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#150 結婚パーティ料理のレシピ作り
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食堂の夜営業が落ち着いた頃、メリアンに「お客さんだよ!」と呼ばれた壱とサユリ、茂造がフロアに出ると、マルタとフジノが立ち上がって頭を下げた。
壱と茂造が正面に掛け、サユリはテーブルの上に。
「昨日に今日と、本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました」
元気なマルタの声と、やはり控えめなフジノの声。そしてふたりとも顔には笑みが浮かんでいる。
「仕事が終わってから、ふたりで腹式呼吸を練習してみたんですよ。凄いですね! 本当に今より大きな声が出せる様になって」
「フジノはともかく、マルタ、お前はもっと控えるカピ。煩いカピ」
サユリが顔を顰めて言うと、マルタはハッハッハッと豪快な笑い声を上げた。
「済まん済まん、ついな!」
「私はまだまだです。でも、これから頑張ってみようと思います」
フジノが照れた様に言うと、茂造はうんうんと頷く。
「そうじゃの。じゃが無理する必要は無いぞい。マルタにとって嬉しいのは、お前さんの声が大きくなる事じゃ無くての、その気持ちじゃからの」
「はい」
茂造の言葉に、フジノは嬉しそうに笑った。
この夫婦は、これからも仲睦まじくやって行くのだろうと思うと、壱も嬉しくなる。
もうすぐ結婚式を挙げるカルとミルも、そんな夫婦になって欲しいものだと、ミルの性質を思い出し、切に願う。
さて食堂の営業が終わり、賄いで夕飯、そして風呂を済ませ、サユリとともに部屋に入った壱は、デスクに着くと引き出しから数枚の用紙とボールペン、スマートフォンを取り出す。
カルとミルの結婚パーティ料理のレシピ作りである。
メニューをリストアップした時にレシピも見たのだが、作り方はともかく材料の分量などは事細かく覚えていない。
どの料理も作り方はそう難しいものでは無い。だが壱も初めて作るものがあるし、茂造たちの為にもレシピは詳細に作成せねばと思う。
ひとつのメニューにつき、用紙1枚。
壱はスマートフォンで検索しながら、順調にレシピ作りを進めて行った。
サユリはベッドの上で欠伸をひとつ。それを横目に微笑ましく思いながら、壱は持ち込んだ白ワインを一口。
今日は少し夜更かしをする事になりそうだ。この村で丹念に醸造された美味しい白ワイン、飲み過ぎない様にしなくては。
明日の朝ご飯のメニューも考えなければ。壱はううんと首を捻った。
しかし今はレシピ作りである。壱はまた用紙とスマートフォンに集中した。
また増えているSNSの受信数から眼を背けながら。
壱と茂造が正面に掛け、サユリはテーブルの上に。
「昨日に今日と、本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました」
元気なマルタの声と、やはり控えめなフジノの声。そしてふたりとも顔には笑みが浮かんでいる。
「仕事が終わってから、ふたりで腹式呼吸を練習してみたんですよ。凄いですね! 本当に今より大きな声が出せる様になって」
「フジノはともかく、マルタ、お前はもっと控えるカピ。煩いカピ」
サユリが顔を顰めて言うと、マルタはハッハッハッと豪快な笑い声を上げた。
「済まん済まん、ついな!」
「私はまだまだです。でも、これから頑張ってみようと思います」
フジノが照れた様に言うと、茂造はうんうんと頷く。
「そうじゃの。じゃが無理する必要は無いぞい。マルタにとって嬉しいのは、お前さんの声が大きくなる事じゃ無くての、その気持ちじゃからの」
「はい」
茂造の言葉に、フジノは嬉しそうに笑った。
この夫婦は、これからも仲睦まじくやって行くのだろうと思うと、壱も嬉しくなる。
もうすぐ結婚式を挙げるカルとミルも、そんな夫婦になって欲しいものだと、ミルの性質を思い出し、切に願う。
さて食堂の営業が終わり、賄いで夕飯、そして風呂を済ませ、サユリとともに部屋に入った壱は、デスクに着くと引き出しから数枚の用紙とボールペン、スマートフォンを取り出す。
カルとミルの結婚パーティ料理のレシピ作りである。
メニューをリストアップした時にレシピも見たのだが、作り方はともかく材料の分量などは事細かく覚えていない。
どの料理も作り方はそう難しいものでは無い。だが壱も初めて作るものがあるし、茂造たちの為にもレシピは詳細に作成せねばと思う。
ひとつのメニューにつき、用紙1枚。
壱はスマートフォンで検索しながら、順調にレシピ作りを進めて行った。
サユリはベッドの上で欠伸をひとつ。それを横目に微笑ましく思いながら、壱は持ち込んだ白ワインを一口。
今日は少し夜更かしをする事になりそうだ。この村で丹念に醸造された美味しい白ワイン、飲み過ぎない様にしなくては。
明日の朝ご飯のメニューも考えなければ。壱はううんと首を捻った。
しかし今はレシピ作りである。壱はまた用紙とスマートフォンに集中した。
また増えているSNSの受信数から眼を背けながら。
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