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#107 完全無欠?の和食の朝食(昆布と鰹無双)。その1

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 さぁ、待ちに待った昆布とかつおの出汁で朝ご飯である。

 まずは、昨日の晩から浸けておいた米を炊く。

 次に和風出汁を取る。水を張った鍋に昆布を入れておく。

 その間に、他の材料を取りに厨房へ。冷蔵庫から鰹節かつおぶしと卵とブロッコリ、棚から人参とじゃがいも、レモンを出し、2階に戻る。

 まずは人参を、皮をかずに乱切りに。水から茹でて行く。沸いて来たら塩を加える。

 次はブロッコリ。小房に分け、粗方あらかた茹だった人参の鍋に追加して行く。

 米の鍋が沸いて来たので、弱火にして。

 鰹節を削る。昨日やった通りに、引き削りして行く。時折量を確認しながら。たっぷり必要な筈だ。

 さて、人参とブロッコリが茹で上がったので、ザルに丘上げしておく。

 鰹節削り器の箱を見ると、なかなかの量が削れていた。これで足りるだろうか。

 では、昆布を浸した鍋を火に掛ける。

 沸騰ふっとうするまでの間に、じゃがいもの皮を剥いて拍子木ひょうしぎ切りに。

 出汁の鍋が沸いて来た。慌てて昆布を引き上げる。火を止めて、鰹節をたっぷりと入れる。このまま少し待つ。

 その間にボウルに卵を割り入れ、解しておく。

 やがて鰹節が鍋底にしっかりと沈む。味噌汁を作る鍋に、出た出汁だけをゆっくりと静かに移して行く。鰹節の細かい破片などが入ってしまうが気にしない。

 透明で綺麗な1番出汁が取れた。壱は満足げに眼を輝かす。

 その出汁を少し分けておいて。

 出汁の鍋に、表面のでんぷんを取る為に流水で洗ったじゃがいもを入れ、まずは煮て行く。これは味噌汁になる。

 そろそろ米が炊き上がるだろうか。耳を澄ましてみると、チリチリと小さな音。火を消してふたを開けると、つやつやほかほかの白米が現れた。

 濡らした木べらで底から返し、また蓋をして蒸らしておく。

 お次はふりかけ作り。出汁殻の昆布を細く切り、鰹節が入ったままの鍋へ。そこにひたひたの水を入れると火に掛けて、沸いたら砂糖と味噌を入れて煮詰めて行く。

 次に溶いておいた卵に、先程分けておいて粗熱が取れた出汁と塩を入れ、良く混ぜる。

 フライパンを用意し、オリーブオイルを引き、焼いて行く。出汁巻き卵である。出来上がったらまな板に上げておく。

 次はマヨネーズを作る。全卵を泡立て器で良く解し、オリーブオイルを少しずつ入れながら撹拌かくはん。乳化したらレモン汁を入れて更に混ぜる。これで出来上がりである。

 仕上げに入る。まずは人参の葉をざく切りに。これは味噌汁に入れる。

 続いて粗熱が取れた出汁巻き卵を切り、皿に盛る。

 壁際の振り子時計を見る。そろそろ茂造が起きて来るだろうか。味噌汁に味噌を溶いておこう。

 ふりかけも混ぜて。

 そうしている内に、茂造が起きて来た。

「おはようのう。今朝もありがとうのう。良い匂いじゃ」

 茂造が嬉しそうに鼻をひくつかせた。

「おはようじいちゃん。サユリ起こして来てよ」

「ほいほいっと」

 茂造が洗面所に向かうと、壱は味噌汁に人参の葉を入れる。

 最後にもう1品。茹でて丘上げしておいた人参とブロッコリをボウルに移し、マヨネーズで和える。そこに鰹節を入れて更に和えて行く。

 人参とブロッコリのおかかマヨネーズ和えの完成である。

 サラダボウルに盛り、米と味噌汁もスープボウルに注ぐ。出来たふりかけも小皿に。

 出汁巻き卵と一緒にテーブルに並べ、朝食の完成である。

 我ながらその出来栄えに、壱が満足げに息を吐くと、サユリと茂造が食堂に戻って来た。

「ふむ、壱、その表情から、今日の朝食は会心の出来なのだカピな?」

 サユリが言い、眼を細める。

「うん! 昆布も鰹節も使える様になったからさ! しっかり和食を作っちゃったよ」

「それは楽しみだカピな」

 サユリがテーブルに上がり、茂造が椅子に掛けた。
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