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7.おぱんつレビュアーズ INTRODUCTION
7.おぱんつレビュアーズ INTRODUCTION
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「それより、またおもらしって撮影し損ねたんじゃ……」
追い打ちをかけるように、進一郎はさくらへと突っ込む。
結局、4年C組の面々はそれぞれ、トイレを使うことももらすこともなく尿意をクリアしてしまった。
痛いところを突かれ、さくらはぴくんと身体を震わせるが、居直るように返した。
「いいのよ!」
「いいのなら、いいんですけど、何か誰がもらすかでベットとか言ってませんでしたっけ……?」
さらなる進一郎のツッコミに、さくらは憮然とした顔で返す。
「そ……それもいいのよ、掛け金はそのまま次まで持ち越しってことで……」
「へえ? じゃあ、今回はもう終わりですか?」
「そうじゃないわ! 『おしっこガマン』は失敗したけど、まだ次の企画があるってこと!!」
そう言って、さくらは自らの拳を、変身ヒーローのようにぎゅっと握りしめた。
「次の企画……?」
あんぐりと口を開ける進一郎に、さくらは呆れた顔で返す。
「アンタ、企画書、ちゃんと読んでないの?」
そう言われて例の企画書をめくると、そこには以下のように大書されていた。
・企画その2
『ぱんつ隠しドッキリ』
「えと……これって?」
進一郎の頭に、クエスチョンマークが生える。
「読んでごらんなさい?」
見れば、これは「少年自然の家」に到着してからのドッキリ。
その前に、ちょっと説明しておくと、「少年自然の家」というのは国や地方自治体が設置する青少年の教育施設で、大体は登山やキャンプなどの野外活動の拠点となるもの。
そこに宿泊するというのが、今回の林間学校の目的。
しかし、そこにある大浴場で4年C組の面々が入浴中に、その下着を隠し、一同がノーパンで慌てて右往左往するところを隠しカメラで撮影する――というのがこの企画の主旨らしい。
「えと……その、そんで誰がぱんつを隠すんです?」
ふと疑問をもらす進一郎。
「………………」
さくらは無言で、まじまじと、「こいつバカか?」といったふうに進一郎の顔を見つめる。
「ひょっとして……ぼく……?」
そんな彼に対し、さくらは「ふっ」とアンニュイな笑みを浮かべた。
「ま……また……そういう仕事とは全部ぼくなんですから!」
ふくれる進一郎。
萌えアニメならキャラがディフォルメされ、口が「3」に描かれるような緩い怒りだ。
そんな彼の顔を見つめつつ、さくらは笑みを浮かべ続けた。
「ふふふ……いつまでそんな口でいられるか……後は“少年自然の家”についてのお楽しみよ……♥」
進一郎には聞こえない程度の小声でそう言って、ふとさくらは自分の手元の企画書をめくる。
そこには進一郎に手渡したものには書かれていない、
・企画その2
『おぱんつレビュアー』
との文字が大書されていた――。
追い打ちをかけるように、進一郎はさくらへと突っ込む。
結局、4年C組の面々はそれぞれ、トイレを使うことももらすこともなく尿意をクリアしてしまった。
痛いところを突かれ、さくらはぴくんと身体を震わせるが、居直るように返した。
「いいのよ!」
「いいのなら、いいんですけど、何か誰がもらすかでベットとか言ってませんでしたっけ……?」
さらなる進一郎のツッコミに、さくらは憮然とした顔で返す。
「そ……それもいいのよ、掛け金はそのまま次まで持ち越しってことで……」
「へえ? じゃあ、今回はもう終わりですか?」
「そうじゃないわ! 『おしっこガマン』は失敗したけど、まだ次の企画があるってこと!!」
そう言って、さくらは自らの拳を、変身ヒーローのようにぎゅっと握りしめた。
「次の企画……?」
あんぐりと口を開ける進一郎に、さくらは呆れた顔で返す。
「アンタ、企画書、ちゃんと読んでないの?」
そう言われて例の企画書をめくると、そこには以下のように大書されていた。
・企画その2
『ぱんつ隠しドッキリ』
「えと……これって?」
進一郎の頭に、クエスチョンマークが生える。
「読んでごらんなさい?」
見れば、これは「少年自然の家」に到着してからのドッキリ。
その前に、ちょっと説明しておくと、「少年自然の家」というのは国や地方自治体が設置する青少年の教育施設で、大体は登山やキャンプなどの野外活動の拠点となるもの。
そこに宿泊するというのが、今回の林間学校の目的。
しかし、そこにある大浴場で4年C組の面々が入浴中に、その下着を隠し、一同がノーパンで慌てて右往左往するところを隠しカメラで撮影する――というのがこの企画の主旨らしい。
「えと……その、そんで誰がぱんつを隠すんです?」
ふと疑問をもらす進一郎。
「………………」
さくらは無言で、まじまじと、「こいつバカか?」といったふうに進一郎の顔を見つめる。
「ひょっとして……ぼく……?」
そんな彼に対し、さくらは「ふっ」とアンニュイな笑みを浮かべた。
「ま……また……そういう仕事とは全部ぼくなんですから!」
ふくれる進一郎。
萌えアニメならキャラがディフォルメされ、口が「3」に描かれるような緩い怒りだ。
そんな彼の顔を見つめつつ、さくらは笑みを浮かべ続けた。
「ふふふ……いつまでそんな口でいられるか……後は“少年自然の家”についてのお楽しみよ……♥」
進一郎には聞こえない程度の小声でそう言って、ふとさくらは自分の手元の企画書をめくる。
そこには進一郎に手渡したものには書かれていない、
・企画その2
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との文字が大書されていた――。
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