度から周囲からは悪役令嬢と呼ばれている。彼女は王太子との婚約者だったが、王太子が異世界から来た転生者であるヒロインに一目惚れしてしまい、婚約を破棄される。レイナは屈辱に耐えながらも、自分の人生をやり直そうと決意する。しかし、彼女の前に現れたのは、王国最北端の辺境伯領を治める冷酷な男、アルベルト伯爵だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる