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第1話 勇者の帰国
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「なんですってえー!
お国に帰られたぁっ!?」
少女の叫び声が、宮廷内にこだました。
年の頃は中学生くらいだろうか……しかし、彼女はエルフであり、実際の年齢は百歳を優に超えているであろう。
ブロンドの豊かな巻き毛に包まれた、紅い瞳の小さなお人形のようではあるが、どことなく気品も感じられる。それもそのはず、この少女はこの国のセシル王女様なのだ。
そばにいる護衛兼お付きの獣人少女、ブレタムが説明する。
「はい。昨夜、見事に魔王を討伐され、その場に開いた転送ゲートで、ご自分のお国に帰られたと、同行していた討伐軍から報告が参っております」
ブレタムは、ロングの黒髪からぴょこんと突き出したケモ耳と、太くて短めの茶色いしっぽが愛らしい犬型の獣人少女で、背格好は高校生くらいの結構な巨乳美女だが、これで剣や格闘の腕前はかなりのものらしい。
「ちょっと待ってよ、ブレたん! 普通、勇者が魔王を討伐したら、国を挙げて祝賀会か何かをやって、ついでに国王が『勇者よ、よくやった。褒美に姫を娶らせ‥‥‥』みたいなことを言ったりするものではありませんこと?」
「あー、姫様。たんはやめて下さい。私はブレタムです……ですが、魔王が討たれると、そこにゲートが開いてそこから勇者様がお帰りになるのはお約束でして……それでないと帰国出来ないので、報償なども先渡しになっているはずですが……」
セシルが、おろおろと数歩進んだかと思ったら、ドカっと両膝をついて腰を落とした。
「……そんな……それでは、あの約束は……本懐を遂げられたら私をお嫁に貰って下さるという、あのお約束は…………
どうなったのよーーーーーーー」
姫の絶叫が、宮廷に響き渡った。
ここ、サフロス王国は、エルフが統治し、獣人や竜族・魔族などが混じりあって暮らしている国だが、数十年に一度くらい、魔王を名乗る魔族が敵対的勢力をまとめ上げ、戦いを挑んでくるのが常になっている。
この魔王には、王国に代々伝わる退魔の剣でしか傷をつけることができず、この剣は選ばれた『人間』でないと力を発揮できないのだが、この世界の人間は、たまに時空の歪に紛れ込んできた次元漂流者と言われるもの以外おらず、そのほとんどが剣を持つ資格を有していない。
なので、魔王が現れた際、王国魔法院の魔導士たちが、剣を扱う資格を持った『人間』を異世界から召喚し、勇者として魔王に立ち向かってもらうことが、長年の習わしになっていた。
今回の魔王討伐には、三年程前にノボルという勇者が召喚され、それが昨日、見事魔王を倒し、そのまま自分の元いた世界に帰ったという事だ。
「あの、姫様。姫様と勇者ノボルの間に、どのようなお話があったのかはよく存じ上げませんが、あの者は、実力はともかく、女癖も悪いと評判でどこか信用出来ないところがございました。ですので、あまりお気になされないほうがよいかと……」
「いいのよブレたん。どうせ他人にはわからないでしょうから……でも、私はあの方を信じています。あの日あの場所で言われたあのお話を、私は出まかせとは到底思えません。
どこかで行き違いがあっただけです……
こうなれば……ブレたん。
私、決めましたわ!
勇者様のお国に行って、あの方の本当のお気持ちを確かめますわ!
まずは、父上や兄上に私の決意をお伝えしなければ……」
「姫様……」心配そうなブレタムを尻目に、セシル姫は部屋の外に駆け出して行った。
◇◇◇
「おいおい、セシルちゃん。いきなり何を言い出すんだい。こっちからあちらの国に行けるわけがないだろう? 勇者を召喚するのだって、魔導士数十人がかりなのだよ。
だいたい、約束って……ま、まさか、セシルちゃん。勇者とヤッちゃったんじゃないよね!」
「ヤッ……! カレイド兄様、何て破廉恥なお言葉を! 私はまだ処女ですわ……じゃなくて、こちらから行く必要が無かったので研究していないだけではございませんの?」
「ふー、とりあえず綺麗な身体でよかった……じゃなくて、そんなのに国費は使えないよ!」
セシルは、真っ先に兄のカレイド王子のところに向かった。多分、今回の計画の一番の障壁がこの王子だと分かっているのだ。
昔から、セシルを猫かわいがりの、いわゆるシスコン兄で、セシルを手元から離すのを良しとしない。だから根気よく説得するしかないだろうとブレタムは思った。
姫も昔から言い出したら曲げないタチだし。
「それでしたら、もう一度、勇者ノボル様をこちらに召喚して下さいませ!」
「馬鹿を言うな。私情で魔導士たちを使えるか……タダじゃないしな。それに、呼んだらお前が求婚するとか全くもってけしからん。召喚したその場で後ろから私が切り殺す!」
収拾のつかない兄妹ゲンカみたいになってきたので、ブレタムが口を挟む。
「カレイド王子、セシル姫。落ち着いて下さい。この件は、完全に姫様個人の理由に依るものですから、国費で儀式を行うなどもってのほかでしょう。
ですから、こうなさってはいかがか?
もし、姫様が自力であちらに行かれるのであれば行ってもよいが、必ず帰ってくること。そして帰国の際、勇者は伴わないこと……
この辺が落としどころでいかがかと」
「何言ってるのよブレたん! それじゃ、私は勇者様と添い遂げられないじゃないの!」
セシルがブレタムに喰ってかかる。
「大丈夫です、姫様。姫様がお年頃になられる頃、お相手は寿命で死にます。
それから帰ってくればいいのです」
「あっ! そうか……」
セシルも、エルフと人間の寿命の違いに関しては、もともと覚悟がある。
「おい待て! それだと、セシルちゃんの純潔が失われるだろ!」
今度は、カレイド王子が喰ってかかる。
「そうはおっしゃいますが王子。実際の話、王室に身を置くあなたが、セシル姫と結ばれることはございません。姫の純潔はいずれどなたかのものになります。そう考えれば、姫様のお考えを尊重されるのも兄妹仲を保つ秘訣かと……もっとも、姫様が自力で異世界に行ければ! のお話ですが……」
「……なるほど、確かに……行ければ……だよな! よし分かった。姫が国費を使わず、自力で行けるのなら、異世界行きを許可しよう。ただし、必ず帰ってくること。
それと、来週の休日は、私とお買い物デートに行くこと……それでよい。王子に二言はない!」
うげっ、お買い物デート……あれは、自分がとっかえひっかえ衣装を着替えて、王子に披露するファッションショーみたいなもので、絵師まで付いてきて、恥ずかしい事この上ないのだが……まあ、仕方ない。妥協点はもぎ取った。セシルは意を決した。
「それでは、お兄様。私は自身の全力で、異世界行きを成し遂げてみせますわ!」
セシルはそう言いながら、ブレタムを率いて王子の部屋を退出した。
次は、お父様だわ……。
◇◇◇
父である国王の了承はすんなり取れた。
やはり兄から事前了解をとっておいたのがよかった。
それにしても自力で……か。どうしたものか、ちょっと想像がつかない。
「ねえ、ブレたん。勇者様の世界に行くにあたって、どんな準備をすればいいのかし?」
「ですから、ブレタムです……そうですね。姫様のお小遣いの範囲で動くとなると、まあ
魔導士さんに、お茶でも振舞いながら、まずお話を聞くところから位ですかね。
友人に魔導士がおりますので、ここに呼びましょうか?」
「さっすが、ブレたん!」
数日後、宮廷に、ブレタムの友人という一人の魔導士が呼び出された。
「あ、あの、姫様。お目通りがかなって光栄です……私はミルダと申します……」
ミルダと名乗った魔導士の少女は、ブレタムと同じくらいの年頃の、緑髪を後ろで三つあみのツインテールにした眼鏡っ子エルフだが、緊張しすぎて、動きがぎこちない。
「ミルダ、緊張しすぎだ。大丈夫だよ。姫様はかみついたりしないから」
「あっ、何それ。ブレたんひどーい。ミルダさん大丈夫よ、もちろん噛みつかないし……
いくつか相談したいことがあったんだけど、こんな若くて綺麗な魔導士さんが来るとは思っていなくて……
是非、お友達になって下さいね!」
セシルがミルダに優しく微笑みかける。
「あ、ああ、勿体ないお言葉……私、ちょっとコミュ障入ってまして……趣味のお話とかは元気出るんですけど……まあ、それは置いておいて、ご質問とはなんですか姫様?」
「ミルダさん。率直に言います。私は帰国された勇者様のお国に行きたいのです。
何か方法はありませんか?」
「? ……はあ。あの……差支えなければ理由をお聞かせいただけませんか? いえ、結構な大事をおっしゃっていましたので……」ミルダが恐る恐るセシルに尋ねた。
「私と勇者ノボル様は、将来を誓い合った仲なのです! ですから、魔王を討伐し本懐を遂げられた勇者様と結ばれるために、お側に行きたいのです!」
「……でも、勇者様。一人でお帰りになられたんですよね? それ、信用していいのでしょうか?」ミルダが消え入りそうな声でセシルに話かける。
「んもうっ! あなたまで……なんでみんなそうおっしゃるのかしら? でもそうよね。多分、他の方には分かりませんのよ。確かに勇者様に関しては、私も良くない噂を耳にしています。傲慢だとか、弱者にやさしくないとか……でも、あの時、私に見せて下さった誠意は、今でも本物だと信じるに足るものなのです。
ですから……今からそのお話をしましょう。ブレタムにも話した事は無いのですが、長くなりますので、まずはお茶にしましょう」
そう言いながら、セシルはティーカップを手に取った。
お国に帰られたぁっ!?」
少女の叫び声が、宮廷内にこだました。
年の頃は中学生くらいだろうか……しかし、彼女はエルフであり、実際の年齢は百歳を優に超えているであろう。
ブロンドの豊かな巻き毛に包まれた、紅い瞳の小さなお人形のようではあるが、どことなく気品も感じられる。それもそのはず、この少女はこの国のセシル王女様なのだ。
そばにいる護衛兼お付きの獣人少女、ブレタムが説明する。
「はい。昨夜、見事に魔王を討伐され、その場に開いた転送ゲートで、ご自分のお国に帰られたと、同行していた討伐軍から報告が参っております」
ブレタムは、ロングの黒髪からぴょこんと突き出したケモ耳と、太くて短めの茶色いしっぽが愛らしい犬型の獣人少女で、背格好は高校生くらいの結構な巨乳美女だが、これで剣や格闘の腕前はかなりのものらしい。
「ちょっと待ってよ、ブレたん! 普通、勇者が魔王を討伐したら、国を挙げて祝賀会か何かをやって、ついでに国王が『勇者よ、よくやった。褒美に姫を娶らせ‥‥‥』みたいなことを言ったりするものではありませんこと?」
「あー、姫様。たんはやめて下さい。私はブレタムです……ですが、魔王が討たれると、そこにゲートが開いてそこから勇者様がお帰りになるのはお約束でして……それでないと帰国出来ないので、報償なども先渡しになっているはずですが……」
セシルが、おろおろと数歩進んだかと思ったら、ドカっと両膝をついて腰を落とした。
「……そんな……それでは、あの約束は……本懐を遂げられたら私をお嫁に貰って下さるという、あのお約束は…………
どうなったのよーーーーーーー」
姫の絶叫が、宮廷に響き渡った。
ここ、サフロス王国は、エルフが統治し、獣人や竜族・魔族などが混じりあって暮らしている国だが、数十年に一度くらい、魔王を名乗る魔族が敵対的勢力をまとめ上げ、戦いを挑んでくるのが常になっている。
この魔王には、王国に代々伝わる退魔の剣でしか傷をつけることができず、この剣は選ばれた『人間』でないと力を発揮できないのだが、この世界の人間は、たまに時空の歪に紛れ込んできた次元漂流者と言われるもの以外おらず、そのほとんどが剣を持つ資格を有していない。
なので、魔王が現れた際、王国魔法院の魔導士たちが、剣を扱う資格を持った『人間』を異世界から召喚し、勇者として魔王に立ち向かってもらうことが、長年の習わしになっていた。
今回の魔王討伐には、三年程前にノボルという勇者が召喚され、それが昨日、見事魔王を倒し、そのまま自分の元いた世界に帰ったという事だ。
「あの、姫様。姫様と勇者ノボルの間に、どのようなお話があったのかはよく存じ上げませんが、あの者は、実力はともかく、女癖も悪いと評判でどこか信用出来ないところがございました。ですので、あまりお気になされないほうがよいかと……」
「いいのよブレたん。どうせ他人にはわからないでしょうから……でも、私はあの方を信じています。あの日あの場所で言われたあのお話を、私は出まかせとは到底思えません。
どこかで行き違いがあっただけです……
こうなれば……ブレたん。
私、決めましたわ!
勇者様のお国に行って、あの方の本当のお気持ちを確かめますわ!
まずは、父上や兄上に私の決意をお伝えしなければ……」
「姫様……」心配そうなブレタムを尻目に、セシル姫は部屋の外に駆け出して行った。
◇◇◇
「おいおい、セシルちゃん。いきなり何を言い出すんだい。こっちからあちらの国に行けるわけがないだろう? 勇者を召喚するのだって、魔導士数十人がかりなのだよ。
だいたい、約束って……ま、まさか、セシルちゃん。勇者とヤッちゃったんじゃないよね!」
「ヤッ……! カレイド兄様、何て破廉恥なお言葉を! 私はまだ処女ですわ……じゃなくて、こちらから行く必要が無かったので研究していないだけではございませんの?」
「ふー、とりあえず綺麗な身体でよかった……じゃなくて、そんなのに国費は使えないよ!」
セシルは、真っ先に兄のカレイド王子のところに向かった。多分、今回の計画の一番の障壁がこの王子だと分かっているのだ。
昔から、セシルを猫かわいがりの、いわゆるシスコン兄で、セシルを手元から離すのを良しとしない。だから根気よく説得するしかないだろうとブレタムは思った。
姫も昔から言い出したら曲げないタチだし。
「それでしたら、もう一度、勇者ノボル様をこちらに召喚して下さいませ!」
「馬鹿を言うな。私情で魔導士たちを使えるか……タダじゃないしな。それに、呼んだらお前が求婚するとか全くもってけしからん。召喚したその場で後ろから私が切り殺す!」
収拾のつかない兄妹ゲンカみたいになってきたので、ブレタムが口を挟む。
「カレイド王子、セシル姫。落ち着いて下さい。この件は、完全に姫様個人の理由に依るものですから、国費で儀式を行うなどもってのほかでしょう。
ですから、こうなさってはいかがか?
もし、姫様が自力であちらに行かれるのであれば行ってもよいが、必ず帰ってくること。そして帰国の際、勇者は伴わないこと……
この辺が落としどころでいかがかと」
「何言ってるのよブレたん! それじゃ、私は勇者様と添い遂げられないじゃないの!」
セシルがブレタムに喰ってかかる。
「大丈夫です、姫様。姫様がお年頃になられる頃、お相手は寿命で死にます。
それから帰ってくればいいのです」
「あっ! そうか……」
セシルも、エルフと人間の寿命の違いに関しては、もともと覚悟がある。
「おい待て! それだと、セシルちゃんの純潔が失われるだろ!」
今度は、カレイド王子が喰ってかかる。
「そうはおっしゃいますが王子。実際の話、王室に身を置くあなたが、セシル姫と結ばれることはございません。姫の純潔はいずれどなたかのものになります。そう考えれば、姫様のお考えを尊重されるのも兄妹仲を保つ秘訣かと……もっとも、姫様が自力で異世界に行ければ! のお話ですが……」
「……なるほど、確かに……行ければ……だよな! よし分かった。姫が国費を使わず、自力で行けるのなら、異世界行きを許可しよう。ただし、必ず帰ってくること。
それと、来週の休日は、私とお買い物デートに行くこと……それでよい。王子に二言はない!」
うげっ、お買い物デート……あれは、自分がとっかえひっかえ衣装を着替えて、王子に披露するファッションショーみたいなもので、絵師まで付いてきて、恥ずかしい事この上ないのだが……まあ、仕方ない。妥協点はもぎ取った。セシルは意を決した。
「それでは、お兄様。私は自身の全力で、異世界行きを成し遂げてみせますわ!」
セシルはそう言いながら、ブレタムを率いて王子の部屋を退出した。
次は、お父様だわ……。
◇◇◇
父である国王の了承はすんなり取れた。
やはり兄から事前了解をとっておいたのがよかった。
それにしても自力で……か。どうしたものか、ちょっと想像がつかない。
「ねえ、ブレたん。勇者様の世界に行くにあたって、どんな準備をすればいいのかし?」
「ですから、ブレタムです……そうですね。姫様のお小遣いの範囲で動くとなると、まあ
魔導士さんに、お茶でも振舞いながら、まずお話を聞くところから位ですかね。
友人に魔導士がおりますので、ここに呼びましょうか?」
「さっすが、ブレたん!」
数日後、宮廷に、ブレタムの友人という一人の魔導士が呼び出された。
「あ、あの、姫様。お目通りがかなって光栄です……私はミルダと申します……」
ミルダと名乗った魔導士の少女は、ブレタムと同じくらいの年頃の、緑髪を後ろで三つあみのツインテールにした眼鏡っ子エルフだが、緊張しすぎて、動きがぎこちない。
「ミルダ、緊張しすぎだ。大丈夫だよ。姫様はかみついたりしないから」
「あっ、何それ。ブレたんひどーい。ミルダさん大丈夫よ、もちろん噛みつかないし……
いくつか相談したいことがあったんだけど、こんな若くて綺麗な魔導士さんが来るとは思っていなくて……
是非、お友達になって下さいね!」
セシルがミルダに優しく微笑みかける。
「あ、ああ、勿体ないお言葉……私、ちょっとコミュ障入ってまして……趣味のお話とかは元気出るんですけど……まあ、それは置いておいて、ご質問とはなんですか姫様?」
「ミルダさん。率直に言います。私は帰国された勇者様のお国に行きたいのです。
何か方法はありませんか?」
「? ……はあ。あの……差支えなければ理由をお聞かせいただけませんか? いえ、結構な大事をおっしゃっていましたので……」ミルダが恐る恐るセシルに尋ねた。
「私と勇者ノボル様は、将来を誓い合った仲なのです! ですから、魔王を討伐し本懐を遂げられた勇者様と結ばれるために、お側に行きたいのです!」
「……でも、勇者様。一人でお帰りになられたんですよね? それ、信用していいのでしょうか?」ミルダが消え入りそうな声でセシルに話かける。
「んもうっ! あなたまで……なんでみんなそうおっしゃるのかしら? でもそうよね。多分、他の方には分かりませんのよ。確かに勇者様に関しては、私も良くない噂を耳にしています。傲慢だとか、弱者にやさしくないとか……でも、あの時、私に見せて下さった誠意は、今でも本物だと信じるに足るものなのです。
ですから……今からそのお話をしましょう。ブレタムにも話した事は無いのですが、長くなりますので、まずはお茶にしましょう」
そう言いながら、セシルはティーカップを手に取った。
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