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その11:異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!(後編)

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「お邪魔しまーす」
 いくら婚約者と言えども、リーマ姫の部屋には滅多な事では立ち入らない。と言うか、引っ越しの時以来かな。ははは。女の子らしく、綺麗に整頓されているし、なんかぬいぐるみだらけだな。

 僕は、王妃様をベッドに座らせた。
「それじゃ、ごゆっくりなさって下さい」そう言って部屋を出ようとしたら、グイっと袖口を掴まれた。

「あの……お兄さんは、リーマを子供だと言いましたが、あの子はもう立派に大人です。獣人は十歳を越えれば子供も造れます。お兄さんには是非、あの子を一人前の女性として、大事に可愛がっていただきたくお願い申し上げます」
「はい? あの……確かにそうかもなんですが、十歳は僕らの世界では、本人が了解してもエッチしちゃったら有罪なんです。別に婚約をこちらから破棄したりはしませんので、そんなにお急ぎにならなくても……」
「……それなら、この身体ではいかがですか? もう十分大きな大人ですよ?」
「はいぃ!!!? 王妃様、一体全体何を……酔っぱらわれてます?」

 しかし、そんな僕の言葉には耳を貸さず、王妃様は僕をベッドに押し倒し、上からのしかかってきた。
「や、やめて下さい王妃様。そんな事したら、僕はまた火あぶりになっちゃいますよー」
「だから、申し上げております様に、二人で黙っていれば問題ありません!」
「そ、そんな……」
 僕も一端いっぱしの冒険者。なんとかこの場を切り抜けようともがくのだが、全然身動きが取れない。これって、柔道の抑え込み見たいなものか? さすがは元冒険者……いや、感心している場合じゃないって!

 そんな感じでジタバタしていたのだが、全く抵抗出来ないまま、僕の衣服が王妃様にむしられ始め、とうとうパンツ一丁になってしまう。
「さあ、お兄さん。もう最後の一枚です。無駄な抵抗はおやめなさい!!」
 そう言って王妃様が僕のパンツに手をかけ、思い切り下に降ろしたため、当然の様に僕の大事な部分が露出してしまった。
「ああ、ダメ。やめて……」半泣きの僕を握ろうと王妃様の手が伸びて……

「そこまでです、リーマ!! まったくあなたと言う子は……私の身体で何をやっているんですか!!」いきなり部屋の戸が開いて、そこに立っていたリーマ姫がそう叫んだ。
「??」いや、これは一体……何が起きたか分からない僕の大事な部分を、戸口に立っているリーマ姫が顔を真っ赤にしながらガン見していた。

 ◇◇◇

「なんですってぇ!? リーマ姫と王妃様の心と身体が入れ替わっていたぁ!?」
「はい。大変申し訳ございません。私が変な手土産を持って来たばかりに……この子に悪用されてしまいました」もう元に戻ったと思われる王妃様が、説明を始めた。

 王妃様は、リーマ姫がB級昇格で苦戦した時に備え、王室に伝わる入れ替わりの秘薬を差し入れに持って来たのだそうだ。あー、これで高位の冒険者と入れ替わって……それって不正行為じゃん。とんだ親馬鹿だな。
 それで、皆の手前ああ言ったものの、カラオケに興味深々だった王妃様が、リーマ姫にそそのかされて、入れ替わりを実施。まんまと母親をカラオケに送り出したリーマ姫は、子ども扱いする僕に一糸報いるべく、母親の身体を使って、肉体関係を迫った……そういう事か。って、ダメじゃん!!

「それにしても、リーマ姫。いくら何でもお母さんの身体で僕に迫るとか……鬼畜過ぎるでしょ?」
「だって、お兄さんが私の事、あんまり子供だ子供だっていうから……お母さんの身体なら文句ないかなって……」
「あなたのそう言うところが子供だと言うのです!」王妃様がそう言ったが、いや、貴方も子供を責められないです。

「それで、ヨリたちは?」
「はい、皆さんカラオケに興じてノリノリでしたが、私は何か嫌な予感が致しまして、眠くなったと言って先に戻って来て見れば、案の定といいますか……私の身体がお兄さんのあそこを掴んでいて……あんなところを国王陛下に見られたら、この三人まとめて火あぶりだったかもしれません」いや、もうほんと火あぶりは勘弁して。

「でも、お母さん。お兄さんのあそこ。すごいでしょ?」リーマ姫が突然、トンデモない事を言い出す。
「えっ? ああ、それはまあ……」おい、ちょっと待て。王妃様、なんでそこで頬を赤らめる!
「それでね。お母さん。私じゃ無理だとは思うんだけど、ヨリさんは、アレを口に頬張れるんだよ! 凄いよね? お母さんはどう?」
 ちょっとちょっと、リーマ姫、どっか故障した? それともさっきの薬の副作用とかで、まだ変にラリってるのか……
「確かにあれは………陛下の何倍あるか。私もちょっと自信がありません」
 いやいや、王妃様もまだラリってんじゃないの?
「それじゃ、お母さん。一緒に試してみない? 大丈夫だよ。口だけならキスと替わんないし、お父様には内緒にしておくから……」いや、リーマ姫、眼つきおかしい。
「そう……ね。それじゃ……」王妃様に至っては、眼の焦点が定まってない!
 うわー勘弁してくれー。さっき三人で火あぶりとか言ってなかったっけ!?
 しかし、この異様な雰囲気の中で、僕の意見は全く取り入れられず、僕が瞬きした一瞬で、王妃様にまた後ろを取られ抑え込まれた。そしてせっかく履き直した下着をリーマ姫がスポンと剥ぎ取り……
「それじゃ……いただきまーす」
 ふぎゃーーーーーーーーーーーー!!

 ドーーーーーーン。いきなり部屋の中に爆風が巻き起こった。

「あーあ。お兄ちゃん、一体何してくれちゃってんの?」その声は……ヨリ!?
「ああ、ヨリ……助かったー。でも朝までカラオケじゃ?」
「何言ってんのよ。まさか王妃様がいらっしゃってるのに、午前様する訳ないでしょ! まあ、ノアナは酔っぱらってたから、道端に捨てて来たけど……それで、これは一体どういう事かな? 場合に寄っちゃ私が三人を火あぶりにして、隣国の王様に事後報告するけど」
「あ……あの……その……」
 次の言葉を発する前に、僕はヨリの電撃で丸焦げになった。

 ◇◇◇

「まったく。こんな怪しげな薬……でも、ほんとに使えるんだ。今度研究して見ようかな」ヨリが解毒魔法を使ってくれ、リーマ姫と王妃様の体内にあった入れ替わり薬は無事消え去った様で、程なく二人とも正気に戻った。
 そして、戻ったのだが……どうやら一連の出来事を、二人ともしっかり覚えている様で、耳まで真っ赤になったまま、僕と眼を合わせてくれない。

「あのお二人とも。これはまあ、不幸な事故という事で……僕は忘れますから、お二人もどうぞ記憶から消し去って下さい」
「……私は、忘れる必要ないかしら。婚約者だし……握ったし……」リーマ姫、懲りてないな。続けて、王妃様が口を開いた。
「あのお兄さん。この事はくれぐれも国王陛下にはご内密に。それで、もし機会がございましたら、私が正気の時に是非また……」

「へっ!?」

(終)

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