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第5話 これが人間界?
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目の前が真っ白に光輝き、視界が全く効かなくなったと思ったら、だんだん視界が戻ってきた。勇者様の世界に到着したのかしら? そう思いながら周りを見渡し、セシルは絶句した。
「ちちちち、ちょっと。なんですの、この人だかりは?」
「そうですね姫様……これは一体? 祭りかなにかの最中でしょうか。ものすごい人だかりですね……というか、姫。ここ、勇者様の世界なのですか?
ほら、エルフや獣人、魔族っぽいものや妖精みたいのも……。
人間の世界には人間しかいないと、よし子さんが……」
ブレタムも動揺を隠せず、二人でキョロキョロしていたら、いきなり後ろから声をかけられた。
「あのー、写真いいですか?」
見ると、眼鏡をかけた人間の男性が、手に何かごっつい箱のようなものを持って立っていて、話しかけてきた。
「あの、それって、マシマシトライアスロンのエルフのゆんちゃんですか? そんでそちらの方は、姫巫女獣人のハラス様? あっ、違ってたらごめんなさい。僕、あんまりゲーム系詳しくないんで……」
ん? この人は一体何を言っているんだろう。その男性が、手にした箱をこちらに向けて、カシャカシャと音を立てている。
「あのー、あなたは一体何を……」
セシルの言葉が聞こえなかったのか、その男は無視して語り掛けてくる。
「あー、もう少し正面からちょっと左向いて、目線こっちに下さーい」
「ねえ、ブレたん。これ何。何が起こってるの?」
「いや、私に言われましても……」
見ると、最初に声をかけた男の後ろに、同じ様な箱の機械や、うすべったい手帳のような板を手にした人がかなりの行列を作っていて、よくみると他のエルフや獣人の前にも同じ様な列が出来ていた。
二人はどうしていいかわからず、その人達に言われるがまま、あっちを向いたり笑って見せたりしていたら、だんだん周りに人だかりが出来、すっかり取り囲まれてしまった。
「あのー、そのケモミミ。すっごくリアルなんですが、どこで買ったんですか? オリジナルのワンオフ?」「いーやん。こっちもモノホンのエルフのお姫様みたい……」
周りから意味不明な言葉を次々投げつけられ、セシルはだんだん眩暈がしてきて、ついにその場にバタリと倒れた。
「姫様!」
ブレタムがすぐに駆け寄って抱き起す。
近くで、「救護班―」と叫ぶ声が聞こえた。
すると、そこへ一人の大柄な女性が、人混みを掻き分けながら、二人に近寄ってきた。
まわりから、「カスミ様―」と嬌声があがる。というかこの人、下着だけでほとんど裸じゃないか? ブレタムが不審そうに見上げると、その女性が言った。
「あんたたち、初心者? いくら二月とはいえ、そんなに飛ばしちゃだめだよ。
こっちおいで……」
そう言われて、二人はカスミ様と呼ばれた女性に連れられ、テントの日陰に案内された。
「はい、これ。とりあえず、水分補給ね」
そう言われて差し出されたのは、不思議な透明な瓶に入った水だった。これガラスじゃないわよね……薄くて軽いのにちゃんと水が入ってるし、しかも甘酸っぱい。
しばらくしたらちょっと元気を取り戻したようだ。
「ダメだよ。レイヤーは冬でも熱中症気を付けないと……。
あっ、私はカスミ。一応、ベテランレイヤーってことで、結構名は通ってるんだ。
それにしてもあなた達のコスすごいね。こんなクオリティのケモ耳初めて見た。
こっちのお姫様も、まるで絵本からそのまま出てきた見たいだし……。
ね、よかったら名刺交換しない?」
「あ、あの――――――」聞きたいことがたくさんあるのだが、考えがまとまらず、セシルがドギマギしていると、脇から別の声がした。
「あー、カス姉。こんなところにいたんだ。さっきの所にいないから探しちゃったよ」
みると、ブレタムとそれほど変わらなそうな年代の男子が、例の箱の機械を手に持って立っていた。
「おー、りんたろー。めんごめんご。この子たちが張り切りすぎちゃって熱中症なりかかってたんで、ヘルプしてたんだ。レイヤーは助け合いが重要ってね。
そんじゃ私はポジションに戻るんで、あんたはもう少しこの子たちの様子見ててあげて。なんか、許可証も無いみたいだし……初心者さんにいろいろ教えてあげて!」
そういいながらカスミ様はその場を立ち去り、替わりにりんたろーと言われた少年がそばに残った。
「あー、なるほど。君たち、コスプレの許可証つけてないね。これだと、係員に見つかると叱られるから……でも、更衣室使ったんなら、チケット購入はしたんだよね?」
「????? あの……すいません。本当に慣れていなくて……許可証って? というかここはどこなんですか?」
イオン水を補給してようやく頭が冷えてきたセシルが、なんとか質問を切り出した。
「?」りんたろーが不思議そうな顔をした。
「あの……ここ、勇者ノボル様の世界ですよね。私達、勇者様に会うために、サフロス王国から転移してきたんですけど、いきなりここに出てしまって、何が何だか……」
「勇者ノボル? それ、何のラノベかな? まあ、いいか。君たちそういう設定なのね」
りんたろーもそう言うノリは嫌いではないほうで、彼女達の設定につきあってやろうと内心で思った。
「勇者ノボル様は存じ上げないけど、ここは千葉の幕張。ワンフェスのコスプレブースだよ」
「千葉が地名だというのは何となく判りましたが、ワンフェス? コスプレブース?」
「おお、徹底してるね……ワンフェスっていうのは、主に趣味で工作や造形をする人達の展示即売会的なお祭りで、コスプレっていうのはまさに今君たちがやってるやつ。
人間が、獣人や悪魔やエルフなんかに仮装して楽しむの」
「仮装? じゃあ、ここにいるエルフや獣人は皆さん、人間ですの?」
「はは、すごいすごい。まるで自分たちは本物だと言わんばかりの迫力だ……その通り、彼らはみんな中身は人間さ。みんな、それを写真にとって記念にするのさ」
「写真?」
「ほらこれ」そう言いながら、りんたろーが手に持っていた板切れを見せてくれた。
「あ!」あっちにいるエルフの恰好をした人が画面に入っている。
そうか、こうやって風景を切り取る魔法なんだ。セシルは何となく理解した。
「あっ、そうだ。自己紹介がまだだったね。
僕は、青葉林太郎。そんでさっきの水着コスのが近所の幼なじみのカスミ姉さん。
結構有名なレイヤーさんなんだよ。君たちの名前聞いていいかな? カス姉も名刺交換したがってたし、よかったらメアドも交換しようよ」
「……私は、サフロス国第一王女のセシルです。そしてこちらが私のお付き兼護衛のブレタムと申します」
「……あのさ。設定もくどいと嫌われるよ。教えたくないならそれでいいけど……」
「あ、あの別にそう言うわけでは……」なんか場の空気が気まずくなった。
「おーい。りんたろー。どした?」カスミ様が戻ってきた。
「あっ、カス姉……この子たち、あんまり僕らと仲良くなりたくないみたいでさ……」
「へっ?」カスミ様が怪訝そうにセシルの顔を見た。
「あ、あの決してそう言うわけでは……うまく伝えられず本当にすいません!」
「ふーん。なんかワケアリな匂いがするね。りんたろー、なんかこの後、雨来そうだし、今日はこの辺で上がろうと思うんで……あなた達も、場所かえてお話しない?」
「あっ、はい。それはこちらも有難いです。
もう少し落ち着いたところでお話をしたいです」
「そんじゃ、着替えてこようか……ん、どうしたの?」
モジモジしながらセシルがカスミの耳元で小声でささやいた。
「あの……着替え持ってなくて……」
「はいっ?」カスミとりんたろーは、眼を見開いてお互いを見つめあった。
「ちちちち、ちょっと。なんですの、この人だかりは?」
「そうですね姫様……これは一体? 祭りかなにかの最中でしょうか。ものすごい人だかりですね……というか、姫。ここ、勇者様の世界なのですか?
ほら、エルフや獣人、魔族っぽいものや妖精みたいのも……。
人間の世界には人間しかいないと、よし子さんが……」
ブレタムも動揺を隠せず、二人でキョロキョロしていたら、いきなり後ろから声をかけられた。
「あのー、写真いいですか?」
見ると、眼鏡をかけた人間の男性が、手に何かごっつい箱のようなものを持って立っていて、話しかけてきた。
「あの、それって、マシマシトライアスロンのエルフのゆんちゃんですか? そんでそちらの方は、姫巫女獣人のハラス様? あっ、違ってたらごめんなさい。僕、あんまりゲーム系詳しくないんで……」
ん? この人は一体何を言っているんだろう。その男性が、手にした箱をこちらに向けて、カシャカシャと音を立てている。
「あのー、あなたは一体何を……」
セシルの言葉が聞こえなかったのか、その男は無視して語り掛けてくる。
「あー、もう少し正面からちょっと左向いて、目線こっちに下さーい」
「ねえ、ブレたん。これ何。何が起こってるの?」
「いや、私に言われましても……」
見ると、最初に声をかけた男の後ろに、同じ様な箱の機械や、うすべったい手帳のような板を手にした人がかなりの行列を作っていて、よくみると他のエルフや獣人の前にも同じ様な列が出来ていた。
二人はどうしていいかわからず、その人達に言われるがまま、あっちを向いたり笑って見せたりしていたら、だんだん周りに人だかりが出来、すっかり取り囲まれてしまった。
「あのー、そのケモミミ。すっごくリアルなんですが、どこで買ったんですか? オリジナルのワンオフ?」「いーやん。こっちもモノホンのエルフのお姫様みたい……」
周りから意味不明な言葉を次々投げつけられ、セシルはだんだん眩暈がしてきて、ついにその場にバタリと倒れた。
「姫様!」
ブレタムがすぐに駆け寄って抱き起す。
近くで、「救護班―」と叫ぶ声が聞こえた。
すると、そこへ一人の大柄な女性が、人混みを掻き分けながら、二人に近寄ってきた。
まわりから、「カスミ様―」と嬌声があがる。というかこの人、下着だけでほとんど裸じゃないか? ブレタムが不審そうに見上げると、その女性が言った。
「あんたたち、初心者? いくら二月とはいえ、そんなに飛ばしちゃだめだよ。
こっちおいで……」
そう言われて、二人はカスミ様と呼ばれた女性に連れられ、テントの日陰に案内された。
「はい、これ。とりあえず、水分補給ね」
そう言われて差し出されたのは、不思議な透明な瓶に入った水だった。これガラスじゃないわよね……薄くて軽いのにちゃんと水が入ってるし、しかも甘酸っぱい。
しばらくしたらちょっと元気を取り戻したようだ。
「ダメだよ。レイヤーは冬でも熱中症気を付けないと……。
あっ、私はカスミ。一応、ベテランレイヤーってことで、結構名は通ってるんだ。
それにしてもあなた達のコスすごいね。こんなクオリティのケモ耳初めて見た。
こっちのお姫様も、まるで絵本からそのまま出てきた見たいだし……。
ね、よかったら名刺交換しない?」
「あ、あの――――――」聞きたいことがたくさんあるのだが、考えがまとまらず、セシルがドギマギしていると、脇から別の声がした。
「あー、カス姉。こんなところにいたんだ。さっきの所にいないから探しちゃったよ」
みると、ブレタムとそれほど変わらなそうな年代の男子が、例の箱の機械を手に持って立っていた。
「おー、りんたろー。めんごめんご。この子たちが張り切りすぎちゃって熱中症なりかかってたんで、ヘルプしてたんだ。レイヤーは助け合いが重要ってね。
そんじゃ私はポジションに戻るんで、あんたはもう少しこの子たちの様子見ててあげて。なんか、許可証も無いみたいだし……初心者さんにいろいろ教えてあげて!」
そういいながらカスミ様はその場を立ち去り、替わりにりんたろーと言われた少年がそばに残った。
「あー、なるほど。君たち、コスプレの許可証つけてないね。これだと、係員に見つかると叱られるから……でも、更衣室使ったんなら、チケット購入はしたんだよね?」
「????? あの……すいません。本当に慣れていなくて……許可証って? というかここはどこなんですか?」
イオン水を補給してようやく頭が冷えてきたセシルが、なんとか質問を切り出した。
「?」りんたろーが不思議そうな顔をした。
「あの……ここ、勇者ノボル様の世界ですよね。私達、勇者様に会うために、サフロス王国から転移してきたんですけど、いきなりここに出てしまって、何が何だか……」
「勇者ノボル? それ、何のラノベかな? まあ、いいか。君たちそういう設定なのね」
りんたろーもそう言うノリは嫌いではないほうで、彼女達の設定につきあってやろうと内心で思った。
「勇者ノボル様は存じ上げないけど、ここは千葉の幕張。ワンフェスのコスプレブースだよ」
「千葉が地名だというのは何となく判りましたが、ワンフェス? コスプレブース?」
「おお、徹底してるね……ワンフェスっていうのは、主に趣味で工作や造形をする人達の展示即売会的なお祭りで、コスプレっていうのはまさに今君たちがやってるやつ。
人間が、獣人や悪魔やエルフなんかに仮装して楽しむの」
「仮装? じゃあ、ここにいるエルフや獣人は皆さん、人間ですの?」
「はは、すごいすごい。まるで自分たちは本物だと言わんばかりの迫力だ……その通り、彼らはみんな中身は人間さ。みんな、それを写真にとって記念にするのさ」
「写真?」
「ほらこれ」そう言いながら、りんたろーが手に持っていた板切れを見せてくれた。
「あ!」あっちにいるエルフの恰好をした人が画面に入っている。
そうか、こうやって風景を切り取る魔法なんだ。セシルは何となく理解した。
「あっ、そうだ。自己紹介がまだだったね。
僕は、青葉林太郎。そんでさっきの水着コスのが近所の幼なじみのカスミ姉さん。
結構有名なレイヤーさんなんだよ。君たちの名前聞いていいかな? カス姉も名刺交換したがってたし、よかったらメアドも交換しようよ」
「……私は、サフロス国第一王女のセシルです。そしてこちらが私のお付き兼護衛のブレタムと申します」
「……あのさ。設定もくどいと嫌われるよ。教えたくないならそれでいいけど……」
「あ、あの別にそう言うわけでは……」なんか場の空気が気まずくなった。
「おーい。りんたろー。どした?」カスミ様が戻ってきた。
「あっ、カス姉……この子たち、あんまり僕らと仲良くなりたくないみたいでさ……」
「へっ?」カスミ様が怪訝そうにセシルの顔を見た。
「あ、あの決してそう言うわけでは……うまく伝えられず本当にすいません!」
「ふーん。なんかワケアリな匂いがするね。りんたろー、なんかこの後、雨来そうだし、今日はこの辺で上がろうと思うんで……あなた達も、場所かえてお話しない?」
「あっ、はい。それはこちらも有難いです。
もう少し落ち着いたところでお話をしたいです」
「そんじゃ、着替えてこようか……ん、どうしたの?」
モジモジしながらセシルがカスミの耳元で小声でささやいた。
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「はいっ?」カスミとりんたろーは、眼を見開いてお互いを見つめあった。
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