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1幕 大団円目指して頑張ります!
12場 スライムだらけのダンジョン②
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闇が晴れても、そこは闇の中だった。
ヒカリゴケが淡く黄緑色に光っているものの、自分の手元すら見えない。体を動かしても痛みはないから、怪我はしてなさそうだ。
「ここ、どこ……?」
声が反響して消えていく。全体像はわからないが、広い空間のようだ。どう見ても、さっき休憩していた場所じゃない。
メルディを包んだ闇は、ドワーフが残した転送魔法装置だったのだろう。危ないから壁にはもたれるなと言われていたのに、うかつに触れた自分が嫌になる。
「メルディ? どこにいるの?」
「マルク? 一緒に来てるの? ちょっと待ってね。魔石灯をつけるから」
触感を頼りにポーチの中から筒形の魔石灯を取り出し、スイッチを押す。先端の丸いレンズから白い光が放たれ、ほんの少しだけ周囲を明るくする。
それを目印に、こちらへ駆けてくる足音が聞こえた。闇に溶けた黒髪の下、光を反射して煌めく緑の目にほっと胸を撫で下ろす。
「ごめん、巻き込んじゃって……。無事? どこも怪我してない?」
「俺は大丈夫。メルディは?」
「私も大丈夫。とりあえず座ろっか。無闇に歩くと危ないもんね」
それぞれ身につけていたマントを床に広げ、並んで腰を下ろす。幸いにも、床はぬかるんでいなかった。
むしろ硬いというか……きちんと整備された床の感触がする。レイが言っていたドワーフの横穴だろうか。
「メルディが明かりを持っててくれて助かったよ。俺のは森で落としちゃったから」
「もうちょっと光量があればよかったんだけどね。閃光弾だったらあるんだけど、一瞬だけ明るくなってもなあ」
「閃光弾? いくつある?」
なけなしの給料をはたいたので、まだ三つはある。そう答えると、マルクは魔法紋を改造して即席の照明を作ってみると言った。
「そんなことできるの?」
「わからないけど、やってみる。武器には魔法紋のロックがかかってないことが多いし……。要は一瞬だけ強く光るのを、長持ちさせればいいんだから……」
ぶつぶつ呟きながら、マルクが閃光弾を分解していく。幸いにもロックはかかっていなかったようだ。腰から抜いた短剣でガリガリと魔法紋を書き換える手元を照らしつつ、ほうっと息をつく。
「その短剣、すごく綺麗だよね。もしかして、お師匠さんが作ったの?」
偽物を作られた立場なので複雑な気持ちだが、技術に罪はない。メルディも武器は作れるが、いかんせん専門外だ。勉強できる機会は逃したくない。
「これ? 俺が作ったやつだよ」
「本当? すごいよ、マルク! 私、武器はまだまだ修行中なんだ。火の色の見極めってどうやってるの? 磨きのコツってある?」
マルクに詰め寄ろうとしたところで、グレイグの呆れた顔が脳裏をよぎり、はっと我に返った。
「ごめん、馴れ馴れしかったね。さっき弟にも注意されたばっかりなの。距離感を考えろって」
「なんで? そんな風に思ったことないよ。俺は嬉しかったけどな。たくさん話しかけてくれたおかげで、だいぶ気が楽になったし。それに……メルディは可愛いし」
「えっ」
思わず声がひっくり返った。父親を除けば、男の人に可愛いなんて言われたのは初めてだ。
子供の頃はレイも言ってくれたが、思春期を迎えた頃から、どんなに着飾っても言ってくれなくなった。だから自分で自分に言い聞かせてきたのだ。「私は可愛い! 大丈夫!」と。
「どうして驚くの? よく言われない? 彼氏だっているんでしょ?」
彼氏になってほしい人はいるが、袖にされ続けている。苦笑して首を横に振る。
「鉄とコークスの匂いが染み付いた女を、可愛いなんて言ってくれる人いないよ」
「なんだ、首都の男って見る目ないな。メルディみたいな子をほっとくなんて」
「そ、そういうマルクだって、彼女いるでしょ? なんかモテそうだし……。そんなお世辞さらっと言えちゃうんだもん」
「お世辞じゃないって。彼女もいないよ。今まで腕を磨くことで精一杯だったし、俺は……師匠とずっと二人でいられたら、それでよかったんだ」
