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5章 最初で最後の贈り物
第2話 お腹いっぱいに
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真守が仕事を終えて帰って来ると、拓真はまだ戻っていなかった。拓真の死神担当エリアはこの周辺なので、いつも真守より早く帰って来ているのだ。
何かあったのだろうか。仕事が長引いているのだろうか。
夕飯の下ごしらえをしておこうかと、部屋着に着替えてキッチンに立った時、玄関のドアを通り抜けて拓真が帰って来た。
「ただいま」
「おかえり。遅かったね」
「まぁちょっとな。あ」
拓真は言うとドアから頭だけを出し、数秒後、頭を戻した拓真に続いて遠慮がちに入って来たのは、赤ん坊を抱いた若い女性の幽体だった。
「こ、こんばんは」
女性はかすかに笑みを浮かべ、真守にぺこりと頭を下げる。
「こんばんは。えっと拓真、こちらは?」
真守も女性に軽く頭を下げ、視線を拓真に移す。拓真が迎えに行った死者だということは想像が付くが。
「ああ、内山さん親子。赤ちゃんにお乳あげたいって言うからさ。さすがに外でってわけにもいかないし」
「ああ、なるほどね」
真守が頷くと、内山さんは「本当に無理を言ってしまって」と細い肩をすくめる。
魂なので誰に見られるわけでも無いが、それと本人の羞恥は別だ。外で肌を露わにするのは抵抗があるだろう。女性なのだから当たり前だ。
「とんでも無いですよ。あ、俺は拓真の弟の真守です。こっちの部屋、使ってください」
ダイニングキッチンと寝室にもなっている部屋は、開き戸で仕切られているのだが、部屋に設置してあるエアコンの恩恵をキッチンでも受けられる様に、普段は開けっ放しにしてある。
真守は部屋の電気を点け、内山さんを促した。内山さんはおずおずと部屋に入る。
「座布団使ってくれても良いですし、ベッドに掛けてもらっても良いですよ。赤ちゃんお腹いっぱいにしてあげてくださいね」
真守が言うと、内山さんはほっとした様に表情を綻ばす。
「ありがとう」
「いえいえ。じゃあここ閉めますから」
真守は開き戸をそっと閉めた。
「じゃ、晩ご飯の支度するかぁ」
真守は「うーん」と伸びをし、拓真は「お、楽しみだ」と口角を上げた。
数分後、内山さんは部屋から姿を現した。拓真が見たその表情はとても満ち足りていて、腕に抱いた赤ん坊を愛おしげに見つめる。
「ありがとう。多分お乳は出なかったと思う。でもこの子、必死になって手を伸ばして、私のお乳を吸ってくれたのよ。そしたら満足してくれたのか、おとなしく寝ちゃって。ふふ」
「良かったです」
拓真は安心する。内山さんと赤ん坊が喜んでくれたのなら何よりだ。
キッチンで包丁を使っていた真守は、振り返って声を上げる。
「内山さん、良かったら内山さんもお腹いっぱいになりませんか?」
「お」
「え?」
拓真は手を打ち、内山さんは首を傾げた。
「今晩ご飯の準備をしているんです。お好きなものがあったら、食べて行かれませんか?」
真守が訊くと、内山さんはぱぁっと顔を輝かせた。だがすぐにはしたないとでも思ったのか、慌てた顔でぶんぶんと首を振る。ころころと表情の変わる女性だ。
「いえ、いいえ、お部屋を貸していただいただけでも申し訳無いのに、お食事までだなんて」
「大丈夫ですよ。拓真も俺も食べるんですから、ついでって言ったらあれですけど。良かったら。何か好きなものありますか?」
すると内山さんはもじもじと小さく身体をくねらす。
「あ、あの、私ご飯が、白米が大好きで」
「じゃあちょうど良かった。冷凍しとこうと思って、ご飯たっぷり炊いたんです。食べて行ってください」
「……本当に良いのかしら」
「はい、もちろん」
真守はにっこりと微笑む。拓真ももし内山さんにも食べたいものがあるのなら、食べて行って欲しいと思う。真守の気遣いに感謝だ。
「じゃあご飯のお供も用意してみようかな」
真守は冷蔵庫の野菜室を開けて、椎茸とししとうを取り出した。
「ありがとう! 嬉しいです!」
「いえいえ」
真守はにこやかに調理を進めて行く。
「真守のご飯美味しいですよ。ゆっくりしてってくださいね」
拓真が言うと、内山さんは「はい」と穏やかに微笑んだ。
おかずの下ごしらえは終わった。あとは調理するだけだ。
火に掛けたお鍋にごま油を引き、日本酒とお塩で下味を付けた豚ばら肉を炒める。
しっかりと炒まり脂が透明になったら、いちょう切りにした大根を入れる。すぐに火が通る様に厚みは1センチほど。
大根に脂が回ったらお水を入れ、沸いたら顆粒だしを入れてことことと煮る。
お鍋はこのまま置いておいて、ご飯のお供を用意する。
普段真守はあまりご飯のお供を使わないので、佃煮などの様に甘辛いものというイメージしか無いのだが、ご飯に合うものはお酒にも合うので、その感覚で作れば大丈夫だろう。
茄子は薄めの半月切りにする。椎茸は石づきを落とし、軸も一緒にスライスしておき、ししとうは斜め切りに。
茄子をジッパーバッグに入れ、そこに昆布茶を加える。ジッパーバッグごと良く揉み込んだら、空気を抜きつつ封をし、冷蔵庫に入れておく。
次に温まった炒め鍋に菜種油を引き、椎茸を炒める。しんなりと火が通ったら日本酒とお砂糖とみりん、お醤油で味を付け、水分があらかた飛んだら仕上げに削り節をたっぷりとまぶす。
できあがった椎茸のおかか炒めを器に移し、フライパンをさっとペーパーで拭う。
今度はごま油を引く。ししとうをしっかりと炒め、味付けは塩昆布。ししとうの塩昆布炒めだ。
さて、お鍋にも味付けだ。こちらも日本酒とお砂糖、お醤油。お肉を使っているのでみりんは無しだ。こちらは優しい味付けを心掛ける。
仕上げにざく切りにした青ねぎを加え、さっと煮てしんなりしたら、豚ばら肉と大根の煮物のできあがりだ。青ねぎで彩りも綺麗になった。
大皿に移してスプーンを添える。椎茸のおかか炒めとししとうの塩昆布炒めにも、それぞれスプーンを添えた。
冷蔵庫からジッパーバッグを出すと、茄子はしんなりと漬かっていた。こちらは水分を絞って3つの小鉢に入れる。茄子の浅漬けだ。あとはお好みでお醤油を掛けてもらう。
「できたよー」
「お。椅子持って来るな」
真守の声に、拓真が部屋から椅子を持って来てくれる。そして。
「なぁ真守、赤ん坊を寝かせてやれるようなもん無いかなぁ」
「あ、そうだよね」
赤ん坊を片腕で抱きながらの食事もできないことは無いだろうが、できたら内山さんには目一杯食事を楽しんで欲しい。
だがすぐ近くに赤ん坊を感じて欲しい。まだ「産まれて間も無い」のだ。母親の立場なら目を離すのは心配だろう。
「よっと」
真守は部屋にあるローテーブルを持ち上げる。部屋のサイズ的に小振りなものだ。
それをダイニングの内山さんに座ってもらう予定の奥の椅子の横に置き、押入れから洗ってしまっておいた毛布を出し、折り畳んでローテーブルの上へ。
高さはそこそこできたが、毛布だと暑いだろうと思うので、バスタオルを畳んで乗せた。
「内山さん、これでどうですか?」
真守が訊くと、内山さんは「あ、ありがとう! 助かります」と赤ん坊を抱えたまま、がばっと頭を下げた。
「こんなことまでしていただいて。本当にありがとう!」
内山さんは恐れ多いと言う様に何度も頭を下げる。真守と拓真は「いやいや」と慌てた。
「全然大丈夫ですよ。赤ちゃん寝かせてあげてください」
拓真が言い、真守も大きく頷くと、内山さんはまた「ありがとう!」とまた頭を下げて、簡易ベッドに赤ん坊をそっと下ろした。
赤ん坊はおとなしく簡易ベッドに横たわる。少し「ふ」と声を上げたが、すやすやと眠っている。ボールを握る様にふわりと曲げられた小さな手を、ふるふると震わした。
「ふふ」
そんな我が子を内山さんは愛おしげに見つめ、指を赤い頬にそっと沿わす。赤ん坊はすやすやと眠り続けている。
「じゃ、いただきましょうか」
真守が言い、拓真も内山さんも「おう」「はい」と席に着いた。
何かあったのだろうか。仕事が長引いているのだろうか。
夕飯の下ごしらえをしておこうかと、部屋着に着替えてキッチンに立った時、玄関のドアを通り抜けて拓真が帰って来た。
「ただいま」
「おかえり。遅かったね」
「まぁちょっとな。あ」
拓真は言うとドアから頭だけを出し、数秒後、頭を戻した拓真に続いて遠慮がちに入って来たのは、赤ん坊を抱いた若い女性の幽体だった。
「こ、こんばんは」
女性はかすかに笑みを浮かべ、真守にぺこりと頭を下げる。
「こんばんは。えっと拓真、こちらは?」
真守も女性に軽く頭を下げ、視線を拓真に移す。拓真が迎えに行った死者だということは想像が付くが。
「ああ、内山さん親子。赤ちゃんにお乳あげたいって言うからさ。さすがに外でってわけにもいかないし」
「ああ、なるほどね」
真守が頷くと、内山さんは「本当に無理を言ってしまって」と細い肩をすくめる。
魂なので誰に見られるわけでも無いが、それと本人の羞恥は別だ。外で肌を露わにするのは抵抗があるだろう。女性なのだから当たり前だ。
「とんでも無いですよ。あ、俺は拓真の弟の真守です。こっちの部屋、使ってください」
ダイニングキッチンと寝室にもなっている部屋は、開き戸で仕切られているのだが、部屋に設置してあるエアコンの恩恵をキッチンでも受けられる様に、普段は開けっ放しにしてある。
真守は部屋の電気を点け、内山さんを促した。内山さんはおずおずと部屋に入る。
「座布団使ってくれても良いですし、ベッドに掛けてもらっても良いですよ。赤ちゃんお腹いっぱいにしてあげてくださいね」
真守が言うと、内山さんはほっとした様に表情を綻ばす。
「ありがとう」
「いえいえ。じゃあここ閉めますから」
真守は開き戸をそっと閉めた。
「じゃ、晩ご飯の支度するかぁ」
真守は「うーん」と伸びをし、拓真は「お、楽しみだ」と口角を上げた。
数分後、内山さんは部屋から姿を現した。拓真が見たその表情はとても満ち足りていて、腕に抱いた赤ん坊を愛おしげに見つめる。
「ありがとう。多分お乳は出なかったと思う。でもこの子、必死になって手を伸ばして、私のお乳を吸ってくれたのよ。そしたら満足してくれたのか、おとなしく寝ちゃって。ふふ」
「良かったです」
拓真は安心する。内山さんと赤ん坊が喜んでくれたのなら何よりだ。
キッチンで包丁を使っていた真守は、振り返って声を上げる。
「内山さん、良かったら内山さんもお腹いっぱいになりませんか?」
「お」
「え?」
拓真は手を打ち、内山さんは首を傾げた。
「今晩ご飯の準備をしているんです。お好きなものがあったら、食べて行かれませんか?」
真守が訊くと、内山さんはぱぁっと顔を輝かせた。だがすぐにはしたないとでも思ったのか、慌てた顔でぶんぶんと首を振る。ころころと表情の変わる女性だ。
「いえ、いいえ、お部屋を貸していただいただけでも申し訳無いのに、お食事までだなんて」
「大丈夫ですよ。拓真も俺も食べるんですから、ついでって言ったらあれですけど。良かったら。何か好きなものありますか?」
すると内山さんはもじもじと小さく身体をくねらす。
「あ、あの、私ご飯が、白米が大好きで」
「じゃあちょうど良かった。冷凍しとこうと思って、ご飯たっぷり炊いたんです。食べて行ってください」
「……本当に良いのかしら」
「はい、もちろん」
真守はにっこりと微笑む。拓真ももし内山さんにも食べたいものがあるのなら、食べて行って欲しいと思う。真守の気遣いに感謝だ。
「じゃあご飯のお供も用意してみようかな」
真守は冷蔵庫の野菜室を開けて、椎茸とししとうを取り出した。
「ありがとう! 嬉しいです!」
「いえいえ」
真守はにこやかに調理を進めて行く。
「真守のご飯美味しいですよ。ゆっくりしてってくださいね」
拓真が言うと、内山さんは「はい」と穏やかに微笑んだ。
おかずの下ごしらえは終わった。あとは調理するだけだ。
火に掛けたお鍋にごま油を引き、日本酒とお塩で下味を付けた豚ばら肉を炒める。
しっかりと炒まり脂が透明になったら、いちょう切りにした大根を入れる。すぐに火が通る様に厚みは1センチほど。
大根に脂が回ったらお水を入れ、沸いたら顆粒だしを入れてことことと煮る。
お鍋はこのまま置いておいて、ご飯のお供を用意する。
普段真守はあまりご飯のお供を使わないので、佃煮などの様に甘辛いものというイメージしか無いのだが、ご飯に合うものはお酒にも合うので、その感覚で作れば大丈夫だろう。
茄子は薄めの半月切りにする。椎茸は石づきを落とし、軸も一緒にスライスしておき、ししとうは斜め切りに。
茄子をジッパーバッグに入れ、そこに昆布茶を加える。ジッパーバッグごと良く揉み込んだら、空気を抜きつつ封をし、冷蔵庫に入れておく。
次に温まった炒め鍋に菜種油を引き、椎茸を炒める。しんなりと火が通ったら日本酒とお砂糖とみりん、お醤油で味を付け、水分があらかた飛んだら仕上げに削り節をたっぷりとまぶす。
できあがった椎茸のおかか炒めを器に移し、フライパンをさっとペーパーで拭う。
今度はごま油を引く。ししとうをしっかりと炒め、味付けは塩昆布。ししとうの塩昆布炒めだ。
さて、お鍋にも味付けだ。こちらも日本酒とお砂糖、お醤油。お肉を使っているのでみりんは無しだ。こちらは優しい味付けを心掛ける。
仕上げにざく切りにした青ねぎを加え、さっと煮てしんなりしたら、豚ばら肉と大根の煮物のできあがりだ。青ねぎで彩りも綺麗になった。
大皿に移してスプーンを添える。椎茸のおかか炒めとししとうの塩昆布炒めにも、それぞれスプーンを添えた。
冷蔵庫からジッパーバッグを出すと、茄子はしんなりと漬かっていた。こちらは水分を絞って3つの小鉢に入れる。茄子の浅漬けだ。あとはお好みでお醤油を掛けてもらう。
「できたよー」
「お。椅子持って来るな」
真守の声に、拓真が部屋から椅子を持って来てくれる。そして。
「なぁ真守、赤ん坊を寝かせてやれるようなもん無いかなぁ」
「あ、そうだよね」
赤ん坊を片腕で抱きながらの食事もできないことは無いだろうが、できたら内山さんには目一杯食事を楽しんで欲しい。
だがすぐ近くに赤ん坊を感じて欲しい。まだ「産まれて間も無い」のだ。母親の立場なら目を離すのは心配だろう。
「よっと」
真守は部屋にあるローテーブルを持ち上げる。部屋のサイズ的に小振りなものだ。
それをダイニングの内山さんに座ってもらう予定の奥の椅子の横に置き、押入れから洗ってしまっておいた毛布を出し、折り畳んでローテーブルの上へ。
高さはそこそこできたが、毛布だと暑いだろうと思うので、バスタオルを畳んで乗せた。
「内山さん、これでどうですか?」
真守が訊くと、内山さんは「あ、ありがとう! 助かります」と赤ん坊を抱えたまま、がばっと頭を下げた。
「こんなことまでしていただいて。本当にありがとう!」
内山さんは恐れ多いと言う様に何度も頭を下げる。真守と拓真は「いやいや」と慌てた。
「全然大丈夫ですよ。赤ちゃん寝かせてあげてください」
拓真が言い、真守も大きく頷くと、内山さんはまた「ありがとう!」とまた頭を下げて、簡易ベッドに赤ん坊をそっと下ろした。
赤ん坊はおとなしく簡易ベッドに横たわる。少し「ふ」と声を上げたが、すやすやと眠っている。ボールを握る様にふわりと曲げられた小さな手を、ふるふると震わした。
「ふふ」
そんな我が子を内山さんは愛おしげに見つめ、指を赤い頬にそっと沿わす。赤ん坊はすやすやと眠り続けている。
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