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8.アトラクション編-1
8.アトラクション編-1
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予定変更して、また更新です。
もっとも、明日はお休み。
次回は木、金辺りになりそうです。
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「あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ――!!」
――舞台には、奇怪な笑い声が響き渡っていた。
「ふふふ……いよいよ最期の刻が来たようだな……」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
「我が帝国の恐ろしさが分かったか――」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……ッッ!!」
「あの……ちょっと滝流クン、もうちょっと静かに……」
「あひゃひゃひゃひゃッッ!!」
――舞台には四人が立っていた。
中央で目立っているのが蒼生と港田滝流。
端にいるのは五十嵐柚一。
そして進一郎は中央に立っているが、「木」の着ぐるみに身を包んでいた。
行われているのは滝流を主演とするアトラクション、『超疾光シシオウジャー』ショー。
滝流は以前演じていたヒーロー、『流星小年タロン』のスーツを改造して、オリジナルヒーローを演じていた。
深い切れ込みが入り、脚を露出させたレオタードにベルト、ヘルメットという60年代SFヒーロー的なスタイルの彼は今、しかし壁に四肢を戒められ、動けないでいた。
そう、蒼生の演じる悪の帝国の大幹部「紫衣将軍」に囚われていたのだ。
その純白のレオタードには何やらエロアニメにありがちな「触手」が入り込み、彼の身体の上をのたくっている。
滝流がさっきから素っ頓狂な笑い声を上げていたのは、この「触手」に愛撫され、くすぐったいせいだったのだ。
本来は「触手型バイブ」として作られ、ローションを塗られたそれ、もう少し別な箇所を刺激していたら、滝流の反応も違っていたろうが――。
そんなわけで、本来ならば苦しむ演技をしなければならないのにもかかわらず、滝流は笑い続けていた。
蒼生は何とか芝居を元の軌道に戻そうと、セリフを続けた。
「ふふ……笑っていられるのも今のうちだ、シシオウジャー。そのメカ触手は今に、お前のエネルギーの全てを吸い尽くす!!」
紫衣将軍という名の通りに紫の、古代中国風の衣装に身を包んだ、性別不明の悪の大幹部、というのが彼の役どころだ。
「もはや、ユリン姫の秘密は、我が帝国のものとなったも同然!」
邪悪な笑みを浮かべ、蒼生が人差し指で指し示す先には、柚が滝流同様、四肢を戒められていた。
彼女の役どころは蒼生の言葉でも分かる通り、「ユリン姫」。
西洋風の純白のドレスに身を包んだ彼女は今、悪の帝国にさらわれ、十字架に磔にされていた。
彼女はShe-XXXY'sのメンバーで、小学五年生の11歳。
普段の外はねのショートカットの上から腰にまで伸びたロングのウィッグを被り、いつもの意志の強そうな瞳で滝流へと訴えた。
「あ……あぁ……っ! シシオウジャー、私に構わず……私のことは構わず、戦ってください!!」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
しかし姫の必死の懇願にもかかわらず、まだ滝流は馬鹿笑いを続けていた。
「あの、蒼生クン、このままじゃしょうがないし――」
進一郎が、小声で蒼生に耳打ちする。
悪の帝国の秘密基地にもかかわらず、進一郎はどうしたわけかそのど真ん中に立つ「木」の中に潜んでいた。というのも、舞台の様子を間近で撮影するためだ。
「ほら……みんなおしっこ我慢してるところだから……これ以上刺激すると、滝流クン、もらしちゃうかも……」
「ふむ……」
蒼生も進一郎の進言に頷き、滝流へと歩み寄っていった。
「あひゃ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
触手はポリエステル製の白いレオタードの中で蠢き、彼の身体を撫で回していた。
ローションにまみれたそれのため、レオタードもまたぐっしょりとぬれそぼり、敏感に反応して勃ってしまった薄桃色の乳首も、そしてハイレグのレオタードに収まる少年の幼い茎も、ポリエステルにぴったりと貼りついて、すっかり透けて浮かび上がってしまっていた。
やむを得ない、蒼生は滝流を磔にしている舞台装置のスイッチをオフにする。
と、電気仕掛けの触手はようやく、その動きを止めた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……! あ……」
ようやく身体への愛撫が終わり、滝流はがっくりと項垂れた。
「あぁ……もう……くたくただ……ゾ……」
滝流は小学四年生の10歳。常にハイテンションで元気なことは、身体のあちこちに作ったすり傷、低い鼻に貼られた絆創膏からも分かる。
しかしさすがに疲れたのか、今の彼はその弛緩した身体を装置に預けて無言になってしまった。
「ふふふふふ……とうとう笑う元気もなくし、精も根も尽き果てたか、シシオウジャーよ……ムリもない、お前のエネルギーは全て奪い取った。戦う力はもう、残されてはいまい」
蒼生はすらすらと、状況にあわせてアドリブを飛ばす。
彼は役どころ同様に長く美しい髪に鼻梁の美少年。
小学五年生の11歳だが、常に冷静で頭脳明晰な性格だからこそ、場を仕切ることができた。
何とかうまくいきそうだと、進一郎が「木」の中で安堵のため息をつくうちにも、蒼生は――否、紫衣将軍は舞台のもう片方へと歩み寄り、柚、否、ユリン姫へと呼びかけた。
「シシオウジャーが無力化できたところで、いよいよご協力いただきましょうか」
「きょ……協力、ですって……っ!?」
十字架の上で、柚は身をよじらせる。
頭のよさなら蒼生に負けない彼女だが、少々お堅く生真面目すぎる性格が災いして、上手くアドリブ芝居に調子をあわせることができない。
蒼生はそんな彼女の性格を考えつつ、何とか芝居を続けようと苦慮していた――。
もっとも、明日はお休み。
次回は木、金辺りになりそうです。
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「あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ――!!」
――舞台には、奇怪な笑い声が響き渡っていた。
「ふふふ……いよいよ最期の刻が来たようだな……」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
「我が帝国の恐ろしさが分かったか――」
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……ッッ!!」
「あの……ちょっと滝流クン、もうちょっと静かに……」
「あひゃひゃひゃひゃッッ!!」
――舞台には四人が立っていた。
中央で目立っているのが蒼生と港田滝流。
端にいるのは五十嵐柚一。
そして進一郎は中央に立っているが、「木」の着ぐるみに身を包んでいた。
行われているのは滝流を主演とするアトラクション、『超疾光シシオウジャー』ショー。
滝流は以前演じていたヒーロー、『流星小年タロン』のスーツを改造して、オリジナルヒーローを演じていた。
深い切れ込みが入り、脚を露出させたレオタードにベルト、ヘルメットという60年代SFヒーロー的なスタイルの彼は今、しかし壁に四肢を戒められ、動けないでいた。
そう、蒼生の演じる悪の帝国の大幹部「紫衣将軍」に囚われていたのだ。
その純白のレオタードには何やらエロアニメにありがちな「触手」が入り込み、彼の身体の上をのたくっている。
滝流がさっきから素っ頓狂な笑い声を上げていたのは、この「触手」に愛撫され、くすぐったいせいだったのだ。
本来は「触手型バイブ」として作られ、ローションを塗られたそれ、もう少し別な箇所を刺激していたら、滝流の反応も違っていたろうが――。
そんなわけで、本来ならば苦しむ演技をしなければならないのにもかかわらず、滝流は笑い続けていた。
蒼生は何とか芝居を元の軌道に戻そうと、セリフを続けた。
「ふふ……笑っていられるのも今のうちだ、シシオウジャー。そのメカ触手は今に、お前のエネルギーの全てを吸い尽くす!!」
紫衣将軍という名の通りに紫の、古代中国風の衣装に身を包んだ、性別不明の悪の大幹部、というのが彼の役どころだ。
「もはや、ユリン姫の秘密は、我が帝国のものとなったも同然!」
邪悪な笑みを浮かべ、蒼生が人差し指で指し示す先には、柚が滝流同様、四肢を戒められていた。
彼女の役どころは蒼生の言葉でも分かる通り、「ユリン姫」。
西洋風の純白のドレスに身を包んだ彼女は今、悪の帝国にさらわれ、十字架に磔にされていた。
彼女はShe-XXXY'sのメンバーで、小学五年生の11歳。
普段の外はねのショートカットの上から腰にまで伸びたロングのウィッグを被り、いつもの意志の強そうな瞳で滝流へと訴えた。
「あ……あぁ……っ! シシオウジャー、私に構わず……私のことは構わず、戦ってください!!」
「あひゃひゃッ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
しかし姫の必死の懇願にもかかわらず、まだ滝流は馬鹿笑いを続けていた。
「あの、蒼生クン、このままじゃしょうがないし――」
進一郎が、小声で蒼生に耳打ちする。
悪の帝国の秘密基地にもかかわらず、進一郎はどうしたわけかそのど真ん中に立つ「木」の中に潜んでいた。というのも、舞台の様子を間近で撮影するためだ。
「ほら……みんなおしっこ我慢してるところだから……これ以上刺激すると、滝流クン、もらしちゃうかも……」
「ふむ……」
蒼生も進一郎の進言に頷き、滝流へと歩み寄っていった。
「あひゃ! あひゃひゃひゃひゃ……ッ!!」
触手はポリエステル製の白いレオタードの中で蠢き、彼の身体を撫で回していた。
ローションにまみれたそれのため、レオタードもまたぐっしょりとぬれそぼり、敏感に反応して勃ってしまった薄桃色の乳首も、そしてハイレグのレオタードに収まる少年の幼い茎も、ポリエステルにぴったりと貼りついて、すっかり透けて浮かび上がってしまっていた。
やむを得ない、蒼生は滝流を磔にしている舞台装置のスイッチをオフにする。
と、電気仕掛けの触手はようやく、その動きを止めた。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ……! あ……」
ようやく身体への愛撫が終わり、滝流はがっくりと項垂れた。
「あぁ……もう……くたくただ……ゾ……」
滝流は小学四年生の10歳。常にハイテンションで元気なことは、身体のあちこちに作ったすり傷、低い鼻に貼られた絆創膏からも分かる。
しかしさすがに疲れたのか、今の彼はその弛緩した身体を装置に預けて無言になってしまった。
「ふふふふふ……とうとう笑う元気もなくし、精も根も尽き果てたか、シシオウジャーよ……ムリもない、お前のエネルギーは全て奪い取った。戦う力はもう、残されてはいまい」
蒼生はすらすらと、状況にあわせてアドリブを飛ばす。
彼は役どころ同様に長く美しい髪に鼻梁の美少年。
小学五年生の11歳だが、常に冷静で頭脳明晰な性格だからこそ、場を仕切ることができた。
何とかうまくいきそうだと、進一郎が「木」の中で安堵のため息をつくうちにも、蒼生は――否、紫衣将軍は舞台のもう片方へと歩み寄り、柚、否、ユリン姫へと呼びかけた。
「シシオウジャーが無力化できたところで、いよいよご協力いただきましょうか」
「きょ……協力、ですって……っ!?」
十字架の上で、柚は身をよじらせる。
頭のよさなら蒼生に負けない彼女だが、少々お堅く生真面目すぎる性格が災いして、上手くアドリブ芝居に調子をあわせることができない。
蒼生はそんな彼女の性格を考えつつ、何とか芝居を続けようと苦慮していた――。
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