15 / 88
1幕 大団円目指して頑張ります!
15場 馬宿の怪②
しおりを挟む
「何もいないですけど……」
階段を登った先、夕日がよく差す廊下の真ん中でメルディは困惑の声を上げた。
背後には怯える大の男二人。そして一緒についてきた女将さんと仲間たち。
ここにいないのはレイだけだ。化け物騒ぎに興味がないのか、ロビーで新聞片手にコーヒーを飲んでいる。
「嘘じゃないって! 何か動いてたのが見えたんだ! でっかい熊みたいな!」
「もし熊が出たら、私たち今頃食べられてると思いますよ……?」
「じゃあ、きっと悪霊かなんかだよ! 俺たちが部屋に入ろうとしたら、すうって音もなく現れたんだ!」
詳しく聞くと、客室のドアノブに手をかけた瞬間、一番奥の客室のドアがひとりでに開き、中から巨大な熊のシルエットが伸びてきたらしい。
慌てて逃げたので本体は見ていないが、とても幻とは思えなかったという。
「女将さんには悪いけど、俺たちは別の宿に行くよ。さっきから寒気もするし、気持ち悪くてとてもいられない」
「ええ……。お客さん、ちょっと!」
制止する間もなく、男二人は宿を飛び出していった。その場にいる全員が呆気に取られた顔をする。
念の為にもう一度チェックしたが、化け物の気配があるはずもなく、廊下の突き当たりの出窓に熊のぬいぐるみが座っているだけだった。
大きさはメルディの顔よりも一回り小さいぐらい。窓から差し込む夕日で床に大きな影を作っているが、さすがにこれを見間違うことはないだろう。
動くぬいぐるみのマーガレットに似ているものの、こちらの方がかなり古いし、ややリアルである。女将さん曰く、この宿ができたときからここにあるそうだ。
「かれこれ、二百年以上は前かねえ。経緯はわからないけど、誰かにもらったらしいんだよ。黒髪黒目のエキゾチックな容貌だったって聞くけど、異国の人だったのかもね。ここは旅の中継地点だから」
「二百年前っていうと……。この宿はモルガン戦争を乗り越えてきたんですか?」
メルディの問いに、女将さんは「そうだよ」と頷いた。
「不思議と魔物に襲われなかったみたいでね。ひょっとしたらこのぬいぐるみのご利益かもしれないってんで、先祖代々大事にしてるのさ」
「へえー。ひょっとして、このぬいぐるみが動いたんだったりして。ねえ、グレイグ」
「まさか。そこら中に動くぬいぐるみがごろごろ転がってるわけないよ」
「もし、そうなら私は嬉しいけどねえ。お客さまを驚かせるのは、女将としていただけないけど」
和やかに話すメルディたちから少し離れたところで、マルクがうめき声をあげる。彼はついてきたものの、こちらには近寄れない様子だった。
「マルク、大丈夫? 顔がすごく青いけど」
「ごめん。俺、こういう話苦手で……。師匠にもよくからかわれてたんだ」
情けないよね、と笑顔を浮かべようとするが、口元が引き攣っているし、声も震えている。本当に怖いのだろう。見ているだけで気の毒になってきた。
「何もなさそうだし、そろそろ下に戻ろっか。明日に備えてゆっくり休まないとね」
「ごめんねえ。せっかく来てくれたのにお騒がせしちゃって。お詫びに雪うさぎをデザートに出すよ」
「えー! やった! 嬉しい!」
雪うさぎとは、白いスポンジケーキに包まれた生クリームの中に、凍った苺が入っている北方名物の激うまスイーツである。
一気にテンションを上げるメルディに、女将さんが目を細める。
「お客さんの喜ぶ顔が見たくて、この宿をやってるんだ。悪霊なんているはずがないよ。安心しておくれ」
草木も眠る丑三つ時。メルディはふいにお手洗いに行きたくなってしまった。寝る前に紅茶をたくさん飲んだのがいけなかったのだろうか。
グレイグを起こそうとしたが、ぐっすりすやすや寝息をたてているのを見ると気が引けてしまう。この歳でトイレについてきてくれって言うのも恥ずかしいし。
古い宿には共用のトイレしかない。つつがなく用を終えると、今度は目が冴えてきた。
よくない傾向だ。このまま部屋に戻っても、きっと眠れない。かといって遠く離れるわけにもいかない。
「……ロビーで雑誌でも読もうかな」
メルディたちの部屋は一階なので、うっかり階段を転げ落ちる心配はない。
穏やかな光を放つ魔石灯を頼りに棚の中を探す。そこでふと、視界の端に黒い何かがいることに気づいた。
「っ!」
夕方の悪霊騒ぎが脳裏をよぎり、悲鳴を上げそうになる。その気配に気づいたのか、黒い何かがゆっくりと近づいてきた。
「メルディ、俺だよ」
「マルク? どうしたの、こんな夜中に」
「もうすぐウィンストンだと思うと、なんか眠れなくてさ……」
明かりの中にぼんやりと浮かび上がったマルクは、まるで迷子のように不安げに見えた。
「……ちょっと座ろっか?」
昨日と同じように、ソファに並んで腰掛ける。今回も一応距離は開けたが、すぐに詰められた。それどころか肩と肩をくっつけられ、一気に体温が上昇する。
「あ、あの、ちょっと近くない?」
「嫌?」
「嫌っていうか……。また弟に怒られちゃうし」
「……メルディはさ。レイさんのことが好きなんでしょ?」
びくっと肩が跳ねた。これでは「そうだ」と言ってるようなものである。黙ったままのメルディに、マルクが切ない吐息をこぼす。
「やっぱり。ずっと気にしてるもんね。最初に会ったときから、そうじゃないかって思ってた」
「……ごめんなさい。だから私、あなたの気持ちには――」
「待って。その先は言わないで。旅はまだ終わってない。最後まで足掻かせてよ」
「なんでそこまで……。私の何がそんなに好きなの……?」
それは傲慢なセリフだったかもしれない。けれど、マルクは優しい声で答えてくれた。
「太陽みたいに明るい笑顔。得体の知れない俺を気遣ってくれる優しさ。それに、職人としての矜持と腕前。君みたいな人に出会ったのは初めてなんだ、メルディ」
まっすぐに見つめられて、息が苦しくなる。なんだか眩暈もしてきた。
とてもマルクの顔を見ていられない。両手で顔を覆い隠すメルディに、マルクは静かに言葉を続けた。
「これはお節介かもしれないけどさ。エルフとヒト種の恋はうまくいかないよ」
「……どうしてそんなことが言えるの」
「俺の母親はハーフエルフだった」
心臓を掴まれたような衝撃が走った。
顔を上げてマルクを見つめると、彼は悲しげに目を細めた。レイと同じ、緑色の瞳を。
「寿命も魔力も受け継げなかったけど、この目だけは母親の遺伝なんだ。とても綺麗な人でね。自慢の母親だった」
何も言えずにいるメルディに、マルクがさらに言葉を続ける。
「……でも、父親にとってはそうじゃなかったんだ。母親が浮気してないか常に疑ってたし、少し帰りが遅くなっただけで暴力を振るったりした。挙句に、老いていく自分を見られたくないって、突然家を出ていっちゃったんだよ」
「そんな……」
マルクの声がわんわんと頭の中に響く。まるで虫の羽音みたいだ。このままだと自分が自分でなくなりそうな気がする。
「ひどいこと言ってるってわかってる。でも、寿命が違う種族同士の恋愛なんて悲劇を生むだけだよ。俺は君に悲しんでもらいたくない」
「わ、私とレイさんがそうなるかなんて、わからないじゃない。先に老いていくのも覚悟の上だし、嫉妬なんて……」
「俺、スライムのダンジョンで、レイさんに『メルディに本気になっていいですか』って聞いたんだ」
目を見開く。二人で連れ立ってトイレに行っていたときだろうか。そんな素振りちっとも見せやしなかったのに。
「なんて? なんて言ってたの?」
体が震え、背中に汗が伝っていく。距離感を保つことも忘れて、メルディはマルクに縋りついた。
「それが……。『好きにしなよ』って言われたよ」
喉をしめられたような感覚がした。声もなく涙をこぼすメルディの頬に、マルクが手を伸ばす。
そのとき、二階から物音が聞こえた。
階段を登った先、夕日がよく差す廊下の真ん中でメルディは困惑の声を上げた。
背後には怯える大の男二人。そして一緒についてきた女将さんと仲間たち。
ここにいないのはレイだけだ。化け物騒ぎに興味がないのか、ロビーで新聞片手にコーヒーを飲んでいる。
「嘘じゃないって! 何か動いてたのが見えたんだ! でっかい熊みたいな!」
「もし熊が出たら、私たち今頃食べられてると思いますよ……?」
「じゃあ、きっと悪霊かなんかだよ! 俺たちが部屋に入ろうとしたら、すうって音もなく現れたんだ!」
詳しく聞くと、客室のドアノブに手をかけた瞬間、一番奥の客室のドアがひとりでに開き、中から巨大な熊のシルエットが伸びてきたらしい。
慌てて逃げたので本体は見ていないが、とても幻とは思えなかったという。
「女将さんには悪いけど、俺たちは別の宿に行くよ。さっきから寒気もするし、気持ち悪くてとてもいられない」
「ええ……。お客さん、ちょっと!」
制止する間もなく、男二人は宿を飛び出していった。その場にいる全員が呆気に取られた顔をする。
念の為にもう一度チェックしたが、化け物の気配があるはずもなく、廊下の突き当たりの出窓に熊のぬいぐるみが座っているだけだった。
大きさはメルディの顔よりも一回り小さいぐらい。窓から差し込む夕日で床に大きな影を作っているが、さすがにこれを見間違うことはないだろう。
動くぬいぐるみのマーガレットに似ているものの、こちらの方がかなり古いし、ややリアルである。女将さん曰く、この宿ができたときからここにあるそうだ。
「かれこれ、二百年以上は前かねえ。経緯はわからないけど、誰かにもらったらしいんだよ。黒髪黒目のエキゾチックな容貌だったって聞くけど、異国の人だったのかもね。ここは旅の中継地点だから」
「二百年前っていうと……。この宿はモルガン戦争を乗り越えてきたんですか?」
メルディの問いに、女将さんは「そうだよ」と頷いた。
「不思議と魔物に襲われなかったみたいでね。ひょっとしたらこのぬいぐるみのご利益かもしれないってんで、先祖代々大事にしてるのさ」
「へえー。ひょっとして、このぬいぐるみが動いたんだったりして。ねえ、グレイグ」
「まさか。そこら中に動くぬいぐるみがごろごろ転がってるわけないよ」
「もし、そうなら私は嬉しいけどねえ。お客さまを驚かせるのは、女将としていただけないけど」
和やかに話すメルディたちから少し離れたところで、マルクがうめき声をあげる。彼はついてきたものの、こちらには近寄れない様子だった。
「マルク、大丈夫? 顔がすごく青いけど」
「ごめん。俺、こういう話苦手で……。師匠にもよくからかわれてたんだ」
情けないよね、と笑顔を浮かべようとするが、口元が引き攣っているし、声も震えている。本当に怖いのだろう。見ているだけで気の毒になってきた。
「何もなさそうだし、そろそろ下に戻ろっか。明日に備えてゆっくり休まないとね」
「ごめんねえ。せっかく来てくれたのにお騒がせしちゃって。お詫びに雪うさぎをデザートに出すよ」
「えー! やった! 嬉しい!」
雪うさぎとは、白いスポンジケーキに包まれた生クリームの中に、凍った苺が入っている北方名物の激うまスイーツである。
一気にテンションを上げるメルディに、女将さんが目を細める。
「お客さんの喜ぶ顔が見たくて、この宿をやってるんだ。悪霊なんているはずがないよ。安心しておくれ」
草木も眠る丑三つ時。メルディはふいにお手洗いに行きたくなってしまった。寝る前に紅茶をたくさん飲んだのがいけなかったのだろうか。
グレイグを起こそうとしたが、ぐっすりすやすや寝息をたてているのを見ると気が引けてしまう。この歳でトイレについてきてくれって言うのも恥ずかしいし。
古い宿には共用のトイレしかない。つつがなく用を終えると、今度は目が冴えてきた。
よくない傾向だ。このまま部屋に戻っても、きっと眠れない。かといって遠く離れるわけにもいかない。
「……ロビーで雑誌でも読もうかな」
メルディたちの部屋は一階なので、うっかり階段を転げ落ちる心配はない。
穏やかな光を放つ魔石灯を頼りに棚の中を探す。そこでふと、視界の端に黒い何かがいることに気づいた。
「っ!」
夕方の悪霊騒ぎが脳裏をよぎり、悲鳴を上げそうになる。その気配に気づいたのか、黒い何かがゆっくりと近づいてきた。
「メルディ、俺だよ」
「マルク? どうしたの、こんな夜中に」
「もうすぐウィンストンだと思うと、なんか眠れなくてさ……」
明かりの中にぼんやりと浮かび上がったマルクは、まるで迷子のように不安げに見えた。
「……ちょっと座ろっか?」
昨日と同じように、ソファに並んで腰掛ける。今回も一応距離は開けたが、すぐに詰められた。それどころか肩と肩をくっつけられ、一気に体温が上昇する。
「あ、あの、ちょっと近くない?」
「嫌?」
「嫌っていうか……。また弟に怒られちゃうし」
「……メルディはさ。レイさんのことが好きなんでしょ?」
びくっと肩が跳ねた。これでは「そうだ」と言ってるようなものである。黙ったままのメルディに、マルクが切ない吐息をこぼす。
「やっぱり。ずっと気にしてるもんね。最初に会ったときから、そうじゃないかって思ってた」
「……ごめんなさい。だから私、あなたの気持ちには――」
「待って。その先は言わないで。旅はまだ終わってない。最後まで足掻かせてよ」
「なんでそこまで……。私の何がそんなに好きなの……?」
それは傲慢なセリフだったかもしれない。けれど、マルクは優しい声で答えてくれた。
「太陽みたいに明るい笑顔。得体の知れない俺を気遣ってくれる優しさ。それに、職人としての矜持と腕前。君みたいな人に出会ったのは初めてなんだ、メルディ」
まっすぐに見つめられて、息が苦しくなる。なんだか眩暈もしてきた。
とてもマルクの顔を見ていられない。両手で顔を覆い隠すメルディに、マルクは静かに言葉を続けた。
「これはお節介かもしれないけどさ。エルフとヒト種の恋はうまくいかないよ」
「……どうしてそんなことが言えるの」
「俺の母親はハーフエルフだった」
心臓を掴まれたような衝撃が走った。
顔を上げてマルクを見つめると、彼は悲しげに目を細めた。レイと同じ、緑色の瞳を。
「寿命も魔力も受け継げなかったけど、この目だけは母親の遺伝なんだ。とても綺麗な人でね。自慢の母親だった」
何も言えずにいるメルディに、マルクがさらに言葉を続ける。
「……でも、父親にとってはそうじゃなかったんだ。母親が浮気してないか常に疑ってたし、少し帰りが遅くなっただけで暴力を振るったりした。挙句に、老いていく自分を見られたくないって、突然家を出ていっちゃったんだよ」
「そんな……」
マルクの声がわんわんと頭の中に響く。まるで虫の羽音みたいだ。このままだと自分が自分でなくなりそうな気がする。
「ひどいこと言ってるってわかってる。でも、寿命が違う種族同士の恋愛なんて悲劇を生むだけだよ。俺は君に悲しんでもらいたくない」
「わ、私とレイさんがそうなるかなんて、わからないじゃない。先に老いていくのも覚悟の上だし、嫉妬なんて……」
「俺、スライムのダンジョンで、レイさんに『メルディに本気になっていいですか』って聞いたんだ」
目を見開く。二人で連れ立ってトイレに行っていたときだろうか。そんな素振りちっとも見せやしなかったのに。
「なんて? なんて言ってたの?」
体が震え、背中に汗が伝っていく。距離感を保つことも忘れて、メルディはマルクに縋りついた。
「それが……。『好きにしなよ』って言われたよ」
喉をしめられたような感覚がした。声もなく涙をこぼすメルディの頬に、マルクが手を伸ばす。
そのとき、二階から物音が聞こえた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから
甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。
であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。
だが、
「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」
婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。
そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。
気がつけば、セリアは全てを失っていた。
今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。
さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。
失意のどん底に陥ることになる。
ただ、そんな時だった。
セリアの目の前に、かつての親友が現れた。
大国シュリナの雄。
ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。
彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。

筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。

ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる