【R18】冒険者兄妹(仮)

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その21:冒険者姉弟(前編)

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「どうして……こうなった………」

 今、目の前で最近こちらに転移してきたと言う人間の冒険者姉弟がまさにエッチしようと絡みあっている。
 と言うより、弟の方が実の姉を強制的に凌辱しようとしている。
 すでにお姉さんはほぼほ下着だけになっており、弟の手が腰のぱんつにかかろうとしている。この弟、たしかにやんちゃそうではあったが……どれだけ欲求不満が溜まっていたのだろうか。まあ、それで街の人たちにも当たり散らしていた様だし……。

 いやー、これどうしよう。僕もあんまり強く言える立場じゃないんだよなー。ヨリといっつもヤっちゃってるし……でも……僕の近くにいるノアナさんもリーマ姫も僕になんとかしろと眼で訴えている様だ。まあ、そうだよね。これは止めないと。

「拓君。ごめんね!」
 そう言いながら僕は、その弟君に当身を食らわせて失神させたのだった。

 ◇◇◇

 朝、いつもの様にギルドに出勤したら、カミーユさんに呼ばれた。
「ああ、お兄さん。ヨリちゃん。ギルマスが話があるってさ。顔見せたら呼んでくれって言われてたの」
「えっ? 僕達何かしでかしましたかね。もしかしてこの間の皇太后様の件とか?」
「何それ? 何かやらかしたの?」
 不審がるカミーユさんを煙に巻きながら、僕とヨリは奥の応接に通された。

「これはこれは、噂の冒険者兄妹さん。こうしてお話するのは初めてですよね」
 そう言いながら、結構大柄なドワーフと思われる男性が部屋に入って来た。
「初めまして。私、このギルドの責任者をしております。カーチスと申します」
「こちらこそ、もうここでお世話になって一年以上経つのに、ご挨拶もせず申し訳ございません」僕とヨリが頭を下げる。
「いえいえ。私も余程の事がないと、冒険者さんたちと個別でお話はしませんからね。気になさらないで下さい。それで今日は、お願いがあっておよび立て致しました」
「はあっ……」

「この街から馬車で東に七日ほど行ったところに、マンデルという街があるのですが、そこのギルドマスターからの依頼で、最近転移して来た人間の冒険者姉弟が、素行が悪くて困り果てているとの事で、同じ人間の転移者で高名なお二人に、この姉弟を指導してやってくれないかとの事なのです」
「えー、面倒臭そう。私、人間相手はちょっと……」ヨリが拒絶反応を示す。
「あの、それって、やっぱり商会さん絡みなんですよね。あちらにクレームを入れたりは出来ないんですか?」やっぱりそれが筋だと僕は思う。
「ああ、商会さんも、こっちに来ちゃった人達にどうこう言ってくれたりはしないんですよ。見て見ぬ振りと言ますか、我関せずと言いますか……まあ、まだ死者は出ていないんですが、その絡みで負傷者も出ていて、特に弟は目に余る乱暴狼藉だとの事で、街もほとほと手を焼いている様なのです。それでお二人なら実績も人望もございますし、後輩の転移冒険者の面倒も見ておられる。あなた方より適任はないかと思うのです」

「はー。どうするヨリ?」
「私、そういう話通じなさそうな人達と絡みたくない。どうしてもって言うんならお兄ちゃんだけで行って来て。ああ、ノアナ達連れてってもいいから」
「えーっ。僕だってそれなりにオタクでコミュ障あるし……」
「そこを何とか。人助けだと思って……まずはその姉弟と会話だけでもしてみていただけませんか? それで不調に終わっても謝礼はお支払い致しますから」
 ギルドマスターがテーブルに頭をぶつけんばかりに深くお辞儀しながら懇願している。

「そうですね。話だけでもいいっていうなら。でも結果は保証出来ませんよ?」
「はい、それで結構です!」
 こうして僕は、そのならず者の転移冒険者姉弟とやらと話し合う為、ノアナさんとリーマ姫を連れ、そのマンデルという街に向かった。

 ◇◇◇

 マンデルに着いた僕らは、真っ先にギルドを尋ねた。ここのギルマスもやっぱりドワーフの男性なんだな。そしてその人から聞いた話だと、問題の姉弟は、あかねたくという人間で、年齢もお姉さんがアラサー位で、弟の方が多分僕と同じ位との事だ。いや、外人だったらどうしようとは思っていたのだが、名前からして日本人だよな。これなら、会話自体は出来るに違いない。

「それで、その姉弟なのですが、特に弟が本当にやりたい放題なのです。道を歩いていて、何か気に入らない事があると見境なく人を殴り、物を壊しますし、店の商品も勝手に食べたり持ち出したり……ギルドでクエストを請け負って収入を得て下さいと言っても聞く耳を持たずでして。かといって商会さん斡旋の転移者ですから始末する事も出来ず。何とか宜しくお願いします!」
「始末って……物騒な話ですが、商会さんってそんなに力あるんですか?」
「はは。彼らに逆らって、この世界で生きてはいけませんよ」
 そうなんだ。という事は僕ももっと好き勝手やってもよかったのかな?
 今からでも遅くないから、やっぱりお兄ちゃんハーレムを……

「ギルマス! また例の弟が市場で暴れています!!」
 いきなり人が部屋に入って来てそう告げた。
「ああ、早速ですがお兄さん。何卒宜しくお願い致します」
 僕は、ノアナさん、リーマ姫と眼を合わせて立ち会がり、その現場に案内してもらう事にした。

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