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第一章 本編
第20話 砂漠越え
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グレゴリーさんの件から、さらに一ヵ月が経過した。
キャラバンは特にトラブルもなく、王都へ向かう盆地の真ん中を走っている。
グレゴリーさんの件は、プルーンにとってもショックだったらしく、あれ以来、二人とも気分が冴えない。
そんな俺達を気遣って、シャーリンさんがいろいろ寒いジョークを言ったりしてくれるのだが、この人絶対こんなキャラじゃなかったよな。多分、ああは言ったものの、彼女もグレゴリーさんのことが心に引っかかっているのだろう。
見かねて、あごひげさんが、俺達三人と、夕食を一緒に取ろうと誘ってくれた。
「もう少し行けば、最終関門のクレイ砂漠だ。そこさえ通り抜けられれば、王都まではそんなに大変な事は無いだろうが、クレイ砂漠越えには、あなた達の力が必要だ。
今日は、日誌も書かんでいいから、少しのんびりして、鋭気を養いなさい」
そう言ってあごひげさんは、食事と酒をふるまってくれた。
俺もこの世界に来て二年半以上立っているので、もう二十歳は越えている。せっかくなので、お酒をいただいたが、はは、これが大人の味か……ちょっと慣れが必要かな。プルーンは、さすがに未成年なので、お茶を飲んでいるが、シャーリンさんは、饒舌にあごひげさんと会話している。あごひげさんも、こんな饒舌なシャーリンさんははじめてらしい。お酒が入ると口が回るタイプなのかな。
しばらくしたら、シャーリンさんの目が座ってきて、鋭い眼光がさらに鋭くなってきた。まあ、すぐに暴れたりはしなさそうであったが、あごひげさんもちょっと怖くなったようで、宴はお開きとなり、俺とプルーンは、シャーリンさんの手を引いて自分の馬車に戻った。
「大丈夫よね。この人に暴れられたりしたら、私たちじゃどうにもならないわよ」
「まあ、自制心の強い人だから大丈夫だと思うが……でも万一の時は、俺が盾になるよ」そんな話をプルーンとしていたら、シャーリンさんが小声で話しだした。
「いいなー。ゆうたは……。
家族がいて。友達もたくさんいて。素敵なつがいがいて……。
私なんか、ずっと独りぼっち……」
そう言いながら、なんと、シャーリンさんがポロポロ泣き出した。
「えっ? ちょっと。この人、まさか泣き上戸?」プルーンがびっくりしている。
はてさて、どうしたものか。以前、あごひげさんも言っていたが、シャーリンさん、ダークエルフってことで、ずっとつらい思いしてきたんだろうなというのは想像に難くない。
「いいえ、シャーリンさん。シャーリンさんは一人じゃないですよ。
ほら、今眼の前にいる二人は、少なくともシャーリンさんの友人です」
「ほんと?」
「ええ」
「じゃ、ゆうたもプルーンもこっち来て!」
そう言って、シャーリンさんは俺達二人を自分の両脇に座らせた。
「そんじゃー、二人で私をギューッてして! そんでねー、頭なでなでして!」
シャーリンさんは、幼児のように親指を咥え始めた。
「ねえ、ゆうた。なんかシャーリンさん、赤ちゃん言葉になってない?」
「はは、いいんじゃないか。たまにはたっぷり甘えさせてあげても。
多分、こういう機会に恵まれなかった人なんだよ」
「そっか。それじゃー、ギュー!」
「あは、もっともっとぉ……」
俺はシャーリンさんの頭を撫で続け、しばらくして彼女は寝落ちしたようだった。
翌日、シャーリンさんは、朝から俺達と目線を合わせないよう顔をそらし続けていた。あれ、これは夕べの事を覚えているクチかな? とちょっと思った。
まあ、次の日には俺達への態度も元に戻っていたのだが。
◇◇◇
キャラバンがいよいよ砂漠に入った。砂漠とはいえオアシスもあり、キャラバンの通るルートは決まっている。問題なのは、今年はサンドワームが例年になく大量発生していそうだということだった。まったく、ゴブリンといい、サンドワームといい、この世界は変な生き物が大量発生するんだなというのが正直な感想だ。
一匹三mくらいの長さがあるらしいが、砂っぽくて食べられたものではないらしい……というか食べようとした人がいたんだ……。
こいつが砂の中を移動して、地中から馬車を直撃してひっくり返し、上に乗っているものを落として襲い掛かるらしい。この突撃を完全に防ぐのは難しいので、キャラバンに先立って先行部隊が行き、虫除けの音波が出る杭とハンマーで地面をたたいていくのだそうだ。そしてそれを嫌がって虫が去ったところをキャラバンが通り抜ける仕組みとのことだった。
「まあ、奴らの生息域はそんなに広くないからな。毎度のことだし、何とかなるさ。
でも、私としては山賊の方が組《くみ》しやすいがな」
シャーリンさんは虫が苦手なのだろうか。
砂漠入りして数日後、いよいよサンドワームの警戒地域となった。
「円陣形!」
キャラバンの指揮官が、隊列の変更を命じ、いままで縦に連なっていた馬車が、大きく円を描く様にまとまった。俺とシャーリンさん達守備隊は、万一のワームの急襲に備えて、馬車を降りて警戒態勢をとっている。そして、陣形の中央で、地面に虫除けハンマーが撃ち込まれた。
「これで、この陣形周辺は安全というわけだ」シャーリンさんが解説してくれる。
続けてその陣形の百mくらい先で、虫除けハンマーが使用され、「前進!」の号令のもと、その地点まで各馬車が移動した。なるほど、尺取り虫みたいに、こうして前進していくわけだ。
こうして、ゆっくりではあるが、キャラバンは砂漠の危険地帯を前進して行き、日没前に、目標のオアシスに到達した。
「やれやれ。これで一安心だな」
みんながそう思った次の瞬間、最後方の馬車がものすごい音でひっくり返った。
「しまった! まだ追ってきていたやつがいたか! 行くぞ野郎共!」
そう言ってシャーリンさんは守備隊の傭兵や冒険者たちと、俺を置いて後方に走っていってしまった。
そして入れ替わりに、後方の馬車にいた人たちがオアシスに向かって逃げてくる。その中にはプルーンもいた。
「プルーン、大丈夫か?」
「ええ、私は大丈夫よ。でも何なの? あのサンドワーム……三mくらいって言ってなかったっけ? あいつどう見ても二十mくらいあるわよ!」
その話をそばで聞いていたあごひげさんが慌てだした。
「なんだと! 五十年物だと! いかん、キャラバンが全滅してしまう……」
「あごひげさん。その五十年物って?」
「言葉の通りですよ。稀にだがそのくらい長生きする奴がいて、大きくてめちゃくちゃ皮膚が頑丈なんです。冒険者たちの剣でも刃が通るかどうか……ゆうたさん、プルーンさん。あなた達はお客さんだ。とにかくオアシスに避難して!」
そうは言っても俺はシャーリンさんの助手だ。なにかお手伝いしないと……。
そうだ! もしかしてあれなら! プルーンに、あごひげさんをガードしながらオアシスに退避するよう指示し、おれは自分の馬車に戻った。ちょっと先で、シャーリンさんと冒険者たちが応戦しているが、確かに苦戦しているのがわかった。
日本刀もそうなのだが、ソードで堅いものを無理に切ろうとすると、刃こぼれしてしまうことが多い。
「でも、もしかしてこれなら……」
俺はグレゴリーさんの軍用ナイフを手に取り、シャーリンさんの加勢に向かった。
「表面は歯がたたん! 節のすき間を狙え!」シャーリンさんが、仲間に指示を出しているが、五十年物の動きが結構素早く、皆、なかなか節にソードの歯を立てられない。そして、結構な数、ソードの刃を折られてしまっているようだった。
「シャーリンさん、加勢にきました!」
「馬鹿! お前では歯が立たん。後ろに下がれ!」
「でも、これなら!」
そう言って、おれはグレゴリーさんのナイフを五十年物に突き立てた。
パスッと音がして、ナイフが五十年物の表皮に軽々刺さり、そこから亀裂が広がっていった。周りから、おおっと歓声が上がる。
ミミズの様にのたうち回る五十年物の体当たりをなんとか躱しながら、俺は何か所かに亀裂を入れた。
「今です! 割れたところをつっついて下さい!」
「よし、みんな! ゆうたが割ったところを集中して攻めろ!」
そうして約二十分後、五十年物は完全に沈黙した。
「いやー、ゆうたさん。ありがとう。感謝してもしきれないですよ」
そう言ってあごひげさんが、俺をねぎらってくれた。幸いたいした怪我人もなく、倒された馬車もすぐに修繕出来るようだ。シャーリンさんも冒険者達も俺を絶賛してくれたが、俺はちょっと複雑な気分だ。
あの時グレゴリーさんと出会わなけれ……あの時グレゴリーさんを殺さなければ……このナイフは俺のものになっておらず、キャラバンは全滅したかもしれない。
そんな俺の心境を察したのか、プルーンがこう言った。
「ゆうた。今回のことは多分、グレゴリーさんが力を貸してくれたんだよ。あの人達の叶わなかった夢。自分の世界への帰還を、ゆうたが必ず果たせってさ」
そうだな。そう考えるとちょっと救われるかな。
「それじゃあ私は、今回の件でどのくらいボーナスが貰えるか……あごひげさんと談判してくるねー」プルーンはそう言ってあごひげさんの居る方に走っていった。
キャラバンは特にトラブルもなく、王都へ向かう盆地の真ん中を走っている。
グレゴリーさんの件は、プルーンにとってもショックだったらしく、あれ以来、二人とも気分が冴えない。
そんな俺達を気遣って、シャーリンさんがいろいろ寒いジョークを言ったりしてくれるのだが、この人絶対こんなキャラじゃなかったよな。多分、ああは言ったものの、彼女もグレゴリーさんのことが心に引っかかっているのだろう。
見かねて、あごひげさんが、俺達三人と、夕食を一緒に取ろうと誘ってくれた。
「もう少し行けば、最終関門のクレイ砂漠だ。そこさえ通り抜けられれば、王都まではそんなに大変な事は無いだろうが、クレイ砂漠越えには、あなた達の力が必要だ。
今日は、日誌も書かんでいいから、少しのんびりして、鋭気を養いなさい」
そう言ってあごひげさんは、食事と酒をふるまってくれた。
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しばらくしたら、シャーリンさんの目が座ってきて、鋭い眼光がさらに鋭くなってきた。まあ、すぐに暴れたりはしなさそうであったが、あごひげさんもちょっと怖くなったようで、宴はお開きとなり、俺とプルーンは、シャーリンさんの手を引いて自分の馬車に戻った。
「大丈夫よね。この人に暴れられたりしたら、私たちじゃどうにもならないわよ」
「まあ、自制心の強い人だから大丈夫だと思うが……でも万一の時は、俺が盾になるよ」そんな話をプルーンとしていたら、シャーリンさんが小声で話しだした。
「いいなー。ゆうたは……。
家族がいて。友達もたくさんいて。素敵なつがいがいて……。
私なんか、ずっと独りぼっち……」
そう言いながら、なんと、シャーリンさんがポロポロ泣き出した。
「えっ? ちょっと。この人、まさか泣き上戸?」プルーンがびっくりしている。
はてさて、どうしたものか。以前、あごひげさんも言っていたが、シャーリンさん、ダークエルフってことで、ずっとつらい思いしてきたんだろうなというのは想像に難くない。
「いいえ、シャーリンさん。シャーリンさんは一人じゃないですよ。
ほら、今眼の前にいる二人は、少なくともシャーリンさんの友人です」
「ほんと?」
「ええ」
「じゃ、ゆうたもプルーンもこっち来て!」
そう言って、シャーリンさんは俺達二人を自分の両脇に座らせた。
「そんじゃー、二人で私をギューッてして! そんでねー、頭なでなでして!」
シャーリンさんは、幼児のように親指を咥え始めた。
「ねえ、ゆうた。なんかシャーリンさん、赤ちゃん言葉になってない?」
「はは、いいんじゃないか。たまにはたっぷり甘えさせてあげても。
多分、こういう機会に恵まれなかった人なんだよ」
「そっか。それじゃー、ギュー!」
「あは、もっともっとぉ……」
俺はシャーリンさんの頭を撫で続け、しばらくして彼女は寝落ちしたようだった。
翌日、シャーリンさんは、朝から俺達と目線を合わせないよう顔をそらし続けていた。あれ、これは夕べの事を覚えているクチかな? とちょっと思った。
まあ、次の日には俺達への態度も元に戻っていたのだが。
◇◇◇
キャラバンがいよいよ砂漠に入った。砂漠とはいえオアシスもあり、キャラバンの通るルートは決まっている。問題なのは、今年はサンドワームが例年になく大量発生していそうだということだった。まったく、ゴブリンといい、サンドワームといい、この世界は変な生き物が大量発生するんだなというのが正直な感想だ。
一匹三mくらいの長さがあるらしいが、砂っぽくて食べられたものではないらしい……というか食べようとした人がいたんだ……。
こいつが砂の中を移動して、地中から馬車を直撃してひっくり返し、上に乗っているものを落として襲い掛かるらしい。この突撃を完全に防ぐのは難しいので、キャラバンに先立って先行部隊が行き、虫除けの音波が出る杭とハンマーで地面をたたいていくのだそうだ。そしてそれを嫌がって虫が去ったところをキャラバンが通り抜ける仕組みとのことだった。
「まあ、奴らの生息域はそんなに広くないからな。毎度のことだし、何とかなるさ。
でも、私としては山賊の方が組《くみ》しやすいがな」
シャーリンさんは虫が苦手なのだろうか。
砂漠入りして数日後、いよいよサンドワームの警戒地域となった。
「円陣形!」
キャラバンの指揮官が、隊列の変更を命じ、いままで縦に連なっていた馬車が、大きく円を描く様にまとまった。俺とシャーリンさん達守備隊は、万一のワームの急襲に備えて、馬車を降りて警戒態勢をとっている。そして、陣形の中央で、地面に虫除けハンマーが撃ち込まれた。
「これで、この陣形周辺は安全というわけだ」シャーリンさんが解説してくれる。
続けてその陣形の百mくらい先で、虫除けハンマーが使用され、「前進!」の号令のもと、その地点まで各馬車が移動した。なるほど、尺取り虫みたいに、こうして前進していくわけだ。
こうして、ゆっくりではあるが、キャラバンは砂漠の危険地帯を前進して行き、日没前に、目標のオアシスに到達した。
「やれやれ。これで一安心だな」
みんながそう思った次の瞬間、最後方の馬車がものすごい音でひっくり返った。
「しまった! まだ追ってきていたやつがいたか! 行くぞ野郎共!」
そう言ってシャーリンさんは守備隊の傭兵や冒険者たちと、俺を置いて後方に走っていってしまった。
そして入れ替わりに、後方の馬車にいた人たちがオアシスに向かって逃げてくる。その中にはプルーンもいた。
「プルーン、大丈夫か?」
「ええ、私は大丈夫よ。でも何なの? あのサンドワーム……三mくらいって言ってなかったっけ? あいつどう見ても二十mくらいあるわよ!」
その話をそばで聞いていたあごひげさんが慌てだした。
「なんだと! 五十年物だと! いかん、キャラバンが全滅してしまう……」
「あごひげさん。その五十年物って?」
「言葉の通りですよ。稀にだがそのくらい長生きする奴がいて、大きくてめちゃくちゃ皮膚が頑丈なんです。冒険者たちの剣でも刃が通るかどうか……ゆうたさん、プルーンさん。あなた達はお客さんだ。とにかくオアシスに避難して!」
そうは言っても俺はシャーリンさんの助手だ。なにかお手伝いしないと……。
そうだ! もしかしてあれなら! プルーンに、あごひげさんをガードしながらオアシスに退避するよう指示し、おれは自分の馬車に戻った。ちょっと先で、シャーリンさんと冒険者たちが応戦しているが、確かに苦戦しているのがわかった。
日本刀もそうなのだが、ソードで堅いものを無理に切ろうとすると、刃こぼれしてしまうことが多い。
「でも、もしかしてこれなら……」
俺はグレゴリーさんの軍用ナイフを手に取り、シャーリンさんの加勢に向かった。
「表面は歯がたたん! 節のすき間を狙え!」シャーリンさんが、仲間に指示を出しているが、五十年物の動きが結構素早く、皆、なかなか節にソードの歯を立てられない。そして、結構な数、ソードの刃を折られてしまっているようだった。
「シャーリンさん、加勢にきました!」
「馬鹿! お前では歯が立たん。後ろに下がれ!」
「でも、これなら!」
そう言って、おれはグレゴリーさんのナイフを五十年物に突き立てた。
パスッと音がして、ナイフが五十年物の表皮に軽々刺さり、そこから亀裂が広がっていった。周りから、おおっと歓声が上がる。
ミミズの様にのたうち回る五十年物の体当たりをなんとか躱しながら、俺は何か所かに亀裂を入れた。
「今です! 割れたところをつっついて下さい!」
「よし、みんな! ゆうたが割ったところを集中して攻めろ!」
そうして約二十分後、五十年物は完全に沈黙した。
「いやー、ゆうたさん。ありがとう。感謝してもしきれないですよ」
そう言ってあごひげさんが、俺をねぎらってくれた。幸いたいした怪我人もなく、倒された馬車もすぐに修繕出来るようだ。シャーリンさんも冒険者達も俺を絶賛してくれたが、俺はちょっと複雑な気分だ。
あの時グレゴリーさんと出会わなけれ……あの時グレゴリーさんを殺さなければ……このナイフは俺のものになっておらず、キャラバンは全滅したかもしれない。
そんな俺の心境を察したのか、プルーンがこう言った。
「ゆうた。今回のことは多分、グレゴリーさんが力を貸してくれたんだよ。あの人達の叶わなかった夢。自分の世界への帰還を、ゆうたが必ず果たせってさ」
そうだな。そう考えるとちょっと救われるかな。
「それじゃあ私は、今回の件でどのくらいボーナスが貰えるか……あごひげさんと談判してくるねー」プルーンはそう言ってあごひげさんの居る方に走っていった。
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