オトコの子/娘のおし○○!

雛子一

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コスプレカフェ「C.C.C.」

コスプレカフェ「C.C.C.」-3

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「体験入店んんんんんん!?」
 スマホに向かって、思わず進一郎は叫んだ。
 ――我に返ると、四人の少年たちの姿はなくなっていた。
 プレイルームの扉を開け、そっと伺うと、四人はカウンターの中、何だか必死でお茶だかコーラだかを飲んでいた。
 ひとまずそれは放置して、進一郎はスマホを取り出すと、さくらへと連絡を入れた。
 と、さくらはこともなげに返してきたのだ、「アンタは体験入店扱いになっている」と。
「そんなこと聞いてないです!!」
「あ、言わなかったっけ?」
 ロクに説明もせずに「現場に行けば分かる」とだけ言って相手を東奔西走させる……というのが彼女のやり方だ。もっとも、それに毎回、毎回毎回毎回騙されるのが、進一郎の「バカポン」たる所以なのだが……。
「それよりプレスリリースは見たの?」
「え……?」
 思わず口籠もる進一郎。
「あん? アンタ本当にバカポンね、資料を見てから取材。記者のキホンよ」
「で……でもですね……」
「あ、金野記者から連絡入ったから。んじゃね」
 それだけ言うと、さくらは一方的に通話を終了してしまう。
「やれやれ……」
 確かにプレスリリース、時間がなくて途中までしか読めてなかったけど。
 再び、進一郎は資料を開く。
 そう、あの「オトコの子/娘紹介」というページだ。
「えぇと……」



○滝流――超小学級のスーツアクター
 ■本名:洪田滝流
 ■尿癖:立ちション



○雫――超小学級の読モ
 ■本名:水下雫
 ■尿癖:野ション



○洩斗――超小学級のジュニアアイドル
 ■本名:江木月洩斗
 ■尿癖:おもらし



○そそお――超小学級のエグゼクティブ
 ■本名:尾根河そそお
 ■尿癖:盗尿

(イラスト:しゅぎょお)

「な……何じゃ、こりゃ……!?」
 進一郎は思わずつぶやく。
「――そろそろいいかな、お兄ちゃん?」
「ひぃぃっっ!?」
 耳許で囁かれて思わず振り向くと、そこにいたのは妖しげな笑みを浮かべたそそお。
 もっとも、さっきのコスプレとは違って、今は私服だ。ベストにネクタイ、そして半ズボンといういかにも育ちのよさそうな格好をしていた。
「い……いいって、何が……?」
 泡を食って、進一郎は返す。
「ていうよりこれは? どうしてこう、その……お……おしっこのことばっかり書いてるの……?」
 と、そこへ滝流が割り込んでくる。
 今の彼も、私服だった。
 シャツと半ズボンから焼けた両腕両脚を露出させているという、いかにもな格好。
「それはここが、オシッコ喫茶だからだゾ!!」
「工エエエエ(´Д`)エエエエ工工」
 思わず声を上げる進一郎の前へと、さらに洩斗が姿を現した。
 彼もそそおと同じ、ベストにネクタイ、そして半ズボンだ。
「厳密には……採尿喫茶、ですけど……」
 洩斗の説明に、進一郎はなおも問う。
「いや、あんまり変わんないし……ていうか、ここはコスプレカフェじゃ……?」
 と、そそおは笑ったまま返した。
「『WWW』の記者さんなのに、おかしなこと言うんだね。ただのコスプレカフェのわけ、ないでしょ?」
「そ……それはそうかも知れないけど……」
 確かに、ぼくは『WWW』――つまり、少年専門風俗求人誌の記者。
 しかし、ぼくがこの店を選んだ理由は――ふと思いだし、進一郎は続けた。
「だけど、そもそもぼくがここを選んだのは、Pre Semination Ageってあったから――」
 そう、「精通前の世代」。
 しかしその言葉を聞いて、そそおはいよいよその双眸を潤ませて、頬を赤くするのみだ。
「あはぁ♥ そう、それを知ってボクたちを選んでくれたんだね……」
「い……いや、だから、それならいかがわしいサービスもないかなって……」
 それが「天才バカポン」である進一郎の、「天才」の部分が発揮された、それなりに筋の通った判断だ。
 しかしまさかそれが、こんなお店だったとは……。
 そう、「採尿喫茶」なんだからオトコの子/娘たちが出したおしっこを加工して「お持ち帰り」するのだってアリなんだ……。
 呆れるのを通り越して感嘆している進一郎の手のひらを、そそおがぎゅっと握る。
「で、準備はいい、お兄ちゃん?」
「へ? 何の?」
 そう、そそおはさっきから、ぼくに何を急かしているのか……。
「あ……あの、体験入店、なんですよねえ……?」
 尋ねてくる雫は、私服でもやはりミニスカートに赤いリボンタイ、頭にも赤いリボンという、どう見ても愛らしい少女そのままの格好をしていた。
「一応、編集長に勝手に決められて、そういうことになってるけど……」
 ぼやき半分に言う進一郎のもう一方の手を、相変わらず脳天気な滝流が引っ張った。
「じゃあ、早速アトラクションを始めるゾ!」
「あとらくしょん?」
「はい、と……当店で一番人気の……その、『ピスバグラー体験』ですぅ……///」
 何故か顔を赤らめつつ、雫が言う。
 そうか、いわゆる「体験型アトラクション」というヤツか。
 でも、「ピスバグラー体験」って……?
 何とはなしに嫌な予感を頭に過ぎらせつつ、進一郎は一同に、また別な部屋へと連れて行かれた――。

