21 / 45
2章 「まこ庵」での日々
第8話 肉じゃがが繋ぐ絆
しおりを挟む
完成した肉じゃがを大振りの和食器にこんもりと盛り付け、カウンタに置くと、あやかしたちから「おおー!」と歓声が上がった。
「で、できた」
「……うん」
四音と景五はほかほかと湯気が上がり香しいそれを、半ば脱力した様な表情で見つめている。だが目はらんらんと輝いていて、そこに感動の様な達成感の様なものが見えた。
「ママちゃま、これ、僕らで作ったん……?」
四音の声がかすかに震えていたので、真琴は「そうやで」と強く頷く。
真琴はお手本は見せたが、基本はふたりに作ってもらったのだ。材料を洗ったり切ったり、お鍋を回して中身を混ぜたり、調味料を計量スプーンで計って入れたりと、ふたりは真琴に教えられながら、たどたどしい手付きながらも一生懸命調理をした。
そうしてできあがったのがこの肉じゃがだ。レシピは真琴のものだし、ふたりは真琴の言う通りに工程を踏んだ。だがこれは紛れも無く、ふたりが心を込めて作ったものなのだ。
「皆さんに食べてもらう前に、少し味見しよか。私もちょっともろてええ?」
「うん」
四音は言って、景五は頷いた。真琴はふたりを促してフロアに回る。取り皿とお箸はあやかしたちが自由に取れる様に、カウンタに積んであるのだ。
真琴、四音と景五は肉じゃがの山から全ての食材が味わえる様に取り分ける。真琴は四音と景五が口に入れるのを待った。ふたりの目が潤んでいる。ふたりは緊張しているのか、お箸でつかんだ新じゃがいもをじっと見つめ、やがて決意した様に噛り付いた。
ふたり揃ってもぐもぐと咀嚼する。すると見る間に目が大きく開かれて行く。
「ママちゃま、美味しい! 美味しくできてる!」
四音が顔を真っ赤にして歓喜の声を上げると、あやかしたちが「わぁっ!」と沸いた。
「良かったなぁ、凄いやん。ほな、私もいただこかな」
真琴も新じゃがいもをお箸で割り、口に運ぶ。皮から漂うほのかな土の香りが鼻をくすぐり、ほっくりとした新じゃがいもの瑞々しさと甘みが口に広がる。
甘い人参はねっとりと、とろとろの玉ねぎに、歯がいらないぐらいに柔らかな牛肉。綺麗な彩りの絹さやは別茹でしたのでさくっとした歯ごたえ。それらが滋味深いだし汁をまとい、味わいを高めている。
「うん、めっちゃ美味しいわぁ」
真琴がしみじみと言うと、四音と景五は顔を見合わせ、思わずといった調子でハイタッチをした。
ふたりの手付きは確かにまだまだ未熟である。だが真琴がお料理しているのを近くで見ていたからか、その行動の意味の理解度は高い。真琴ができるだけ細かく説明したこともあるのだろうが、その内容をすんなりと受け入れてくれていた。
意味が分かっていれば応用も利く。これからも毎日、たくさんのお料理を教えてあげよう。四音と景五が好きなことをたくさんできる様に。ふたりがなりたいものになれる様に。
その手助けができることが、保護者として、親として、とても誇らしかった。
「さ、ほな、皆さんにも食べてもらおか」
「うん。み、みんな、どうぞ!」
四音が言うと、あやかしたちは騒めきながら、我れ先にと取り皿に手を伸ばした。
いつもはお皿洗いなども四音と景五にお手伝いをしてもらっているのだが、今日は肉じゃがに感激したあやかしたちに囲まれてそれどころでは無い。ふたりとも頑張ったし、今日は私が、と真琴は厨房に戻る。
すると四音たちを囲っていたあやかしたちの群れから、ご老人男性の1体がするりと抜け出て来て、カウンタ席に腰を降ろした。
「真琴さま、すいませんがウィスキーの水割りをいただけますか」
「はーい。ちょっとお待ちくださいね」
真琴は洗い物を後回しにし、厨房奥の戸棚を開ける。昼の「まこ庵」にはアルコールメニューは無い。だが夜のあやかしタイムではこうして出すので、フロアから見えない様に収納しているのである。真琴はウィスキーのボトルを出した。
タンブラーに氷を詰め、ウィスキーを入れ、ミネラルウォーターを注いてステアする。
「はい。お待たせしました」
コルク製のコースターを出し、その上にウィズキーの水割りを置いた。
「ありがとうございます」
あやかしは水割りをちびりと舐め、心地好さそうに「はぁ~」と息を吐いた。
