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第一章 本編
第47話 逢瀬
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「でも王城の中なんて、近衛の私でも入った事ないんだよ。
ましてやあんな大きい建物。どこにゲートがあるんだか」
プルーンも困惑気味だ。
「いや、王城内のゲートの位置はシステンメドルが分かるらしいんだ。
だからどうやって入るのかが当面の問題なのさ」
仕方がないので、ミハイル様に相談してみた。
「ああ、妻から大体聞いているよ。ただ、姫様が王になる前に王城に侵入となると私でも難しいかな。今頃、王城内は王都軍がひしめいているだろうしね。
だれか新王側の者を味方につけるとかしないと……」
「こう……王城って結構、隠し通路とかあったりしないんですかね?
それで、ゲートのすぐ脇にとか……」
「そう物語の様には……でも、姫様ならそう言う通路を多少は知っているかも知れないね。どこから出たのかは知らないが、実際に一度脱出されてるし……」
「それじゃ私が聞いてきましょうか?」プルーンが意気込む。
「いやいや、プルーンさん。今から行っても入れ違いです。ライスハイン卿はすでに進軍を開始していると思いますが、経路は極秘ですし。いっそ姫様がここに入られるのを待ってご相談されてはいかがですか?」とミハイル様が言った。
「それで間に合いますかね?」俺の質問にミハイル様が答えた。
「なーに。姫様がここにご着陣されたと言ったって、すぐに王都に出陣する訳じゃありません。姫様は旗印なので、一ヵ月以上ここにおられて、味方する諸侯が参陣するのを待ちますので」
なるほど。その間に王城に潜入できるよう計画を練るのか。
だとしたらちょっと危険ではあるが、侵入方法が決まる前に、みんなで王都に行って待機していないといけないかな。まあ、ダウンタウンのあの部屋は家賃前払いで借りっぱなしなので問題はないだろうが……それにメロンやエルルゥとも合流しないとならない。エルルゥもゲートまで連れて行ってやらないと。
あっ、そうか。システンメドルも連れて行かなければいけないのか。
あいつは軍のお尋ね者だし、家族よりリスク高そうだな……。
こうして、俺は姫様のイルマン到着を待って、王城潜入の相談をする事とした。
◇◇◇
あの日から、灯は毎夜俺の納屋に来るようになった。
俺と灯の関係は大分良くなった様に思えるが、星さんはそれを見て見ぬ振りをしていて、灯との親子関係はいまだにぎくしゃくしているように思える。
肉親ほど壊れた関係の修復は難しいと聞いた事もあるが……俺は思い余って星さんに、これでいいのか、こっそり聞いてみた。
「あの子、この世界にいるうちは……って言ったんでしょう?
多分、私のゆうくんへの気持ちをちゃんとわかってくれているんだとは思うの。
でもそんなの理屈じゃ割り切れないよね……だから、ゆうくんがあの子を嫌いでないのなら、ここはあの子の好きにさせてあげて。
この世界であの子に何もしてあげられなかった母親のせめてもの贖罪って訳じゃないけどさ……そうじゃなかったら、あの子……。
この世界で独りぼっちのままだし……」
「星さん……」俺は、星さんの両肩に手をやって、軽くキスをした。
そして、ただ灯のそばにいてやるだけではなく、俺達二人がこの世界で何をしてきたのか、ちゃんと順を追って説明していこうと思った。
◇◇◇
やがて近隣の田んぼに稲が植えられ初夏が間近に感じられる頃、アスカ王女がライスハイン卿の大軍勢に先立ってイルマンに入られた。
クローデルさんもいっしょだった。
「ああ、ダーリン。お会いしたかったですわ!
