【実体験アリ】怖い話まとめ

修学旅行の帰りに

　中学時代に出会った友人の怖い話。その友人は霊感があるタイプであり、不思議な出来事に遭遇することがよくあった。トラックとの衝突事故でも無傷であったり、幽体離脱をして町内を一周したりと不思議な出来事をよく語ってくれていた。その友人に

「何か怖い話ある？」

　と聞いた時に、修学旅行の帰りに起きた事を聞かせてくれた。

　修学旅行先を巡り、帰りは大型バスに乗って学校まで戻ってきた。学校から自宅まで歩いて帰り、玄関の扉を開けようとした所で友人は家の鍵がないことを思い出した。この日は父親も母親も仕事で家におらず、祖母もたまたま出掛けていたため、誰も家にいなかった。

　どうしようかと悩んだ時に友人は思い出した。友人はよく鍵を忘れることが多いため、家に誰もいない時に母親か祖母が裏庭の窓を一つ開けておいてくれることがあった。今回も窓が開いてあると思った友人は裏庭まで向かい、鍵がかかっていない窓を見つけた。窓をあけて持っていた荷物を窓に押し込み、友人も靴を持って家に入りました。荷物を廊下に置き、靴を玄関に置こうとした時だった。


　ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン！！！！！！


　玄関の扉がけたたましく音を立て始めた。びっくりして友人は扉を見たが、風で揺れているというわけでなく、誰かが必死に扉を強く叩いているような揺れ方だった。音は扉全体からしており、一人だけなく複数人が扉を激しく叩いているようだった。しかし、扉の小窓を見ても人影はなかった。
　
　友人は怖くなり、靴を玄関に投げ捨てると二階にある自分の部屋まで走った。部屋に入ると扉を閉め、ベッドに潜り扉の音がなくなるのを息を潜めて待った。
　しばらくすると音がなくなり、友人は疲れと緊張からかそのままベッドで寝てしまった。

「ただいまー」

　母親の声で友人は目が覚めた。母親が帰宅したことに安堵して階段を降りると玄関にいる母親に言われた。

「あんた、扉に手形がいっぱい付いているけど、汚れた手でペタペタ触った？」

　友人は青ざめながら確認すると扉の外側は手形まみれだった。友人いわく修学旅行で知らない霊を沢山連れて来たのではないかと、あの時玄関から家に入っていたらどうなっていたのかと……最後に友人は修学旅行先が広島と長崎だったことを話してくれた。