本日は性転ナリ。

ある

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After Story…My Dearest.47

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私はその笑顔に向けて「性格悪いとモテないぞッ」と舌を出した。

しかし、莉結は『知ってる』と優しく微笑む。そして少し俯き気味に言った一言に私は頬を染めさせられてしまった。

『私は衣瑠だけにモテてればいいもん♪』

何処かで聞いたようなセリフ…だけど実際に言われるとこんなにも恥ずかしい事だなんて知らなかった。
私は恥ずかしさのあまり定まらない視点を下へと向けた。

「それは…反則だって…もう」

その時だった。私達の後ろ、下駄箱の影から何かが落ちる音がした。
私達はハッと顔を見合わせると、鼓動を早める心臓にギュッと握った拳を押し当ててその音の方へと歩み寄る。
そして下駄箱の影から廊下の方へと顔を覗かせると、「わぁっ!」私の声が廊下に響く。
何故なら私が覗き込んだ下駄箱の角の、その目の前に"彼女"リヴィが背をもたれて立っていたからだ。

「あの…何やってる…の?」

しかし私がそう尋ねたのにも関わらず、リヴィは薄く目を開き、唇を微かに震わせぶつぶつと隙間風の様な声で何かを言っている。

「オリヴィアさんっ!」

私の呼び声にリヴィの視線がやっと私を捉える。しかしその視線はすぐに逸らされ、その代わりに何処か寂しげな声でリヴィは言った。

『聞かせて…貴女はルイなの?』

その言葉に莉結の手が何かを訴えるかの様に私の手を強く握った。
そのお陰で飛び出してしまいそうになった心臓の鼓動がだんだんと治(おさま)っていった。
私は一瞬躊躇したけど真っ直ぐにリヴィの顔を見て言った。

「そうだよ。私は如月瑠衣…だった人間だよ」







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