【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!

SoftCareer

文字の大きさ
上 下
61 / 83
後日談:エルルゥのツェルラント通信 

第6話 ボディーガードの事

しおりを挟む
 学園祭まであと一週間。

 灯は、エルルゥ、夏冬らとショーの衣装の最終確認を終え、駅から家への帰宅途中、誰かに付けられているような気がした。

(また、ヤバいファンかしら……)

 このまま尾行されて家バレするのも嫌だし、途中で襲われるのも嫌なので、一旦駅まで引き返した。おばさんに連絡してみると、特に異変はなさそうだが、今日はおじさんが出張でいないため、怖いから早めに帰ってきてとの事だった。

 交番の前に立っていたら、つけられている気配はなくなったので、タクシーでわざと遠回りをして帰った。おかげですっかり遅くなってしまった。
 家の玄関を開けたが、中は真っ暗だ。

(おばさん、もう寝ちゃったかな……)
 そう思いながら、エルルゥと居間に入り、電気をつけた瞬間だった。
 陰から人影が飛び出し、灯とエルルゥは羽交い絞めにされ、口をふさがれた。

「あー、騒がないでね。ぼくらエルルゥちゃんの信者だから……。
 抵抗しなければ何もしないよん」二人組の覆面をかぶった男がそう言った。

(くそ、こいつらストーカーか! 
 ダメだ、動けない……おばさんは大丈夫かしら……)

 灯は何とか抵抗しようとするが、手足を縛られ口も塞がれていて何も出来ない。
 エルルゥも手足を縛られ、口にガムテープを張られてしまっている。

「おい、まず耳、耳!」
 そういって男たちがエルルゥの耳を舐《ねぶ》りだす。
「んー! んー!」
 エルルゥも体をよじりながら必死の抵抗を試みるが、まったく効果がない。

「すげー、本当に本物みたいだ。そんじゃ次はしっぽね!」
 そう言ってエルルゥはうつ伏せにされ、履いていたジャージを脱がされてしまった。中に隠してあったエルルゥの綺麗なしっぽと純白のショーツが丸見えになる。

「おー! この生え際とかどうなってんだ? ほんとに生えてるみたいだぜ……」
「おいー、そんじゃ次はこれだよなー」
「そうだよなー」
 男たちはそう言って、エルルゥのショーツに手をかける。
(ああ、ダメー! 誰か助けて! 雄太ー!)

 その時、玄関から誰かが居間に飛び込んできた。

 えっ、雄太? 一瞬、灯にはそう見えた。
 その男はすかさず暴漢たちにローキックを入れ、賊の男たちは壁際に吹っ飛んだ。
 飛び込んできた男は容赦なく二人の男を殴打し、やがて二人とも気絶した様だった。

「大丈夫ですか?」
 助けれくれた男が、灯とエルルゥの拘束を解いてくれた。

 背格好は似ていたが、よく見ると雄太とは似ても似つかない別人だった……。
 というより、この人日本人じゃないよね? 
 あっ、もしかして前に中将がメールくれた人? 
 それはそれでヤバいじゃん。灯は警戒体勢をとった。

「怪しいものではありません。僕はジョージ・アンダーソン。
 ミハエル・アンダーソンの息子で、グレゴリーの弟です」
 あっ、中将さんのお身内……ホっとして、灯はそこに座り込んでしまった。

 おばさんは、お風呂場で拘束されていたが、怪我もなく無事だった。
 暴漢たちはグルグル巻きにしているので、気がついても言葉も出せないだろう。

「どうします? 警察に突き出しますか?」ジョージさんが灯に尋ねる。
「いえー、警察は私も関わりたくなくて……」
「そうですよね。それじゃ‥‥‥」

 ジョージさんは、暴漢二人の免許証を探し出し、顔写真も撮影した。
 もちろん二人のスマホは没収だ。さっき、さんざんエルルゥ撮っていたし……。
 そして、水をぶっかけて暴漢を起こし、今後、ここに近づいたら社会的に抹殺するぞと脅して、家の外に叩き出した。

「以前、灯さんに父がメールしたと思うのですが、モリソン・スタンフォードが日本に渡ったとの情報が入ったのです。彼があなた達に接触することを恐れ、父は職権を乱用して私をキャンプ座間からここへ、あなた達の護衛として派遣したのです。
 当面、離れて監視させていただくつもりだったのですが、様子がおかしい様だったので家に踏み込ませていただきました」

 あの時、駅からついてきたのはジョージさんだったのか……。
 灯はあの暴漢が、エルルゥのファンがストーカー化したものだと説明した。

「本当に助かりました。ジョージさんがいなければ私達どうなっていたか……。
 それにしてもそのスタンフォードって奴、そんなにヤバイんですか?」
「もともと、モー博士と同じ研究室にいた男で、あなた方に接触して、あちらの世界に行こうとしています。モー博士は、もうお亡くなりになっていると軍から伝えたのですが、信じません。彼の精神は病んでしまっている様なのです。
 今、父が彼の別件容疑を捏造して、軍にも探させていますが、彼が捕まるまで、よろしければ私をそばに置いていただけませんか? 
 そのほうが私も任務を全うしやすいのです」

 灯が、おばさんから今の状況をおじさんに伝えてもらったところ、おじさんからは「米軍さんが護衛してくれるならむしろ大歓迎だ」といった趣旨で返答が来た。
 たしかに、そのスタンフォードってのもあるけど、ストーカーがここまでやるかという状況でもあり、灯はジョージの申し出を有難く受けることとし、当分の間、ジョージは柏木家の居候となる事になった。

 ◇◇◇

「えー! 灯マネ。こんなイケメンボディガード、どこで雇ったんですか?」

 夏冬が、興味深々な目つきで、ジョージさんを舐めるようにガン見している。
 皆には、暴漢騒ぎの事を伝え、家の人がボディガードを雇ってくれたという建付けで説明した。こうしておけば、ジョージさんが私達といつも一緒にいても、誰も不審がらないだろう。

 ジョージさんは、確かにイケメンで物腰も柔らかく、服飾科のメンバーも羨望のまなざしで見ていることが多い。雄太より五歳年上なのだが、息子が帰ってきたみたいでうれしいのか、おじさんが、昨夜晩酌に付き合わせていた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。 果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...