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1幕 大団円目指して頑張ります!
18場 ドワーフとの勝負①
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ウィンストンは出稼ぎ労働者が多く集まる土地だ。二階が宿屋、一階が酒場の店が多く、ここもその一つだった。
お世辞にも綺麗とは言えない店の中、少々品のない笑い声があちこちで上がっている。
その一角で、メルディは料理が所狭しと並べられたテーブルに、だん、とジョッキを叩きつけた。
「こら、メルディ。うるさいよ。物に当たるのはやめな」
「だって! まさか、工房を燃やすなんて……」
「君が危惧したことが本当になっちゃったねえ」
ジンジャーエールのグラスを傾けながらレイが苦笑する。
「大方、マルクが逃げ出したのに気づいたんでしょ。首都の役人を連れて来られちゃ困るから証拠を隠滅したわけだ。さすが闇ギルドの連中。悪知恵が働くよ」
「褒めないでよ、レイさん。せっかく、ウィンストンにまで来たのにー!」
「お姉ちゃん、うるさいって。逃げられちゃったものは仕方ないじゃん。世の中、最初からうまくいくことなんてそうそうないんだよ」
うだうだと文句を垂れる姉に呆れた目を向け、グレイグは最後に残っていた唐揚げを顔の闇に放り込んだ。ひどい。狙ってたのに。
「何よ、冷たいわね。私に優しくしてくれるのはロビンだけよ」
ぴったりと寄り添う小さな体を抱きしめる。そんなメルディを男二人は冷めた目で見ている。
この場にマルクがいたらフォローしてくれたかもしれないが、さすがにショックだったらしく、先に二階で休んでいる。今日はみんな一人部屋なので、ゆっくり眠れるだろう。
「これからどうしよう? この街の警備隊に話しても無駄だよね?」
「逆に捕まる可能性があるね。マルクを餌にして誘き出すって手もあるけど」
「さすがにそれはちょっと……」
「言うと思った。なら、地道に情報収集するしかないね。ああいう裏社会の人間たちってのは縄張りがある。今まで築き上げた土台を失うのは惜しいだろうし、ウィンストンからそう離れてはないはずだ」
ウィンストンを離れれば離れるほど、鎧を作るコストは増えていく。ここほど工業資材が安いところはないからだ。役所が腐敗しているというのなら、アジトの場所を変えるだけで事足りると考えてもおかしくはない。
「……家に帰らないのかって聞かないの?」
「聞いてほしいの? どうせ送り返しても、戻ってくるつもりなんでしょ。一人で無茶されるより、目の届くところにいてくれた方がマシだよ」
全て見透かされている。
黙ってジョッキをあおっていると、ふいにいがらっぽい声が聞こえてきた。ずんぐりした体型にもじゃもじゃの髭――ドワーフだ。
人数は五人。炉の火で焼けたのか、みんな顔は真っ赤だが、作業着ではなく質の良さそうな服を着ている。
「ブラムのやつどこに行ったんだろうな」
「さあな。せっかく山から下りて来たのに、とんだ無駄足だぜ。贋作に手を染めた挙句に闇ギルドと組むなんて、ドワーフの面汚しだよ」
「領主の野郎もなんかおかしいしな。調査してくれっつっても、ちっとも動かねえ」
どうやらドワーフの横穴住まいらしい。口ぶりからして、メルディたちと同じようにブラムを捕まえに来たのだろう。千載一遇のチャンスに思わず立ち上がろうとした……が、レイに押し留められた。
「やめな、メルディ。同業者だったら、君の顔を知ってるかもしれないでしょ。今、ここで正体に気づかれるのは得策じゃないよ」
「知らない可能性もあるでしょ。見たところ役人じゃなさそうだし、目的が同じなら協力してもらえるかもしれないじゃない」
「あっ、こら!」
レイの手を振り払ってドワーフたちの席に近づく。足元には偽物の鎧。ビンゴだ。ドワーフたちは手に手にジョッキを持って、今後のことを話し合っているようだった。
「ブラムを探してるんですか? 私もそうなんです。少しお話聞かせてくれませんか?」
「あ? お嬢ちゃんが首を突っ込むことじゃねぇよ。パパとママのところに帰んな」
幸いにもメルディの顔は知らないようだ。突然現れた見知らぬ小娘に、ドワーフたちは一斉に警戒心を高めた。
鋭い目で睨まれ、心臓がどきどきする。けれど、ここで怯んではいられない。職人街の職人連中の顔を思い出しながら、にっこりと笑みを浮かべる。
「嫌です! 私、メルディさんのファンなんです! だから偽物が出回ってるなんて許せなくて、遥々首都からウィンストンまで来たんです!」
背後でレイが頭を抱える気配がした。ドワーフたちは一瞬呆気に取られた顔をすると、文字通り腹を抱えて笑い出した。
「ファン? ファンだと? おっかしなお嬢ちゃんだな。若いってな怖いねえ!」
「たまにいるんだよな。専門的な知識もねぇくせに、批評家ぶってるやつが。あんたみたいな娘っ子に、あの鎧の良さが本当にわかんのかい」
「馬鹿にしないで! こう見えても、私だって職人よ。目には自信を持ってるわ。たとえば、その鎧。例の偽物でしょ?」
被っていた猫を早々に脱ぎ、テーブルの下を指差す。ぴたりと笑うのを止めたドワーフたちが、太い眉を寄せ、探るようにメルディを見る。
それに負けじと胸を張って見返すと、五人の中で一番年長者っぽい黒髪黒目のドワーフが、口の端を吊り上げて「はっ」と笑った。
鋭い眼光。左頬に走った大きな傷。男らしく節張った手に太い両腕。レイやマルクとは正反対の、全体的にごつごつとした見た目をしている。何歳かはわからないが、相当修羅場を潜ってそうだ。
「口ではいくらでも言えらぁな。本物とどこが違うか説明してみな」
音を立ててテーブルの上に置かれた鎧を手に取り、じっくりと検分する。
偽物には違いないが、マルクが持っていた鎧と比べて質が悪い気がする。曲げ方も磨き方も模倣しきれていない。その上、これにはメルディの屋号紋がしっかりと刻まれていた。
数を作るうちに精度が増していったのだろうか。それとも、ブラム以外の人間が作ったのだろうか。
闇ギルドに組み込まれたのなら、個人ではなく複数で作った可能性もある。けれど、プライドが高そうなブラムがそんなことをするだろうか。
「おい、どうした。やっぱりわかんねぇのか?」
意地の悪い言い方に意識を引き戻され、すうっと息を吸う。人に何かを伝えたいときは、腹に力を入れて明瞭に話せとリリアナが言っていた。
「まず、ここ。肩のライン。本物はもうちょっと丸みを帯びてるわ。装着者の動きを阻害しないように、いっちばん気合い入ってるところだからね。あと、全体的に磨きが足りないから塗装が浮いちゃってる。それに何より、内部の魔法紋ね。これは右上がりになってるけど、本物は線を引いたようにまっすぐ。それはそれは綺麗な魔法紋なんだから。あとは……」
べらべらと捲し立てるメルディに、黒髪のドワーフが大きく肩を揺らして待ったをかけた。まるで爆弾が破裂したみたいな笑い声だ。耳が痛い。
「ああ、いい、いい。わかった。お嬢ちゃんの目は確かだよ。ここまで惚れ込んでもらえるなんざ、メルディって職人も幸せもんだな」
本人です、とは口が裂けても言えない。
「じゃあ、話してくれるの?」
「まあ、話してやってもいいけど、タダってわけにはいかねぇな」
「情報料が必要ってこと?」
ちら、と背後を伺う。レイはそっぽを向いていた。背中が静かに怒っている。
隣のグレイグはというと、心配そうに見守るロビンとは対照的に、面白い芝居を見るような目でこちらを見ていた。とてもお金を借りられる雰囲気ではない。メルディの手持ちで足りるだろうか。
「金なんかいらねぇよ。ドワーフを動かしたきゃ、あんたの腕を示しな。――おい」
さっと席を立ったドワーフの一人が二枚の鋼板と工具を手に戻ってきた。
近くの工房から借りてきたのだろう。見慣れた銀色の光沢――ストロディウム鋼だ。鉄とクロムの合金で、軽くて丈夫なのでデュラハンの鎧兜にもよく使われている。
「これで箱と円筒を作ってみな。ストロディウム鋼は丈夫な分、硬い。お嬢ちゃんの細腕でできるか?」
「女だからって舐めないでよね。受けてたとうじゃないの!」
お世辞にも綺麗とは言えない店の中、少々品のない笑い声があちこちで上がっている。
その一角で、メルディは料理が所狭しと並べられたテーブルに、だん、とジョッキを叩きつけた。
「こら、メルディ。うるさいよ。物に当たるのはやめな」
「だって! まさか、工房を燃やすなんて……」
「君が危惧したことが本当になっちゃったねえ」
ジンジャーエールのグラスを傾けながらレイが苦笑する。
「大方、マルクが逃げ出したのに気づいたんでしょ。首都の役人を連れて来られちゃ困るから証拠を隠滅したわけだ。さすが闇ギルドの連中。悪知恵が働くよ」
「褒めないでよ、レイさん。せっかく、ウィンストンにまで来たのにー!」
「お姉ちゃん、うるさいって。逃げられちゃったものは仕方ないじゃん。世の中、最初からうまくいくことなんてそうそうないんだよ」
うだうだと文句を垂れる姉に呆れた目を向け、グレイグは最後に残っていた唐揚げを顔の闇に放り込んだ。ひどい。狙ってたのに。
「何よ、冷たいわね。私に優しくしてくれるのはロビンだけよ」
ぴったりと寄り添う小さな体を抱きしめる。そんなメルディを男二人は冷めた目で見ている。
この場にマルクがいたらフォローしてくれたかもしれないが、さすがにショックだったらしく、先に二階で休んでいる。今日はみんな一人部屋なので、ゆっくり眠れるだろう。
「これからどうしよう? この街の警備隊に話しても無駄だよね?」
「逆に捕まる可能性があるね。マルクを餌にして誘き出すって手もあるけど」
「さすがにそれはちょっと……」
「言うと思った。なら、地道に情報収集するしかないね。ああいう裏社会の人間たちってのは縄張りがある。今まで築き上げた土台を失うのは惜しいだろうし、ウィンストンからそう離れてはないはずだ」
ウィンストンを離れれば離れるほど、鎧を作るコストは増えていく。ここほど工業資材が安いところはないからだ。役所が腐敗しているというのなら、アジトの場所を変えるだけで事足りると考えてもおかしくはない。
「……家に帰らないのかって聞かないの?」
「聞いてほしいの? どうせ送り返しても、戻ってくるつもりなんでしょ。一人で無茶されるより、目の届くところにいてくれた方がマシだよ」
全て見透かされている。
黙ってジョッキをあおっていると、ふいにいがらっぽい声が聞こえてきた。ずんぐりした体型にもじゃもじゃの髭――ドワーフだ。
人数は五人。炉の火で焼けたのか、みんな顔は真っ赤だが、作業着ではなく質の良さそうな服を着ている。
「ブラムのやつどこに行ったんだろうな」
「さあな。せっかく山から下りて来たのに、とんだ無駄足だぜ。贋作に手を染めた挙句に闇ギルドと組むなんて、ドワーフの面汚しだよ」
「領主の野郎もなんかおかしいしな。調査してくれっつっても、ちっとも動かねえ」
どうやらドワーフの横穴住まいらしい。口ぶりからして、メルディたちと同じようにブラムを捕まえに来たのだろう。千載一遇のチャンスに思わず立ち上がろうとした……が、レイに押し留められた。
「やめな、メルディ。同業者だったら、君の顔を知ってるかもしれないでしょ。今、ここで正体に気づかれるのは得策じゃないよ」
「知らない可能性もあるでしょ。見たところ役人じゃなさそうだし、目的が同じなら協力してもらえるかもしれないじゃない」
「あっ、こら!」
レイの手を振り払ってドワーフたちの席に近づく。足元には偽物の鎧。ビンゴだ。ドワーフたちは手に手にジョッキを持って、今後のことを話し合っているようだった。
「ブラムを探してるんですか? 私もそうなんです。少しお話聞かせてくれませんか?」
「あ? お嬢ちゃんが首を突っ込むことじゃねぇよ。パパとママのところに帰んな」
幸いにもメルディの顔は知らないようだ。突然現れた見知らぬ小娘に、ドワーフたちは一斉に警戒心を高めた。
鋭い目で睨まれ、心臓がどきどきする。けれど、ここで怯んではいられない。職人街の職人連中の顔を思い出しながら、にっこりと笑みを浮かべる。
「嫌です! 私、メルディさんのファンなんです! だから偽物が出回ってるなんて許せなくて、遥々首都からウィンストンまで来たんです!」
背後でレイが頭を抱える気配がした。ドワーフたちは一瞬呆気に取られた顔をすると、文字通り腹を抱えて笑い出した。
「ファン? ファンだと? おっかしなお嬢ちゃんだな。若いってな怖いねえ!」
「たまにいるんだよな。専門的な知識もねぇくせに、批評家ぶってるやつが。あんたみたいな娘っ子に、あの鎧の良さが本当にわかんのかい」
「馬鹿にしないで! こう見えても、私だって職人よ。目には自信を持ってるわ。たとえば、その鎧。例の偽物でしょ?」
被っていた猫を早々に脱ぎ、テーブルの下を指差す。ぴたりと笑うのを止めたドワーフたちが、太い眉を寄せ、探るようにメルディを見る。
それに負けじと胸を張って見返すと、五人の中で一番年長者っぽい黒髪黒目のドワーフが、口の端を吊り上げて「はっ」と笑った。
鋭い眼光。左頬に走った大きな傷。男らしく節張った手に太い両腕。レイやマルクとは正反対の、全体的にごつごつとした見た目をしている。何歳かはわからないが、相当修羅場を潜ってそうだ。
「口ではいくらでも言えらぁな。本物とどこが違うか説明してみな」
音を立ててテーブルの上に置かれた鎧を手に取り、じっくりと検分する。
偽物には違いないが、マルクが持っていた鎧と比べて質が悪い気がする。曲げ方も磨き方も模倣しきれていない。その上、これにはメルディの屋号紋がしっかりと刻まれていた。
数を作るうちに精度が増していったのだろうか。それとも、ブラム以外の人間が作ったのだろうか。
闇ギルドに組み込まれたのなら、個人ではなく複数で作った可能性もある。けれど、プライドが高そうなブラムがそんなことをするだろうか。
「おい、どうした。やっぱりわかんねぇのか?」
意地の悪い言い方に意識を引き戻され、すうっと息を吸う。人に何かを伝えたいときは、腹に力を入れて明瞭に話せとリリアナが言っていた。
「まず、ここ。肩のライン。本物はもうちょっと丸みを帯びてるわ。装着者の動きを阻害しないように、いっちばん気合い入ってるところだからね。あと、全体的に磨きが足りないから塗装が浮いちゃってる。それに何より、内部の魔法紋ね。これは右上がりになってるけど、本物は線を引いたようにまっすぐ。それはそれは綺麗な魔法紋なんだから。あとは……」
べらべらと捲し立てるメルディに、黒髪のドワーフが大きく肩を揺らして待ったをかけた。まるで爆弾が破裂したみたいな笑い声だ。耳が痛い。
「ああ、いい、いい。わかった。お嬢ちゃんの目は確かだよ。ここまで惚れ込んでもらえるなんざ、メルディって職人も幸せもんだな」
本人です、とは口が裂けても言えない。
「じゃあ、話してくれるの?」
「まあ、話してやってもいいけど、タダってわけにはいかねぇな」
「情報料が必要ってこと?」
ちら、と背後を伺う。レイはそっぽを向いていた。背中が静かに怒っている。
隣のグレイグはというと、心配そうに見守るロビンとは対照的に、面白い芝居を見るような目でこちらを見ていた。とてもお金を借りられる雰囲気ではない。メルディの手持ちで足りるだろうか。
「金なんかいらねぇよ。ドワーフを動かしたきゃ、あんたの腕を示しな。――おい」
さっと席を立ったドワーフの一人が二枚の鋼板と工具を手に戻ってきた。
近くの工房から借りてきたのだろう。見慣れた銀色の光沢――ストロディウム鋼だ。鉄とクロムの合金で、軽くて丈夫なのでデュラハンの鎧兜にもよく使われている。
「これで箱と円筒を作ってみな。ストロディウム鋼は丈夫な分、硬い。お嬢ちゃんの細腕でできるか?」
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