プルーンさんもお元気そうでなにより」
クローデルさんは、ついにダーリンを公言してはばからなくなった様だ。
まあ、御父上もあんな感じだったし、仕方ないか……でも、プルーンは険しい顔をしているな……。
例のホテルが姫様の宿所として接収されており、その周辺に急ごしらえだが、いくつもの軍事用建物が造られていて、このあたり一体が今回の作戦本部として機能するのだ。到着されてからの数日は御忙しい様だったが、一週間くらいしてお時間が出来たとの事で、ようやく姫様にお目通りがかない、俺は姫様に今までの経緯を説明した。
「うーん。王城の中にそんなものが……あそこ広すぎて、私でもよくわかんない所だらけなんですよね。でも、中に入りさえすればという事なら……いくつか裏口はあるけど、今使えるのかな?」
とりあえず、姫様の記憶を頼りにいくつかの侵入経路を教えてもらった。
「それでね、ゆうたさん。これはまだ内密にしてほしいんですけど……私たちは、お父様の国葬一周忌の日を、王城奪取作戦の期限とする計画を立てています。ですからその日がゲートを使用するリミットになる可能性が高いかと思います。
まあ、それより先に壊されちゃう可能性も高いかもですが……」
「わかりました。
姫様にいただいた情報を元に、なるべく早く王城への潜入を試みます」
「そうですね。頑張って下さい……とは言っても……ゆうたさん達だけで王城に潜入するのはちょっと大変ですよね?
クローデルさん、あなたもお手伝い差し上げていただけますか?
あなたの王都内の情報網が今どのくらい機能しているかは分かりかねますが、無いよりはマシでしょう?
あと、プルーンさんもいっしょにお行きなさい」
「でも、姫様。私は姫様のおそばで……」プルーンが言葉を返す。
「ううん。ここまで来ちゃったら私の護衛は問題ないし……。
あなたはあなたの大切な人のために働いたほうがいいわ。
だって、ゆうたさん……帰っちゃうのよ!」
「あっ! ……そうですね……ご命令に従います……」
プルーンが姫様に敬礼した。
「あの姫様。私のような一個人に、ここまで良くしていただいて、何と感謝を申し上げればよいのか分かりません。自分の世界に戻れても戻れなくても、この御恩は一生涯忘れません」俺は、素直に感謝の言葉を述べた。
「いいえ、ゆうたさん。あの時、あなたがダウンタウンのご自宅に私をかくまって下さらなかったら、私は今こうしてここには居られませんでした。ですので御恩という意味では、私のほうが、あなたから受けた御恩は大きいのです」
そう言いながら、姫様が俺を手招きして、俺の耳元でこう囁いた。
「それでも恩に着て戴けるのであれば、今夜、デートしていただけませんか?」
そばに立っていたプルーンにも聞こえた様で「姫様!」と身を乗り出してきたが、姫がそれを制し、
「いいじゃない。一回だけです。ゆうたさんとはもうお会い出来ないのでしょうし……ぷるちゃん。約束だったよね?」
「姫様……わかりました。約束は守ります。今日だけはゆうたをお譲りします!」
「ちょっとちょっと。プルーンさん……それはどういう事ですの?」
クローデルさんが状況を理解出来ずにプルーンに喰ってかかっていた。
その夜、俺は例のホテルの貴族専用室を訪れた……というより忍び込んだというのが近いだろう。もちろん作為的ではあるのだが、俺が侵入するのを目撃する人がいないよう警備等が配置されていて、予め指定された時刻・経路に従い部屋を目指した。
まさか、王女様に夜這いをかける日が来ようとは……ここの貴族専用室に二回も夜這いかけた奴って、多分俺だけだろうな。
部屋に入ると、姫様が普段着のまま椅子に腰かけておられた。このイルマンのあたりは、俺がいた東京なんかよりかなり涼しく湿度も低いため、夏でも夜は肌寒い位な事が多いが、今日は風もあまりなく、ちょっと蒸し暑く感じる。
「ゆうたさん。来て下さってありがとう。ダウンタウンで結ばれた時は事故みたいなもので、せっかくの初体験だったのに何にも覚えていないんですよ。
ですからどうしてももう一度、ちゃんとあなたと結ばれたかったの。
それで……早速といきたいところですが、私、少々汗臭いんです。
シャワーを浴びていいですか?」
「もちろんです。私に遠慮なさらずにどうぞ」
「それでは、ゆうたさんが私の身体を流して下さいませ」
「えっ? ……そんな恐れ多い……」
「はは、王族は自分で体を洗ったりしないんです。
全部側近任せで……だから正直どうやって流せばいいのか……」
そんなシャワーで体を流すだけだろうに……などど考えてはいけないな。
相手は将来の国王様だ。これは栄誉ある事だ。
姫様はなんのためらいもなくその場で着衣を全て脱がれ、俺にも全裸になるよう指示した。
「あはー。これがゆうたさんの……あの時はゆっくり拝見できなくて……やはり、すごく大きいですね。こんなのが私の中に入っちゃったなんて信じられません」
「あの……恥ずかしいので、あまりしげしげとご覧にならないで下さい……」
「あはっ、ごめんなさい。それじゃ観察はあとでゆっくり……」
そう言って姫様は俺の手を引いてシャワー室に入っていった。
以前、プルーンには一人用だと説明しただけあって、シャワー室は結構狭く、どっちに寄っても姫様と俺の体の一部が接触する。
「ゆうたさん。そんなに居心地悪そうになさらないで……これから契り合う間柄なのですから、どうぞ私の身体にも遠慮なく触れて下さい。その方が私もうれしいです」
姫様の許可もいただいたという事で、それでは遠慮なくと言わんばかりにくっついて、姫様の片腕を上に持ちあげ、シャワーの水が上から勢いよく降り注ぐ中、指先から脇の下までをタオルで丁寧に擦った。
「あは、くすぐったい……」
もう、姫様の仕草ひとつひとつが可愛らしくて仕方がない。
そこから順番に、背中と胸、お腹から腰までゆっくり流し、タオルで磨き上げんばかりになぞっていく。太腿から足先まで流したところで、さすがに股間は…………と思っていたら、姫様が「ゆうたさん。そこはあなたのお口で綺麗にしていただけませんか?」と言った。
「姫様、さすがにそれは……」俺がたじろいでいると、姫様が続けた。
「いえ私は、男女が交わる際、お互いの性器を舐め合うと人づてに聞いていたのですが……違うのですか?」
「いや、違わないんですけど……わかりました……光栄の限りです!」
まったく、天然なのか、俺をからかっているのか……。
それとも本当に変態さんなのか……。
まあエルフの……ましてや王族の性癖など悩むだけヤボというものだろう。
俺は立ってシャワーを浴びている姫様の正面に膝立ちしてから、おもむろに股間に顔を突っ込んだ。興奮してのぼせ気味の俺の頭に、シャワーの冷水がガンガンかかって気持ちがいい。俺の身体から、結構湯気が立っているのがわかる。
俺はそのまま舌を伸ばして、姫様の割れ目の奥を攻め続けた。
「ん……くふっ……ふぁっ……」
姫様も気持ち良さげに身体をくねらせている。
「あのー、ゆうたさん……わ、私、我慢出来にありません……。
しちゃっていいですか?」
「ええ、もちろん!」姫様は絶頂に達しそうなのだろう。
おれはクリトリスを集中的に舐めて姫様の絶頂を促した。
ちょろっ。
次の瞬間、暖かいお湯が俺の口元に流れてきたかと思ったら、
ちょろちょろっ……じょろっ、じょじょじょじょっ……
え? これ、おしっこ?
お湯のように暖かい姫様の黄金水が俺の顔と口に容赦なくかかった。そして冗談ではなく、マジでおぼれそうになったが、ここで姫様を突き飛ばしてはいけないと歯を食いしばって放尿が終わるまで耐えた。
「ぐぇほっ! はあっ、はあっ……」
「あ、あ、あ……あの、ゆうたさん。ごめんなさい! 我慢しようと思ったのですが余りに気持ちが良くて力が入らなくて……まさか殿方のお顔にお小水をかけてしまうなんて……」
姫様は顔だけではなく全身真っ赤にして恥ずかしそうに俺に詫びている。
「ぅうおおおおおおおーーーーーっ!」
黄金水をかけられ異常に興奮した俺は、理性が吹っ飛んで仁王立ちになり、姫様をうしろから羽交い絞めにし、おもむろに陰部に俺の息子を押し当てた。
じゅぷっ!
「あんっ! ゆうたさん……そんな乱暴な……」
そうは言ったが、姫様の内部も準備万端と言わんばかりにトロトロになっていて
俺の息子はすっぽりはまり、動くたびにいやらしい音が狭いシャワー室内に鳴り響く。
「あっ、あっ、ああっ、ふんっふんっ……あーーーー!」
どぴゅっ!
姫様と俺はほぼ同時にイった。
「はあっ、はあっ……」
俺がゆっくり息子を抜くと、姫様の陰部から、白濁した俺のモノがドロりと太腿に流れ出したが、すぐにシャワーに流されていった。
「すいません姫様。
姫様があまりに素敵なご褒美を下さって過度に興奮してしまいました……」
「もう……それじゃ次はもう少しゆっくりお願いしますね」
そして俺と姫様は裸のままベッドに行き、お互いの身体を隅々まで舐め合い、そして性交を繰り返した。
俺も姫様も何回絶頂に達したかわからないくらい、夜通し愛し合ってヘトヘトだ。
やがて空が白んできた。もうすぐ夜が明けるのだろう。
夜這い者は退散しなくてはいけない頃合いだ。
姫様が俺の腕にしがみつきながら言った。
「ゆうたさん……帰られちゃうんですよね。これで最後なのが残念です……」
「それを言われると辛いです。ですが、姫様。私は姫様の事を絶対忘れません」
「……ゆうたさん。帰るのをやめて、私の側近として王宮に仕えてくれたりはしませんか?」
「……お気持ちは大変うれしいです。ですが、仮に帰還がかなわなかったとしても俺は、今の家族……星さんや花梨、プルーンや灯達を大切にしてやりたいんです。
ですから姫様のご期待には沿えないかと……」
「そっかー。やっぱりだめかー。それじゃあゆうたさん。もしこのままこの国にいる事になったら、年に一回でいいから、ここで私と不倫して下さいますか?」
「えー? そんな……姫様……」
「ふふっ、冗談です……それじゃあ、これで最後ね……もう一回……」
そう言いながら俺と姫様は唇を重ね合った。
ましてやあんな大きい建物。どこにゲートがあるんだか」
プルーンも困惑気味だ。
「いや、王城内のゲートの位置はシステンメドルが分かるらしいんだ。
だからどうやって入るのかが当面の問題なのさ」
仕方がないので、ミハイル様に相談してみた。
「ああ、妻から大体聞いているよ。ただ、姫様が王になる前に王城に侵入となると私でも難しいかな。今頃、王城内は王都軍がひしめいているだろうしね。
だれか新王側の者を味方につけるとかしないと……」
「こう……王城って結構、隠し通路とかあったりしないんですかね?
それで、ゲートのすぐ脇にとか……」
「そう物語の様には……でも、姫様ならそう言う通路を多少は知っているかも知れないね。どこから出たのかは知らないが、実際に一度脱出されてるし……」
「それじゃ私が聞いてきましょうか?」プルーンが意気込む。
「いやいや、プルーンさん。今から行っても入れ違いです。ライスハイン卿はすでに進軍を開始していると思いますが、経路は極秘ですし。いっそ姫様がここに入られるのを待ってご相談されてはいかがですか?」とミハイル様が言った。
「それで間に合いますかね?」俺の質問にミハイル様が答えた。
「なーに。姫様がここにご着陣されたと言ったって、すぐに王都に出陣する訳じゃありません。姫様は旗印なので、一ヵ月以上ここにおられて、味方する諸侯が参陣するのを待ちますので」
なるほど。その間に王城に潜入できるよう計画を練るのか。
だとしたらちょっと危険ではあるが、侵入方法が決まる前に、みんなで王都に行って待機していないといけないかな。まあ、ダウンタウンのあの部屋は家賃前払いで借りっぱなしなので問題はないだろうが……それにメロンやエルルゥとも合流しないとならない。エルルゥもゲートまで連れて行ってやらないと。
あっ、そうか。システンメドルも連れて行かなければいけないのか。
あいつは軍のお尋ね者だし、家族よりリスク高そうだな……。
こうして、俺は姫様のイルマン到着を待って、王城潜入の相談をする事とした。
◇◇◇
あの日から、灯は毎夜俺の納屋に来るようになった。
俺と灯の関係は大分良くなった様に思えるが、星さんはそれを見て見ぬ振りをしていて、灯との親子関係はいまだにぎくしゃくしているように思える。
肉親ほど壊れた関係の修復は難しいと聞いた事もあるが……俺は思い余って星さんに、これでいいのか、こっそり聞いてみた。
「あの子、この世界にいるうちは……って言ったんでしょう?
多分、私のゆうくんへの気持ちをちゃんとわかってくれているんだとは思うの。
でもそんなの理屈じゃ割り切れないよね……だから、ゆうくんがあの子を嫌いでないのなら、ここはあの子の好きにさせてあげて。
この世界であの子に何もしてあげられなかった母親のせめてもの贖罪って訳じゃないけどさ……そうじゃなかったら、あの子……。
この世界で独りぼっちのままだし……」
「星さん……」俺は、星さんの両肩に手をやって、軽くキスをした。
そして、ただ灯のそばにいてやるだけではなく、俺達二人がこの世界で何をしてきたのか、ちゃんと順を追って説明していこうと思った。
◇◇◇
やがて近隣の田んぼに稲が植えられ初夏が間近に感じられる頃、アスカ王女がライスハイン卿の大軍勢に先立ってイルマンに入られた。
クローデルさんもいっしょだった。
「ああ、ダーリン。お会いしたかったですわ!
プルーンさんもお元気そうでなにより」
クローデルさんは、ついにダーリンを公言してはばからなくなった様だ。
まあ、御父上もあんな感じだったし、仕方ないか……でも、プルーンは険しい顔をしているな……。
例のホテルが姫様の宿所として接収されており、その周辺に急ごしらえだが、いくつもの軍事用建物が造られていて、このあたり一体が今回の作戦本部として機能するのだ。到着されてからの数日は御忙しい様だったが、一週間くらいしてお時間が出来たとの事で、ようやく姫様にお目通りがかない、俺は姫様に今までの経緯を説明した。
「うーん。王城の中にそんなものが……あそこ広すぎて、私でもよくわかんない所だらけなんですよね。でも、中に入りさえすればという事なら……いくつか裏口はあるけど、今使えるのかな?」
とりあえず、姫様の記憶を頼りにいくつかの侵入経路を教えてもらった。
「それでね、ゆうたさん。これはまだ内密にしてほしいんですけど……私たちは、お父様の国葬一周忌の日を、王城奪取作戦の期限とする計画を立てています。ですからその日がゲートを使用するリミットになる可能性が高いかと思います。
まあ、それより先に壊されちゃう可能性も高いかもですが……」
「わかりました。
姫様にいただいた情報を元に、なるべく早く王城への潜入を試みます」
「そうですね。頑張って下さい……とは言っても……ゆうたさん達だけで王城に潜入するのはちょっと大変ですよね?
クローデルさん、あなたもお手伝い差し上げていただけますか?
あなたの王都内の情報網が今どのくらい機能しているかは分かりかねますが、無いよりはマシでしょう?
あと、プルーンさんもいっしょにお行きなさい」
「でも、姫様。私は姫様のおそばで……」プルーンが言葉を返す。
「ううん。ここまで来ちゃったら私の護衛は問題ないし……。
あなたはあなたの大切な人のために働いたほうがいいわ。
だって、ゆうたさん……帰っちゃうのよ!」
「あっ! ……そうですね……ご命令に従います……」
プルーンが姫様に敬礼した。
「あの姫様。私のような一個人に、ここまで良くしていただいて、何と感謝を申し上げればよいのか分かりません。自分の世界に戻れても戻れなくても、この御恩は一生涯忘れません」俺は、素直に感謝の言葉を述べた。
「いいえ、ゆうたさん。あの時、あなたがダウンタウンのご自宅に私をかくまって下さらなかったら、私は今こうしてここには居られませんでした。ですので御恩という意味では、私のほうが、あなたから受けた御恩は大きいのです」
そう言いながら、姫様が俺を手招きして、俺の耳元でこう囁いた。
「それでも恩に着て戴けるのであれば、今夜、デートしていただけませんか?」
そばに立っていたプルーンにも聞こえた様で「姫様!」と身を乗り出してきたが、姫がそれを制し、
「いいじゃない。一回だけです。ゆうたさんとはもうお会い出来ないのでしょうし……ぷるちゃん。約束だったよね?」
「姫様……わかりました。約束は守ります。今日だけはゆうたをお譲りします!」
「ちょっとちょっと。プルーンさん……それはどういう事ですの?」
クローデルさんが状況を理解出来ずにプルーンに喰ってかかっていた。
その夜、俺は例のホテルの貴族専用室を訪れた……というより忍び込んだというのが近いだろう。もちろん作為的ではあるのだが、俺が侵入するのを目撃する人がいないよう警備等が配置されていて、予め指定された時刻・経路に従い部屋を目指した。
まさか、王女様に夜這いをかける日が来ようとは……ここの貴族専用室に二回も夜這いかけた奴って、多分俺だけだろうな。
部屋に入ると、姫様が普段着のまま椅子に腰かけておられた。このイルマンのあたりは、俺がいた東京なんかよりかなり涼しく湿度も低いため、夏でも夜は肌寒い位な事が多いが、今日は風もあまりなく、ちょっと蒸し暑く感じる。
「ゆうたさん。来て下さってありがとう。ダウンタウンで結ばれた時は事故みたいなもので、せっかくの初体験だったのに何にも覚えていないんですよ。
ですからどうしてももう一度、ちゃんとあなたと結ばれたかったの。
それで……早速といきたいところですが、私、少々汗臭いんです。
シャワーを浴びていいですか?」
「もちろんです。私に遠慮なさらずにどうぞ」
「それでは、ゆうたさんが私の身体を流して下さいませ」
「えっ? ……そんな恐れ多い……」
「はは、王族は自分で体を洗ったりしないんです。
全部側近任せで……だから正直どうやって流せばいいのか……」
そんなシャワーで体を流すだけだろうに……などど考えてはいけないな。
相手は将来の国王様だ。これは栄誉ある事だ。
姫様はなんのためらいもなくその場で着衣を全て脱がれ、俺にも全裸になるよう指示した。
「あはー。これがゆうたさんの……あの時はゆっくり拝見できなくて……やはり、すごく大きいですね。こんなのが私の中に入っちゃったなんて信じられません」
「あの……恥ずかしいので、あまりしげしげとご覧にならないで下さい……」
「あはっ、ごめんなさい。それじゃ観察はあとでゆっくり……」
そう言って姫様は俺の手を引いてシャワー室に入っていった。
以前、プルーンには一人用だと説明しただけあって、シャワー室は結構狭く、どっちに寄っても姫様と俺の体の一部が接触する。
「ゆうたさん。そんなに居心地悪そうになさらないで……これから契り合う間柄なのですから、どうぞ私の身体にも遠慮なく触れて下さい。その方が私もうれしいです」
姫様の許可もいただいたという事で、それでは遠慮なくと言わんばかりにくっついて、姫様の片腕を上に持ちあげ、シャワーの水が上から勢いよく降り注ぐ中、指先から脇の下までをタオルで丁寧に擦った。
「あは、くすぐったい……」
もう、姫様の仕草ひとつひとつが可愛らしくて仕方がない。
そこから順番に、背中と胸、お腹から腰までゆっくり流し、タオルで磨き上げんばかりになぞっていく。太腿から足先まで流したところで、さすがに股間は…………と思っていたら、姫様が「ゆうたさん。そこはあなたのお口で綺麗にしていただけませんか?」と言った。
「姫様、さすがにそれは……」俺がたじろいでいると、姫様が続けた。
「いえ私は、男女が交わる際、お互いの性器を舐め合うと人づてに聞いていたのですが……違うのですか?」
「いや、違わないんですけど……わかりました……光栄の限りです!」
まったく、天然なのか、俺をからかっているのか……。
それとも本当に変態さんなのか……。
まあエルフの……ましてや王族の性癖など悩むだけヤボというものだろう。
俺は立ってシャワーを浴びている姫様の正面に膝立ちしてから、おもむろに股間に顔を突っ込んだ。興奮してのぼせ気味の俺の頭に、シャワーの冷水がガンガンかかって気持ちがいい。俺の身体から、結構湯気が立っているのがわかる。
俺はそのまま舌を伸ばして、姫様の割れ目の奥を攻め続けた。
「ん……くふっ……ふぁっ……」
姫様も気持ち良さげに身体をくねらせている。
「あのー、ゆうたさん……わ、私、我慢出来にありません……。
しちゃっていいですか?」
「ええ、もちろん!」姫様は絶頂に達しそうなのだろう。
おれはクリトリスを集中的に舐めて姫様の絶頂を促した。
ちょろっ。
次の瞬間、暖かいお湯が俺の口元に流れてきたかと思ったら、
ちょろちょろっ……じょろっ、じょじょじょじょっ……
え? これ、おしっこ?
お湯のように暖かい姫様の黄金水が俺の顔と口に容赦なくかかった。そして冗談ではなく、マジでおぼれそうになったが、ここで姫様を突き飛ばしてはいけないと歯を食いしばって放尿が終わるまで耐えた。
「ぐぇほっ! はあっ、はあっ……」
「あ、あ、あ……あの、ゆうたさん。ごめんなさい! 我慢しようと思ったのですが余りに気持ちが良くて力が入らなくて……まさか殿方のお顔にお小水をかけてしまうなんて……」
姫様は顔だけではなく全身真っ赤にして恥ずかしそうに俺に詫びている。
「ぅうおおおおおおおーーーーーっ!」
黄金水をかけられ異常に興奮した俺は、理性が吹っ飛んで仁王立ちになり、姫様をうしろから羽交い絞めにし、おもむろに陰部に俺の息子を押し当てた。
じゅぷっ!
「あんっ! ゆうたさん……そんな乱暴な……」
そうは言ったが、姫様の内部も準備万端と言わんばかりにトロトロになっていて
俺の息子はすっぽりはまり、動くたびにいやらしい音が狭いシャワー室内に鳴り響く。
「あっ、あっ、ああっ、ふんっふんっ……あーーーー!」
どぴゅっ!
姫様と俺はほぼ同時にイった。
「はあっ、はあっ……」
俺がゆっくり息子を抜くと、姫様の陰部から、白濁した俺のモノがドロりと太腿に流れ出したが、すぐにシャワーに流されていった。
「すいません姫様。
姫様があまりに素敵なご褒美を下さって過度に興奮してしまいました……」
「もう……それじゃ次はもう少しゆっくりお願いしますね」
そして俺と姫様は裸のままベッドに行き、お互いの身体を隅々まで舐め合い、そして性交を繰り返した。
俺も姫様も何回絶頂に達したかわからないくらい、夜通し愛し合ってヘトヘトだ。
やがて空が白んできた。もうすぐ夜が明けるのだろう。
夜這い者は退散しなくてはいけない頃合いだ。
姫様が俺の腕にしがみつきながら言った。
「ゆうたさん……帰られちゃうんですよね。これで最後なのが残念です……」
「それを言われると辛いです。ですが、姫様。私は姫様の事を絶対忘れません」
「……ゆうたさん。帰るのをやめて、私の側近として王宮に仕えてくれたりはしませんか?」
「……お気持ちは大変うれしいです。ですが、仮に帰還がかなわなかったとしても俺は、今の家族……星さんや花梨、プルーンや灯達を大切にしてやりたいんです。
ですから姫様のご期待には沿えないかと……」
「そっかー。やっぱりだめかー。それじゃあゆうたさん。もしこのままこの国にいる事になったら、年に一回でいいから、ここで私と不倫して下さいますか?」
「えー? そんな……姫様……」
「ふふっ、冗談です……それじゃあ、これで最後ね……もう一回……」
そう言いながら俺と姫様は唇を重ね合った。
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そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
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