56 / 190
#56 鰹のタタキ定食の朝食を
しおりを挟む
さて、一夜が明けて。
壱はまた早めに起きると、朝支度を終えて厨房に降りる。冷蔵庫から鰹の切り身とベーコンに味噌と、棚から玉ねぎとにんにく、ローリエを持って2階に上がる。
そして今度は鍋を手に厨房に降りると、冷蔵庫に寝かせてあるブイヨンを鍋に貰い、上に戻る。
実はサユリに頼んで、鰹に時間魔法を掛けて貰った。鮮度を保つ為だ。時間限定なのでそろそろ切れる頃である。
では、調理開始。
まず、鰹の背身を適当なサイズにカットし、塩を振って置いておく。続けて丸ままの腹身にも塩をして置く。
次に、前夜から吸水させておいた魚沼コシヒカリを炊き始める。
次はブイヨンを入れた鍋を火に掛ける。沸くまでの間に玉ねぎをざく切りにする。沸いたら玉ねぎを入れ、弱火にする。
ベーコンをカットしてフライパンで炒め、ブイヨンに加える。
続けて玉ねぎとにんにくをスライスする。
次に塩をしておいたカットした鰹の背身の、臭みが抜けた事を確認出来たら、浮き出た水分を拭き取り鍋に敷き詰め、包丁の腹で潰したにんにくとローリエ、ひたひたのオリーブオイルを加える。火に掛け、じわじわと熱を通して行く。
腹身に出た臭みの元も拭き取って。
フライパンを出し、薄くオリーブオイルを敷く。良く熱し、そこに腹身を入れる。軽く押し付けながら、表面に焦げ目が付いたら別の面に。それを繰り返す。
出来上がったら水を張ったボウルに。ほんの数秒浸して、別の水のボウルに移す。氷が無いので、ひとつめの水のボウルで粗熱を取り、ふたつめのボウルで締めて冷やすのだ。
そうして冷やされた鰹の腹身の水分を布で拭き取り、オリーブオイルを入れた鰹の様子を見る。うん、火が通り始め、泡が上がっているので、弱火に落とす。
ベーコンと玉ねぎを煮たブイヨンに味噌を溶き、さぁ、そろそろ米も炊き上がる。
そしてその頃に茂造が起きて来た。
「おお、壱。また早起きしてくれたんじゃの」
「少しね。美味しく出来てたら良いんだけど」
「では支度をして、サユリさんを起こして来ようかの」
茂造が行くと、炊き上がった米の蓋を上げて木べらで解して、また蓋をして蒸らす。鰹のタタキはスライスして皿に盛り、スライスした玉ねぎとにんにく、塩を添える。
ベーコンと玉ねぎの味噌汁はスープボウルに注ぎ、米も同じ器によそう。サユリの分は両方サラダボウルに。オリーブオイル煮にしてある鰹は火を止めた。
少し変則的ではあるが、鰹のタタキ定食の出来上がりである。
「おお……! 鰹のタタキ、旨そうじゃのう」
「フライパンで焼いてるから、香ばしさが足りないと思うけどね。とりあえず食べてみてよ」
「ほう、鰹の表面だけに火を通しているカピか。中は生なのカピな」
「そう。俺らの世界の調理方法なんだ。本当は藁で表面を炙るんだけど、今日はフライパンでな」
茂造は嬉しげに、サユリは興味深げに鰹のタタキを眺める。
良く良く考えたら、この村では麦を育てているのだから、藁は大量にあるのだ。用器は陶芸工房で作って貰えないだろうか。今度相談してみよう。問題は串だ。金属製である必要がある。これは街で手に入るだろうか。
「では、いただくかの」
「いただくカピ」
「はい、どうぞ。タタキは塩で食べてな。サユリの分には軽く振ってあるから。薬味の玉ねぎとにんにくは好みで一緒にどうぞ」
茂造もサユリも、早速鰹のタタキを口にする。
「おお、凄いのう、ちゃんと鰹のタタキじゃ。旨いのう」
「ほう、表面に香ばしく火を通す事によって、あの癖と言うか、それが消えるのだカピな」
「あ、サユリも苦手だった? そうなんだよ。どう? 口に合う?」
「うむ、なかなかカピ。これなら村人にも受け入れて貰えそうカピ」
「今度藁で炙ったやつ食べさせてやるよ。もっと旨いよ」
「それは楽しみカピ」
ふたりの反応に壱は安堵し、やっと自らの口に入れる。まずは塩だけで。
うん。ちゃんと強火で焼いた表面が香ばしく仕上がっている。中は生のままなのでしっとりとして、臭みもしっかりと抜けている。
臭み取りの為に振った塩が程良い加減を生んでいて、付ける塩は少量で良い。
今度は玉ねぎと一緒に。うん、甘みと辛みのバランスの良い玉ねぎが、鰹の旨味を引き立てる。
この村ではほぼ毎日玉ねぎを収穫するので、その実は壱たちの世界で言うところの新玉ねぎなのである。なので生でも食べやすいのだ。
水に晒すと辛み成分が幾らか抜けるが、そうすると栄養分も逃げると聞いた事があるのでしていない。そう言えば食堂でもしていない。
今度はにんにくで。これもまた素晴らしいバランスである。玉ねぎの爽やかなものと違い、ややパンチのある辛み。だがそれがタタキの甘みを引き上げる。
我ながら良く出来たと、壱は満足する。
今度は味噌汁を。いろいろレシピを調べてみたら、コンソメスープに味噌を溶かすスープを見つけたのだ。
これはブイヨンだが、玉ねぎとベーコンで補ってある。味噌汁の具としてはあまり無いのだろうが、ベーコンは燻製豚肉なのだから、合わない事は無いと思うのだが。
飲んでみる。うん、なかなか悪く無い。否、美味しい。成る程、流石味噌。どんなものにでも溶け込んでしまう。
「壱よ、この味噌汁も旨いなぁ。ブイヨンを使ったんじゃな?」
「うん。事後報告になってごめん、少し貰った。昆布も鰹節も無いし、魚の粗から出汁を取る時間は流石に無かったからやってみたんだけど、これ良いね。味噌は少なめだけど、これぐらいが良いかも」
「うむ。なかなかいけるカピ」
サユリも夢中で飲んでいる。レシピを見たとは言え実験的だったので、巧く出来て本当に良かった。
白米は言わずもがな。何せ魚沼のコシヒカリを鉄鍋で炊いているのだから、美味しく無い訳が無い。
壱はこの朝食の出来栄えに、眼を閉じて口角を上げた。
壱はまた早めに起きると、朝支度を終えて厨房に降りる。冷蔵庫から鰹の切り身とベーコンに味噌と、棚から玉ねぎとにんにく、ローリエを持って2階に上がる。
そして今度は鍋を手に厨房に降りると、冷蔵庫に寝かせてあるブイヨンを鍋に貰い、上に戻る。
実はサユリに頼んで、鰹に時間魔法を掛けて貰った。鮮度を保つ為だ。時間限定なのでそろそろ切れる頃である。
では、調理開始。
まず、鰹の背身を適当なサイズにカットし、塩を振って置いておく。続けて丸ままの腹身にも塩をして置く。
次に、前夜から吸水させておいた魚沼コシヒカリを炊き始める。
次はブイヨンを入れた鍋を火に掛ける。沸くまでの間に玉ねぎをざく切りにする。沸いたら玉ねぎを入れ、弱火にする。
ベーコンをカットしてフライパンで炒め、ブイヨンに加える。
続けて玉ねぎとにんにくをスライスする。
次に塩をしておいたカットした鰹の背身の、臭みが抜けた事を確認出来たら、浮き出た水分を拭き取り鍋に敷き詰め、包丁の腹で潰したにんにくとローリエ、ひたひたのオリーブオイルを加える。火に掛け、じわじわと熱を通して行く。
腹身に出た臭みの元も拭き取って。
フライパンを出し、薄くオリーブオイルを敷く。良く熱し、そこに腹身を入れる。軽く押し付けながら、表面に焦げ目が付いたら別の面に。それを繰り返す。
出来上がったら水を張ったボウルに。ほんの数秒浸して、別の水のボウルに移す。氷が無いので、ひとつめの水のボウルで粗熱を取り、ふたつめのボウルで締めて冷やすのだ。
そうして冷やされた鰹の腹身の水分を布で拭き取り、オリーブオイルを入れた鰹の様子を見る。うん、火が通り始め、泡が上がっているので、弱火に落とす。
ベーコンと玉ねぎを煮たブイヨンに味噌を溶き、さぁ、そろそろ米も炊き上がる。
そしてその頃に茂造が起きて来た。
「おお、壱。また早起きしてくれたんじゃの」
「少しね。美味しく出来てたら良いんだけど」
「では支度をして、サユリさんを起こして来ようかの」
茂造が行くと、炊き上がった米の蓋を上げて木べらで解して、また蓋をして蒸らす。鰹のタタキはスライスして皿に盛り、スライスした玉ねぎとにんにく、塩を添える。
ベーコンと玉ねぎの味噌汁はスープボウルに注ぎ、米も同じ器によそう。サユリの分は両方サラダボウルに。オリーブオイル煮にしてある鰹は火を止めた。
少し変則的ではあるが、鰹のタタキ定食の出来上がりである。
「おお……! 鰹のタタキ、旨そうじゃのう」
「フライパンで焼いてるから、香ばしさが足りないと思うけどね。とりあえず食べてみてよ」
「ほう、鰹の表面だけに火を通しているカピか。中は生なのカピな」
「そう。俺らの世界の調理方法なんだ。本当は藁で表面を炙るんだけど、今日はフライパンでな」
茂造は嬉しげに、サユリは興味深げに鰹のタタキを眺める。
良く良く考えたら、この村では麦を育てているのだから、藁は大量にあるのだ。用器は陶芸工房で作って貰えないだろうか。今度相談してみよう。問題は串だ。金属製である必要がある。これは街で手に入るだろうか。
「では、いただくかの」
「いただくカピ」
「はい、どうぞ。タタキは塩で食べてな。サユリの分には軽く振ってあるから。薬味の玉ねぎとにんにくは好みで一緒にどうぞ」
茂造もサユリも、早速鰹のタタキを口にする。
「おお、凄いのう、ちゃんと鰹のタタキじゃ。旨いのう」
「ほう、表面に香ばしく火を通す事によって、あの癖と言うか、それが消えるのだカピな」
「あ、サユリも苦手だった? そうなんだよ。どう? 口に合う?」
「うむ、なかなかカピ。これなら村人にも受け入れて貰えそうカピ」
「今度藁で炙ったやつ食べさせてやるよ。もっと旨いよ」
「それは楽しみカピ」
ふたりの反応に壱は安堵し、やっと自らの口に入れる。まずは塩だけで。
うん。ちゃんと強火で焼いた表面が香ばしく仕上がっている。中は生のままなのでしっとりとして、臭みもしっかりと抜けている。
臭み取りの為に振った塩が程良い加減を生んでいて、付ける塩は少量で良い。
今度は玉ねぎと一緒に。うん、甘みと辛みのバランスの良い玉ねぎが、鰹の旨味を引き立てる。
この村ではほぼ毎日玉ねぎを収穫するので、その実は壱たちの世界で言うところの新玉ねぎなのである。なので生でも食べやすいのだ。
水に晒すと辛み成分が幾らか抜けるが、そうすると栄養分も逃げると聞いた事があるのでしていない。そう言えば食堂でもしていない。
今度はにんにくで。これもまた素晴らしいバランスである。玉ねぎの爽やかなものと違い、ややパンチのある辛み。だがそれがタタキの甘みを引き上げる。
我ながら良く出来たと、壱は満足する。
今度は味噌汁を。いろいろレシピを調べてみたら、コンソメスープに味噌を溶かすスープを見つけたのだ。
これはブイヨンだが、玉ねぎとベーコンで補ってある。味噌汁の具としてはあまり無いのだろうが、ベーコンは燻製豚肉なのだから、合わない事は無いと思うのだが。
飲んでみる。うん、なかなか悪く無い。否、美味しい。成る程、流石味噌。どんなものにでも溶け込んでしまう。
「壱よ、この味噌汁も旨いなぁ。ブイヨンを使ったんじゃな?」
「うん。事後報告になってごめん、少し貰った。昆布も鰹節も無いし、魚の粗から出汁を取る時間は流石に無かったからやってみたんだけど、これ良いね。味噌は少なめだけど、これぐらいが良いかも」
「うむ。なかなかいけるカピ」
サユリも夢中で飲んでいる。レシピを見たとは言え実験的だったので、巧く出来て本当に良かった。
白米は言わずもがな。何せ魚沼のコシヒカリを鉄鍋で炊いているのだから、美味しく無い訳が無い。
壱はこの朝食の出来栄えに、眼を閉じて口角を上げた。
10
お気に入りに追加
500
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる