13 / 36
2章 ただ純粋だっただけ
第11話 俺の充実した日課
しおりを挟む
時刻はほんの少し前に遡る。
前原は勤め先であるカワカミリースのロッカールームで、制服である黄緑色のつなぎから黒のジャージに着替えた。出勤時に着ていたダークグレーのスーツと白のシャツは出来るだけしわにならない様に、きちんと畳んで黒のスポーツバッグにしまう。緑のネクタイもくるくる丸めてバッグに入れた。
最近スポーツジムに通い始めた。身体を鍛える事が目的、では無い。いや、自分のひょろひょろとした貧弱な体躯を姿見で見る度に溜め息を吐きたくなるので、少しは解消出来たらとは思ったが、主目的は別にある。
ここしばらく、前原にはある日課があった。その日課は今は21時以降で無ければできないものなので、それまでの時間潰しにジムを選んだのだ。
元々インドアな質なので、最初は本屋やカフェなどで時間潰しをと思ったが、連日となると無理がある。カフェはともかく、前原はまず本を読む習慣があまり無かった。興味の無いものを見ても退屈なだけだ。
残業でもあれば良いのだろうが、幸か不幸か就業時間外に訪問の必要がある得意先は担当していなかった。
そこで前原が選んだのがスポーツジムだったのだ。日課を行う場所の最寄り駅近くにあるジムの会員になり、18時半頃から20時頃まで毎日通う。端から見ればただの熱心な会員である。
ロッカールームを出て、外に出るべく廊下を進む。曲がり角に差し掛かった時、注意したつもりだったが誰かにぶつかった。
「あっ、すんません!」
「い、いえ、こちらこそ」
相手がいち早く詫びを寄越して来たので、前原も咄嗟に返す。見ると前原より頭半分ほど背が高い同期、山崎だった。山崎は制服のつなぎのままだった。確か金曜日は残業があると言っていたっけ。折角の週末にご苦労な事だ。
「ジャージ?」
「ああ。最近ジムに通っとるから」
「へぇ、意外やな」
「ただの時間潰しや」
短くそんな会話を交わし、前原は早々に切り上げて山崎と別れた。急ぐ必要などは無いが、前原は山崎を快く思っていなかった。前原にとって山崎は因縁の相手なのだ。出会った頃はただの同期としか思っていなかったし、もうひとりの同期である佐々木の音頭で何度か飲みに行ったりもしていたが、あるできごとが山崎に対する心証を変えた。
ああ、いやしかし、今は前原の方が勝っている。元々勝った負けたなどの事実も何も無かったが、今は強くそう思う。以前に山崎が見舞われたこと、そして今前原が行っている日課、それらを思うと前原は上機嫌になってスキップのひとつも踏みたくなってしまう。リズム感が無くて下手くそなのだが。
前原は軽い足取りで、駅へと向かった。
運動で流す汗がこんなに心地良いものだとは、この歳になるまで知らなかったかも知れない。運動があまり得意では無い前原にとって、学校の体育の授業は苦痛でしか無かった。唯一短距離走だけは人並み以上にこなせたので、体育祭などはそれでお茶を濁していた。こう見えてもリレーのアンカーを走った事もある。1位にはなれなかったが。
しかしジムでは自分の好みで内容を選ぶ事が出来る。これからの日課の事を思うと余計に気持ちが高揚し、それが心地良さを増長させているのかも知れない。
前原は満足げな溜め息を吐き、シャワールームへと向かう。日課を行う為には汗臭いままで行く訳には行かない。清潔感は大切である。
シャワーを浴びて汗を綺麗に洗い流し、濡れた髪をドライヤーで丁寧に乾かして、シャツとスーツを着る。きちんと畳んでおいたお陰でしわはほとんど出来ていない。ネクタイもきっちりと締めた。
時間を見ると20時40分。良い頃合いだ。前原はジムを出ると、駅近くのファストフード店に入った。セルフサービスなのでカウンタでホットティを注文し、窓際のカウンタの端の席に着く。その席は既に前原の特等席みたいになっていた。たまに先客があったが、外さえ見えれば構わないので、その時は適当に空いている席に掛けた。
その店は日課に必要不可欠な人が必ず通る道沿いにあるのである。ホットティを前に、じっと通りを見つめる。そろそろ21時になる。その人物はいつも10分過ぎに姿を現す。だが確実では無いので、こうして少し早めから張っている。ここ2週間ほどこうして待ち続けて来て、21時より早くなる事は無かったが、見逃す訳には行かなかった。
なかなか減らず、徐々に熱を失って行くホットティを手に、時折腕時計に目を滑らせ、前の道を見つめ続ける。
10分になった。そろそろか。更に注意深く改札を見張る。だがまだ姿を現さない。
20分になった。まだか? いつもより遅い。だが許容範囲内だ。
30分になった。さすがに遅く無いか? 何かあったのだろうか。ただ仕事が長引いているだけならいいのだが。
40分……目を凝らす。まだ出て来ない。腰が落ち着かなくなって来た。苛立ちはしないが、そわそわと足を動かしてしまう。
……来た! 45分になった時、お目当ての人物がようやく姿を現した。その人物は腕時計を見ながら早足で通りを掛けて行く。前原は見失ってはいけないと慌てて席を立ち、冷たくなったホットティを一気に飲み干し、紙コップを返却口のごみ箱に捨て、トレイを置いてさっさと店を出た。
後を追う。どの道をどの方向に行くのかは判っていたので、迷う事無くそちらに向かう。するとすぐそこにその人物の後ろ姿を捕らえた。前原はほっとして、その人物と距離を取った。
当初は気付いて欲しいという下心もあって、かなり近い距離に着いていたのだが、1週間を過ぎた頃から、道の途中から知り合いらしき人間がふたりも合流する様になった。全く余計な事をしてくれる。ふたりきりの静かな空間を楽しんでいたと言うのに。
なので警戒して距離を置く様にしたのだが、前原のする事は変わらない。そっとその人物を見守るのだ。住んでいるマンションまで見送り、部屋の電気が点くのを確認して、ポストに思いを込めた労いのメモを入れる。メモを入れるのを思い付いたのは1週間が経った辺りだった。それまではただ見守るだけだった。
そう言えばメモを見た時のちゃんとした反応を見た事が無かった事を思い出す。メモを入れる様になった頃から距離を取り出したので、そのせいでその人物がポストをチェックしている場面を良く見る事が出来ないのだ。
口べたなのが文章力にも影響しているのかどうかは判らないが、いつも気の利いた文章などは書けない。簡単な一言を書くのが精一杯だ。それでも少しでも、その人物の癒しになっていると良いのだが。
見返りを期待している訳では無いが、その場面を見る事ができないのは、やはり少し悔しい。
その人物は今日も寄り道をする。知り合いらしき男ふたりと合流する為だ。通り道の、確かもう閉店しているはずのカフェに入る。そうして出て来る時には男ふたりと一緒なのだ。
初めてそのシーンを見た瞬間には腹が立ったものだった。そいつら誰やねん。しかもふたりも。だがいつもの通り見守っているうちに、気持ちが落ち着いて来た。俺はそんなに心の狭い人間では無い。その人物の友人なら、快く受け入れなければ。
前原は人気の無い物陰に隠れて、その人物が出て来るのを待った。いつもなら間も無く出て来るのだが。
どうしたのだろう。5分ほどが経ったが、まだ出て来ない。話込んだりしているのだろうか。友人ならそういう事もあるだろう。待たされても怒りはしない。俺は心が広いのだから。
前原は勤め先であるカワカミリースのロッカールームで、制服である黄緑色のつなぎから黒のジャージに着替えた。出勤時に着ていたダークグレーのスーツと白のシャツは出来るだけしわにならない様に、きちんと畳んで黒のスポーツバッグにしまう。緑のネクタイもくるくる丸めてバッグに入れた。
最近スポーツジムに通い始めた。身体を鍛える事が目的、では無い。いや、自分のひょろひょろとした貧弱な体躯を姿見で見る度に溜め息を吐きたくなるので、少しは解消出来たらとは思ったが、主目的は別にある。
ここしばらく、前原にはある日課があった。その日課は今は21時以降で無ければできないものなので、それまでの時間潰しにジムを選んだのだ。
元々インドアな質なので、最初は本屋やカフェなどで時間潰しをと思ったが、連日となると無理がある。カフェはともかく、前原はまず本を読む習慣があまり無かった。興味の無いものを見ても退屈なだけだ。
残業でもあれば良いのだろうが、幸か不幸か就業時間外に訪問の必要がある得意先は担当していなかった。
そこで前原が選んだのがスポーツジムだったのだ。日課を行う場所の最寄り駅近くにあるジムの会員になり、18時半頃から20時頃まで毎日通う。端から見ればただの熱心な会員である。
ロッカールームを出て、外に出るべく廊下を進む。曲がり角に差し掛かった時、注意したつもりだったが誰かにぶつかった。
「あっ、すんません!」
「い、いえ、こちらこそ」
相手がいち早く詫びを寄越して来たので、前原も咄嗟に返す。見ると前原より頭半分ほど背が高い同期、山崎だった。山崎は制服のつなぎのままだった。確か金曜日は残業があると言っていたっけ。折角の週末にご苦労な事だ。
「ジャージ?」
「ああ。最近ジムに通っとるから」
「へぇ、意外やな」
「ただの時間潰しや」
