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おまけ 幕外で続く日常
86場 口は災いの元(ごめん弟よ)
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八月の最終日。魔法学校の正門前で、メルディはエレンと熱い抱擁を交わしていた。
頭上から燦々と日が降り注いでいるが、地上は大雨だ。メルディの煉瓦色の瞳からも、エレンの青白い両目からも、ほろほろと涙がこぼれ落ちる。
「メルディさん、お元気で。また遊びに来てくださいね」
「来るよー! 絶対来る! エレンも夏休みになったらうちにおいでよね。熱烈大歓迎するから」
「ちょっと、今生の別れでもないんだからやめてよ。観光客からすごい見られてんじゃん」
呆れ声でため息をつくグレイグに舌を出す。ひょっとしたら将来妹になるかもしれない相手との別れは格別なのだ。邪魔をしないでもらいたい。
「レイ先輩、船の時間大丈夫ですか?」
「これを見越して遅めの時間にしてるから大丈夫だよ。川を渡れば飛竜便が待ってるしね。今日中には首都に着くでしょ」
のんびり会話するレイとニールは、すっかり師弟らしくなった。小部屋で散々脅したのが効いたのか、最初こそ微妙な距離感があったが、今では夜通し魔法紋について語り合う仲になっている。
さらに、そこにグレイグやエレンまで加わって議論を始めるものだから、レイを取られた気がして少しやき持ちを焼いたのは内緒だ。
「色々、お世話になったわね。これ、お土産のレモンタルト。アルティさんたちと一緒に食べて」
「わあ! ミルディアさん、ありがとうございます! パパたちも喜びます」
まだ温かい箱を受け取り、にこにこ顔で頭を下げる。ミルディアのレモンタルトは絶品だ。アルティたちも泣いて喜ぶだろう。
「じゃあ、そろそろ行こっか。アルティたち、首を長くして待ってるだろうし」
「そうだね。みんな、ありがとうございました。これからもグレイグをよろしくお願いします。フィーとアズロも元気でね!」
そう意気揚々と別れたのはいいものの、懐かしの首都に戻ると、そこには地獄が待っていた。
「ちょっとー! 何これ! 泥棒でも入ったの?」
早々と鳴き始めた秋の虫の音をかき消すように、メルディは声を張り上げた。こめかみに青筋が浮いているのが自分でもわかる。
埃が舞う工房の床には大量の金属片が散乱し、デザイン画に埋もれた作業台の上には紙やすりやその他諸々の工具が山と積み上げられていた。出かける前にあれだけ綺麗に掃除しておいたのに。
一瞬、ドニの研究室と見間違ったぐらいだ。どれだけ荒れ果てていたかは推して知るべしである。きっと二階のキッチンも恐ろしいことになっているだろう。
「さしずめ、クリフさんがまた大量受注してきたんだろうねえ。本人はいないけど」
「もー! パパ、しっかりして! 死んでる場合じゃないわよ!」
娘が帰ってきたと言うのに、床に転がったままのアルティの背中を揺する。
よろよろと持ち上がった顔は、あまり生えないはずの無精髭に包まれて酷くやつれていた。
「ああ……。メルディ、レイ、お帰り……。コーヒーでも飲む……?」
「いいわよ、そんなの。とりあえず、片付けるからそこどいて! あとでママに叱ってもらうからね!」
「いやあ、助かったよ。持つべきものは働きものの娘夫婦だね」
すっかり綺麗になったキッチンで、アルティはレイが淹れたコーヒーを啜り、ほっと息をついた。シャワーを浴びて着替えたので、さっぱりとした風貌になっている。髭もない。
「……助かったよじゃないんだよ、アルティ。言ったよな? あまり無茶はするなよって。何回、同じことを繰り返すんだ?」
腕組みをして睨むリリアナに、アルティが「すみません」と囁くように返す。
いつもならここまで酷くなる前に、リリアナが首根っこを引っ掴んで屋敷に連れて帰るのだが、今回は運悪く出張に出ていて気づくのが遅れたらしい。
だから「寂しい」と言っていたのか。今日戻ってきて本当によかった。
「まあまあ。その辺で許してやってよ。若い頃に比べたらだいぶマシになってるでしょ。今回は一人だったから頑張りすぎただけさ」
「レイ……!」
顔を輝かせるアルティに、レイは飛竜便の請求書を押し付けてにっこりと笑った。
「それだけボロボロになったんだから、さぞや儲けたよね? この支払いよろしくね、お義父さん」
「……心配かけたから怒ってるんだね。ごめん」
さすが二十年来の付き合い。レイの感情の機微には敏感なようだ。
「ところで、グレイグの様子はどうだった? 新聞で読んだけど、色々大変だったんだろ?」
夫への怒りは傍に置いといて、息子の心配をするリリアナに、メルディは魔法学校での一部始終を語った。
両親は最初の方こそ色々と質問をしてきたが、中盤を過ぎた辺りで何も言わなくなり、最後には重々しいため息をついた。
「去年のウィンストンに続いて、本っ当に行く先々で厄介事に巻き込まれるな。パパに似たのか? しばらく工房から出るなよ。レイさんの胃袋が溶けるぞ」
「最初の感想がそれ? よく頑張ったな、とかないの?」
賑やかに言い合う母娘とは対照的に、すっかり大人しくなったアルティにレイが眉を寄せる。
「そのアルティはなんで泣きじゃくってんの?」
「だ、だって、レイがそんな想いを抱えてたなんて知らなくて」
「馬鹿だなあ。確かに色々と辛いことはあったけど、僕はグリムバルドに来てよかったと思ってるよ。こうして君と親友になれたし、メルディとも結婚できたしさ」
思わずほろりときたが、両親の前で抱きつくわけにもいかないので話を戻す。
「それで、グレイグの進路なんだけどね。士官学校の教官になるために魔戦術の道に進むって。すごく悩んでたけど、ニール君の件で、せっかく生まれつき強い力を授かったんだから、それを活かしたいって思うようになったらしいよ」
レイのハンカチで涙を拭ったアルティが、「そっか……」とひとりごちる。
「じゃあ、ミルディアさんの学科からは抜ける形になるのか。彼女の意見はどうなの?」
「魔法紋師は職人寄りだからね。あの子は机に向かってコツコツ作業するよりも、実践的な職業の方が向いてるって言ってたよ。士官学校の教官なら今まで学んだことも活かせるだろうし、僕も賛成しといた。それでよかったかな?」
レイの問いに、リリアナが力強く答えた。
「ああ、もちろんだ。あの子の決めたことなら、私たちに異論はないさ。……子供の成長は早いなあ。私たちも歳を取るはずだな、アルティ」
「そうですね。もう自分の進む道を自分で決められるようになったんだもんなあ……」
年寄りくさいことを言い、両親たちは感慨深く頷いた。その目尻にちょっぴり涙が浮いているのは気づかないふりをしておく。
「二人とも、本当にありがとう。いいお友達にも恵まれたようで何よりだよ。ニール君と……エレン君だっけ?」
「パパ、違うよ。エレンは女の子。将来のお嫁さん候補だよ。グレイグったらねえ。ようやく春が……」
「嫁?」
「嫁だって?」
目の色を変えて体を乗り出す両親に、思わず身を引く……が、椅子に座っているので逃げられなかった。
「どんな子? デュラハンだったよね?」
「シュミット領って言ってたか? 確かにあそこは前領主の弟が継いでたな……」
両親たちは顔を見合わせると、同時に笑みを浮かべた。嫌な予感がする。
「メルディ、任せておけ。私がその叔父たちをシメてやるからな! だから今度、そのエレンちゃんを紹介してくれ」
「そうだよ。来年の夏休みと言わず、年末年始に呼んであげたら? それなら仕事も休みだから、ちゃんとおもてなしできるだろ? その子が着られる鎧を作ってもいいし。ファンは大事にしないと」
「うわあ、どうしよう。余計なこと言っちゃった」
「諦めな、メルディ。あとでグレイグに謝っとくんだね」
顔の闇を真っ赤にして怒る弟の姿を想像して、メルディは肩を落とした。
頭上から燦々と日が降り注いでいるが、地上は大雨だ。メルディの煉瓦色の瞳からも、エレンの青白い両目からも、ほろほろと涙がこぼれ落ちる。
「メルディさん、お元気で。また遊びに来てくださいね」
「来るよー! 絶対来る! エレンも夏休みになったらうちにおいでよね。熱烈大歓迎するから」
「ちょっと、今生の別れでもないんだからやめてよ。観光客からすごい見られてんじゃん」
呆れ声でため息をつくグレイグに舌を出す。ひょっとしたら将来妹になるかもしれない相手との別れは格別なのだ。邪魔をしないでもらいたい。
「レイ先輩、船の時間大丈夫ですか?」
「これを見越して遅めの時間にしてるから大丈夫だよ。川を渡れば飛竜便が待ってるしね。今日中には首都に着くでしょ」
のんびり会話するレイとニールは、すっかり師弟らしくなった。小部屋で散々脅したのが効いたのか、最初こそ微妙な距離感があったが、今では夜通し魔法紋について語り合う仲になっている。
さらに、そこにグレイグやエレンまで加わって議論を始めるものだから、レイを取られた気がして少しやき持ちを焼いたのは内緒だ。
「色々、お世話になったわね。これ、お土産のレモンタルト。アルティさんたちと一緒に食べて」
「わあ! ミルディアさん、ありがとうございます! パパたちも喜びます」
まだ温かい箱を受け取り、にこにこ顔で頭を下げる。ミルディアのレモンタルトは絶品だ。アルティたちも泣いて喜ぶだろう。
「じゃあ、そろそろ行こっか。アルティたち、首を長くして待ってるだろうし」
「そうだね。みんな、ありがとうございました。これからもグレイグをよろしくお願いします。フィーとアズロも元気でね!」
そう意気揚々と別れたのはいいものの、懐かしの首都に戻ると、そこには地獄が待っていた。
「ちょっとー! 何これ! 泥棒でも入ったの?」
早々と鳴き始めた秋の虫の音をかき消すように、メルディは声を張り上げた。こめかみに青筋が浮いているのが自分でもわかる。
埃が舞う工房の床には大量の金属片が散乱し、デザイン画に埋もれた作業台の上には紙やすりやその他諸々の工具が山と積み上げられていた。出かける前にあれだけ綺麗に掃除しておいたのに。
一瞬、ドニの研究室と見間違ったぐらいだ。どれだけ荒れ果てていたかは推して知るべしである。きっと二階のキッチンも恐ろしいことになっているだろう。
「さしずめ、クリフさんがまた大量受注してきたんだろうねえ。本人はいないけど」
「もー! パパ、しっかりして! 死んでる場合じゃないわよ!」
娘が帰ってきたと言うのに、床に転がったままのアルティの背中を揺する。
よろよろと持ち上がった顔は、あまり生えないはずの無精髭に包まれて酷くやつれていた。
「ああ……。メルディ、レイ、お帰り……。コーヒーでも飲む……?」
「いいわよ、そんなの。とりあえず、片付けるからそこどいて! あとでママに叱ってもらうからね!」
「いやあ、助かったよ。持つべきものは働きものの娘夫婦だね」
すっかり綺麗になったキッチンで、アルティはレイが淹れたコーヒーを啜り、ほっと息をついた。シャワーを浴びて着替えたので、さっぱりとした風貌になっている。髭もない。
「……助かったよじゃないんだよ、アルティ。言ったよな? あまり無茶はするなよって。何回、同じことを繰り返すんだ?」
腕組みをして睨むリリアナに、アルティが「すみません」と囁くように返す。
いつもならここまで酷くなる前に、リリアナが首根っこを引っ掴んで屋敷に連れて帰るのだが、今回は運悪く出張に出ていて気づくのが遅れたらしい。
だから「寂しい」と言っていたのか。今日戻ってきて本当によかった。
「まあまあ。その辺で許してやってよ。若い頃に比べたらだいぶマシになってるでしょ。今回は一人だったから頑張りすぎただけさ」
「レイ……!」
顔を輝かせるアルティに、レイは飛竜便の請求書を押し付けてにっこりと笑った。
「それだけボロボロになったんだから、さぞや儲けたよね? この支払いよろしくね、お義父さん」
「……心配かけたから怒ってるんだね。ごめん」
さすが二十年来の付き合い。レイの感情の機微には敏感なようだ。
「ところで、グレイグの様子はどうだった? 新聞で読んだけど、色々大変だったんだろ?」
夫への怒りは傍に置いといて、息子の心配をするリリアナに、メルディは魔法学校での一部始終を語った。
両親は最初の方こそ色々と質問をしてきたが、中盤を過ぎた辺りで何も言わなくなり、最後には重々しいため息をついた。
「去年のウィンストンに続いて、本っ当に行く先々で厄介事に巻き込まれるな。パパに似たのか? しばらく工房から出るなよ。レイさんの胃袋が溶けるぞ」
「最初の感想がそれ? よく頑張ったな、とかないの?」
賑やかに言い合う母娘とは対照的に、すっかり大人しくなったアルティにレイが眉を寄せる。
「そのアルティはなんで泣きじゃくってんの?」
「だ、だって、レイがそんな想いを抱えてたなんて知らなくて」
「馬鹿だなあ。確かに色々と辛いことはあったけど、僕はグリムバルドに来てよかったと思ってるよ。こうして君と親友になれたし、メルディとも結婚できたしさ」
思わずほろりときたが、両親の前で抱きつくわけにもいかないので話を戻す。
「それで、グレイグの進路なんだけどね。士官学校の教官になるために魔戦術の道に進むって。すごく悩んでたけど、ニール君の件で、せっかく生まれつき強い力を授かったんだから、それを活かしたいって思うようになったらしいよ」
レイのハンカチで涙を拭ったアルティが、「そっか……」とひとりごちる。
「じゃあ、ミルディアさんの学科からは抜ける形になるのか。彼女の意見はどうなの?」
「魔法紋師は職人寄りだからね。あの子は机に向かってコツコツ作業するよりも、実践的な職業の方が向いてるって言ってたよ。士官学校の教官なら今まで学んだことも活かせるだろうし、僕も賛成しといた。それでよかったかな?」
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「ああ、もちろんだ。あの子の決めたことなら、私たちに異論はないさ。……子供の成長は早いなあ。私たちも歳を取るはずだな、アルティ」
「そうですね。もう自分の進む道を自分で決められるようになったんだもんなあ……」
年寄りくさいことを言い、両親たちは感慨深く頷いた。その目尻にちょっぴり涙が浮いているのは気づかないふりをしておく。
「二人とも、本当にありがとう。いいお友達にも恵まれたようで何よりだよ。ニール君と……エレン君だっけ?」
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「嫁?」
「嫁だって?」
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「そうだよ。来年の夏休みと言わず、年末年始に呼んであげたら? それなら仕事も休みだから、ちゃんとおもてなしできるだろ? その子が着られる鎧を作ってもいいし。ファンは大事にしないと」
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