「嬉しいですねぇ。景五がこんなにも成長するなんて。真琴さまのお陰です」
なるほど、このご老人は猫又のあやかしか。見た目が普通の人間と変わらないので、なかなか種別の見分けがつかないのである。
「いえいえ。私は何も。まだまだ親としては不甲斐無いです」
真琴が本心から言うと、猫又のあやかしは「いえいえ」と首を振る。
「ほら、景五は無表情と言うか、いっつも不機嫌に見えるでしょ。わしら猫又はずっと見て来たから分かるんですが、真琴さまに教えてもらいながら料理をする景五は、ほんまに楽しそうでした」
「……そうですね」
それは真琴にも分かる。景五の表情の変化は、本当にわずかなものだ。だがそれを見逃さないのも親の役目だと思っている。景五ばかりを見ることはできないまでも、他の子と違い感情を表に出しにくい子だからこそ、気を付けてあげなければと思う。
喜び、楽しさ、悲しさや寂しさ、悔しさなど。あやかしにだってたくさんの感情がある。それは雅玖や子どもたちを見ていれば分かることだ。そして性格や個性も様々である。未熟ながらも親として、少しでも掬い取ってあげたいと思うのだ。
「ああ、景五さまの肉じゃが、本当に美味しかった。女房にも食べさせてやりたかったです」
四音と景五のやけどな、と思いつつ、口には出さない。
「そう言えば、今日はおひとりなんですね」
このあやかしは、確かいつもご老人女性と連れ立って来ていた記憶がある。その人が奥さまなのだと思う。
「はい。少し、あの、小さなことで喧嘩をしてしまいまして。今日は行かんて言われてしまいました。わしも旨く仲直りができんで」
情けない、あやかしはそう言う様に苦笑して頭を掻いた。あやかしでも夫婦喧嘩をするのだな。それもそうか。ふたり以上いれば、いくら労わり合うあやかしの夫婦であっても、意見の違いも出るだろう。
真琴はカウンタ越しに肉じゃがの和食器を見る。するとちんまりと残されていて、誰も手を付けようとしない。ものの見事な「遠慮のかたまり」だった。あやかしとはいえ大阪人なのだなと面白くなる。
「ちょっと待ってくださいね」
真琴は「最後、いただきますね」と言いながらお皿を取り上げる。そしてわずかな肉じゃがを小さな透明のタッパに移した。続けてカウンタの端に置いてあるベージュの陶器製の花瓶から、赤のマリーゴールドを1本抜いてペーパーで水分を拭き取り、それらをあやかしの前に置く。
お花は週に1度、定休日明けの水曜日に、近くの花屋さんに季節の花束をお任せでお願いしているのである。金額に上限はあるものの、いつも工夫して可愛らしくも華やかなものを作ってくれていた。
「少しですけど、奥さまに食べてもろてください。そんで、お花を渡して、話し合ってみてください。ご存知かも知れませんが、人間は誠意を表す時に、お相手のお好きなもんを用意したりすることもあるんですよ。奥さまがお花好きかどうかは分からんのですが、お花が好きな女性は多いですから、ものは試しで」
真琴が言って微笑むと、あやかしは「おお……」と目を細めた。
「真琴さま、ありがとうございます! さっそく帰って、渡してみます」
「はい。ご武運を」
あやかしはタッパとマリーゴールドを大事に抱えると、頭を下げながら「まこ庵」を出て行った。余計なお世話かな、とも思ったのだが、きっとあのご夫婦は長年連れ添って来た。それが仲違いしてしまうのは悲しいことである。ご縁があって一緒になったのだから。
あのあやかしは見た目こそご老人だったが、きっとまだまだ生きるのだろう。ぜひ奥さまと仲良く過ごして欲しいと思うのだ。
「で、できた」
「……うん」
四音と景五はほかほかと湯気が上がり香しいそれを、半ば脱力した様な表情で見つめている。だが目はらんらんと輝いていて、そこに感動の様な達成感の様なものが見えた。
「ママちゃま、これ、僕らで作ったん……?」
四音の声がかすかに震えていたので、真琴は「そうやで」と強く頷く。
真琴はお手本は見せたが、基本はふたりに作ってもらったのだ。材料を洗ったり切ったり、お鍋を回して中身を混ぜたり、調味料を計量スプーンで計って入れたりと、ふたりは真琴に教えられながら、たどたどしい手付きながらも一生懸命調理をした。
そうしてできあがったのがこの肉じゃがだ。レシピは真琴のものだし、ふたりは真琴の言う通りに工程を踏んだ。だがこれは紛れも無く、ふたりが心を込めて作ったものなのだ。
「皆さんに食べてもらう前に、少し味見しよか。私もちょっともろてええ?」
「うん」
四音は言って、景五は頷いた。真琴はふたりを促してフロアに回る。取り皿とお箸はあやかしたちが自由に取れる様に、カウンタに積んであるのだ。
真琴、四音と景五は肉じゃがの山から全ての食材が味わえる様に取り分ける。真琴は四音と景五が口に入れるのを待った。ふたりの目が潤んでいる。ふたりは緊張しているのか、お箸でつかんだ新じゃがいもをじっと見つめ、やがて決意した様に噛り付いた。
ふたり揃ってもぐもぐと咀嚼する。すると見る間に目が大きく開かれて行く。
「ママちゃま、美味しい! 美味しくできてる!」
四音が顔を真っ赤にして歓喜の声を上げると、あやかしたちが「わぁっ!」と沸いた。
「良かったなぁ、凄いやん。ほな、私もいただこかな」
真琴も新じゃがいもをお箸で割り、口に運ぶ。皮から漂うほのかな土の香りが鼻をくすぐり、ほっくりとした新じゃがいもの瑞々しさと甘みが口に広がる。
甘い人参はねっとりと、とろとろの玉ねぎに、歯がいらないぐらいに柔らかな牛肉。綺麗な彩りの絹さやは別茹でしたのでさくっとした歯ごたえ。それらが滋味深いだし汁をまとい、味わいを高めている。
「うん、めっちゃ美味しいわぁ」
真琴がしみじみと言うと、四音と景五は顔を見合わせ、思わずといった調子でハイタッチをした。
ふたりの手付きは確かにまだまだ未熟である。だが真琴がお料理しているのを近くで見ていたからか、その行動の意味の理解度は高い。真琴ができるだけ細かく説明したこともあるのだろうが、その内容をすんなりと受け入れてくれていた。
意味が分かっていれば応用も利く。これからも毎日、たくさんのお料理を教えてあげよう。四音と景五が好きなことをたくさんできる様に。ふたりがなりたいものになれる様に。
その手助けができることが、保護者として、親として、とても誇らしかった。
「さ、ほな、皆さんにも食べてもらおか」
「うん。み、みんな、どうぞ!」
四音が言うと、あやかしたちは騒めきながら、我れ先にと取り皿に手を伸ばした。
いつもはお皿洗いなども四音と景五にお手伝いをしてもらっているのだが、今日は肉じゃがに感激したあやかしたちに囲まれてそれどころでは無い。ふたりとも頑張ったし、今日は私が、と真琴は厨房に戻る。
すると四音たちを囲っていたあやかしたちの群れから、ご老人男性の1体がするりと抜け出て来て、カウンタ席に腰を降ろした。
「真琴さま、すいませんがウィスキーの水割りをいただけますか」
「はーい。ちょっとお待ちくださいね」
真琴は洗い物を後回しにし、厨房奥の戸棚を開ける。昼の「まこ庵」にはアルコールメニューは無い。だが夜のあやかしタイムではこうして出すので、フロアから見えない様に収納しているのである。真琴はウィスキーのボトルを出した。
タンブラーに氷を詰め、ウィスキーを入れ、ミネラルウォーターを注いてステアする。
「はい。お待たせしました」
コルク製のコースターを出し、その上にウィズキーの水割りを置いた。
「ありがとうございます」
あやかしは水割りをちびりと舐め、心地好さそうに「はぁ~」と息を吐いた。
「嬉しいですねぇ。景五がこんなにも成長するなんて。真琴さまのお陰です」
なるほど、このご老人は猫又のあやかしか。見た目が普通の人間と変わらないので、なかなか種別の見分けがつかないのである。
「いえいえ。私は何も。まだまだ親としては不甲斐無いです」
真琴が本心から言うと、猫又のあやかしは「いえいえ」と首を振る。
「ほら、景五は無表情と言うか、いっつも不機嫌に見えるでしょ。わしら猫又はずっと見て来たから分かるんですが、真琴さまに教えてもらいながら料理をする景五は、ほんまに楽しそうでした」
「……そうですね」
それは真琴にも分かる。景五の表情の変化は、本当にわずかなものだ。だがそれを見逃さないのも親の役目だと思っている。景五ばかりを見ることはできないまでも、他の子と違い感情を表に出しにくい子だからこそ、気を付けてあげなければと思う。
喜び、楽しさ、悲しさや寂しさ、悔しさなど。あやかしにだってたくさんの感情がある。それは雅玖や子どもたちを見ていれば分かることだ。そして性格や個性も様々である。未熟ながらも親として、少しでも掬い取ってあげたいと思うのだ。
「ああ、景五さまの肉じゃが、本当に美味しかった。女房にも食べさせてやりたかったです」
四音と景五のやけどな、と思いつつ、口には出さない。
「そう言えば、今日はおひとりなんですね」
このあやかしは、確かいつもご老人女性と連れ立って来ていた記憶がある。その人が奥さまなのだと思う。
「はい。少し、あの、小さなことで喧嘩をしてしまいまして。今日は行かんて言われてしまいました。わしも旨く仲直りができんで」
情けない、あやかしはそう言う様に苦笑して頭を掻いた。あやかしでも夫婦喧嘩をするのだな。それもそうか。ふたり以上いれば、いくら労わり合うあやかしの夫婦であっても、意見の違いも出るだろう。
真琴はカウンタ越しに肉じゃがの和食器を見る。するとちんまりと残されていて、誰も手を付けようとしない。ものの見事な「遠慮のかたまり」だった。あやかしとはいえ大阪人なのだなと面白くなる。
「ちょっと待ってくださいね」
真琴は「最後、いただきますね」と言いながらお皿を取り上げる。そしてわずかな肉じゃがを小さな透明のタッパに移した。続けてカウンタの端に置いてあるベージュの陶器製の花瓶から、赤のマリーゴールドを1本抜いてペーパーで水分を拭き取り、それらをあやかしの前に置く。
お花は週に1度、定休日明けの水曜日に、近くの花屋さんに季節の花束をお任せでお願いしているのである。金額に上限はあるものの、いつも工夫して可愛らしくも華やかなものを作ってくれていた。
「少しですけど、奥さまに食べてもろてください。そんで、お花を渡して、話し合ってみてください。ご存知かも知れませんが、人間は誠意を表す時に、お相手のお好きなもんを用意したりすることもあるんですよ。奥さまがお花好きかどうかは分からんのですが、お花が好きな女性は多いですから、ものは試しで」
真琴が言って微笑むと、あやかしは「おお……」と目を細めた。
「真琴さま、ありがとうございます! さっそく帰って、渡してみます」
「はい。ご武運を」
あやかしはタッパとマリーゴールドを大事に抱えると、頭を下げながら「まこ庵」を出て行った。余計なお世話かな、とも思ったのだが、きっとあのご夫婦は長年連れ添って来た。それが仲違いしてしまうのは悲しいことである。ご縁があって一緒になったのだから。
あのあやかしは見た目こそご老人だったが、きっとまだまだ生きるのだろう。ぜひ奥さまと仲良く過ごして欲しいと思うのだ。
21
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
すこやか食堂のゆかいな人々
山いい奈
ライト文芸
貧血体質で悩まされている、常盤みのり。
母親が栄養学の本を読みながらごはんを作ってくれているのを見て、みのりも興味を持った。
心を癒し、食べるもので健康になれる様な食堂を開きたい。それがみのりの目標になっていた。
短大で栄養学を学び、専門学校でお料理を学び、体調を見ながら日本料理店でのアルバイトに励み、お料理教室で技を鍛えて来た。
そしてみのりは、両親や幼なじみ、お料理教室の先生、テナントビルのオーナーの力を借りて、すこやか食堂をオープンする。
一癖も二癖もある周りの人々やお客さまに囲まれて、みのりは奮闘する。
やがて、それはみのりの家族の問題に繋がっていく。
じんわりと、だがほっこりと心暖まる物語。
龍神様の婚約者、幽世のデパ地下で洋菓子店はじめました
卯月みか
キャラ文芸
両親を交通事故で亡くした月ヶ瀬美桜は、叔父と叔母に引き取られ、召使いのようにこき使われていた。ある日、お金を盗んだという濡れ衣を着せられ、従姉妹と言い争いになり、家を飛び出してしまう。
そんな美桜を救ったのは、幽世からやって来た龍神の翡翠だった。異界へ行ける人間は、人ではない者に嫁ぐ者だけだという翡翠に、美桜はついて行く決心をする。
お菓子作りの腕を見込まれた美桜は、翡翠の元で生活をする代わりに、翡翠が営む万屋で、洋菓子店を開くことになるのだが……。
後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符
washusatomi
キャラ文芸
西域の女商人白蘭は、董王朝の皇太后の護符の行方を追う。皇帝に自分の有能さを認めさせ、後宮出入りの女商人として生きていくために――。 そして奮闘する白蘭は、無骨な禁軍将軍と心を通わせるようになり……。
マーちゃんの深憂
釧路太郎
キャラ文芸
生きているもの死んでいるものに関わらず大なり小なり魔力をその身に秘めているものだが、それを上手に活用することが出来るモノは限られている。生まれつきその能力に長けているものは魔法使いとして活躍する場面が多く得られるのだが、普通の人間にはそのような場面に出会うことも出来ないどころか魔法を普通に使う事すら難しいのだ。
生まれ持った才能がなければ魔法を使う事すら出来ず、努力をして魔法を使えるようになるという事に対して何の意味もない行動であった。むしろ、魔法に関する才能がないのにもかかわらず魔法を使うための努力をすることは自分の可能性を極端に狭めて未来を閉ざすことになる場合が非常に多かった。
しかし、魔法を使うことが出来ない普通の人たちにとって文字通り人生を変えることになる世紀の大発明が今から三年前に誕生したのだ。その発明によって魔力を誰でも苦労なく扱えるようになり、三年経った今現在は日本に登録されている魔法使いの数が四千人からほぼすべての国民へと増加したのだった。
日本人の日本人による日本人のための魔法革命によって世界中で猛威を振るっていた魔物たちは駆逐され、長きにわたって人類を苦しめていた問題から一気に解放されたのである。
日本のみならず世界そのものを変えた彼女の発明は多くの者から支持され、その名誉は永遠に語り継がれるであろう。
設定・用語解説は別に用意してあります。
そちらを見ていただくとより本編を楽しめるとは思います。
「マーちゃんの深憂 設定・用語集」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/863298964/650844803
ブラックベリーの霊能学
猫宮乾
キャラ文芸
新南津市には、古くから名門とされる霊能力者の一族がいる。それが、玲瓏院一族で、その次男である大学生の僕(紬)は、「さすがは名だたる天才だ。除霊も完璧」と言われている、というお話。※周囲には天才霊能力者と誤解されている大学生の日常。
「お節介鬼神とタヌキ娘のほっこり喫茶店~お疲れ心にお茶を一杯~」
GOM
キャラ文芸
ここは四国のど真ん中、お大師様の力に守られた地。
そこに住まう、お節介焼きなあやかし達と人々の物語。
GOMがお送りします地元ファンタジー物語。
アルファポリス初登場です。
イラスト:鷲羽さん
あずき食堂でお祝いを
山いい奈
キャラ文芸
大阪府豊中市の曽根にある「あずき食堂」。
セレクト形式で定食を提供するお店なのだが、密かな名物がお赤飯なのだ。
このお赤飯には、主人公たちに憑いている座敷童子のご加護があるのである。
主人公である双子の姉妹の美味しいご飯と、座敷童子の小さなお祝い。
「あずき食堂」は今日も和やかに営業中でございます。
死神の猫
十三番目
キャラ文芸
これは、死神に愛された人間が世界の掌握に至るまでの物語。
死神・天使・悪魔の集う現世。
最愛の家族だった猫を亡くし、どこか無機質な日々を送っていた睦月の前に、突如その男は現れた。
自らを死神だと名乗る男は、睦月に新人の死神とパートナーを組むよう持ちかけてくる。
相手の死神は、人形と見まごうほどの美少年。
──そして何故か、睦月にとんでもなく重い感情を持っていた。
深まっていく絆と謎。
出会う人外の多くが、睦月に好意的な感情を抱く理由とは。
死神たちを味方につけながら、睦月は徐々に自身が選ばれた真実と世界の掌握へ至っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる