38 / 53
第二章 E小隊・南方作戦
第十二話 オナバレ
しおりを挟む
この牢屋に入れられて、三日たった。
一応、食事は朝夕で与えられ、特に不当な暴力や尋問もない。本当に戦争が終わるまでここに監禁するだけのつもりなのだろうか。でも自分は彼らのまな板の上の鯉だ。いつ彼らの気分が変わるかも知れない。確信はないが、どこからか監視されているようにも感じる。
まず、他の仲間がどうなったのか知りたいのだが、ここにいては真実は判らないだろう。
やはり、なんらかのアクションを起こす必要があるとエルは思った。
使い慣れたワンドは当然無く、ひとりエッチで多少マナを収束させられるとしても憑代がない。せめてなにか細い釘でもあればと思って壁とか天井を見渡してみたが、それらしいものは発見出来なかった。
(リサさんみたいに、手指の先に収束できればな……)とも考え試してみたがまったくうまくいかなかった。
食事についてくるスプーンがほしかったが、守備兵が必ず確認して持って行ってしまう。
そんなある日の夕食に、フライドポテトがついていた。
ええいダメ元と思い、落としたふりをして素早く毛布の下に隠した。
真夜中、隠したポテトをワンド替わりに、ひとりエッチしてマナをちょっと集めてみたら上手くいきそうだった。ただ、所詮ポテトなので、湿気たりカビたりしたらダメだろう。
運用方法をうまく考えなくてはいけない。とはいうものの、壊せるのはたぶん扉とか壁一枚がせいぜいか。それで何が判るのか。そして彼らを怒らせて、そこでTheエンドなのでは……とも思う。でも、実行しなければ何も生まれない。
意を決して、今できる最大出力で扉の破壊を試みよう。
右手にポテトを持ってドアの方に向け、左手で、自分のぱんつの中の敏感な部分をゆっくりと刺激する。
「小隊長……」
あの、ドラゴンをやっつけた時のローアイの手の感触がはっきり思い出され。小隊長が手を貸してくれているようにも感じられた。
「ん、んんっ……、あ、あん、あん……」
「くふ―――、あああ―――、エクスプロージョン!」
瞬間、エルのまわりに滲んだマナがポテトに収束し、光の束がドアにぶつかる。
ど―――んと、ものすごい音がした。
(どう、ドアは破れた?)
エルはドアに近づき確認するが、ドアには煤がついただけで全然びくともしていない。
(ええ、あれじゃダメなの……)
がっかりして右手をみると、ポテトは炭になってぽろぽろと崩れ去った。しかし、あれだけ大きな音がしたのに誰も来ない。よほど防備に自信があるのだろうか?
(ううん。一回であきらめちゃだめ。できることをしていくのみ。小隊長、エルはまだまだくじけません!)
翌日の夜、また食事にフライドポテトがついていたので、昨夜同様数本確保した。
食事を持ってきた兵士は、昨夜の事を何も言わないし聞かなかった。
(次は、窓の鉄格子を試してみよう)
そうして昨夜よりさらに絶頂になるよう意識して、エクスプロージョンしたが、やはり鉄格子には傷一つ付かなかった。
そして、さらに翌日。今度は一番壁が薄そうな部分に試してみたが、結果は変わらず、なにも傷つける事が出来ない。
そして、あれだけ大きな爆発音がしても、やはり誰も様子を見に来ない。食事を持ってくるとき以外、誰もこの建物に居ないのかしら。
そうは言っても、あのドラゴンを葬った自分の魔法弾がこうも全く効果が無いとは……。
「やっぱり、私は小隊長がいないとダメなのかなー」
そういって、エルは声を殺して静かに泣いた。
◇◇◇
同時刻、そうしたエルの様子をずっと眺めている人物たちがいた。
エルの部屋は、隠しカメラで二十四時間モニタされていて、エルがいままでやってきた行為もすべて記録されている。
「それにしても親衛隊長。ちょっと可哀そうですね。オナバレしてるってわかったら、この子、恥ずか死しちゃうんじゃないですか」
「下品な言葉は慎んでください。これはちゃんとした実験です。事前の情報が不確かだったので、はじめは信じられませんでしたが、本当に性的快感で攻撃するのですね。でもまあ、ドラゴンをやったのはこの娘で間違いないでしょう」
「そうですね。部屋の壁やドアに付けたセンサーも、とんでもない数値を叩きだしています。対魔法衝撃用のあの部屋でなかったら、ほんとうに壁抜かれて逃げられてますよ」
「それにしても、まだ、あのドラゴンをやったときの威力には、遠く及びません。まだ、それほど必死ではないのか、それとも全力で撃てない事情でもあるのか……。
とにかく、もうエルフの自慰行為は、いい加減見飽きましたので、いつも私たちが使う次の手と行きましょうかね、グスター所長」
「アイアイサー。親衛隊長」
一応、食事は朝夕で与えられ、特に不当な暴力や尋問もない。本当に戦争が終わるまでここに監禁するだけのつもりなのだろうか。でも自分は彼らのまな板の上の鯉だ。いつ彼らの気分が変わるかも知れない。確信はないが、どこからか監視されているようにも感じる。
まず、他の仲間がどうなったのか知りたいのだが、ここにいては真実は判らないだろう。
やはり、なんらかのアクションを起こす必要があるとエルは思った。
使い慣れたワンドは当然無く、ひとりエッチで多少マナを収束させられるとしても憑代がない。せめてなにか細い釘でもあればと思って壁とか天井を見渡してみたが、それらしいものは発見出来なかった。
(リサさんみたいに、手指の先に収束できればな……)とも考え試してみたがまったくうまくいかなかった。
食事についてくるスプーンがほしかったが、守備兵が必ず確認して持って行ってしまう。
そんなある日の夕食に、フライドポテトがついていた。
ええいダメ元と思い、落としたふりをして素早く毛布の下に隠した。
真夜中、隠したポテトをワンド替わりに、ひとりエッチしてマナをちょっと集めてみたら上手くいきそうだった。ただ、所詮ポテトなので、湿気たりカビたりしたらダメだろう。
運用方法をうまく考えなくてはいけない。とはいうものの、壊せるのはたぶん扉とか壁一枚がせいぜいか。それで何が判るのか。そして彼らを怒らせて、そこでTheエンドなのでは……とも思う。でも、実行しなければ何も生まれない。
意を決して、今できる最大出力で扉の破壊を試みよう。
右手にポテトを持ってドアの方に向け、左手で、自分のぱんつの中の敏感な部分をゆっくりと刺激する。
「小隊長……」
あの、ドラゴンをやっつけた時のローアイの手の感触がはっきり思い出され。小隊長が手を貸してくれているようにも感じられた。
「ん、んんっ……、あ、あん、あん……」
「くふ―――、あああ―――、エクスプロージョン!」
瞬間、エルのまわりに滲んだマナがポテトに収束し、光の束がドアにぶつかる。
ど―――んと、ものすごい音がした。
(どう、ドアは破れた?)
エルはドアに近づき確認するが、ドアには煤がついただけで全然びくともしていない。
(ええ、あれじゃダメなの……)
がっかりして右手をみると、ポテトは炭になってぽろぽろと崩れ去った。しかし、あれだけ大きな音がしたのに誰も来ない。よほど防備に自信があるのだろうか?
(ううん。一回であきらめちゃだめ。できることをしていくのみ。小隊長、エルはまだまだくじけません!)
翌日の夜、また食事にフライドポテトがついていたので、昨夜同様数本確保した。
食事を持ってきた兵士は、昨夜の事を何も言わないし聞かなかった。
(次は、窓の鉄格子を試してみよう)
そうして昨夜よりさらに絶頂になるよう意識して、エクスプロージョンしたが、やはり鉄格子には傷一つ付かなかった。
そして、さらに翌日。今度は一番壁が薄そうな部分に試してみたが、結果は変わらず、なにも傷つける事が出来ない。
そして、あれだけ大きな爆発音がしても、やはり誰も様子を見に来ない。食事を持ってくるとき以外、誰もこの建物に居ないのかしら。
そうは言っても、あのドラゴンを葬った自分の魔法弾がこうも全く効果が無いとは……。
「やっぱり、私は小隊長がいないとダメなのかなー」
そういって、エルは声を殺して静かに泣いた。
◇◇◇
同時刻、そうしたエルの様子をずっと眺めている人物たちがいた。
エルの部屋は、隠しカメラで二十四時間モニタされていて、エルがいままでやってきた行為もすべて記録されている。
「それにしても親衛隊長。ちょっと可哀そうですね。オナバレしてるってわかったら、この子、恥ずか死しちゃうんじゃないですか」
「下品な言葉は慎んでください。これはちゃんとした実験です。事前の情報が不確かだったので、はじめは信じられませんでしたが、本当に性的快感で攻撃するのですね。でもまあ、ドラゴンをやったのはこの娘で間違いないでしょう」
「そうですね。部屋の壁やドアに付けたセンサーも、とんでもない数値を叩きだしています。対魔法衝撃用のあの部屋でなかったら、ほんとうに壁抜かれて逃げられてますよ」
「それにしても、まだ、あのドラゴンをやったときの威力には、遠く及びません。まだ、それほど必死ではないのか、それとも全力で撃てない事情でもあるのか……。
とにかく、もうエルフの自慰行為は、いい加減見飽きましたので、いつも私たちが使う次の手と行きましょうかね、グスター所長」
「アイアイサー。親衛隊長」
10
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる