13 / 28
3章 お家カレーで解きほぐせたら
第2話 手間暇を掛けてでも
しおりを挟む
後にやって来たサヨさんに知朗が「カレーを作りたい」と言うと、また戸惑った様な表情をされた。
「カレー、でございますか……?」
「おう。材料揃えられるか?」
「先と同じく主に聞いてみませんと。ですがケーキの時も大丈夫だったのですから、今回もご用意できるかと。あ、申し訳ありません、これは私の勝手な考えでございますか」
「いや、俺もそれで期待してるんだ。今度も大丈夫なんじゃ無ぇかなって」
「そうでございますね。良いお返事ができると良いのですが。では聞いて参りますのでお待ちくださいませ」
「あ、用意してもらえるんだったら二度手間になるし、今必要なもの書いて渡して良いか?」
「そうでございますね。ではこちらにお願いします」
サヨさんが着物の袂から取り出した紙片と鉛筆を受け取り、知朗は考えながら必要なものを書き出して行く。サヨさんは数枚に渡ったそれを見て「なるほどでございます」と納得した様に頷いた。
「では可能でしたら、こちらの材料をすぐにお揃えいたしますね。また参りますのでお待ちくださいませ」
サヨさんは深くお辞儀をして扉から出て行った。
「用意してもらえたらええねぇ」
「ああ。特にあれが手に入りゃあ話が早いし確実だと思う」
「そうやねぇ」
太郎くんが言った隣の家のカレー。すなわちいわゆる「お家のカレー」を想像した。市販のカレールウを使って作ったカレーである。
あれから太郎くんに話を聞いたところによると、太郎くんの家は小さなアパートだったとのこと。なら下世話だが、経済的にもカレールウのカレーの可能性が高いと見たのだ。
カレールウが使えるなら、確実に美味しいものが作れるので何の心配も無い。少しばかりアレンジはするが、基本の作り方で作れば良いのだ。
だがカレールウが手に入らなかった場合。その時にはカレー粉などを使ってルウを作らなければならない。カレー粉すら駄目なら、スパイスを調合して作らなければならないのだ。
知朗は一時期カレーに凝っていた時があり、スパイスから作ったことがあった。なのでどのスパイスが必要なのかは分かっている。だが配分がうろ覚えなのだ。
そしてカレールウが使えなかったらブイヨンも必要になってくるので、なかなかな大仕事になる。
手間は惜しまないが、少しでも早く太郎くんの望むものを作ってあげたいという気持ちが勝る。なのでカレールウはぜひ欲しいところなのだが。
「ふぅむ、わしは生前も料理を全然せんかったから分からんのじゃが、カレールウというのはそんなにも大事なのかの?」
ツルさんが切り子グラスを片手に問うてくる。
「ツルさんカレールウは知ってるか? つか亡くなったのいつだよ」
「いつ死んだのかはもう年じゃて、忘れてしもうた」
「え、結構大事なことなんや無いですか?」
けろっと言うツルさんに謙太は驚く。
「もう死んでしもうたんじゃから、いつかはどうでもええんじゃ。それよりカレールウじゃ。それが無かったら、太郎坊が食べたいカレーは作れないのかのう?」
はぐらかされた気がするが、今は追求するところでは無いだろう。知朗は「んー」と唸る。
「作れねぇことは無ぇが、何つうかルウから作ると本格的になりすぎるって言うか。確かに美味いもんができるんだけど、今回作りてぇのは「旨いカレー」じゃ無くて「太郎が食いてぇカレー」だからな。一般家庭でルウから手作りするってなかなか無ぇと思うぜ」
「そうなんじゃな。カレールウとはそんなに重要なものなんじゃな」
「そうなんですよねぇ。味そのものを左右しますからねぇ。トモは凝り性やから、僕も手作りを食べさせてもろたことあるけど、実家の親でもそこまでせんかったですよ。でもお家のカレーって、同じルウを使っててもそれぞれ違ったりするやんねぇ。不思議やわぁ」
最後のせりふは知朗に向かっていた。
「そうなんだよな。ルウもいろいろ種類があるし、行けたとしてもどこのブランドが来るか判らねぇし」
「指定せえへんかったん?」
「そこまで頼んで良いもんかどうか判らなかったからな。まぁよっぽどよく分からねぇもんが来ねぇ限り大丈夫だろ」
「そうやねぇ。今のカレールウはどこのも美味しいやろうしねぇ」
「カレールウというのは、そんなに種類があるものなのかのう?」
「その辺のスーパーで買えるだけでも10とかあるかな」
「そんなにか!」
ツルさんが驚いた様に目を剥く。ツルさんが生きていたころにはカレールウは無かったか、あってもそう種類は多く無かったのだろう。
料理を全然しなかったということだから、余計に知らないだろうし。一体ツルさんの時間はいつから止まっているのだろうか。
すると「謙太さま知朗さま、お待たせいたしました」とサヨさんがやって来た。ふたりに深く頭を下げる。
「ご希望しておりました材料をご用意いたしましたので、ご確認くださいませ」
「キッチンの中ですか?」
「はい」
知朗が我先にとシステムキッチンに向かう。謙太も続きツルさんもひょこひょこと付いて来る。
知朗は扉や引き出しを開けて、入っている食材を全部出して行く。肉や野菜、そして。
「カレー粉か!」
用意されていたのはカレー粉だった。と言うことは、カレールウを手作りしなければならないと言うことだ。
スパイスから作るより、配分を覚えていない身としては助かったと言えるのかも知れないが。
知朗は持ち上げたカレー粉の瓶を睨み付ける様に見て、「……よし、やるか」と観念した様な声を上げた。
「あ、でも時間大丈夫か? サヨさん、次暗くなるまでどれぐらいある?」
「もうさほど時間はございません。そのカレーをお作りになられるのにお時間が掛かる様でしたら、明日の方がよろしいかと」
「そっか。じゃあ明日にするかな」
知朗は言うと、キッチンから離れぶらぶらと歩いて太郎くんの元へ。
太郎くんは筋肉質な青年と、軽い筋肉トレーニングをしている最中だった。これを遊びと言うのかどうかは難しいところだが、太郎くんは黙々と懸命に青年に付いて行っていた。
「太郎」
知朗が声を掛けると太郎くんは動きを止める。まずは青年を見て、青年が爽やかな笑みで頷いたら、とととっと知朗の元に駆けて来てくれた。
「太郎、カレーの材料が入ったぜ。明日作ってやるからな」
言うと太郎くんはぱっと嬉しそうに目を開いた。それは微かな変化だったが、感情を表すことが少ない太郎くんなので、これはかなり嬉しいと思ってくれているのだと思う。
知朗はにっこりと笑顔を浮かべ、太郎くんの頭をくしゃりと撫でた。
「旨いの作ってやるから待ってろよ」
言うと太郎くんは小さくこくりと頷いた。するとそれを見守っていた青年が「良かったな!」と快活に言い、背中をぱしんと軽く叩いた。
「じゃあ明日美味しくカレーが食べられる様に、もっとトレーニングをがんばろう!」
青年がそう言って手を差し出すと、太郎くんは素直にその手を取った。
連れて行かれる時にちらりと振り向いたので、知朗はひらひらと手を振る。すると太郎くんは少しほっとした様に頬を緩ませた。
表情はまだ硬い。だがこれが今の太郎くんにとって、精一杯の笑みなのかも知れない。大分友朗に心を許している、そんな感じがした。
「カレー、でございますか……?」
「おう。材料揃えられるか?」
「先と同じく主に聞いてみませんと。ですがケーキの時も大丈夫だったのですから、今回もご用意できるかと。あ、申し訳ありません、これは私の勝手な考えでございますか」
「いや、俺もそれで期待してるんだ。今度も大丈夫なんじゃ無ぇかなって」
「そうでございますね。良いお返事ができると良いのですが。では聞いて参りますのでお待ちくださいませ」
「あ、用意してもらえるんだったら二度手間になるし、今必要なもの書いて渡して良いか?」
「そうでございますね。ではこちらにお願いします」
サヨさんが着物の袂から取り出した紙片と鉛筆を受け取り、知朗は考えながら必要なものを書き出して行く。サヨさんは数枚に渡ったそれを見て「なるほどでございます」と納得した様に頷いた。
「では可能でしたら、こちらの材料をすぐにお揃えいたしますね。また参りますのでお待ちくださいませ」
サヨさんは深くお辞儀をして扉から出て行った。
「用意してもらえたらええねぇ」
「ああ。特にあれが手に入りゃあ話が早いし確実だと思う」
「そうやねぇ」
太郎くんが言った隣の家のカレー。すなわちいわゆる「お家のカレー」を想像した。市販のカレールウを使って作ったカレーである。
あれから太郎くんに話を聞いたところによると、太郎くんの家は小さなアパートだったとのこと。なら下世話だが、経済的にもカレールウのカレーの可能性が高いと見たのだ。
カレールウが使えるなら、確実に美味しいものが作れるので何の心配も無い。少しばかりアレンジはするが、基本の作り方で作れば良いのだ。
だがカレールウが手に入らなかった場合。その時にはカレー粉などを使ってルウを作らなければならない。カレー粉すら駄目なら、スパイスを調合して作らなければならないのだ。
知朗は一時期カレーに凝っていた時があり、スパイスから作ったことがあった。なのでどのスパイスが必要なのかは分かっている。だが配分がうろ覚えなのだ。
そしてカレールウが使えなかったらブイヨンも必要になってくるので、なかなかな大仕事になる。
手間は惜しまないが、少しでも早く太郎くんの望むものを作ってあげたいという気持ちが勝る。なのでカレールウはぜひ欲しいところなのだが。
「ふぅむ、わしは生前も料理を全然せんかったから分からんのじゃが、カレールウというのはそんなにも大事なのかの?」
ツルさんが切り子グラスを片手に問うてくる。
「ツルさんカレールウは知ってるか? つか亡くなったのいつだよ」
「いつ死んだのかはもう年じゃて、忘れてしもうた」
「え、結構大事なことなんや無いですか?」
けろっと言うツルさんに謙太は驚く。
「もう死んでしもうたんじゃから、いつかはどうでもええんじゃ。それよりカレールウじゃ。それが無かったら、太郎坊が食べたいカレーは作れないのかのう?」
はぐらかされた気がするが、今は追求するところでは無いだろう。知朗は「んー」と唸る。
「作れねぇことは無ぇが、何つうかルウから作ると本格的になりすぎるって言うか。確かに美味いもんができるんだけど、今回作りてぇのは「旨いカレー」じゃ無くて「太郎が食いてぇカレー」だからな。一般家庭でルウから手作りするってなかなか無ぇと思うぜ」
「そうなんじゃな。カレールウとはそんなに重要なものなんじゃな」
「そうなんですよねぇ。味そのものを左右しますからねぇ。トモは凝り性やから、僕も手作りを食べさせてもろたことあるけど、実家の親でもそこまでせんかったですよ。でもお家のカレーって、同じルウを使っててもそれぞれ違ったりするやんねぇ。不思議やわぁ」
最後のせりふは知朗に向かっていた。
「そうなんだよな。ルウもいろいろ種類があるし、行けたとしてもどこのブランドが来るか判らねぇし」
「指定せえへんかったん?」
「そこまで頼んで良いもんかどうか判らなかったからな。まぁよっぽどよく分からねぇもんが来ねぇ限り大丈夫だろ」
「そうやねぇ。今のカレールウはどこのも美味しいやろうしねぇ」
「カレールウというのは、そんなに種類があるものなのかのう?」
「その辺のスーパーで買えるだけでも10とかあるかな」
「そんなにか!」
ツルさんが驚いた様に目を剥く。ツルさんが生きていたころにはカレールウは無かったか、あってもそう種類は多く無かったのだろう。
料理を全然しなかったということだから、余計に知らないだろうし。一体ツルさんの時間はいつから止まっているのだろうか。
すると「謙太さま知朗さま、お待たせいたしました」とサヨさんがやって来た。ふたりに深く頭を下げる。
「ご希望しておりました材料をご用意いたしましたので、ご確認くださいませ」
「キッチンの中ですか?」
「はい」
知朗が我先にとシステムキッチンに向かう。謙太も続きツルさんもひょこひょこと付いて来る。
知朗は扉や引き出しを開けて、入っている食材を全部出して行く。肉や野菜、そして。
「カレー粉か!」
用意されていたのはカレー粉だった。と言うことは、カレールウを手作りしなければならないと言うことだ。
スパイスから作るより、配分を覚えていない身としては助かったと言えるのかも知れないが。
知朗は持ち上げたカレー粉の瓶を睨み付ける様に見て、「……よし、やるか」と観念した様な声を上げた。
「あ、でも時間大丈夫か? サヨさん、次暗くなるまでどれぐらいある?」
「もうさほど時間はございません。そのカレーをお作りになられるのにお時間が掛かる様でしたら、明日の方がよろしいかと」
「そっか。じゃあ明日にするかな」
知朗は言うと、キッチンから離れぶらぶらと歩いて太郎くんの元へ。
太郎くんは筋肉質な青年と、軽い筋肉トレーニングをしている最中だった。これを遊びと言うのかどうかは難しいところだが、太郎くんは黙々と懸命に青年に付いて行っていた。
「太郎」
知朗が声を掛けると太郎くんは動きを止める。まずは青年を見て、青年が爽やかな笑みで頷いたら、とととっと知朗の元に駆けて来てくれた。
「太郎、カレーの材料が入ったぜ。明日作ってやるからな」
言うと太郎くんはぱっと嬉しそうに目を開いた。それは微かな変化だったが、感情を表すことが少ない太郎くんなので、これはかなり嬉しいと思ってくれているのだと思う。
知朗はにっこりと笑顔を浮かべ、太郎くんの頭をくしゃりと撫でた。
「旨いの作ってやるから待ってろよ」
言うと太郎くんは小さくこくりと頷いた。するとそれを見守っていた青年が「良かったな!」と快活に言い、背中をぱしんと軽く叩いた。
「じゃあ明日美味しくカレーが食べられる様に、もっとトレーニングをがんばろう!」
青年がそう言って手を差し出すと、太郎くんは素直にその手を取った。
連れて行かれる時にちらりと振り向いたので、知朗はひらひらと手を振る。すると太郎くんは少しほっとした様に頬を緩ませた。
表情はまだ硬い。だがこれが今の太郎くんにとって、精一杯の笑みなのかも知れない。大分友朗に心を許している、そんな感じがした。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
鬼様に生贄として捧げられたはずが、なぜか溺愛花嫁生活を送っています!?
小達出みかん
キャラ文芸
両親を亡くし、叔父一家に冷遇されていた澪子は、ある日鬼に生贄として差し出される。
だが鬼は、澪子に手を出さないばかりか、壊れ物を扱うように大事に接する。美味しいごはんに贅沢な衣装、そして蕩けるような閨事…。真意の分からぬ彼からの溺愛に澪子は困惑するが、それもそのはず、鬼は澪子の命を助けるために、何度もこの時空を繰り返していた――。
『あなたに生きていてほしい、私の愛しい妻よ』
繰り返される『やりなおし』の中で、鬼は澪子を救えるのか?
◇程度にかかわらず、濡れ場と判断したシーンはサブタイトルに※がついています
◇後半からヒーロー視点に切り替わって溺愛のネタバレがはじまります
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる