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第1章 とりあえず入れ物=アバターゲットだぜ?
登録して宜しいですか? YES or No
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「あー、疲れたー、終わったーもう動けない」
「俺たち24時間働けるよ?」
死人の社畜ジョークやめろ。本当に終わりがないからエンドレス社畜になりそうで怖い。
というわけで異世界役場登録が終わった。
「異世界役場、これ通称なんですよね、このシステムを現世に持ち込んだせいか、今度は死者の方が、異世界ギルドとか言い出して。実際手続きを終えると、んー、なんか役場言った気分」
とおっしゃるんです。
私の時にはまだお役場なんてなくて、最初は不思議でしたねぇ。
私ですか?私の頃は、安土桃山時代って言うらしいです!皆さんこれ言うと羨ましがるんですよー
私織田信長様のとこで働いてたんです!
とにこやかな女性。わお、リアル戦国時代な人だ。凄い。
「天界門登録所が正式名称なんだよ。ここはいわゆるあの世の入口だからね」
「どっちかというと免許センターみたいって私は思ったけどね」
現世で犯罪を犯した人はこの登録が済むと違反者講習のように何ヶ月も教育DVDを見てポイントを稼いだり、学校で成績を上げてポイントを稼がないと認識番号が発行されないらしい。
番号が発行されても大概の人はゼロに近いポイントからのスタートだけれど、犯罪を犯した人はマイナススタートだからそこを補うわけ。
発行後、効率よくポイントを稼ぐならスキルがあった方がいいからと学校で学ぶ人もいれば、実践を地道に重ねていく人もいる。
ポイントは売買不可だから、自分の身だけが頼りだ。
地獄はあの世にはなかった。
一部の、本当にどうしようもないものだけを集めた矯正施設はあるらしいが。
そしてあの世は現世よりも地獄だった。
捉え方はそれぞれだ。
さて。
次の通過地点は一周忌か。ここで今後しばらくどうするか。決めてもいいし、体験という形の仮登録でもいい。というのが方針らしい。
本登録は三回忌がリミットだが、一周忌、三回忌。どちらで本登録をかけたとしても、ポイントが貯まれば変更もし放題とのことだ。
また、例えば異世界役場の末端職から始めたとして、頭角を表せば、スカウトという形で出世していくというパターンもあるそうで、その場合ポイント加算はあれど消費はない。なんてお得なのだろう?
「どうする?体験までの1年まだ学校には通えないけど、見学は出来るし、色んな人に話を聞きに行くのも手だ。進路が決まってるからと2年のんびりする奴も中にはいるな」
何をしたいか。何が出来るのか。
分からない。分からないならやってみるしかないだろう。動かねば始まらないのだ。
「動くって顔だな。でもその前に、ちょっとだけ休憩しないか?」
あの世歓迎会ってことでさ。兄ちゃんの奢りだから安心しな。
まぁ確かに。体は元気だけれど、気持ちは摩耗する。
休息は、思考前の大事なプロセスだ。
「綺麗な景色見に行こうか。飲み食いは出来ないけどな。心の栄養ほど大事なものもないだろ?」
そうだ。無意識に煮詰まりそうな私をそうやって連れ出してくれたのだ。
思考癖のある私はたまに歯止めが効かずオーバーヒートしたように眠り込むこともあったけれど。
今日は。
「行こう」
風が気持ちいい。空は青くなくて、太陽は輝かない。星もない不思議な世界なのに。
頬に受ける風は変わらないのだと。
1歩。こちらの世界へと踏み出した。
「俺たち24時間働けるよ?」
死人の社畜ジョークやめろ。本当に終わりがないからエンドレス社畜になりそうで怖い。
というわけで異世界役場登録が終わった。
「異世界役場、これ通称なんですよね、このシステムを現世に持ち込んだせいか、今度は死者の方が、異世界ギルドとか言い出して。実際手続きを終えると、んー、なんか役場言った気分」
とおっしゃるんです。
私の時にはまだお役場なんてなくて、最初は不思議でしたねぇ。
私ですか?私の頃は、安土桃山時代って言うらしいです!皆さんこれ言うと羨ましがるんですよー
私織田信長様のとこで働いてたんです!
とにこやかな女性。わお、リアル戦国時代な人だ。凄い。
「天界門登録所が正式名称なんだよ。ここはいわゆるあの世の入口だからね」
「どっちかというと免許センターみたいって私は思ったけどね」
現世で犯罪を犯した人はこの登録が済むと違反者講習のように何ヶ月も教育DVDを見てポイントを稼いだり、学校で成績を上げてポイントを稼がないと認識番号が発行されないらしい。
番号が発行されても大概の人はゼロに近いポイントからのスタートだけれど、犯罪を犯した人はマイナススタートだからそこを補うわけ。
発行後、効率よくポイントを稼ぐならスキルがあった方がいいからと学校で学ぶ人もいれば、実践を地道に重ねていく人もいる。
ポイントは売買不可だから、自分の身だけが頼りだ。
地獄はあの世にはなかった。
一部の、本当にどうしようもないものだけを集めた矯正施設はあるらしいが。
そしてあの世は現世よりも地獄だった。
捉え方はそれぞれだ。
さて。
次の通過地点は一周忌か。ここで今後しばらくどうするか。決めてもいいし、体験という形の仮登録でもいい。というのが方針らしい。
本登録は三回忌がリミットだが、一周忌、三回忌。どちらで本登録をかけたとしても、ポイントが貯まれば変更もし放題とのことだ。
また、例えば異世界役場の末端職から始めたとして、頭角を表せば、スカウトという形で出世していくというパターンもあるそうで、その場合ポイント加算はあれど消費はない。なんてお得なのだろう?
「どうする?体験までの1年まだ学校には通えないけど、見学は出来るし、色んな人に話を聞きに行くのも手だ。進路が決まってるからと2年のんびりする奴も中にはいるな」
何をしたいか。何が出来るのか。
分からない。分からないならやってみるしかないだろう。動かねば始まらないのだ。
「動くって顔だな。でもその前に、ちょっとだけ休憩しないか?」
あの世歓迎会ってことでさ。兄ちゃんの奢りだから安心しな。
まぁ確かに。体は元気だけれど、気持ちは摩耗する。
休息は、思考前の大事なプロセスだ。
「綺麗な景色見に行こうか。飲み食いは出来ないけどな。心の栄養ほど大事なものもないだろ?」
そうだ。無意識に煮詰まりそうな私をそうやって連れ出してくれたのだ。
思考癖のある私はたまに歯止めが効かずオーバーヒートしたように眠り込むこともあったけれど。
今日は。
「行こう」
風が気持ちいい。空は青くなくて、太陽は輝かない。星もない不思議な世界なのに。
頬に受ける風は変わらないのだと。
1歩。こちらの世界へと踏み出した。
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