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1.美人コンテスト INTRODUCTION
1.美人コンテスト INTRODUCTION
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「――さて、始まりました晶瑞学園文化祭名物、美人コンテスト!!」
文化祭当日。
進一郎は取材記者として、晶瑞学園の撮影スタジオにいた。
ステージには顔なじみの少年たちが、白スク水を着て並んでいる。
彼らは『WWW』が扱う中でも、「Pre Semination Age」、略して「PSA」と呼ばれていた。
【semination】というのは、「射精」の意味であり、プレセミネーションエイジというのは、まだ射精できない少年たちのこと。
そんなオトコの子/娘たちの、進一郎は言わば専属記者だ。
「集まってもらったこの九名にはまず、スポンサーのショーノギ製薬の新製品、OmoreCを試飲していただきます!」
ノリノリで司会進行を務めるのは江木月洩斗と尾根河そそおのふたり。
まだ11歳の小学五年生だが、折り目正しいベストとネクタイ姿に、半ズボンという正装をしているふたり、一卵性双生児であり、ことに洩斗はアイドルグループ・ジャンボマンモスのセンターを務めるジュニアアイドルであり、司会ぶりも板についていた。
「OmoreCはビタミンOと、そしてビタミンCがたっぷりと含まれた新感覚の健康飲料で――」
滔々と、洩斗が解説する。
もっとも「ビタミンO」というのは厳密には「カルニチン」というビタミン様物質であり、ビタミンそのものではないが、この際それは、どうでもいい。
何しろ今、ステージ上でグラスに注がれ、少年たちが手にしているこの液体、「新発売の健康飲料」というのは嘘で、実は強力な利尿剤である――ということを、進一郎は知っていたのだから。
――みんなには悪いけど……感謝しなくちゃ、今回はぼく、ステージに立たずに済んだんだから……。
進一郎は胸を撫で下ろす。
14歳で既に精通を迎えている彼だが、第二次性徴を迎えていないかのような幼いルックスと、小柄な痩せた肢体。
今まで何かといえばPSAの少年たちに混じって、恥ずかしいあんなことやこんなことをやらされていた。
今回はそんな目にも遭わずに済むだろうと安堵の感情と共に、進一郎はステージ上のオトコの子/娘たちに同情の眼差しを向けていた。
そう、何しろ今回のテーマは「おもらし」だ。
彼らの持つ「OmoreC」は実のところ、ただの利尿剤。
文化祭中にオトコの子/娘たちにおもらししてもらおう、というのが今回の企画なのだから――。
しかしそんなことも露知らず、ステージ上のオトコの子/娘たちはグラスの中の液体を、何の疑いもなく飲み干していく。
「さて、いかがですか、お味の方は?」
洩斗にマイクを向けられ、それぞれが「美味しい」と感想を述べていく。
「さて、みなさんにはこれから、学園を回って、文化祭に参加していただきます」
洩斗の言葉の後を、そそおが継いだ。
「そして午後の四時、再びここに集合していただき、文化祭のクロージングイベントとして、OmoreCクィーンが選ばれることになります!」
そう、そしてその文化祭の間中、オトコの子/娘たちに密着取材し、おもらしの現場を撮影することこそが、進一郎の使命であった――。
文化祭当日。
進一郎は取材記者として、晶瑞学園の撮影スタジオにいた。
ステージには顔なじみの少年たちが、白スク水を着て並んでいる。
彼らは『WWW』が扱う中でも、「Pre Semination Age」、略して「PSA」と呼ばれていた。
【semination】というのは、「射精」の意味であり、プレセミネーションエイジというのは、まだ射精できない少年たちのこと。
そんなオトコの子/娘たちの、進一郎は言わば専属記者だ。
「集まってもらったこの九名にはまず、スポンサーのショーノギ製薬の新製品、OmoreCを試飲していただきます!」
ノリノリで司会進行を務めるのは江木月洩斗と尾根河そそおのふたり。
まだ11歳の小学五年生だが、折り目正しいベストとネクタイ姿に、半ズボンという正装をしているふたり、一卵性双生児であり、ことに洩斗はアイドルグループ・ジャンボマンモスのセンターを務めるジュニアアイドルであり、司会ぶりも板についていた。
「OmoreCはビタミンOと、そしてビタミンCがたっぷりと含まれた新感覚の健康飲料で――」
滔々と、洩斗が解説する。
もっとも「ビタミンO」というのは厳密には「カルニチン」というビタミン様物質であり、ビタミンそのものではないが、この際それは、どうでもいい。
何しろ今、ステージ上でグラスに注がれ、少年たちが手にしているこの液体、「新発売の健康飲料」というのは嘘で、実は強力な利尿剤である――ということを、進一郎は知っていたのだから。
――みんなには悪いけど……感謝しなくちゃ、今回はぼく、ステージに立たずに済んだんだから……。
進一郎は胸を撫で下ろす。
14歳で既に精通を迎えている彼だが、第二次性徴を迎えていないかのような幼いルックスと、小柄な痩せた肢体。
今まで何かといえばPSAの少年たちに混じって、恥ずかしいあんなことやこんなことをやらされていた。
今回はそんな目にも遭わずに済むだろうと安堵の感情と共に、進一郎はステージ上のオトコの子/娘たちに同情の眼差しを向けていた。
そう、何しろ今回のテーマは「おもらし」だ。
彼らの持つ「OmoreC」は実のところ、ただの利尿剤。
文化祭中にオトコの子/娘たちにおもらししてもらおう、というのが今回の企画なのだから――。
しかしそんなことも露知らず、ステージ上のオトコの子/娘たちはグラスの中の液体を、何の疑いもなく飲み干していく。
「さて、いかがですか、お味の方は?」
洩斗にマイクを向けられ、それぞれが「美味しい」と感想を述べていく。
「さて、みなさんにはこれから、学園を回って、文化祭に参加していただきます」
洩斗の言葉の後を、そそおが継いだ。
「そして午後の四時、再びここに集合していただき、文化祭のクロージングイベントとして、OmoreCクィーンが選ばれることになります!」
そう、そしてその文化祭の間中、オトコの子/娘たちに密着取材し、おもらしの現場を撮影することこそが、進一郎の使命であった――。
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