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After Story…My Dearest.9
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「別に何でもないよっ」
そう言って笑みを浮かべてみたものの、私はうまく笑えてたのかな…
なんだかそれが嘘をついているみたいで、私は無意識のうちに視線を逸らしていた。
そんな気持ちが莉結にも伝わってしまったのか…莉結が私の方へと振り向いた。
そして私の目に薄紅色に染まった目元と鼻先が映る。
莉結、泣いてたんだ…
そう思ったのも束の間、莉結がそっと立ち上がり、私に歩み寄ると横へと座った。
…無造作に跳ねた髪が私の髪と重なる。
そして、その体温が伝わるのと同時にすっと伸びた腕が私を包み込み、その腕にぎゅっと力が入った。
その時、罪悪感に似た感覚と、心臓からふわっとした温かいモノが流れ出るような感覚が混ざり合った。
お婆ちゃんに初めて見せる私たちのカンケイと、ありのままに私へと身体を寄せてくれた莉結。
そんな私たちを見て、お婆ちゃんは顔色を変える事なくこう言った。
『うん、それがいいなあ。婆ちゃんには気を使わんでいいからな。なるったけ自分に正直に生きりゃぁええで』
…その言葉に、ふっと肩の力が抜けるのが分かった。
私たち、これでいいんだ。
安堵が先ほどの黒い感情を薄めていくのが分かった。
そしてお婆ちゃんの微笑みから私の胸元へと視線を落とすと、莉結の顔を隠す髪の間から小さく緩んだ口元が見えたのだった。
そのまま、ゆっくりと顔を上げた莉結と視線が重なると、自分に言い聞かすように胸元の口が開いた。
『そうだよ、隠すことじゃないもんね』
するとお婆ちゃんが悪戯な口調で『そうだなあ、莉結は隠すの下手だで余計にねえ』と言って"クスっ"と莉結が笑うと、それにつられて私も頬がゆるんだ。
こういう時のお婆ちゃんはホントにすごいと思う。だってどんなに暗い雰囲気も、魔法みたいに明るくしてしまうんだもの。
そして空気が和んだところで、私は気になったことを口にする。
「あの…お婆ちゃん、因みにいつから私たちの事わかってたの?」
するとお婆ちゃんは、シワのたくさんついた人差し指をピンと立て、口の動きに合わせて左右に振りながら"ヒ・ミ・ツ"と可愛らしい笑顔を浮かべた。
「ちょっとお婆ちゃんなにそれぇ?」
『えぇー?なんか似合わないよー』
お婆ちゃんはそんなことを言う私たちの湯呑みにお茶を足すと『ずっと二人を見てきただで分からん訳ないらあ』と立ちあがった。
ふふ…"ずっと見てきた"か…
いつも家に居なかった母さんの代わりに私を育ててくれたお婆ちゃん。お婆ちゃんはいつでも優しくて温かくて、怒った時は恐かったけど、それでもいつどんな時でも私たちを見守ってくれていた。だから私はそれほどに愛情に飢えることなく、普通なりの人生を送れてきたんだと思う。
ありがとね、お婆ちゃん。
これからもずっと私たちのコト見守っていて欲しいな、そう思ったものの、その"ずっと"だってそんなに続くものではないコトは分かっている。
だから、その時がきてしまう前にお婆ちゃんが私たちの事を心配しなくても良くなるようにしなきゃ、そんな想いが浮かび上がった。
これがコドモゴコロってやつなのかな。
「お婆ちゃんっ」
気がつくと私はお婆ちゃんの背中に声を投げ掛けていた。
そう言って笑みを浮かべてみたものの、私はうまく笑えてたのかな…
なんだかそれが嘘をついているみたいで、私は無意識のうちに視線を逸らしていた。
そんな気持ちが莉結にも伝わってしまったのか…莉結が私の方へと振り向いた。
そして私の目に薄紅色に染まった目元と鼻先が映る。
莉結、泣いてたんだ…
そう思ったのも束の間、莉結がそっと立ち上がり、私に歩み寄ると横へと座った。
…無造作に跳ねた髪が私の髪と重なる。
そして、その体温が伝わるのと同時にすっと伸びた腕が私を包み込み、その腕にぎゅっと力が入った。
その時、罪悪感に似た感覚と、心臓からふわっとした温かいモノが流れ出るような感覚が混ざり合った。
お婆ちゃんに初めて見せる私たちのカンケイと、ありのままに私へと身体を寄せてくれた莉結。
そんな私たちを見て、お婆ちゃんは顔色を変える事なくこう言った。
『うん、それがいいなあ。婆ちゃんには気を使わんでいいからな。なるったけ自分に正直に生きりゃぁええで』
…その言葉に、ふっと肩の力が抜けるのが分かった。
私たち、これでいいんだ。
安堵が先ほどの黒い感情を薄めていくのが分かった。
そしてお婆ちゃんの微笑みから私の胸元へと視線を落とすと、莉結の顔を隠す髪の間から小さく緩んだ口元が見えたのだった。
そのまま、ゆっくりと顔を上げた莉結と視線が重なると、自分に言い聞かすように胸元の口が開いた。
『そうだよ、隠すことじゃないもんね』
するとお婆ちゃんが悪戯な口調で『そうだなあ、莉結は隠すの下手だで余計にねえ』と言って"クスっ"と莉結が笑うと、それにつられて私も頬がゆるんだ。
こういう時のお婆ちゃんはホントにすごいと思う。だってどんなに暗い雰囲気も、魔法みたいに明るくしてしまうんだもの。
そして空気が和んだところで、私は気になったことを口にする。
「あの…お婆ちゃん、因みにいつから私たちの事わかってたの?」
するとお婆ちゃんは、シワのたくさんついた人差し指をピンと立て、口の動きに合わせて左右に振りながら"ヒ・ミ・ツ"と可愛らしい笑顔を浮かべた。
「ちょっとお婆ちゃんなにそれぇ?」
『えぇー?なんか似合わないよー』
お婆ちゃんはそんなことを言う私たちの湯呑みにお茶を足すと『ずっと二人を見てきただで分からん訳ないらあ』と立ちあがった。
ふふ…"ずっと見てきた"か…
いつも家に居なかった母さんの代わりに私を育ててくれたお婆ちゃん。お婆ちゃんはいつでも優しくて温かくて、怒った時は恐かったけど、それでもいつどんな時でも私たちを見守ってくれていた。だから私はそれほどに愛情に飢えることなく、普通なりの人生を送れてきたんだと思う。
ありがとね、お婆ちゃん。
これからもずっと私たちのコト見守っていて欲しいな、そう思ったものの、その"ずっと"だってそんなに続くものではないコトは分かっている。
だから、その時がきてしまう前にお婆ちゃんが私たちの事を心配しなくても良くなるようにしなきゃ、そんな想いが浮かび上がった。
これがコドモゴコロってやつなのかな。
「お婆ちゃんっ」
気がつくと私はお婆ちゃんの背中に声を投げ掛けていた。
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