 そこは、学校の保健室のような部屋。
 といっても、アトラクションというからには、セットにすぎない。
 しばし、進一郎は部屋の前で準備が終わるのを待たされていたが……。
 がららッ。
 ドアが開き、中から洩斗とそそおが姿を現した。
「……………」
「ふふ……お兄ちゃん、さあどうぞ♥」
 しかめっ面のままの洩斗に比べ、そそおは楽しげな笑みで進一郎の手首を握り、中へと導き入れた。
「え……?」
 一歩中に入って、進一郎は息を飲んだ。
 ベッドの上に、滝流と雫の小さな身体が横たわっていたのだから。
「これは……?」
 側に寄って見ると、二人の薄い胸はゆっくりと上下しているのが分かった。
 その顔も――よく見れば雫は恥じらいに頬を染め、滝流は落ち着かずそわそわとしている。
 寝ているフリ、をしているのだ。
「さ、お兄ちゃん」
 と、そそおがこちらへと何やら渡してきた。
 それはチューブと、それに接続している手のひらサイズの、何だか点滴の時に使う薬剤のバッグっぽいもの。
「これは……?」
「尿道カテーテル」
 ぼそりと、洩斗が言う。
「それで、滝流クンと雫クンのおシッコを採るんだよ」
「工エエエエ(´Д`)エエエエ工工」
 また進一郎は、頓狂とんきょうな声を上げた。
「ど……どうして……?」
「どうしても何も、さっき言ったように、ここは採尿喫茶だもの」
 あくまで素っ気なく答える洩斗の後を、そそおが継いだ。
「『ピスバグラー体験』だもの。やらなきゃお兄ちゃん、記事が書けないよ?」
「そ……それは……困る……」
 記事が書けないと、トラックで自宅に突っ込まれることになる。
「わ……分かったよ……」
 進一郎は道具を受け取り、ベッドへと歩み寄った。
「ど……どうすればいいの……?」
「うん、まずふたりのおちんちんを出すんだ」
 楽しげに、そそおは説明する。
「お……おちんちん……?」
「当たり前でしょう、お小水を採るんだから」
「そ……そうか……っ」
 進一郎は滝流の股間へと腕を伸ばし、たどたどしい手つきでファスナーを降ろすと、その中のブリーフの前開きを開いた。
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