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おまけ 幕外で続く日常
87場 変わらない日常に愛を込めて
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大きなくしゃみをして、身を震わせる。
目の前には鏡みたいにぴかぴかに輝く看板。銀色の表面には頬を赤く染めたメルディの顔が映っている。
一年の締めくくりに看板を磨き上げるのは、シュトライザー&ジャーノ工房の伝統だ。昔はアルティの仕事だったが、今はメルディが受け継いでいる。
看板に曇りがないことをチェックして脚立を降りると、ブーツの下で雪がさくりと音を立てた。
年末の職人街は人気がなく、不気味なほど静かだ。建物を覆う雪の白さも相まって、世界から取り残された気分になる。
「なんか、背中がぞくぞくする……。体を冷やし過ぎたかな……。早く中に戻ろっと」
近所の工房の壁に脚立を立てかけ、店の中に戻る。夏場は地獄のように暑い店内も、冬は炉の熱のおかげで暖かい。
二階からは潮汁のいい香りが漂ってくる。アルティがスライム雑煮を作っているのだ。
スライム雑煮とは、ラスタ全土に広まるゲン担ぎだ。
一週間を表す属性の色――火の赤、風の黄緑、水の青、氷の水色、土の茶色、木の緑、雷の黄色――に着色した七つの小餅を新年に食べると寿命が伸びるという謂れがあるため、年越しが近づくと、あちらこちらで雑煮作りに勤しむ人の姿が見られる。
餅を入れるスープは地方によって様々で、毎年至る所で喧嘩の火種になるが、リヒトシュタイン家ではそれぞれ好みの雑煮を作るため、今の所喧嘩になったことはない。レイも焼き餅であればスープには寛容だし。
今年は年末年始にエレンを呼んだので、魔法学校の伝統を踏襲して潮汁にした。
両親に「グレイグに春が来た」とうっかり口を滑らせたことに、弟は辛辣な言葉を投げつけてきたが、エレンがお呼ばれを大層喜んでくれたらしく、旅費の全額負担を条件に大人しく引き下がった。リリアナが奮発して飛竜便を雇ったので、今日の夜までには着くはずである。
「ママは? まだ王城?」
「おじいちゃんが領地に行っちゃったからね。いつもより忙しいんだよ。仕事が終わったら商店街に寄るって言ってたから、もうちょっとかかるかな」
祖父のトリスタンは、珍しく早めの休暇をとってガラハドに会いに行っていた。
どんな心境の変化なのかと思ったが、おそらくエレンが来るから遠慮しているのだろう。さすがのツンデレも、後継ぎのお嫁さん候補にどう接していいのかわからなかったらしい。
「大師匠もそろそろ故郷についたかなあ。ウィンストンの隣の領地だっけ?」
「そうそう。業務始めまでには帰ってくるってさ」
「本当かなあ。パパと二人で店を開ける未来が見えるんだよね……」
今年はトリスタンもクリフもいないので、年越しをリヒトシュタイン邸で迎えるという案もあったのだが、「いきなりじゃ、エレンが萎縮するんじゃない?」というレイの冷静な意見により、屋敷には年越しを終えたあとでお連れすることになった。あとはグレイグがフォローしてくれるだろう。
「ニール君は残念だったね。年末年始は実家で過ごすんだって? ぜひご挨拶したかったんだけど」
「大喧嘩してた家族とようやく和解したみたいだからね。来年の夏休みには遊びに来てくれるみたいだよ」
「そっか。楽しみだね。グレイグが友達連れてくることなんてなかったからなあ」
アルティは嬉しそうに頷くと、メルディにおたまを差し出してきた。味見をしろということだろう。
つまみ食いはいつだって大歓迎だ。嬉々として小皿に潮汁を移し、顔に近づけたが――。
「うっ……」
潮の香りに吐き気が込み上げてきて、咄嗟に口を抑える。今日はあまり食べていなかったから、けろっと胃袋の中身を出してしまうことは避けられたが、何故か体が受け付けない。
おたまを返されたアルティが、優しくメルディの背中を撫でる。
「どうした? 気持ち悪い?」
「うん……。なんか胃がムカムカして……。熱があるのかな? 怠くて顔がぼうっとするっていうか……。工房の救急箱に風邪薬って入ってたっけ?」
吐き気をこらえつつも尋ねると、目を大きく見開いたアルティが、震える声で「メルディ、それってさ……」と呟いた。
「お、お医者さま……! ハイリケ先生呼んでくる!」
「え? ちょ、ちょっと待ってパパ。なんか勘違い……」
引き止めようと手を伸ばしたが、一寸間に合わなかった。エプロンもそのままに、階下に駆けていくアルティの後ろ姿がふっと消えて――勢いよく階段を転げ落ちる音がした。
「パ、パパー!」
「胃腸風邪だね。最近流行ってるから、どこかでもらってきちゃったのかな」
元メルディの部屋の中。銀縁メガネの下のくすんだブラウンの瞳を細め、ハイリケがのんびりと笑う。
彼の目の前には半纏を着させられたメルディと、額に湿布を貼ったアルティがベッドに並んで座っている。
今まで多くの患者を診てきたハイリケも、まさか年末に父娘揃って診察させられるとは思っていなかっただろう。
「もー! だから待ってって言ったのに!」
「ごめん……。メルディがお腹にできたときのママと同じことを言ってたから、つい……」
「君、リリアナさんのときも階段から落ちたよね。学習能力ないの?」
腕組みをしたレイがじろりとアルティを睨む。彼は自分の店の掃除をしていたが、工房の騒ぎを聞きつけた近所の職人連中のタレコミにより、掃除道具を放り出して駆けつけ、ハイリケを呼びに行ってくれたのだ。
「懐かしいねえ。こういうのは授かりものだから、いつやってくるとは言えないけど、体調の変化があったら、いつでもおいで。僕に相談しにくかったら娘もいるし」
ハイリケの娘は父親と同じ医者の道を選び、留学先のルクセンから戻ってきたばかりだ。まだメルディはお世話になっていないが、マーピープルの母親の血を引いて、青い髪に青い肌の美人らしい。
「ありがとうございます。年末にすみません。良いお年を」
「良いお年を。アルティ君、もう階段から落ちちゃダメだよ」
頭を下げるメルディに手を振りつつ、アルティに釘を刺し、ハイリケは病院に戻って行った。
「やれやれ……。大事がなくてよかったよ。アルティもちょっとたんこぶ出来ただけで済んだしさ」
「ごめんね、レイ。まだ掃除終わってなかったんでしょ? あとで一緒にやろうね」
両手を合わせて顔を見上げると、レイは首を横に振った。
「いいよ。普段から君がしてくれてるから、そんなに汚れてないし、年が明けてからゆっくりやるさ。それより、僕こそごめんね。君の体調に気づかなくて」
「ううん、朝は平気だったから。ちゃんと防寒しなかった私が悪いの」
「今度、新しいコートを買いに行こうか。それまでは防寒の魔法紋を縫うよ。その半纏にも」
優しく頭を撫でられ、思わず目を細める。そんな夫婦を眺めつつ、アルティはしょんぼりとため息をついた。
「ごめん、メルディ。パパも気づかなくて」
「いいのよ、パパ。もうなんともないし。ハイリケ先生が治療魔法も使えてよかった。エレンたちに風邪を移したら大変だもの。いくら丈夫なデュラハンでも受験生だもんねえ」
「本当は自然に治した方がいいんだけどね。免疫力を強制的に上げてウイルスを殺すから体に負担も大きいし、年末年始は大人しくしときなよ」
レイの言葉に唇を尖らせる。
「ええー。首都をあちこち案内しようと思ってたのに」
「ダメ。もし抜け出したら許さないからね。……君には長生きしてほしいんだよ。アルティも」
懇願するような口調に、メルディはアルティと顔を見合わせ、同時にふっと笑った。
「やあねえ、レイったら。私たちは百まで生きるわよ。ヒト種の新記録を目指してやるわ!」
「そうそう。そのためには、みんな揃ってスライム雑煮を食べなきゃね。――ねぇ、レイ。作るの、手伝ってくれる?」
レイを促し、アルティが部屋を出る。そのあとに続こうとしたところで、店のドアベルが軽やかな音を立てた。
「パパー! お姉ちゃん! ただいま!」
本日の主役たちの到着だ。アルティみたいに転げ落ちないように注意しながら階段を下りる。
商店街で一緒になったらしい。グレイグとエレンの後ろには両手に紙袋を抱えたリリアナもいた。
「おかえり! エレンも、いらっしゃい!」
両手を広げて駆け寄るメルディに、エレンが照れくさそうに目を細める。
その微笑みは、降り始めた雪に負けないぐらい美しかった。
目の前には鏡みたいにぴかぴかに輝く看板。銀色の表面には頬を赤く染めたメルディの顔が映っている。
一年の締めくくりに看板を磨き上げるのは、シュトライザー&ジャーノ工房の伝統だ。昔はアルティの仕事だったが、今はメルディが受け継いでいる。
看板に曇りがないことをチェックして脚立を降りると、ブーツの下で雪がさくりと音を立てた。
年末の職人街は人気がなく、不気味なほど静かだ。建物を覆う雪の白さも相まって、世界から取り残された気分になる。
「なんか、背中がぞくぞくする……。体を冷やし過ぎたかな……。早く中に戻ろっと」
近所の工房の壁に脚立を立てかけ、店の中に戻る。夏場は地獄のように暑い店内も、冬は炉の熱のおかげで暖かい。
二階からは潮汁のいい香りが漂ってくる。アルティがスライム雑煮を作っているのだ。
スライム雑煮とは、ラスタ全土に広まるゲン担ぎだ。
一週間を表す属性の色――火の赤、風の黄緑、水の青、氷の水色、土の茶色、木の緑、雷の黄色――に着色した七つの小餅を新年に食べると寿命が伸びるという謂れがあるため、年越しが近づくと、あちらこちらで雑煮作りに勤しむ人の姿が見られる。
餅を入れるスープは地方によって様々で、毎年至る所で喧嘩の火種になるが、リヒトシュタイン家ではそれぞれ好みの雑煮を作るため、今の所喧嘩になったことはない。レイも焼き餅であればスープには寛容だし。
今年は年末年始にエレンを呼んだので、魔法学校の伝統を踏襲して潮汁にした。
両親に「グレイグに春が来た」とうっかり口を滑らせたことに、弟は辛辣な言葉を投げつけてきたが、エレンがお呼ばれを大層喜んでくれたらしく、旅費の全額負担を条件に大人しく引き下がった。リリアナが奮発して飛竜便を雇ったので、今日の夜までには着くはずである。
「ママは? まだ王城?」
「おじいちゃんが領地に行っちゃったからね。いつもより忙しいんだよ。仕事が終わったら商店街に寄るって言ってたから、もうちょっとかかるかな」
祖父のトリスタンは、珍しく早めの休暇をとってガラハドに会いに行っていた。
どんな心境の変化なのかと思ったが、おそらくエレンが来るから遠慮しているのだろう。さすがのツンデレも、後継ぎのお嫁さん候補にどう接していいのかわからなかったらしい。
「大師匠もそろそろ故郷についたかなあ。ウィンストンの隣の領地だっけ?」
「そうそう。業務始めまでには帰ってくるってさ」
「本当かなあ。パパと二人で店を開ける未来が見えるんだよね……」
今年はトリスタンもクリフもいないので、年越しをリヒトシュタイン邸で迎えるという案もあったのだが、「いきなりじゃ、エレンが萎縮するんじゃない?」というレイの冷静な意見により、屋敷には年越しを終えたあとでお連れすることになった。あとはグレイグがフォローしてくれるだろう。
「ニール君は残念だったね。年末年始は実家で過ごすんだって? ぜひご挨拶したかったんだけど」
「大喧嘩してた家族とようやく和解したみたいだからね。来年の夏休みには遊びに来てくれるみたいだよ」
「そっか。楽しみだね。グレイグが友達連れてくることなんてなかったからなあ」
アルティは嬉しそうに頷くと、メルディにおたまを差し出してきた。味見をしろということだろう。
つまみ食いはいつだって大歓迎だ。嬉々として小皿に潮汁を移し、顔に近づけたが――。
「うっ……」
潮の香りに吐き気が込み上げてきて、咄嗟に口を抑える。今日はあまり食べていなかったから、けろっと胃袋の中身を出してしまうことは避けられたが、何故か体が受け付けない。
おたまを返されたアルティが、優しくメルディの背中を撫でる。
「どうした? 気持ち悪い?」
「うん……。なんか胃がムカムカして……。熱があるのかな? 怠くて顔がぼうっとするっていうか……。工房の救急箱に風邪薬って入ってたっけ?」
吐き気をこらえつつも尋ねると、目を大きく見開いたアルティが、震える声で「メルディ、それってさ……」と呟いた。
「お、お医者さま……! ハイリケ先生呼んでくる!」
「え? ちょ、ちょっと待ってパパ。なんか勘違い……」
引き止めようと手を伸ばしたが、一寸間に合わなかった。エプロンもそのままに、階下に駆けていくアルティの後ろ姿がふっと消えて――勢いよく階段を転げ落ちる音がした。
「パ、パパー!」
「胃腸風邪だね。最近流行ってるから、どこかでもらってきちゃったのかな」
元メルディの部屋の中。銀縁メガネの下のくすんだブラウンの瞳を細め、ハイリケがのんびりと笑う。
彼の目の前には半纏を着させられたメルディと、額に湿布を貼ったアルティがベッドに並んで座っている。
今まで多くの患者を診てきたハイリケも、まさか年末に父娘揃って診察させられるとは思っていなかっただろう。
「もー! だから待ってって言ったのに!」
「ごめん……。メルディがお腹にできたときのママと同じことを言ってたから、つい……」
「君、リリアナさんのときも階段から落ちたよね。学習能力ないの?」
腕組みをしたレイがじろりとアルティを睨む。彼は自分の店の掃除をしていたが、工房の騒ぎを聞きつけた近所の職人連中のタレコミにより、掃除道具を放り出して駆けつけ、ハイリケを呼びに行ってくれたのだ。
「懐かしいねえ。こういうのは授かりものだから、いつやってくるとは言えないけど、体調の変化があったら、いつでもおいで。僕に相談しにくかったら娘もいるし」
ハイリケの娘は父親と同じ医者の道を選び、留学先のルクセンから戻ってきたばかりだ。まだメルディはお世話になっていないが、マーピープルの母親の血を引いて、青い髪に青い肌の美人らしい。
「ありがとうございます。年末にすみません。良いお年を」
「良いお年を。アルティ君、もう階段から落ちちゃダメだよ」
頭を下げるメルディに手を振りつつ、アルティに釘を刺し、ハイリケは病院に戻って行った。
「やれやれ……。大事がなくてよかったよ。アルティもちょっとたんこぶ出来ただけで済んだしさ」
「ごめんね、レイ。まだ掃除終わってなかったんでしょ? あとで一緒にやろうね」
両手を合わせて顔を見上げると、レイは首を横に振った。
「いいよ。普段から君がしてくれてるから、そんなに汚れてないし、年が明けてからゆっくりやるさ。それより、僕こそごめんね。君の体調に気づかなくて」
「ううん、朝は平気だったから。ちゃんと防寒しなかった私が悪いの」
「今度、新しいコートを買いに行こうか。それまでは防寒の魔法紋を縫うよ。その半纏にも」
優しく頭を撫でられ、思わず目を細める。そんな夫婦を眺めつつ、アルティはしょんぼりとため息をついた。
「ごめん、メルディ。パパも気づかなくて」
「いいのよ、パパ。もうなんともないし。ハイリケ先生が治療魔法も使えてよかった。エレンたちに風邪を移したら大変だもの。いくら丈夫なデュラハンでも受験生だもんねえ」
「本当は自然に治した方がいいんだけどね。免疫力を強制的に上げてウイルスを殺すから体に負担も大きいし、年末年始は大人しくしときなよ」
レイの言葉に唇を尖らせる。
「ええー。首都をあちこち案内しようと思ってたのに」
「ダメ。もし抜け出したら許さないからね。……君には長生きしてほしいんだよ。アルティも」
懇願するような口調に、メルディはアルティと顔を見合わせ、同時にふっと笑った。
「やあねえ、レイったら。私たちは百まで生きるわよ。ヒト種の新記録を目指してやるわ!」
「そうそう。そのためには、みんな揃ってスライム雑煮を食べなきゃね。――ねぇ、レイ。作るの、手伝ってくれる?」
レイを促し、アルティが部屋を出る。そのあとに続こうとしたところで、店のドアベルが軽やかな音を立てた。
「パパー! お姉ちゃん! ただいま!」
本日の主役たちの到着だ。アルティみたいに転げ落ちないように注意しながら階段を下りる。
商店街で一緒になったらしい。グレイグとエレンの後ろには両手に紙袋を抱えたリリアナもいた。
「おかえり! エレンも、いらっしゃい!」
両手を広げて駆け寄るメルディに、エレンが照れくさそうに目を細める。
その微笑みは、降り始めた雪に負けないぐらい美しかった。
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