【実体験アリ】怖い話まとめ

科学の先生

　私の友人が高校時代に科学の先生から聞いた話になる。

　若い頃に先生は友人とドライブへ行くことが趣味で、海や山によく出掛けていた。ある日海へ行った帰りに友人から「肝試しをしよう」と言われ、山の中にあるKトンネルへと向かうことになった。

　Kトンネルは地元では有名な心霊スポットで「走っている最中に女の霊を見た」や「クラクションを鳴らすと幽霊に車を叩かれる」など、怖い噂が後を絶たなかった。

　1時間ほどの運転で先生と友人達はKトンネルへ到着した。Kトンネルは現在も使われているトンネルだったが、夜遅いこともあって、他の車を見かけることはなかった。

　Kトンネルは長く使われていたトンネルだけあって入口は草で覆われており、天井が高く不気味だった。最初は肝試しに乗り気だった先生だったが、Kトンネルを見ると「これ以上進みたくないな」という気持ちになった。

　友人Tと先生の車二台を使ってトンネルまで来ていたので、先生はTに「俺はトンネルの入り口で待っている」と伝えた。TとTの車に乗っていた友人達はそれを聞くと「怖がり過ぎだ」と言い、笑いながらトンネルの中へと走っていった。先生は車をトンネルの近くの空いたスペースに寄せて待っていた。

　それからしばらくは何もなく、先生が「流石にそろそろ帰りたいな」と思っていた時だった。足音が聞こえてきた。足音の方へ目を向けるとTの車に乗っていた友人二人が走って来る様子が見えた。先生が窓を開けて声をかけると「早く車を開けて！！」と叫ばれた。先生はロックを解除して開けると友人二人は後部座席へと乗り込んできた。友人二人は息を切らしながら「早く車を走らせて！！」と先生に言った。先生はあまりの剣幕に驚いて車を走らせた。山の中にあるコンビニに到着すると後部座席に乗っていた友人達も落ち着き、話を聞くことができた。

　Kトンネルの中へ入ってクラクションを鳴らしてみたが何も起こらない。帰ろうかと言いだした時に、Tの様子がおかしいことに気が付いた。Tに話しかけてみると「足元を見てくれ」と言うので見ると、Tの足を何かの手が掴んでいた。幽霊だと思いTを車の中に置いて走って逃げて来たとのことだった。

　それを聞いた先生は震えました。Tの様子を見に行きたいが、怖くて動けなかったため朝まで時間を潰してからKトンネルへ向かった。恐る恐るトンネルへ入ったが、Tの車やTはどこにもいなかった。そのままTは行方不明になり、今も行方が分からない。

　先生は車を含めてお祓いをしてもらったため、その後は不思議なことは起こっていないそうだが、「心霊スポットには面白半分に行くべきではない」と話していた。