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3章 ぜぇんぶうまく行くからね
第6話 ぜぇんぶうまく行くからね
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少し落ち着いたころ、リリコは網に向かってシマートフォンを構える。美味しそうに焼き上がるお肉を何枚も撮影した。
「若大将さん、これSNSにアップしてもええですか?」
リリコが写真を見せながら言うと、若大将さんは「お、頼むわ」と言ってくれる。
「なんや適当に美味しいとか楽しいとか書いといて」
「あはは。了解です」
リリコは写真とコメントをアップした後、少し休憩しようとほろよいジンジャーを手にコンロから離れて一息吐く。すると優恵ちゃんと香純ちゃんが「リーリちゃん」と近付いて来た。
「優恵ちゃん、香純ちゃん。食べてる?」
「めっちゃ食べてるで。大将さんも若大将さんも女の子優先でお肉くれんねん。紳士やわぁ」
優恵ちゃんは言って、うっとりとした表情になる。
「なぁ。なぁなぁリリちゃん、若大将さん格好ええよなぁ」
香純ちゃんがそう言うので、リリコは「そうやねぇ」と曖昧に返事をする。
確かに若大将さんは格好良いと思う。端正なお顔の造りもそうなのだが、良く気が付いて、リリコもたくさん気遣ってもらって、お祖母ちゃんの急病の時には本当に助けてもらった。
優恵ちゃんと香純ちゃんはさも楽しそうににやにやと、リリコの顔を覗き込む。
「なぁなぁリリちゃん、リリちゃんと若大将さん、付き合うてへんの?」
優恵ちゃんのせりふに、リリコは「は?」とぽかんとする。
「付き合うてへんよ。何言うてんの」
そう言うと、優恵ちゃんも香純ちゃんも「えー?」と声を上げる。
「もうー、リリちゃんもまだまだやね!」
そんな生意気を言う優恵ちゃん。リリコは苦笑するしか無い。
「リリちゃんとお似合いやと思うで~」
「付き合うたら絶対に教えてな!」
ふたりはそう言い残して、お肉をもらいに器を持ってコンロに走って行った。まるで突風の様だ。恋バナ大好きJCとJKである。
リリコもおとなしい方では無いが、あのかしましさには圧倒される。きっと叔父ちゃんたちの家は毎日賑やかなのだろう。
しかし若大将さんと……、そんなの考えたことも無かった。リリコとて交際経験が無いわけでは無いが、学生が繰り広げるおままごとの様な可愛いものだった。
それはそれで悪いものでは無いが、そもそもリリコは、多分そんなに興味が無いのだろう。
こういうのは縁のものだ。結婚やらなんやらそういう話になった時、今のリリコならお祖母ちゃんのことを第一に考えるだろうし。
もし先々結婚したいと思える人と出会えたなら、その時に考えたら良いのだ。叔父ちゃんが先日言ってくれたことも、リリコには充分に理解できるのである。
リリコはほろよいジンジャーをぐいと飲んで「はぁ」と息を吐き、コンロの方を見る。大将さんと若大将さんが忙しそうに、だが楽しそうに、皆に焼き上がったお肉やお野菜を取り分けたりしている。
優恵ちゃんと香純ちゃんにあんなことを言われてしまったら、変に意識してしまいそうだ。それは困る。今若大将さんはお祖母ちゃんの次にリリコの近しい人のひとりだ。なのに挙動不審になってしまっては、若大将さんに変に思われてしまうし失礼だ。
リリコは感情に混じってしまったそれを振り払う様に大きく息を吐き、大丈夫だと「よしっ」と気合いを入れた。
その時、後ろから「リリコちゃん」と所長さんのお声が掛かった。リリコはとっさに笑顔を浮かべる。
「所長さん。お疲れさまです。楽しんでくれてはります?」
「お陰さんでな。お肉も美味しいしなぁ。なぁ、リリコちゃん、今の生活は楽しいか?」
突然そんなことを言われ、リリコはきょとんとしてしまう。
「あ、はい。もちろん楽しいです。どうしはったんですか?」
「うん、ほらなぁ、お婆ちゃんが家をハイツにしたい言わはったり、「いちょう食堂」を誘致したりしたん、理由分かるか?」
「お祖母ちゃんが賑やかなのが好きやから、や無いんですか?」
リリコが首を傾げると、所長さんは穏やかに微笑む。
「多分やけどな、リリコちゃんのためやと思うで」
「私のためですか?」
「せや。あのな、こんなこと言うたらリリコちゃんは嫌な思いする思うけど、言うといた方がええんちゃうやろかと思ってな」
「はい」
何だろうと、リリコは少しばかり表情を固くしてしまう。
「……お婆ちゃんはな、将来自分になんかあった時のために、すぐ近くに頼れたりする人を作りたかったんやと思うねん」
「なんか、あった時」
リリコは呆然としてしまう。その「なんかあった時」は、つい最近リリコが遭遇してしまったことだ。その時リリコは大将さんと若大将さんを頼ってしまった。
あの時ふたりがいなければ、リリコはどうしたら良いのか判らなかった。実際何もできなかったのだから。
「お婆ちゃんのことやから、ハイツになっとったとしても、店子さんと巧いこと付き合いはるやろ。地鎮祭の時でも今でも、隣近所の方々との接し方を見てたら判る。そうしてリリコちゃんのええ様にしようと思いはったんや」
「そう、ですか」
リリコは詰まった声でそんなせりふを絞り出すことしかできなかった。リリコが漫然としている間に、現状に満足している間に、お祖母ちゃんは先のことを考えてくれていた。
まだ若いリリコと、老い先そう長く無いのかも知れないお祖母ちゃんとの違いかも知れない。だがお祖母ちゃんのことを考えているつもりで、リリコは現実から目を背けていた。
リリコが愕然とした表情になると、所長さんはふっと表情を緩める。労られているのだと判る。
「リリコちゃん、難しい考えることはあらへん。これから何があるんか判らん。けど今から覚悟しときって言うんも酷やろ。せやからリリコちゃんは今まで通りでええんや。変に構えたらしんどいからなぁ。そんで、万が一の時には周りにも頼ったらええ。大将も若大将も受け止めてくれはるやろうし、私らもおる。大丈夫やから」
リリコは表情を崩すこともできず、「……はい」と呟く様に返事をした。
所長はリリコの心をほぐす様にぽんぽんと優しく背を叩き、皆の輪の中に戻って行った。
ショックだった。きゅっと目を閉じると、目尻にじわりと溢れるものがあった。
リリコができることは何だろう。お祖母ちゃんのために、お祖母ちゃんに心配を掛けない様に、何ができるだろう。
お手伝いはこれまで通りする。それは当たり前だ。だがそれ以外には。
判らなかった。それはまだリリコが未熟だからだろう。世界も視野も狭く、先を見通すことができない。
だがリリコは思う。そう悲観することは無いのでは無いか。所長さんも、難しく考えることは無いとおっしゃっていた。引き出しが無いところで頭を巡らせても、妙案なんて出て来ないのだ。
ならリリコは顔を上げて、新しい知識と価値観を吸収しながら成長して行けば良い。そうしたらもっとお祖母ちゃんのためにできることが増えるはずだ。将来何かを決断しなければならない時にも、きっと役に立つ。
リリコは皆の輪を見る。嬉しげにバーベキューに舌鼓を打ち、楽しそうに歓談している。見ていると心が和んで行く。
大将さんに若大将、所長さんに平野さんにハナさん、叔父ちゃんに叔母ちゃん、優恵ちゃんと香純ちゃん、そして隣近所の人たち、「いちょう食堂」の常連さん。
皆リリコとは違う様々なことを経験して、知っていることだって多い。これからも皆と関わることで、リリコはきっと知恵などを蓄えることができる。世界もきっと広がって行くだろう。
リリコは切り替える様に、両手でぱんっと頬を叩く。うん、大丈夫。私はまだまだこれからなのだから。
リリコは笑顔を作ると、くるっと振り返った。
「大将さん、若大将さん、焼き方変わりますからゆっくり食べてくださーい」
リリコがグリルに駆け寄ると、大将さんが「お、少し頼めるか。助かるわ」と笑いながら言う。大将さんたちも隙を見ながら食べていたが、やはり落ち着いて食べて欲しい。
「ほな親父、先に食べぇ」
「そうさしてもらうわ。ありがとうな、リリコちゃん」
「いえいえ~」
リリコが大将さんからトングを受け取って若大将さんと並ぶと、「待たんかい!」と平野さんの声が飛んで来る。
「若大将! リリちゃんとふたりきりやなんて許さへんで!」
いや、周りにめっちゃ人おるけど。リリコはとっさに心中で突っ込む。
「平野、お前はほんまにぶれへんなぁ」
所長さんがいつもの様に苦笑し、ハナさんは旦那さんと並んでおかしそうに表情を和ませる。
叔父ちゃんと叔母ちゃんは「またおもろい人がおるなぁ」と笑顔になり、優恵ちゃんと香純ちゃんは「お? お?」と下世話、もとい興味深げな顔になる。
他の人たちも「なんや、なんや」と愉快そうにその様子を見守る。
大将さんは豪快に「わはは」と笑い、お祖母ちゃんは「あらあら、楽しいねぇ」と穏やかに微笑んだ。
「ねぇ、リリちゃん」
「ん?」
「ほらねぇ、言うた通りに、ぜぇんぶうまく行ったやろ?」
リリコはまだまだだ。きっとさっき感じた通りに。だが今が楽しくて美味しくて幸せなのは間違い無い。
夢で同じことを言ってくれたお祖父ちゃんも、今のリリコたちを見たらきっと喜んでくれるだろう。
これからもいろいろあるだろう。だがその度にリリコは大きくなれる。そんな予感がした。
「うん!」
リリコはにっこりと微笑んだ。
「若大将さん、これSNSにアップしてもええですか?」
リリコが写真を見せながら言うと、若大将さんは「お、頼むわ」と言ってくれる。
「なんや適当に美味しいとか楽しいとか書いといて」
「あはは。了解です」
リリコは写真とコメントをアップした後、少し休憩しようとほろよいジンジャーを手にコンロから離れて一息吐く。すると優恵ちゃんと香純ちゃんが「リーリちゃん」と近付いて来た。
「優恵ちゃん、香純ちゃん。食べてる?」
「めっちゃ食べてるで。大将さんも若大将さんも女の子優先でお肉くれんねん。紳士やわぁ」
優恵ちゃんは言って、うっとりとした表情になる。
「なぁ。なぁなぁリリちゃん、若大将さん格好ええよなぁ」
香純ちゃんがそう言うので、リリコは「そうやねぇ」と曖昧に返事をする。
確かに若大将さんは格好良いと思う。端正なお顔の造りもそうなのだが、良く気が付いて、リリコもたくさん気遣ってもらって、お祖母ちゃんの急病の時には本当に助けてもらった。
優恵ちゃんと香純ちゃんはさも楽しそうににやにやと、リリコの顔を覗き込む。
「なぁなぁリリちゃん、リリちゃんと若大将さん、付き合うてへんの?」
優恵ちゃんのせりふに、リリコは「は?」とぽかんとする。
「付き合うてへんよ。何言うてんの」
そう言うと、優恵ちゃんも香純ちゃんも「えー?」と声を上げる。
「もうー、リリちゃんもまだまだやね!」
そんな生意気を言う優恵ちゃん。リリコは苦笑するしか無い。
「リリちゃんとお似合いやと思うで~」
「付き合うたら絶対に教えてな!」
ふたりはそう言い残して、お肉をもらいに器を持ってコンロに走って行った。まるで突風の様だ。恋バナ大好きJCとJKである。
リリコもおとなしい方では無いが、あのかしましさには圧倒される。きっと叔父ちゃんたちの家は毎日賑やかなのだろう。
しかし若大将さんと……、そんなの考えたことも無かった。リリコとて交際経験が無いわけでは無いが、学生が繰り広げるおままごとの様な可愛いものだった。
それはそれで悪いものでは無いが、そもそもリリコは、多分そんなに興味が無いのだろう。
こういうのは縁のものだ。結婚やらなんやらそういう話になった時、今のリリコならお祖母ちゃんのことを第一に考えるだろうし。
もし先々結婚したいと思える人と出会えたなら、その時に考えたら良いのだ。叔父ちゃんが先日言ってくれたことも、リリコには充分に理解できるのである。
リリコはほろよいジンジャーをぐいと飲んで「はぁ」と息を吐き、コンロの方を見る。大将さんと若大将さんが忙しそうに、だが楽しそうに、皆に焼き上がったお肉やお野菜を取り分けたりしている。
優恵ちゃんと香純ちゃんにあんなことを言われてしまったら、変に意識してしまいそうだ。それは困る。今若大将さんはお祖母ちゃんの次にリリコの近しい人のひとりだ。なのに挙動不審になってしまっては、若大将さんに変に思われてしまうし失礼だ。
リリコは感情に混じってしまったそれを振り払う様に大きく息を吐き、大丈夫だと「よしっ」と気合いを入れた。
その時、後ろから「リリコちゃん」と所長さんのお声が掛かった。リリコはとっさに笑顔を浮かべる。
「所長さん。お疲れさまです。楽しんでくれてはります?」
「お陰さんでな。お肉も美味しいしなぁ。なぁ、リリコちゃん、今の生活は楽しいか?」
突然そんなことを言われ、リリコはきょとんとしてしまう。
「あ、はい。もちろん楽しいです。どうしはったんですか?」
「うん、ほらなぁ、お婆ちゃんが家をハイツにしたい言わはったり、「いちょう食堂」を誘致したりしたん、理由分かるか?」
「お祖母ちゃんが賑やかなのが好きやから、や無いんですか?」
リリコが首を傾げると、所長さんは穏やかに微笑む。
「多分やけどな、リリコちゃんのためやと思うで」
「私のためですか?」
「せや。あのな、こんなこと言うたらリリコちゃんは嫌な思いする思うけど、言うといた方がええんちゃうやろかと思ってな」
「はい」
何だろうと、リリコは少しばかり表情を固くしてしまう。
「……お婆ちゃんはな、将来自分になんかあった時のために、すぐ近くに頼れたりする人を作りたかったんやと思うねん」
「なんか、あった時」
リリコは呆然としてしまう。その「なんかあった時」は、つい最近リリコが遭遇してしまったことだ。その時リリコは大将さんと若大将さんを頼ってしまった。
あの時ふたりがいなければ、リリコはどうしたら良いのか判らなかった。実際何もできなかったのだから。
「お婆ちゃんのことやから、ハイツになっとったとしても、店子さんと巧いこと付き合いはるやろ。地鎮祭の時でも今でも、隣近所の方々との接し方を見てたら判る。そうしてリリコちゃんのええ様にしようと思いはったんや」
「そう、ですか」
リリコは詰まった声でそんなせりふを絞り出すことしかできなかった。リリコが漫然としている間に、現状に満足している間に、お祖母ちゃんは先のことを考えてくれていた。
まだ若いリリコと、老い先そう長く無いのかも知れないお祖母ちゃんとの違いかも知れない。だがお祖母ちゃんのことを考えているつもりで、リリコは現実から目を背けていた。
リリコが愕然とした表情になると、所長さんはふっと表情を緩める。労られているのだと判る。
「リリコちゃん、難しい考えることはあらへん。これから何があるんか判らん。けど今から覚悟しときって言うんも酷やろ。せやからリリコちゃんは今まで通りでええんや。変に構えたらしんどいからなぁ。そんで、万が一の時には周りにも頼ったらええ。大将も若大将も受け止めてくれはるやろうし、私らもおる。大丈夫やから」
リリコは表情を崩すこともできず、「……はい」と呟く様に返事をした。
所長はリリコの心をほぐす様にぽんぽんと優しく背を叩き、皆の輪の中に戻って行った。
ショックだった。きゅっと目を閉じると、目尻にじわりと溢れるものがあった。
リリコができることは何だろう。お祖母ちゃんのために、お祖母ちゃんに心配を掛けない様に、何ができるだろう。
お手伝いはこれまで通りする。それは当たり前だ。だがそれ以外には。
判らなかった。それはまだリリコが未熟だからだろう。世界も視野も狭く、先を見通すことができない。
だがリリコは思う。そう悲観することは無いのでは無いか。所長さんも、難しく考えることは無いとおっしゃっていた。引き出しが無いところで頭を巡らせても、妙案なんて出て来ないのだ。
ならリリコは顔を上げて、新しい知識と価値観を吸収しながら成長して行けば良い。そうしたらもっとお祖母ちゃんのためにできることが増えるはずだ。将来何かを決断しなければならない時にも、きっと役に立つ。
リリコは皆の輪を見る。嬉しげにバーベキューに舌鼓を打ち、楽しそうに歓談している。見ていると心が和んで行く。
大将さんに若大将、所長さんに平野さんにハナさん、叔父ちゃんに叔母ちゃん、優恵ちゃんと香純ちゃん、そして隣近所の人たち、「いちょう食堂」の常連さん。
皆リリコとは違う様々なことを経験して、知っていることだって多い。これからも皆と関わることで、リリコはきっと知恵などを蓄えることができる。世界もきっと広がって行くだろう。
リリコは切り替える様に、両手でぱんっと頬を叩く。うん、大丈夫。私はまだまだこれからなのだから。
リリコは笑顔を作ると、くるっと振り返った。
「大将さん、若大将さん、焼き方変わりますからゆっくり食べてくださーい」
リリコがグリルに駆け寄ると、大将さんが「お、少し頼めるか。助かるわ」と笑いながら言う。大将さんたちも隙を見ながら食べていたが、やはり落ち着いて食べて欲しい。
「ほな親父、先に食べぇ」
「そうさしてもらうわ。ありがとうな、リリコちゃん」
「いえいえ~」
リリコが大将さんからトングを受け取って若大将さんと並ぶと、「待たんかい!」と平野さんの声が飛んで来る。
「若大将! リリちゃんとふたりきりやなんて許さへんで!」
いや、周りにめっちゃ人おるけど。リリコはとっさに心中で突っ込む。
「平野、お前はほんまにぶれへんなぁ」
所長さんがいつもの様に苦笑し、ハナさんは旦那さんと並んでおかしそうに表情を和ませる。
叔父ちゃんと叔母ちゃんは「またおもろい人がおるなぁ」と笑顔になり、優恵ちゃんと香純ちゃんは「お? お?」と下世話、もとい興味深げな顔になる。
他の人たちも「なんや、なんや」と愉快そうにその様子を見守る。
大将さんは豪快に「わはは」と笑い、お祖母ちゃんは「あらあら、楽しいねぇ」と穏やかに微笑んだ。
「ねぇ、リリちゃん」
「ん?」
「ほらねぇ、言うた通りに、ぜぇんぶうまく行ったやろ?」
リリコはまだまだだ。きっとさっき感じた通りに。だが今が楽しくて美味しくて幸せなのは間違い無い。
夢で同じことを言ってくれたお祖父ちゃんも、今のリリコたちを見たらきっと喜んでくれるだろう。
これからもいろいろあるだろう。だがその度にリリコは大きくなれる。そんな予感がした。
「うん!」
リリコはにっこりと微笑んだ。
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