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After Story…My Dearest.29
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『ねぇ、何かあった…?』
莉結の小さな声が廊下に反響する。
そして私は、その莉結の言葉に何も答えられずにいた。
"何かあった"それは紛れも無い事実。だけど私が莉結を避けてしまっている理由が自分自身でもよく分からなかった。莉結が私に何かした訳でも私が莉結に何かした訳でも無い、なのに私は莉結に対しての罪悪感のようなものに締め付けられて上手く莉結に接することができなかった。
それが自分に対する嫌悪感なのか、莉結が譲歩的な考えをしているかも知れないという心配…はたまた莉結の人生に大きな変化を与えてしまうという恐怖なのか…
私は返す言葉も見つからないまま、ドアの向こうの莉結を見つめ続けていた。
その時だった。突然"ガチャン"と部屋の扉が開くと、莉結の悪戯な笑顔が目に映る、そしてその笑顔は瞬く間に私の目の前へと移動して…
ベッドが大きく軋んで私の背中がマットレスに"フワン"と押し付けられた。
そして目の前に映る莉結の口元が微笑むと、『時間切れっ♪』…そう囁かれた言葉を理解するのと同時に唇に柔らかな温かい感触が伝わった。
リップ音と共に私から離れていくソレを視界に認めると、私の目に熱いものが込み上げてくるのを感じた。
そして、そんな私を見て目を丸くした莉結が『えっ…ごめん、私…』と言いかけた時、私の唇がその言葉を止めた。
私は何を悩んでいたんだろ。"今までの答えが全てここに詰まっていた"…そんな感覚が乾ききった身体に注ぎ込まれる冷たい水の様に唇から胸、そして手、足の先端へと染み渡っていく。
私は莉結が居ればそれでいい…それが私のエゴだとしても。莉結が居るから私なんだ…
私はぐっと瞼を瞑ると、そのまま莉結の背後へと腕を回し、そのまま一つになっちゃうんじゃないかってくらいにギュッとその身体を抱きしめた。それが今の私に必要なコトって気付いたから。
莉結の小さな声が廊下に反響する。
そして私は、その莉結の言葉に何も答えられずにいた。
"何かあった"それは紛れも無い事実。だけど私が莉結を避けてしまっている理由が自分自身でもよく分からなかった。莉結が私に何かした訳でも私が莉結に何かした訳でも無い、なのに私は莉結に対しての罪悪感のようなものに締め付けられて上手く莉結に接することができなかった。
それが自分に対する嫌悪感なのか、莉結が譲歩的な考えをしているかも知れないという心配…はたまた莉結の人生に大きな変化を与えてしまうという恐怖なのか…
私は返す言葉も見つからないまま、ドアの向こうの莉結を見つめ続けていた。
その時だった。突然"ガチャン"と部屋の扉が開くと、莉結の悪戯な笑顔が目に映る、そしてその笑顔は瞬く間に私の目の前へと移動して…
ベッドが大きく軋んで私の背中がマットレスに"フワン"と押し付けられた。
そして目の前に映る莉結の口元が微笑むと、『時間切れっ♪』…そう囁かれた言葉を理解するのと同時に唇に柔らかな温かい感触が伝わった。
リップ音と共に私から離れていくソレを視界に認めると、私の目に熱いものが込み上げてくるのを感じた。
そして、そんな私を見て目を丸くした莉結が『えっ…ごめん、私…』と言いかけた時、私の唇がその言葉を止めた。
私は何を悩んでいたんだろ。"今までの答えが全てここに詰まっていた"…そんな感覚が乾ききった身体に注ぎ込まれる冷たい水の様に唇から胸、そして手、足の先端へと染み渡っていく。
私は莉結が居ればそれでいい…それが私のエゴだとしても。莉結が居るから私なんだ…
私はぐっと瞼を瞑ると、そのまま莉結の背後へと腕を回し、そのまま一つになっちゃうんじゃないかってくらいにギュッとその身体を抱きしめた。それが今の私に必要なコトって気付いたから。
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