短くそんな会話を交わし、前原は早々に切り上げて山崎と別れた。急ぐ必要などは無いが、前原は山崎を快く思っていなかった。前原にとって山崎は因縁の相手なのだ。出会った頃はただの同期としか思っていなかったし、もうひとりの同期である佐々木の音頭で何度か飲みに行ったりもしていたが、あるできごとが山崎に対する心証を変えた。
ああ、いやしかし、今は前原の方が勝っている。元々勝った負けたなどの事実も何も無かったが、今は強くそう思う。以前に山崎が見舞われたこと、そして今前原が行っている日課、それらを思うと前原は上機嫌になってスキップのひとつも踏みたくなってしまう。リズム感が無くて下手くそなのだが。
前原は軽い足取りで、駅へと向かった。
運動で流す汗がこんなに心地良いものだとは、この歳になるまで知らなかったかも知れない。運動があまり得意では無い前原にとって、学校の体育の授業は苦痛でしか無かった。唯一短距離走だけは人並み以上にこなせたので、体育祭などはそれでお茶を濁していた。こう見えてもリレーのアンカーを走った事もある。1位にはなれなかったが。
しかしジムでは自分の好みで内容を選ぶ事が出来る。これからの日課の事を思うと余計に気持ちが高揚し、それが心地良さを増長させているのかも知れない。
前原は満足げな溜め息を吐き、シャワールームへと向かう。日課を行う為には汗臭いままで行く訳には行かない。清潔感は大切である。
シャワーを浴びて汗を綺麗に洗い流し、濡れた髪をドライヤーで丁寧に乾かして、シャツとスーツを着る。きちんと畳んでおいたお陰でしわはほとんど出来ていない。ネクタイもきっちりと締めた。
時間を見ると20時40分。良い頃合いだ。前原はジムを出ると、駅近くのファストフード店に入った。セルフサービスなのでカウンタでホットティを注文し、窓際のカウンタの端の席に着く。その席は既に前原の特等席みたいになっていた。たまに先客があったが、外さえ見えれば構わないので、その時は適当に空いている席に掛けた。
その店は日課に必要不可欠な人が必ず通る道沿いにあるのである。ホットティを前に、じっと通りを見つめる。そろそろ21時になる。その人物はいつも10分過ぎに姿を現す。だが確実では無いので、こうして少し早めから張っている。ここ2週間ほどこうして待ち続けて来て、21時より早くなる事は無かったが、見逃す訳には行かなかった。
なかなか減らず、徐々に熱を失って行くホットティを手に、時折腕時計に目を滑らせ、前の道を見つめ続ける。
10分になった。そろそろか。更に注意深く改札を見張る。だがまだ姿を現さない。
20分になった。まだか? いつもより遅い。だが許容範囲内だ。
30分になった。さすがに遅く無いか? 何かあったのだろうか。ただ仕事が長引いているだけならいいのだが。
40分……目を凝らす。まだ出て来ない。腰が落ち着かなくなって来た。苛立ちはしないが、そわそわと足を動かしてしまう。
……来た! 45分になった時、お目当ての人物がようやく姿を現した。その人物は腕時計を見ながら早足で通りを掛けて行く。前原は見失ってはいけないと慌てて席を立ち、冷たくなったホットティを一気に飲み干し、紙コップを返却口のごみ箱に捨て、トレイを置いてさっさと店を出た。
後を追う。どの道をどの方向に行くのかは判っていたので、迷う事無くそちらに向かう。するとすぐそこにその人物の後ろ姿を捕らえた。前原はほっとして、その人物と距離を取った。
当初は気付いて欲しいという下心もあって、かなり近い距離に着いていたのだが、1週間を過ぎた頃から、道の途中から知り合いらしき人間がふたりも合流する様になった。全く余計な事をしてくれる。ふたりきりの静かな空間を楽しんでいたと言うのに。
なので警戒して距離を置く様にしたのだが、前原のする事は変わらない。そっとその人物を見守るのだ。住んでいるマンションまで見送り、部屋の電気が点くのを確認して、ポストに思いを込めた労いのメモを入れる。メモを入れるのを思い付いたのは1週間が経った辺りだった。それまではただ見守るだけだった。
そう言えばメモを見た時のちゃんとした反応を見た事が無かった事を思い出す。メモを入れる様になった頃から距離を取り出したので、そのせいでその人物がポストをチェックしている場面を良く見る事が出来ないのだ。
口べたなのが文章力にも影響しているのかどうかは判らないが、いつも気の利いた文章などは書けない。簡単な一言を書くのが精一杯だ。それでも少しでも、その人物の癒しになっていると良いのだが。
見返りを期待している訳では無いが、その場面を見る事ができないのは、やはり少し悔しい。
その人物は今日も寄り道をする。知り合いらしき男ふたりと合流する為だ。通り道の、確かもう閉店しているはずのカフェに入る。そうして出て来る時には男ふたりと一緒なのだ。
初めてそのシーンを見た瞬間には腹が立ったものだった。そいつら誰やねん。しかもふたりも。だがいつもの通り見守っているうちに、気持ちが落ち着いて来た。俺はそんなに心の狭い人間では無い。その人物の友人なら、快く受け入れなければ。
前原は人気の無い物陰に隠れて、その人物が出て来るのを待った。いつもなら間も無く出て来るのだが。
どうしたのだろう。5分ほどが経ったが、まだ出て来ない。話込んだりしているのだろうか。友人ならそういう事もあるだろう。待たされても怒りはしない。俺は心が広いのだから。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
支配するなにか
結城時朗
ミステリー
ある日突然、乖離性同一性障害を併発した女性・麻衣
麻衣の性格の他に、凶悪な男がいた(カイ)と名乗る別人格。
アイドルグループに所属している麻衣は、仕事を休み始める。
不思議に思ったマネージャーの村尾宏太は気になり
麻衣の家に尋ねるが・・・
麻衣:とあるアイドルグループの代表とも言える人物。
突然、別の人格が支配しようとしてくる。
病名「解離性同一性障害」 わかっている性格は、
凶悪な男のみ。
西野:元国民的アイドルグループのメンバー。
麻衣とは、プライベートでも親しい仲。
麻衣の別人格をたまたま目撃する
村尾宏太:麻衣のマネージャー
麻衣の別人格である、凶悪な男:カイに
殺されてしまう。
治療に行こうと麻衣を病院へ送る最中だった
西田〇〇:村尾宏太殺害事件の捜査に当たる捜一の刑事。
犯人は、麻衣という所まで突き止めるが
確定的なものに出会わなく、頭を抱えて
いる。
カイ :麻衣の中にいる別人格の人
性別は男。一連の事件も全てカイによる犯行。
堀:麻衣の所属するアイドルグループの人気メンバー。
麻衣の様子に怪しさを感じ、事件へと首を突っ込んでいく・・・
※刑事の西田〇〇は、読者のあなたが演じている気分で読んで頂ければ幸いです。
どうしても浮かばなければ、下記を参照してください。
物語の登場人物のイメージ的なのは
麻衣=白石麻衣さん
西野=西野七瀬さん
村尾宏太=石黒英雄さん
西田〇〇=安田顕さん
管理官=緋田康人さん(半沢直樹で机バンバン叩く人)
名前の後ろに来るアルファベットの意味は以下の通りです。
M=モノローグ (心の声など)
N=ナレーション
ここは猫町3番地の1 ~雑木林の骨~
菱沼あゆ
ミステリー
「雨宮……。
俺は静かに本を読みたいんだっ。
此処は職場かっ?
なんで、来るたび、お前の推理を聞かされるっ?」
監察医と黙ってれば美人な店主の謎解きカフェ。
「ここへおいで きみがまだ知らない秘密の話をしよう」
水ぎわ
ミステリー
王軍を率いる貴公子、イグネイは、ある修道院にやってきた。
目的は、反乱軍制圧と治安維持。
だが、イグネイにはどうしても手に入れたいものがあった。
たとえ『聖なる森』で出会った超絶美少女・小悪魔をだまくらかしてでも――。
イケメンで白昼堂々と厳格な老修道院長を脅し、泳げないくせに美少女小悪魔のために池に飛び込むヒネ曲がり騎士。
どうしても欲しい『母の秘密』を手に入れられるか??
旧校舎のフーディーニ
澤田慎梧
ミステリー
【「死体の写った写真」から始まる、人の死なないミステリー】
時は1993年。神奈川県立「比企谷(ひきがやつ)高校」一年生の藤本は、担任教師からクラス内で起こった盗難事件の解決を命じられてしまう。
困り果てた彼が頼ったのは、知る人ぞ知る「名探偵」である、奇術部の真白部長だった。
けれども、奇術部部室を訪ねてみると、そこには美少女の死体が転がっていて――。
奇術師にして名探偵、真白部長が学校の些細な謎や心霊現象を鮮やかに解決。
「タネも仕掛けもございます」
★毎週月水金の12時くらいに更新予定
※本作品は連作短編です。出来るだけ話数通りにお読みいただけると幸いです。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※本作品の主な舞台は1993年(平成五年)ですが、当時の知識が無くてもお楽しみいただけます。
※本作品はカクヨム様にて連載していたものを加筆修正したものとなります。
この目の前にあるぺちゃんこになった死体はどこからやってきた?
原口源太郎
ミステリー
しこたま酒を飲んだ帰り道、僕たちの目の前に何かが落ちてきた。それはぺちゃんこになった人間だった。僕たちは空を見上げた。この人はどこから落ちてきたんだ?
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる