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#175 お目出度い席
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料理を盛った皿を手にサユリの元に行く。基本は立食なのでテーブルは無しだが、サユリの為にひとつだけテーブルを出してある。
サユリは既にテーブル上でスタンバイ。壱はその前の椅子に掛けた。
「サユリ、お待たせ」
「うむカピ」
サユリの前に皿を置いてやると、サユリは満足そうに頷き、早速手前のローストポークをぱくついた。
それを見届けてから、今度は自分の分を取りに行く。サユリと同じメニューを盛り、テーブルに戻った。
さて、旨く出来ているかどうか。村人は全員喜んでくれている様だが、初めて作ったものも多いので不安もある。
まずはサユリに倣った訳では無いが、ローストポークを口に運ぶと、しっとりと柔らかく仕上がっていた。豚肉の甘みも全然損なわれていない。成功だと言って良いだろう。
続けて蒸し鶏のサラダ、牛肉の赤ワイン煮込みを口に。
蒸し鶏はぱさついておらずふっくらと。赤ワイン煮込みの牛肉はフォークを入れるとほろりと崩れた。味も甘みと酸味のバランスが良く、上々の仕上がりと言えた。
鰹のたたきは以前にも作ったし、つい先程スルトに誉められたところだから大丈夫だとは思うが。
うん。表面が香ばしく、仄かに残っている臭みも味わいである。新鮮な鰹を使っているので、実は臭みと言う臭みはあまり壱には感じられないのだが。
壱が一品一品丁寧に味わいながら食べていると、サユリの皿はとうに空になっていた。
「壱、追加だカピ」
「はいはい。美味しかった?」
壱がやや苦笑しながら聞くと、サユリはふんと鼻を鳴らす。
「悪く無いカピ。次は違う料理を取って来るカピよ。ドリンクは白ワインを追加カピ」
乾杯の時にも使ったサラダボウルを見ると、こちらも空になっていた。
「オッケー、待ってて」
壱はサユリの皿を手に追加の料理を取りに行く。どうやらサユリにも満足して貰えた様だ。
途中、楽しそうに談笑しながら料理やドリンクを口にする村人を眺めると、微笑ましい気持ちになる。
最早結婚パーティなのだか宴会なのだか判らない有様になってはいるが、村人が入れ替わり立ち替わり新郎新婦であるカルとミルの元に赴いているので、祝う気持ちは充分にある様である。壱も後で行かなければ。
さて、次の料理は鮭のムニエル、ツナときゃべつのペペロンチーノ、鯛のアクアパッツァ。
料理の脇に積んである柔らかな紙で皿に付いた汚れを拭い、新たに盛り付けて行く。これなら前の料理と味が混ざらない。
続けてドリンクのテーブルから白ワインのグラスを取る。
冷蔵庫などには入れていないが、サユリの魔法で冷やしていてアルコールも飛ばないので、美味しい状態でいただける。
皿をサユリの前に置いてやり、サラダボウルに白ワインを移して、今度は自分の分を取りに行く。料理の内容はサユリと同じで、ドリンクはエールをおかわり。
乾杯のドリンクは好きなものが飲める様になっていて、壱はエール、サユリは白ワインだったのである。
後片付けもあるので、あまり酔わない様にしなければという気遣いからのエールであった。
テーブルに着いて、食事の続きである。さて、こちらも旨く出来ていると良いのだが。
鮭のムニエルは表面のバターが香ばしく中はふっくら。ツナときゃべつのペペロンチーノは程良い辛味と素材の甘みのバランスが良い。鯛のアクアパッツァもしっとりと風味良く出来上がっていた。
これはどの料理も成功と言って良いだろう。壱は満足げに眼を細め、エールを流し込んだ。
「壱、これらの料理もまた作ると良いカピ」
サユリもまた、気に入ってくれた様子。食堂で出すには手間と時間が掛かってしまうものも多いので、やはりこういったパーティ限定になってしまうかと思うが、そんな事はサユリも承知だろう。それを踏まえた上で壱はにっこりと頷いた。
「解った。今度の機会にね」
サユリは既にテーブル上でスタンバイ。壱はその前の椅子に掛けた。
「サユリ、お待たせ」
「うむカピ」
サユリの前に皿を置いてやると、サユリは満足そうに頷き、早速手前のローストポークをぱくついた。
それを見届けてから、今度は自分の分を取りに行く。サユリと同じメニューを盛り、テーブルに戻った。
さて、旨く出来ているかどうか。村人は全員喜んでくれている様だが、初めて作ったものも多いので不安もある。
まずはサユリに倣った訳では無いが、ローストポークを口に運ぶと、しっとりと柔らかく仕上がっていた。豚肉の甘みも全然損なわれていない。成功だと言って良いだろう。
続けて蒸し鶏のサラダ、牛肉の赤ワイン煮込みを口に。
蒸し鶏はぱさついておらずふっくらと。赤ワイン煮込みの牛肉はフォークを入れるとほろりと崩れた。味も甘みと酸味のバランスが良く、上々の仕上がりと言えた。
鰹のたたきは以前にも作ったし、つい先程スルトに誉められたところだから大丈夫だとは思うが。
うん。表面が香ばしく、仄かに残っている臭みも味わいである。新鮮な鰹を使っているので、実は臭みと言う臭みはあまり壱には感じられないのだが。
壱が一品一品丁寧に味わいながら食べていると、サユリの皿はとうに空になっていた。
「壱、追加だカピ」
「はいはい。美味しかった?」
壱がやや苦笑しながら聞くと、サユリはふんと鼻を鳴らす。
「悪く無いカピ。次は違う料理を取って来るカピよ。ドリンクは白ワインを追加カピ」
乾杯の時にも使ったサラダボウルを見ると、こちらも空になっていた。
「オッケー、待ってて」
壱はサユリの皿を手に追加の料理を取りに行く。どうやらサユリにも満足して貰えた様だ。
途中、楽しそうに談笑しながら料理やドリンクを口にする村人を眺めると、微笑ましい気持ちになる。
最早結婚パーティなのだか宴会なのだか判らない有様になってはいるが、村人が入れ替わり立ち替わり新郎新婦であるカルとミルの元に赴いているので、祝う気持ちは充分にある様である。壱も後で行かなければ。
さて、次の料理は鮭のムニエル、ツナときゃべつのペペロンチーノ、鯛のアクアパッツァ。
料理の脇に積んである柔らかな紙で皿に付いた汚れを拭い、新たに盛り付けて行く。これなら前の料理と味が混ざらない。
続けてドリンクのテーブルから白ワインのグラスを取る。
冷蔵庫などには入れていないが、サユリの魔法で冷やしていてアルコールも飛ばないので、美味しい状態でいただける。
皿をサユリの前に置いてやり、サラダボウルに白ワインを移して、今度は自分の分を取りに行く。料理の内容はサユリと同じで、ドリンクはエールをおかわり。
乾杯のドリンクは好きなものが飲める様になっていて、壱はエール、サユリは白ワインだったのである。
後片付けもあるので、あまり酔わない様にしなければという気遣いからのエールであった。
テーブルに着いて、食事の続きである。さて、こちらも旨く出来ていると良いのだが。
鮭のムニエルは表面のバターが香ばしく中はふっくら。ツナときゃべつのペペロンチーノは程良い辛味と素材の甘みのバランスが良い。鯛のアクアパッツァもしっとりと風味良く出来上がっていた。
これはどの料理も成功と言って良いだろう。壱は満足げに眼を細め、エールを流し込んだ。
「壱、これらの料理もまた作ると良いカピ」
サユリもまた、気に入ってくれた様子。食堂で出すには手間と時間が掛かってしまうものも多いので、やはりこういったパーティ限定になってしまうかと思うが、そんな事はサユリも承知だろう。それを踏まえた上で壱はにっこりと頷いた。
「解った。今度の機会にね」
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