【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!

SoftCareer

文字の大きさ
上 下
17 / 64
第一章 本編

第16話 シャーリン

しおりを挟む
「えっ? 二百万ポン? 百万くらいじゃ……」

 今日の午後、あごひげさんと、王都渡航の打ち合わせにいったプルーンは、もともと大きな瞳をさらに大きく広げて飛び上がった。

「いやいや。それはいくらなんでも。どうせ里長さとおさが変な事言ったのでしょうが。まったく、あいつは……自分が王都に行ったの何十年前だと思っているんだ。それにここ十年くらい村から軍志望を送り出していないから直近の相場も知らんのでしょう。
 プルーンさん。この村から王都まで今の相場だと、一人二百万ポンが普通ですよ。いやいや、決してあなたたちの足元を見ている訳じゃありません。国の定めた上限よりもちゃんと低く設定しています。お疑いなら、王都に着いてからしかるべき役所で調べてもらって構いません。それで、私が相場より多く取っていたとなったら返金しますって念書も書きますよ」
 そういわれると反論のしようもない。もう一度家族と相談しますと言って、プルーンは帰ってきたのだ。

「うわー。計算の根本が間違っていた訳だ」
「そう。それで何度も計算し直したんだけど、どう切りつめても、二百万ポン、一人分足りないのよ! 
 どうしよう……渡航を一年延ばして貯金する? 
 でも一年でも二百万ポンは……」

「そうだな。じゃあ他の手段も考えよう。お金を借りるとか、たとえば道中、俺達も働いて多少おまけしてもらうとか」
「そうね。ここで計算だけしていてもお金は増えないし、費用は減らない。キャラバンがこの村を立つまで、まだ十日あるわ。もう少し、じたばたしてみましょう。
 私、明日、もう一度あごひげさんのところに行くわ。
 そしてお金借りる件や働く件も相談してみる」
「それがいいだろうな。ゴーテックさんも、お金のことは行商に相談するのがいいと言っていた。明日は俺も一緒に行くよ」

 俺とプルーンの会話を聞いていた星さんが口を開いた。
「あのー。その、明日の行商さんとの相談だけど。私も付いて行っていいかな?」
「えっ、それは構いませんが、星さん、何か考えでも?」
「いやー、私も一応主婦の端くれで、値引き交渉となると血が騒ぐというか……
 大丈夫! ちゃんと大阪のオバチャンになりきるから」
「大阪のオバチャン? 何それ。でもあかりママも来てくれるのは心強いな」
「ははは、それじゃ、値引交渉に、三人で出撃しようか」
 値引き交渉が成功するかはわからないが、最後まで粘ってみるのは損にはならないだろう。

 その後、俺はエルルゥの夢のことを、プルーンに俺から伝えるのもどうかと思い、こっそり星さんにだけ話した。
「ふーん。素敵な夢だねー。かなえてあげたいねー。それって、私たちが元の世界に帰れるってことだし。でも、あのぱんつ、ヒマムラの三枚千円のやつなんだよなー。私の勝負ぱんつみたら、エルルゥちゃん、卒倒しちゃうかもねー」うーん。星さんの勝負ぱんつってどんなんだろう。

 翌日、三人でキャラバンに行き、忙しそうにしているあごひげさんの手が空くのを待って、資金の相談を始めた。

「うーん。気持ちはよくわかるが、渡航費用は前払いが原則なんですよ。借金するにしても、私ではなく村の他の人で工面してもらいたいです。
 以前はもう少し規制が緩かったのだけど、王都についてから逃げちゃう者とか途中で死んでしまう者とか、いろいろ問題があって、今は前払いが国のルールなんです。
 唯一の例外として、到着時にちゃんと払える確約があればOKなんですが」

「そうですか。だとすると、私たちが王都に行って一年後、残り二人が王都に到着する時、先に王都に入った私たちが二百万ポン用意できていればいいという事ですかね」プルーンの問いにあごひげさんが答えた。

「そうですね。でもそれも大変ですよ。軍に採用されたとしても、見習いのうちは月給二万くらいと聞きます。正規採用になっても五万くらいだとか。お二人が給料を一銭も使わず、且つ、他に副業するとかしないと間に合わないと思いますよ」

 生活費の事も考えると、それは無理そうだ。そこで俺があごひげさんに尋ねた。
「例えば、私たちが王都までの道中、キャラバンの下働きをさせていただいて、その給金分おまけしてもらうとかはダメですかね?」
「なるほど。それは無きにしもあらずです。あなたたちは何が出来ますか? セールスポイントというやつです」
「あー。家事全般と肉体労働。それに剣も多少は‥‥‥」

「うーん。その辺は間に合ってるんですよ。必要な人材は、王都から往復分で確保して来ていますから。途中で欠員でも出ていれば話は別なのですが‥‥‥でも、君らの気持ちもわからないではありませんし‥‥‥そうですね。王都に帰る途中、ちょっと気がかりな場所もありますので、腕の立つ者なら雇ってもいいかも知れませんね」

「それじゃあ!」
「待って待って。早まらないで下さい。腕が立つ者でないとダメですので、まずはあなた方の力量を試させてくれませんか?」
「はい! 是非やらせてください!」

 そうして俺達は広場に移動し、あごひげさんは例のダークエルフの強面のお姉さんを呼んだ。
「紹介します。この人が我がキャラバンの守備隊長をしている傭兵のシャーリンさんです。でも、あなた達では絶対勝てませんからケガをしないよう無茶はしないで下さい。力量を図ってもらうだけでいいですから」
 あごひげさんがそう言いながら、俺とプルーンに木製の模擬剣を渡してくれた。

「私に一本でも有効打が入れられればお前たちの勝ちでいい。遠慮はいらないから思い切りかかってこい。二人がかりでいいぞ」シャーリンさんは余裕たっぷりだ。
「え、でも。シャーリンさんでしたっけ。あなたも剣をもって構えてください」
「気にするな。誤って私の剣がお前たちに当たってしまう方が危ないんでな。仮に木製の剣が私に一撃入ってもどうということはないから遠慮するな」
「そうですか。それじゃ、よろしくお願いします!」

 くそ、舐められたものだな。いくら達人でも、素手で剣を持った俺とプルーンの相手をしようというのか。
 プルーンと目くばせし、一斉にとびかかろうとしたとき、ドンっと回りの空気の重さが増した。なんだこれ? 
 一瞬、魔法か何かかと思ったが‥‥‥違う! シャーリンさんに俺が気押されているんだ。プルーンも同じ様で、足がすくんで止まっている。

「どうした。ビビったか? 
 王都行はお前たちの夢なんだろ。
 根性入れてかかってこい!」

「こんちくしょー」シャーリンさんの一喝に、覚悟を決めて打ち込んでいったが、まあ、結果はさんざんだった。
 俺とプルーンの太刀筋はすべて読み切られ、本当に数ミリの隙間をおいて躱された。プロの傭兵ってこんなにすごいものなのか。

「どう思いますか。シャーリンさん」
 あごひげさんの問いに、シャーリンさんはしばらく考えて、やがてこう答えた。

「もっとちゃんと鍛えればそれなりには使える様にはなると思うが、今の時点では戦力的にまったくあてにはならない。戦闘時、かえって足を引っ張られるかもしれない」
「そうですか‥‥‥ゆうたさん。残念ですが、キャラバンでの臨時採用もむずかしいですね」
 仕方ないな。これだけ実力の差を見せつけられては、俺も何も言えない。

 しかし、これで手詰まりだ。ここはまた考えて出直しかな。そう思っていたら、ずっと口を挟まず、いままでの経緯を見ていた星さんが、あごひげさんに問いかけた。

「あのー、さっきの話しの続きなんですが‥‥‥あの王都着払いってやつ。あれで王都に行って、いざ支払いって時にお金がなかったらどうなります?」
「あー、でも通常は先に見せ金を確認してからその契約をしますので、そんなことにはならないかと‥‥‥ああ? あなたもしかして! いやいや悪いことは言いません。そんなことになったら、あなたは奴隷落ちか牢獄ですよ」

「ちょっと、あかりママ。いったい何考えてるの? まさか私たちに一時的に見せ金だけ用意させて‥‥‥とか思っているんじゃないでしょうね」プルーンが顔色を変えて喰ってかかる。
「いやいや、いくら何でもそれじゃみんなが納得しないし、迷惑かけるし‥‥‥そっかー。奴隷とかあるんだー。でもね。まあ奴隷とまではいかなくても、例えば二人で、王都での私の仕事を見つけてくれて、前金でお給料もらったりしたらいけないかなーって思ってさ」
「だめよそんなの。下手したら性奴隷とかになっちゃうかもしれないわよ! もしかして大阪のオバチャンって、奴隷に身売りするって事? ふさけないで!」

 おー、プルーン。性奴隷なんて言葉も知ってるんだ。でも今のは完全に間違いだ! 全国の大阪のオバチャンを敵にまわすな‥‥‥でも確かに縁もゆかりも無い奴に、いきなり給金前払いとか、まっとうな職業じゃないよな。

「あのー、皆さん」
 あごひげさんが、すまなそうに俺たちの会話に割って入ってきた。
「あなたは‥‥‥ゆうたさんのつがいさん? 相当なお覚悟をお持ちのようですが、その計画はたぶんうまく行きません」

「大丈夫です! 万一、性奴隷になっても、ゆうくんに、後日買い戻してらいますから!」
「そうではなくて‥‥‥王都であなたにお金を払ってくれる者はいないのです!」
「えー。私ってそんなに魅力ない?」
「ああ、面倒な人ですね。あなた個人の話しではなく、人間のメスがダメなのです」

 とりあえず落ち着こうという事で、あごひげさんに促され、最初打ち合わせをした馬車に戻った。

「王国憲章でも種族による差別は厳しく戒められてはいるのですが、いまだに人間への蔑視・偏見はなくなっておらず、この村みたいな辺境ではそうでもないんですが、王都だと、いまだに人間を無能なごく潰しと見ているものが少なくありません。
 ですので人間が王都で就職先を探しても縁故でもなければ、まず見つかりません。人間を採用するくらいなら王都に流れ着いている獣人のほうがマシという都市伝説みたいなものが根強くある位なのです」
「うわー。俺と星さん、そんなところに行こうとしてるのか‥‥‥」
「まあ、軍や役所は、人間でも法にのっとって扱ってくれますけど、民間だとダメですね。でも、今の話でちょっと思い当たったことがあります‥‥‥が、ご婦人たちの前ではやめておきましょう」

「ちょっと、もったいぶらないで下さい、あごひげさん。この際なんでもいいですから何かアイデアを下さい」
「それじゃ、ゆうたさん。あくまでもこれも都市伝説の一つぐらいの気持ちで聞いてください。人間のメスはダメですが、オスは結構な値が付くケースがあります。人間のオスの性器が獣人やエルフの何倍も大きいという都市伝説があって、たまになのですが、人間のオスをペットに欲しがるエルフの貴族がいたりします」
「な、何よそれ! それこそ性奴隷じゃないの!」プルーンが顔を真っ赤にしている。

「その通りです。まあエルフは我々とは比べものにならないくらい長寿で、生殖とか色恋に関する彼らの感覚は我々には計り知れないのですが、たまにそういうのが大好きな肉食系の貴族がいらっしゃるようです。ああ、でもゆうたさん。誤解しないでください。決してあなたにそうしろと勧めているわけじゃないですよ!」
「はは、わかってますよ、あごひげさん。俺もそんなつもりは毛頭ないです。ただ、いよいよ切羽詰まった時の選択肢としては、その話、覚えておいていいかも知れませんね」

「もー、ゆうくんったらー。私が言うのもなんだけど、もっと自分を大切にしてよー。それにしても、エルフの女性にも性欲旺盛な人はやっぱりいるんだねー」
「いやいや、そういう好き者は、エルフの『女性』だけとは限りませんので‥‥‥」
「うわー‥‥‥」その言葉に、三人でドン引きした。

◇◇◇

 そして夜になり、お金のめどがついたわけではないが、準備だけはすすめておこうと荷造りをしていた時、誰か来客が来たようで、メロンが応対に出た。

「ゆうたにお客さん‥‥‥」と言うメロンがなんだか怯えているようだ。俺が戸口に出てみると、そこには、昼間手合わせしたダークエルフのシャーリンさんが立っていた。

「こんな夜遅くにすまないな。任務のローテーションが空かないと自由に動けないもので、勘弁してくれ。
 話があるんだが、ちょっといいか?」
「構いませんよ。立ち話もなんですし、狭いですけど中へどうぞ」
 突然の来訪者に、プルーンも星さんもびっくりしていた。メロンは怯えて、星さんの背中にひっつき、後ろに隠れてしまっている。

「いきなりだが、私は挨拶とか社交辞令とかは苦手なので、要件だけ言う。ゆうた。お前、助手として王都までの道行き四か月間、私に雇われてみる気はないか。私もジン様に雇われている身なのでそんなには出せないが、月十万でどうだ?」
「えっ? それは願ってもないお話なんですが、昼間コテンパンにやられた俺に、何でそんなお話を?」
「おまえに一目惚れした‥‥‥いや、これは冗談だ。
 どうしたここは笑うところだぞ」
 はは、シャーリンさんの存在感と威圧感が半端なくて、何言っても冗談に聞こえないです。

「いや実は、昼間お前と手合わせしたとき、ちょっと違和感を感じてな。それを確かめたかったんだ。お前、ソードが一番得意な得物ではないだろう? そっちのお嬢さんの素直な打ち込みと違って、太刀筋が気持ち悪かったんだ」
「あっ、そんなことわかるんですね。実は俺、自分の世界では、刀っていう、長身で細身の片刃の包丁みたいな武器で訓練していたんです。たぶんその癖がまだ抜けていなくて」

「ほう。その得物見せてくれないか。できればそれで手合わせしてほしい」
「残念だけど、本物の刀はここにはありません。練習用に俺が作った木刀でよければ手合わせ出来ますよ」
「それでいい」
 そうして俺はシャーリンさんと表に出た。

 シャーリンさんは職業柄、こうした武道に興味があって、勝ち負けではなく、多分、剣道の間合いとか型とかを知りたいのだろうと察して、それを意識して数分間立ち会った。
「あはは、そうか。これは面白いな。同じ刃物でもソードとは根本的に立ち回りが異なるようだ。ゆうた、お前やっぱり私の助手になれ。そして王都に着くまでの四か月、この剣技を私に教えてくれ。給金はさっき言った額払う!」
「やったあ、ゆうた。四十万ゲットだぜ!」
 プルーンが俺に飛びついてきた。

「でもすごいねー、ゆうくん。剣道の先生するだけで、そんなに貰えるんだー」
 星さんがそう言うと、シャーリンさんがそれに返して言った。

「いやいや、さすがにそれは違うぞ、つがい殿。剣技の稽古は助手の仕事の一部だ。基本的に私の身の回りの世話や、夜当直の代わり、業務日誌の記載などもしてもらう。私は洗濯や日誌書きが苦手でな」
「あー、よかった。夜に添い寝しろとか言われたらどうしようかと思った」
 冗談めかした俺の言葉に、シャーリンさんは顔を真っ赤にしながら言った。
「多分そんなことはないとは思うが‥‥‥まあ、私もたまに欲求不満が溜まる事があるので、その時は助手に気持ちよくしてもらうのもありかもしれないな‥‥‥」
「えっ?」プルーンと星さんが、一瞬固まる。
「ははは、冗談だ! ここは笑うところだぞ!」
 シャーリンさん……見た目よりお茶目なのかもしれない。そしてシャーリンさんは、もう最初会った時のような威圧感は全く感じられず、笑顔を浮かべながら帰っていった。

 さらに翌日。
 プルーンが里長と掛け合って、村から幾許かの支援金を貰える事になり、シャーリンさんの給金と合わせてもギリギリではあるが、なんとか金策のメドがついた。

「んー。あと六十万なら、私たちが頑張れば、王都で貯められるかな。頑張ろう、ゆうた!」
「そうだな。今はこれでやれるだけやってみよう」
 プルーンと顔を見合わせながら、二人でニヤニヤと笑った。

◇◇◇

 渡航費用のメドがついた事を、あごひげさんに報告しようと、プルーンと二人でキャラバンに向かった。
 行商も後半戦で、注文品を届ける仕事から、来年分の注文を受ける仕事に業務内容が変わってきているようだ。村の人達が、広場で懸命に注文書を書いている様子を眺めながら歩いていたら、ソドンに呼び止められた。

「おお、ゆうた。ちょうどよかった。これ、お前んちの注文品な。やった、届ける手間省けた」
「なによ! あんたが手間賃貰ってるんだから、ちゃんと家まで運んでよ! これ、すっごく重いじゃない」
 プルーンがソドンに喰って掛かる。

「はは、すまんソドン。俺達、これからちょっとあごひげさんのところに顔を出すので、すまないが荷物は先に持って行ってくれないか。家にはメロンがいるから」
「ちぇー」そう言いながら、ソドンはしぶしぶ、その荷物を抱えて行った。

「でも、何かしらね。ずいぶんと重かったけど……」
 プルーンに心あたりが無いということは、バルアが昨年注文したものだろう。

 あごひげさんに、資金繰りのメドが立ったことを報告したが、彼はシャーリンさんが資金提供を申し出たことに驚いているようだ。

「私もずっと、彼女は他人のことなど全く眼中にないのかと思っていましたが、そうではないのですね。ダークエルフということで、彼女もいわれなき偏見や差別を経験しているでしょうし、それに近い境遇のあなたに、何かシンパシーを感じたのかも知れませんね」
 そうなのか。だとしたら、俺も最初は、彼女を外見で判断し、ものすごく怖そうな人だと思ってたので、それも偏見だよなと、ちょっと反省した。

 そうして家に戻り、例の荷物を開封したところ、服や狩りの道具などといっしょに、中から新品のソードが一振り出てきた。服は当然、バルアやプルーンとメロンのものだろうと思っていたら、どうやら俺と星さんの物も有るようだ。特に女物は、先日のエルルゥのワンピには負けるが、普段着ているこの村の民族衣装っぽいものとは異なり、どれも洗練されていて都会的なデザインだった。節約家のバルアも、さすがに年頃になった娘たちにおしゃれをさせたかったのだろうな。プルーンもメロンも、眼にいっぱい涙を溜めながら、いつくしむ様にその服に頬ずりしている。

「それにしても、これ、かなり立派なソードだよな。
 バルアが新調したんだろうか」
「うーん、でもイメンジは普段大剣だったからねー。
 ゆうた用じゃない?」
「いやー、プルーン用だろ」
「でもこれ、私には重すぎるよ。まあ、これから王都に向かうわけでもあるし、ゆうたが使いなよ。イメンジからの餞別だと思ってさ」
「……そうか。それじゃそうさせてもらうよ」

 まさか一年前のバルアが、こうなる事を予測していたはずは絶対無いのだが、オキアに借りていた業物は返さないとならないので、全くもって有難い。
(バルア。
 この剣に誓って、俺はこの家族を絶対守るよ!)
 心に強くそう誓って、俺は渡航の荷造りを再開した。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

母娘丼W

Zu-Y
恋愛
 外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。  左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。  社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。  残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。  休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。  しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。  両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。  大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。  ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...