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おまけ 幕外で続く日常
85場 魔法学校生のおすすめデートスポット(夜)
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「うわー! すごいね! 空が広い!」
「喜んでくれて嬉しいよ。去年始まったばかりのイベントなんだって。君も初めてでしょ?」
こくこくと頷くメルディの視界には、美しい星々が瞬く夜空が広がっている。
頭の下にはふかふかのクッション。右側には愛しい旦那さま。ゆらゆらと体が揺れているのは、ここが大河に浮かべた舟の上だからだ。
とはいえ、リッカからシエラ・シエルに渡ったときみたいな大きな船じゃない。二人分の幅しかない『カップルボート』の上で、メルディたちは並んで寝そべっていた。
希望者には観光組合の船頭がつくようだが、メルディたちの舟にはいない。自分は風魔法使いだから大丈夫だとレイが断ったのだ。
「あと少しで花火が打ち上がるんだよね。川の上なんて、遮るものがない特等席じゃない。待ち遠しいなあ。よくチケット取れたね」
「新聞社に頼んだんだ。スクープを提供した甲斐があったね。快く優待券を渡してくれたよ」
どんな頼み方をしたのか怖いが、それは聞かずにおいた。結婚生活において重要なことは、伴侶のやることに片目を瞑ることである。
「ありがとう、レイ。色々考えてくれて。私ったら、そんなことにも気づかずに振り回してごめんね」
「いいよ。昼間も言ったけど、そんな君を愛してるんだから。僕こそ、せっかくの新婚旅行なのに全然ゆっくりできなくて悪かったね」
教授選の最中も何度か聞いた謝罪の言葉。相当気にしているらしい。それ以上言わせないように、レイの唇に口付けを落とした。
「どうしたの。賢者の雫を飲んでからやけに積極的だね。今までは恥ずかしがって自分からはしてくんなかったのに」
「きっと大いなる力が宿ったのよ。……ねえ、レイ。私はあなたのそばにいられたらそれでいいの。こうして並んで空を見上げているだけで十分幸せなんだから、あまり気負わないでね」
甘えるように胸に擦り寄ると、レイは眉を下げつつも、メルディの肩に腕を回してくれた。
「君には敵わないなあ。男ってね、好きな人の前では格好つけたがるものなんだよ」
「あら。女だってね、好きな人の前ではいつも女神さまでいたいものなのよ」
「安心しなよ。君はいつだって僕の女神さまだよ。たとえ、何年経っても……」
そこでレイは言葉を止めた。メルディの肩を握る手がじわりと汗ばんでいる。本当に困った夫だ。こちらはもうとっくに覚悟はできているのに。
「ちょっと、続きは? おばあちゃんになっても私を愛してね、旦那さま」
「うん……」
ぎゅっと抱きしめられ、息ができなくなる。寿命を全うする前に息の根を止めるつもりだろうか。
仕返しのつもりで、メルディもレイを抱きしめる腕に力を込める。金槌で鍛えた二の腕を舐めてはいけない。レイが少しだけ苦しそうに呻く。
「愛してる、レイ。色々大変だったけど、ここに来てよかった。また記念日が増えたね」
「そうだね。でも、この調子だと、また結婚記念日忘れちゃうんじゃない? 大丈夫?」
「もー、それは言わないでよ。ごめんって」
「わかってるよ。君はアルティに似て大雑把だからね。仕事は繊細なのに」
褒めてるんだか、褒めてないんだかわからないことを言うレイに唇を尖らせつつ、腕の中の体温を堪能する。
こうして二人でゆっくりできるのはいつぶりだろう。教授選が終わっても事後処理でなんやかんやと忙しかったから、存分に甘えておこう。
そして甘えさせてもらった分、甘えさせてあげたい。だってメルディたちは夫婦なのだから。お互いを支え合って、これからも生きていくのだ。遠い遠い未来まで。
「パパといえば、今頃みんな何してるんだろ。工房大丈夫かなあ」
「さあねえ。この前は『寂しい』とか言ってたけど」
「勝手だよね。私たちをここに来させたのはパパなのに」
メルディの膨らんだ頬を潰しながら、レイが笑う。
「そう言わないでやってよ。今までずっとそばにいた娘が離れて寂しいんだよ」
「そういうもの? ……私たちに子供が生まれたらレイもそうなる?」
レイは一瞬目を見開いたが、すぐに眩しい太陽を見るように優しく目を細めた。
「そうかもね。息子でも娘でも、君に似て無鉄砲に育つだろうから、僕はきっと気が気じゃないよ」
「そんなの、わからないわよ。レイに似て、賢くて冷静な子供に育つかもしれないじゃないの。……あれ? なら心配しなくていいわね。やだ。不安になってきたわ。私に似たらどうしよう」
「リリアナさん苦労してたからねえ。覚悟しとこっか」
「ええ……。ママごめん……。今からでもいい子になる……」
母親の苦労と愛情を再確認したとき、夜空に大きな花が咲いた。
同時に川の水面にも鮮やかな花が咲き、周囲が色で包まれていく。
連続して風を切る細く鋭い音がして、鼓膜を震わせる破裂音が胸に響く。気づけば、メルディもレイも花火に魅入っていた。ものすごい迫力だ。まるで炎が降ってくるような。
「すごい……。綺麗……」
「うん、見られてよかったね。これ、きっと長く続く名物になるだろうなあ」
できればメルディがいなくなったあとも続いてほしい。そして、あのとき一緒に眺めたなあ、なんて思い出してほしい。
けれど、それは胸に秘めて別の言葉を口にする。近い未来に叶えたい願いを。魔法使いの誓いのように。
「今度は子供も連れて見に来ようね」
「……うん、そうだね。今度はファミリーボートのチケットを取るよ。楽しみだね」
どちらともなく左手を重ね、空に向かって突き出す。お互いの薬指には花火を映す白銀色の指輪が光っていた。
「はー……。すごい迫力だったね。まだ胸がドキドキしてる」
「僕も。花火は何度も見たけど、こんなに圧倒されたのは初めてかもなあ」
火薬の匂いが微かに漂う川の上。二人はまだ仰向けで小舟に揺られていた。見物客が捌けるのを待っているのだ。メルディたちは首都に戻る日まで、まだ一週間はある。焦る必要はどこにもない。
「花火が終わると急に静かになっちゃったね。始まる前は屋台船もたくさん回ってたのに」
「どこの街も商人はシビアだよね。まあ、そろそろ学生の門限の時間だから、これ以上居ても売り上げは見込めないだろうし、賢い選択だよ」
「ああ、そっか。もう十時だもんね。宿泊所は門限零時だっけ? まだ二時間ぐらいあるけど、これからどうしよっか?」
帰るのはもったいない気もするが、レイが疲れているなら無理させたくはない。
そのつもりで聞いたのだが、「帰りたい?」と逆に質問された。一瞬悩んだが、素直に首を横に振る。
「レイが疲れてなかったら、まだ街にいたいな。もうちょっと今日を堪能してたい。なんか小腹も空いてきたし、レイがよくお友達と行ってた酒場に行こうよ。まだ開いてるよね?」
「開いてるよ。あそこは朝まで開いてる。よく門限破ったときにお世話になったよ」
「決まり! おすすめ教えてね」
「メニュー変わってないといいけどなあ」
小さく笑い合ったあと、レイが体を横にしてメルディを見つめた。それに応えてメルディも体を横にする。いつも家のベッドの上で見る光景だが、場所が舟の上なのでなんだか不思議な気分だ。
そんなことを思っていると、伸びてきたレイの右手がメルディの頬に触れた。
「そのあとは、学生にできないデートする?」
「え? どんなの?」
「お泊まりデート。……今日は違うところに泊まらない? 守衛室に外泊届けは出しといたからさ。僕と一緒に夜を越えようよ」
メルディを見つめる瞳には夜空の星が映り込んでいる。炉の炎のような熱も。
旦那さまは随分とロマンチストらしい。どんな恋愛小説よりも甘い言葉に酔ってしまいそうになる。まるで魔法をかけられたように。
きっとこの魔法は、永遠に解けない。
「相変わらず用意周到ね……。でも、そんなところも好きよ」
船の上で交わした口付けは、夜空を焦がす花火のように熱かった。
「喜んでくれて嬉しいよ。去年始まったばかりのイベントなんだって。君も初めてでしょ?」
こくこくと頷くメルディの視界には、美しい星々が瞬く夜空が広がっている。
頭の下にはふかふかのクッション。右側には愛しい旦那さま。ゆらゆらと体が揺れているのは、ここが大河に浮かべた舟の上だからだ。
とはいえ、リッカからシエラ・シエルに渡ったときみたいな大きな船じゃない。二人分の幅しかない『カップルボート』の上で、メルディたちは並んで寝そべっていた。
希望者には観光組合の船頭がつくようだが、メルディたちの舟にはいない。自分は風魔法使いだから大丈夫だとレイが断ったのだ。
「あと少しで花火が打ち上がるんだよね。川の上なんて、遮るものがない特等席じゃない。待ち遠しいなあ。よくチケット取れたね」
「新聞社に頼んだんだ。スクープを提供した甲斐があったね。快く優待券を渡してくれたよ」
どんな頼み方をしたのか怖いが、それは聞かずにおいた。結婚生活において重要なことは、伴侶のやることに片目を瞑ることである。
「ありがとう、レイ。色々考えてくれて。私ったら、そんなことにも気づかずに振り回してごめんね」
「いいよ。昼間も言ったけど、そんな君を愛してるんだから。僕こそ、せっかくの新婚旅行なのに全然ゆっくりできなくて悪かったね」
教授選の最中も何度か聞いた謝罪の言葉。相当気にしているらしい。それ以上言わせないように、レイの唇に口付けを落とした。
「どうしたの。賢者の雫を飲んでからやけに積極的だね。今までは恥ずかしがって自分からはしてくんなかったのに」
「きっと大いなる力が宿ったのよ。……ねえ、レイ。私はあなたのそばにいられたらそれでいいの。こうして並んで空を見上げているだけで十分幸せなんだから、あまり気負わないでね」
甘えるように胸に擦り寄ると、レイは眉を下げつつも、メルディの肩に腕を回してくれた。
「君には敵わないなあ。男ってね、好きな人の前では格好つけたがるものなんだよ」
「あら。女だってね、好きな人の前ではいつも女神さまでいたいものなのよ」
「安心しなよ。君はいつだって僕の女神さまだよ。たとえ、何年経っても……」
そこでレイは言葉を止めた。メルディの肩を握る手がじわりと汗ばんでいる。本当に困った夫だ。こちらはもうとっくに覚悟はできているのに。
「ちょっと、続きは? おばあちゃんになっても私を愛してね、旦那さま」
「うん……」
ぎゅっと抱きしめられ、息ができなくなる。寿命を全うする前に息の根を止めるつもりだろうか。
仕返しのつもりで、メルディもレイを抱きしめる腕に力を込める。金槌で鍛えた二の腕を舐めてはいけない。レイが少しだけ苦しそうに呻く。
「愛してる、レイ。色々大変だったけど、ここに来てよかった。また記念日が増えたね」
「そうだね。でも、この調子だと、また結婚記念日忘れちゃうんじゃない? 大丈夫?」
「もー、それは言わないでよ。ごめんって」
「わかってるよ。君はアルティに似て大雑把だからね。仕事は繊細なのに」
褒めてるんだか、褒めてないんだかわからないことを言うレイに唇を尖らせつつ、腕の中の体温を堪能する。
こうして二人でゆっくりできるのはいつぶりだろう。教授選が終わっても事後処理でなんやかんやと忙しかったから、存分に甘えておこう。
そして甘えさせてもらった分、甘えさせてあげたい。だってメルディたちは夫婦なのだから。お互いを支え合って、これからも生きていくのだ。遠い遠い未来まで。
「パパといえば、今頃みんな何してるんだろ。工房大丈夫かなあ」
「さあねえ。この前は『寂しい』とか言ってたけど」
「勝手だよね。私たちをここに来させたのはパパなのに」
メルディの膨らんだ頬を潰しながら、レイが笑う。
「そう言わないでやってよ。今までずっとそばにいた娘が離れて寂しいんだよ」
「そういうもの? ……私たちに子供が生まれたらレイもそうなる?」
レイは一瞬目を見開いたが、すぐに眩しい太陽を見るように優しく目を細めた。
「そうかもね。息子でも娘でも、君に似て無鉄砲に育つだろうから、僕はきっと気が気じゃないよ」
「そんなの、わからないわよ。レイに似て、賢くて冷静な子供に育つかもしれないじゃないの。……あれ? なら心配しなくていいわね。やだ。不安になってきたわ。私に似たらどうしよう」
「リリアナさん苦労してたからねえ。覚悟しとこっか」
「ええ……。ママごめん……。今からでもいい子になる……」
母親の苦労と愛情を再確認したとき、夜空に大きな花が咲いた。
同時に川の水面にも鮮やかな花が咲き、周囲が色で包まれていく。
連続して風を切る細く鋭い音がして、鼓膜を震わせる破裂音が胸に響く。気づけば、メルディもレイも花火に魅入っていた。ものすごい迫力だ。まるで炎が降ってくるような。
「すごい……。綺麗……」
「うん、見られてよかったね。これ、きっと長く続く名物になるだろうなあ」
できればメルディがいなくなったあとも続いてほしい。そして、あのとき一緒に眺めたなあ、なんて思い出してほしい。
けれど、それは胸に秘めて別の言葉を口にする。近い未来に叶えたい願いを。魔法使いの誓いのように。
「今度は子供も連れて見に来ようね」
「……うん、そうだね。今度はファミリーボートのチケットを取るよ。楽しみだね」
どちらともなく左手を重ね、空に向かって突き出す。お互いの薬指には花火を映す白銀色の指輪が光っていた。
「はー……。すごい迫力だったね。まだ胸がドキドキしてる」
「僕も。花火は何度も見たけど、こんなに圧倒されたのは初めてかもなあ」
火薬の匂いが微かに漂う川の上。二人はまだ仰向けで小舟に揺られていた。見物客が捌けるのを待っているのだ。メルディたちは首都に戻る日まで、まだ一週間はある。焦る必要はどこにもない。
「花火が終わると急に静かになっちゃったね。始まる前は屋台船もたくさん回ってたのに」
「どこの街も商人はシビアだよね。まあ、そろそろ学生の門限の時間だから、これ以上居ても売り上げは見込めないだろうし、賢い選択だよ」
「ああ、そっか。もう十時だもんね。宿泊所は門限零時だっけ? まだ二時間ぐらいあるけど、これからどうしよっか?」
帰るのはもったいない気もするが、レイが疲れているなら無理させたくはない。
そのつもりで聞いたのだが、「帰りたい?」と逆に質問された。一瞬悩んだが、素直に首を横に振る。
「レイが疲れてなかったら、まだ街にいたいな。もうちょっと今日を堪能してたい。なんか小腹も空いてきたし、レイがよくお友達と行ってた酒場に行こうよ。まだ開いてるよね?」
「開いてるよ。あそこは朝まで開いてる。よく門限破ったときにお世話になったよ」
「決まり! おすすめ教えてね」
「メニュー変わってないといいけどなあ」
小さく笑い合ったあと、レイが体を横にしてメルディを見つめた。それに応えてメルディも体を横にする。いつも家のベッドの上で見る光景だが、場所が舟の上なのでなんだか不思議な気分だ。
そんなことを思っていると、伸びてきたレイの右手がメルディの頬に触れた。
「そのあとは、学生にできないデートする?」
「え? どんなの?」
「お泊まりデート。……今日は違うところに泊まらない? 守衛室に外泊届けは出しといたからさ。僕と一緒に夜を越えようよ」
メルディを見つめる瞳には夜空の星が映り込んでいる。炉の炎のような熱も。
旦那さまは随分とロマンチストらしい。どんな恋愛小説よりも甘い言葉に酔ってしまいそうになる。まるで魔法をかけられたように。
きっとこの魔法は、永遠に解けない。
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