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裏約束 お七更紗
三…①
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お七や佐彦だけではなく、市之進にも母親がいる。
市蔵の妻でもあるお鷹は齢五十。今もなお、夫や息子に負けぬ壮健ぶりで青木家の奥を取り仕切っている。
佐彦はその日の晩、お鷹に呼ばれていた。夕餉のあと、茶の入った湯呑みを持って部屋を訪ねる。
「おや佐彦、来てくれたのね。そこにお座りなさい。市之進も、もうじき顔を出すはずですよ」
お鷹は、佐彦だけではなく市之進も自室に呼び付けていた。当然、その分の茶も用意してある。
小柄だががっちりと肉が付いたお鷹の身体は、丸くて四角い。色は白いので、角の取れた豆腐のようだ。こんな奥方がどんと座っているだけで、家の安泰が守られる気がする。
市之進がなかなか来ないので、佐彦は昼間見た更紗柄の半纏のことを暇つぶしに口にした。
「あら、千色屋更紗なら知っていますよ。流行りの半纏は、わたくしが着るには少し若すぎますが、いい柄なので紙入れでも贖おうかと思っていたところです」
「へぇ、奥さまもご存じだったんですかい」
長いこと武家の妻をしているお鷹が、若い町娘たちの流行りを知っていたのは意外だった。
当の本人は、さも当然といった顔つきをする。
「何が吟味のお役に立つか分かりません。人々の間で流行っているものを知っておいて、旦那さまのお耳に入れるのも与力の妻の努めですよ。あの千色屋更紗の半纏は、吉原の花魁が纏っていたのがきっかけで、ここまで人気が出たようですね」
「ほほう、流行りの火元は花魁でしたか」
江戸では、役者か花魁が身に着けているものが流行る。
人気者の姿がまず錦絵になり、それを手にした者たちが絵の中の着物や小物と同じものを欲しがるという寸法だ。
「千色屋更紗を纏った花魁の錦絵も、わたくしはちゃんと持っています。見ますか、佐彦」
頷くと、お鷹は文机の抽斗からそれを取り出した。
行燈を引き寄せて目を凝らした佐彦は、あっと息を呑む。
描かれていたのは『琴菊』という名の花魁だった。絵の中で町娘が纏っていたのと同じ千色屋更紗の半纏を身に着け、外の床几に腰かけて、婀娜っぽい仕草で空模様を窺っている。
だが、佐彦の目が吸い寄せられたのは花魁の姿ではなく、紙の片隅にひょいと添えられた小さな字だった。
東吾――その二文字は、錦絵を手掛けた絵師の名だ。
(あいつ、もう一人前になったのか)
佐彦は東吾のことを知っていた。半年前まで、同じ地本問屋で絵師見習いをしていたのだ。
そんな東吾の絵が、今こうして手元にある。きっと多くの町人が同じものを買い求めただろう。
一方で、佐彦は地本問屋を追い出され、今はろくに筆を握れていない……。
「母上、お待たせしました」
俯きかけたとき、市之進が部屋に入ってきた。畳に腰を下ろすと、佐彦が手にしていた錦絵を見て僅かに首を傾げる。
「何だ、この絵は」
「千色屋更紗が流行るきっかけになった錦絵ですよ。奥さまがお持ちだったのを見せていただいてるんです。描かれている花魁が、半纏を身に着けているでしょう」
「ふむ、確かに」
市之進は頷くと、もう一度しげしげと錦絵を眺めてから佐彦の方を振り向いた。
「しかし、この錦絵はいささか派手すぎる。佐彦――おぬしの描く絵の方が、何倍もいいぞ」
「は? え、えぇ?! あ……ありがとうございます」
思ってもみなかったことをふいに言われ、佐彦は面食らった。胸が何かに突かれたようにどきっと跳ねる。
ぱちぱちと瞬きを繰り返す下男をよそに、市之進は母親と向き合った。
「母上。呼ばれたので参りましたが、何かご用ですか」
すると、お鷹は息子をぎりっと見据えた。
「市之進。旦那さまから隠居のお話は聞いていますね」
「はぁ。先日、伺っております」
市蔵が年内に筆頭与力を辞し、家督を市之進に譲る件は佐彦も知っている。
「なら、わたくしが何を言いたいのか分かるでしょう」
「……? 皆目見当もつきませぬが」
途端にお鷹はばんと自分の太腿を手で打った。続けて拳を握り締める。
「市之進。それが、じきにこの青木家の主となる者の振る舞いですか?! まったく、嘆かわしい……。いいですか。家督を継ぐのであれば、そなたが真っ先に考えなければならないのは『跡取り』のことです!」
「跡取り……」
「そうです。旦那さまがそなたに家督を譲るのと同じく、そなたもいずれは自分の息子に跡を継がせるのです。家というのは、そうやって続いていくもの……いえ、続けていかねばならないもの。ゆえに、子をもうけなさい、市之進」
「は……?」
お鷹の勢いはすさまじく、市之進は半分呆気に取られているようだった。ずり落ちそうになった着物を直しつつ、「しかし」と口を開く。
「子は、急に降って湧いてくるものではありませぬ……」
「そんなことは当たり前でしょう! 子をもうけるために、まずは嫁をもらうのです。市之進。わたくしはこれまでに、何度かそなたにそれとなく縁談を持ちかけました。そなたは目もくれませんでしたが……」
母と息子の話を聞いていた佐彦は驚いた。縁談の件など微塵も知らなかった。が、よく考えてみれば、市之進は嫁をもらっていてもおかしくない歳だ。
当の市之進も母親の勧めを断った覚えがあるのか、きまり悪そうに口を結んでいる。
「まだ見習与力だから……とあまりうるさくは言いませんでしたが、家督を継ぐとなるとそうはいきませんよ。旦那さまが隠居しても、そなたに嫁が来なければ、わたくしが引き続きこの家の奥を取り仕切ることになります。付け届けの管理やひっきりなしに来る客の応対など、そなたは年老いた母にいつまでかような働きを強いるのですか! 一刻も早く、嫁をもらいなさい」
「母上の苦労は承知です。常々申し訳ないと思っております。ですが……」
詫びの言葉は口にしたものの、市之進は決して首を縦に振らなかった。
お鷹は「はぁ」と息を吐いてから座り直し、再びきっと息子を睨む。
「市之進。そなたが当代一の唐変木かつ朴念仁だということは、わたくしも重々心得ております。そのように育ててしまったのは母の責任です。無理に相手を見繕っても、きっと上手くはいかないでしょう」
散々な言いようだが的を得ている。
お鷹は帯に挟んでいた扇子を手に取ると、それを息子に向けた。
「わたくしが勧める縁談を断り続けるというなら――市之進、そなたが自分で嫁にしたい相手を見つけなさい」
「は? 自分で……?」
「そうです。家督を継ぐまでに、嫁を見つけなさい。これが、母の精いっぱいの譲歩です。嫌だとは言わせませんよ!」
鼻先に扇を突きつけられた市之進は、ぐっと息を呑んだ。お鷹は息子を制したまま、佐彦の方をぐるりと振り返る。
「佐彦。あなたは最近、よく市之進の供をしていますね。そんなあなたに尋ねます。市之進に『いい人』はおりますか。誰か、親しくしている女子は?!」
「いや、いませんね」
きっぱりと断言した。自分がここに呼ばれたわけがようやく分かった。
「では、親しくなくとも、市之進が好みそうな女子はおりませんか。この際、多少の家格の差は目を瞑ります」
「えぇっ! そんなこと、急に言われてもなぁ……」
「早く答えなさい、佐彦!」
お鷹は市之進に扇を突きつけたまま、ぎりぎりと歯を噛み締めた。息子とは全く違う顔立ちなのに、恐ろしさは負けていない。さすがは親子だ。
困り果てた佐彦がごくりと息を呑んだとき、部屋の襖が開いた。
「おい、市之進。おぬしに客だぞ」
ふいに現れたのはこの家の主だった。
絵に描いたような恵比寿顔を見て、佐彦はほっと胸を撫で下ろす。
(た、助かった……)
佐彦より市之進の方が安堵していた。母親に突きつけられていた扇を軽く押し返して立ち上がる。
「父上。客とは誰でしょうか」
「千色屋の主の千右衛門どのだ。なんでも吟味に関わることで話があるらしく、わざわざ訪ねて来たらしい。……ところで、どうしたお鷹。そんなに怖い顔で息子に迫りおって。親子喧嘩でもしていたのか」
「なんでもありません。お客なら仕方がありませんね。市之進、佐彦……お行きなさい」
お鷹は扇子を引っ込めて、僅かに肩を落とした。
市蔵はそんな妻の隣に座り、佐彦たちにひらひらと手を振る。
「お鷹の相手は儂がする。千右衛門どのの応対は、そなたたちに任せよう。先ほどざっと事情を聞いたが、千色屋の付け火の件、一筋縄ではいかぬようだな。心して務めに励むのだぞ」
「――はい」
見習与力の顔がたちまち引き締まった。
くるりと身を翻した見習与力を追って、佐彦も急いで部屋を出た。
市蔵の妻でもあるお鷹は齢五十。今もなお、夫や息子に負けぬ壮健ぶりで青木家の奥を取り仕切っている。
佐彦はその日の晩、お鷹に呼ばれていた。夕餉のあと、茶の入った湯呑みを持って部屋を訪ねる。
「おや佐彦、来てくれたのね。そこにお座りなさい。市之進も、もうじき顔を出すはずですよ」
お鷹は、佐彦だけではなく市之進も自室に呼び付けていた。当然、その分の茶も用意してある。
小柄だががっちりと肉が付いたお鷹の身体は、丸くて四角い。色は白いので、角の取れた豆腐のようだ。こんな奥方がどんと座っているだけで、家の安泰が守られる気がする。
市之進がなかなか来ないので、佐彦は昼間見た更紗柄の半纏のことを暇つぶしに口にした。
「あら、千色屋更紗なら知っていますよ。流行りの半纏は、わたくしが着るには少し若すぎますが、いい柄なので紙入れでも贖おうかと思っていたところです」
「へぇ、奥さまもご存じだったんですかい」
長いこと武家の妻をしているお鷹が、若い町娘たちの流行りを知っていたのは意外だった。
当の本人は、さも当然といった顔つきをする。
「何が吟味のお役に立つか分かりません。人々の間で流行っているものを知っておいて、旦那さまのお耳に入れるのも与力の妻の努めですよ。あの千色屋更紗の半纏は、吉原の花魁が纏っていたのがきっかけで、ここまで人気が出たようですね」
「ほほう、流行りの火元は花魁でしたか」
江戸では、役者か花魁が身に着けているものが流行る。
人気者の姿がまず錦絵になり、それを手にした者たちが絵の中の着物や小物と同じものを欲しがるという寸法だ。
「千色屋更紗を纏った花魁の錦絵も、わたくしはちゃんと持っています。見ますか、佐彦」
頷くと、お鷹は文机の抽斗からそれを取り出した。
行燈を引き寄せて目を凝らした佐彦は、あっと息を呑む。
描かれていたのは『琴菊』という名の花魁だった。絵の中で町娘が纏っていたのと同じ千色屋更紗の半纏を身に着け、外の床几に腰かけて、婀娜っぽい仕草で空模様を窺っている。
だが、佐彦の目が吸い寄せられたのは花魁の姿ではなく、紙の片隅にひょいと添えられた小さな字だった。
東吾――その二文字は、錦絵を手掛けた絵師の名だ。
(あいつ、もう一人前になったのか)
佐彦は東吾のことを知っていた。半年前まで、同じ地本問屋で絵師見習いをしていたのだ。
そんな東吾の絵が、今こうして手元にある。きっと多くの町人が同じものを買い求めただろう。
一方で、佐彦は地本問屋を追い出され、今はろくに筆を握れていない……。
「母上、お待たせしました」
俯きかけたとき、市之進が部屋に入ってきた。畳に腰を下ろすと、佐彦が手にしていた錦絵を見て僅かに首を傾げる。
「何だ、この絵は」
「千色屋更紗が流行るきっかけになった錦絵ですよ。奥さまがお持ちだったのを見せていただいてるんです。描かれている花魁が、半纏を身に着けているでしょう」
「ふむ、確かに」
市之進は頷くと、もう一度しげしげと錦絵を眺めてから佐彦の方を振り向いた。
「しかし、この錦絵はいささか派手すぎる。佐彦――おぬしの描く絵の方が、何倍もいいぞ」
「は? え、えぇ?! あ……ありがとうございます」
思ってもみなかったことをふいに言われ、佐彦は面食らった。胸が何かに突かれたようにどきっと跳ねる。
ぱちぱちと瞬きを繰り返す下男をよそに、市之進は母親と向き合った。
「母上。呼ばれたので参りましたが、何かご用ですか」
すると、お鷹は息子をぎりっと見据えた。
「市之進。旦那さまから隠居のお話は聞いていますね」
「はぁ。先日、伺っております」
市蔵が年内に筆頭与力を辞し、家督を市之進に譲る件は佐彦も知っている。
「なら、わたくしが何を言いたいのか分かるでしょう」
「……? 皆目見当もつきませぬが」
途端にお鷹はばんと自分の太腿を手で打った。続けて拳を握り締める。
「市之進。それが、じきにこの青木家の主となる者の振る舞いですか?! まったく、嘆かわしい……。いいですか。家督を継ぐのであれば、そなたが真っ先に考えなければならないのは『跡取り』のことです!」
「跡取り……」
「そうです。旦那さまがそなたに家督を譲るのと同じく、そなたもいずれは自分の息子に跡を継がせるのです。家というのは、そうやって続いていくもの……いえ、続けていかねばならないもの。ゆえに、子をもうけなさい、市之進」
「は……?」
お鷹の勢いはすさまじく、市之進は半分呆気に取られているようだった。ずり落ちそうになった着物を直しつつ、「しかし」と口を開く。
「子は、急に降って湧いてくるものではありませぬ……」
「そんなことは当たり前でしょう! 子をもうけるために、まずは嫁をもらうのです。市之進。わたくしはこれまでに、何度かそなたにそれとなく縁談を持ちかけました。そなたは目もくれませんでしたが……」
母と息子の話を聞いていた佐彦は驚いた。縁談の件など微塵も知らなかった。が、よく考えてみれば、市之進は嫁をもらっていてもおかしくない歳だ。
当の市之進も母親の勧めを断った覚えがあるのか、きまり悪そうに口を結んでいる。
「まだ見習与力だから……とあまりうるさくは言いませんでしたが、家督を継ぐとなるとそうはいきませんよ。旦那さまが隠居しても、そなたに嫁が来なければ、わたくしが引き続きこの家の奥を取り仕切ることになります。付け届けの管理やひっきりなしに来る客の応対など、そなたは年老いた母にいつまでかような働きを強いるのですか! 一刻も早く、嫁をもらいなさい」
「母上の苦労は承知です。常々申し訳ないと思っております。ですが……」
詫びの言葉は口にしたものの、市之進は決して首を縦に振らなかった。
お鷹は「はぁ」と息を吐いてから座り直し、再びきっと息子を睨む。
「市之進。そなたが当代一の唐変木かつ朴念仁だということは、わたくしも重々心得ております。そのように育ててしまったのは母の責任です。無理に相手を見繕っても、きっと上手くはいかないでしょう」
散々な言いようだが的を得ている。
お鷹は帯に挟んでいた扇子を手に取ると、それを息子に向けた。
「わたくしが勧める縁談を断り続けるというなら――市之進、そなたが自分で嫁にしたい相手を見つけなさい」
「は? 自分で……?」
「そうです。家督を継ぐまでに、嫁を見つけなさい。これが、母の精いっぱいの譲歩です。嫌だとは言わせませんよ!」
鼻先に扇を突きつけられた市之進は、ぐっと息を呑んだ。お鷹は息子を制したまま、佐彦の方をぐるりと振り返る。
「佐彦。あなたは最近、よく市之進の供をしていますね。そんなあなたに尋ねます。市之進に『いい人』はおりますか。誰か、親しくしている女子は?!」
「いや、いませんね」
きっぱりと断言した。自分がここに呼ばれたわけがようやく分かった。
「では、親しくなくとも、市之進が好みそうな女子はおりませんか。この際、多少の家格の差は目を瞑ります」
「えぇっ! そんなこと、急に言われてもなぁ……」
「早く答えなさい、佐彦!」
お鷹は市之進に扇を突きつけたまま、ぎりぎりと歯を噛み締めた。息子とは全く違う顔立ちなのに、恐ろしさは負けていない。さすがは親子だ。
困り果てた佐彦がごくりと息を呑んだとき、部屋の襖が開いた。
「おい、市之進。おぬしに客だぞ」
ふいに現れたのはこの家の主だった。
絵に描いたような恵比寿顔を見て、佐彦はほっと胸を撫で下ろす。
(た、助かった……)
佐彦より市之進の方が安堵していた。母親に突きつけられていた扇を軽く押し返して立ち上がる。
「父上。客とは誰でしょうか」
「千色屋の主の千右衛門どのだ。なんでも吟味に関わることで話があるらしく、わざわざ訪ねて来たらしい。……ところで、どうしたお鷹。そんなに怖い顔で息子に迫りおって。親子喧嘩でもしていたのか」
「なんでもありません。お客なら仕方がありませんね。市之進、佐彦……お行きなさい」
お鷹は扇子を引っ込めて、僅かに肩を落とした。
市蔵はそんな妻の隣に座り、佐彦たちにひらひらと手を振る。
「お鷹の相手は儂がする。千右衛門どのの応対は、そなたたちに任せよう。先ほどざっと事情を聞いたが、千色屋の付け火の件、一筋縄ではいかぬようだな。心して務めに励むのだぞ」
「――はい」
見習与力の顔がたちまち引き締まった。
くるりと身を翻した見習与力を追って、佐彦も急いで部屋を出た。
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【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
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【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
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