【実体験アリ】怖い話まとめ

地元のデパート

　私が小学生の時によく行っていたデパートがある。レストラン、薬局、スーパー、ゲームセンター、雑貨などがある一般的なデパートだった。お祭りやフリーマーケットが開催されていたこともあり、当時は賑わっていた。
　
　しかし、大型デパートの進出やテナント数の減少の影響で徐々にお客さんが減っていった。私も高校生になってからは滅多に行くことがなくなった。ある日母親とドライブ中にたまたまそのデパートの前を通ったため、

「今もあのデパートお客さんいるのかな」

　と聞いてみたら母親が神妙な面持ちでデパートについて話した。

　ある日デパートにあるレストランで食事をしていたお客さんから「水がマズイ」と声があった。他の飲食店や従業員からも「水が濁っている」「変な臭いがする」と声が上がった。流石におかしいと気が付いたデパートの管理者が水道水として使っている受水槽を開けてみると男性の水死体があった。男性は飛び降り自殺した時に水槽の天井を破って受水槽に落ちたらしく、水死体は死後一か月ほど経っていたという。母親が

「それで今お客さんが大分減っているのよ。そんなことがあったら仕方ないわね」

　と話していた。

　その数か月後、私は都市伝説が紹介されている本を購入して読んでいたら、地元のデパートの話がなんと掲載されていた。場所は某〇県とあやふやにされていたが、話の内容が全く同じだったため地元のデパートだとすぐに分かった。「都市伝説は嘘か本当か分からない」と思っていたが、実話もあるのだと知った瞬間だった。

　地元のデパートは建物を改装するため現在は閉館している。