悲しそうに呟くマルクに胸が痛くなる。工房への愛情も、師匠への愛情もよくわかるからこそ、余計にブラムへの怒りが湧く。
「大丈夫よ。レイさんが魔法紋を解析してすぐに迎えに来てくれる。そしたら、さっさとこんな洞窟を出て、お師匠さんを殴りに行きましょ!」
握り拳を掲げると、マルクは眉を下げて笑った。
「勇ましいなあ。……レイさんのこと、信頼してるんだね」
「もちろん。子供の頃からずっとそばにいるからね」
「でも、向こうはどうなんだろう? メルディのこと、信頼してくれてるのかな? 子供じゃなく、大人として」
胸の奥がずきりと痛んだ。メルディが傷ついたことに気づいたらしい。短剣を動かす手を止め、マルクが慌てて言葉を続ける。
「ごめん。無神経なこと言って。俺、いつもこんなだから、よく師匠に怒られるんだ」
「ううん、マルクの言う通りなの。レイさんの中では、私はまだ小さな子供。でも、いつまでもそうとは限らないじゃない? 一日でも早く、大人だって認めてもらえるように頑張るわ。最後まで諦めないのが私の才能なの!」
高らかに宣言して胸を張る。メルディの負けん気は父親譲りなのだ。
「メルディは強いな。羨ましくなるくらい。……ほら、できたよ」
マルクの手の中から、閃光弾だったものがふわりと浮かんで光を放った。一つ一つは淡い光だが、三つ合わせると結構明るい。おかげで周囲の様子がよくわかる。
ここはドワーフたちの作業場だったようだ。ところどころに、朽ちた作業台や棚、そして崩れかけた炉が残されているのが見える。
「さすがドワーフ。すごく大きくて立派な炉だね。うちの工房もこれだけあったら、なんでも作れるのに」
「個人の小さな工房じゃ、なかなか難しいよね。どうしても火力がほしいときは、大きな工房に頼んで貸してもらうよ」
「うちもだ。どこも同じだねえ」
小さな工房あるあるに、どちらともなく笑みがこぼれた。
「それにしても、どうしてここに転送するようにしたんだろう。侵入者を中心部に呼び寄せたら危なくない?」
「みんなで叩きのめすためだよ。外に出したって、また戻ってくるかもしれないしさ。それなら戦意喪失させて役所に引き渡した方が確実だから」
「ええ……。ドワーフって結構好戦的なんだ。ウィンストンに行ったら気をつけよう」
「一緒に酒さえ飲めば、気がいい人たちなんだけどね」
お酒か。成人になったと同時に解禁したが、飲兵衛の父親の血を引いたのか、今のところ酔った覚えはない。記憶に刻んでおこう。
そのとき、作業所の奥の方から何かが近づいてくる音がした。人間の足音ではない。ずるり、ずるり、と重たいものを引きずるような音である。
嫌な予感に顔を強張らせながら、その場に立ち上がり、音がする方に光を向ける。次の瞬間、メルディの全身に鳥肌がたった。
「ビ、ビッグスライム!」
天井につきそうなほどの巨体がゆっくりと近づいてくる。
スライムには目も耳も鼻もないが、体表にまとう魔力で対象を感知することができる。闇魔法で気配を遮断しない限り、どこまでも追ってくるだろう。そもそも逃げ場がない。
「メルディ! 他に何か武器持ってる⁉︎」
短剣を構えたマルクが叫ぶ。はっと我に返って腰のポーチを探ったが、洞窟では使えない火炎弾だけだった。お金がなくて、高い雷光弾や氷結弾は買えなかったのだ。
「この剣しかない! 一か八か、やるしかないわ!」
自分を鼓舞するように叫んで、セレネス鋼製の短剣を鞘から抜き放つ。
明かりに反射して光る剣身に、マルクが息を飲んだ。どことなく顔が青い気がするが、人のことは言えない。メルディだって、気を抜くと今にも倒れそうなのだから。
「く、来るなら来なさいよ! この剣の錆にしてやる!」
「馬鹿なこと言うんじゃないの」
聞き慣れた声と共に、パン、と風船が破裂するような音がしてスライムが弾け飛んだ。
いや、正確には分裂したのだ。小さくなったスライムたちが、ざざざ、と一斉に来た道を這って行く姿に子供の頃のトラウマが蘇り、へなへなと腰が抜けた。
「お姉ちゃん、大丈夫? 生きてる?」
「アルティも巻き込まれ体質だけど、君も相当だね。そんなとこ似なくていいんだよ」
暗闇の中から差し伸ばされた手は、街で迷子になったときと同じく、とても頼もしかった。
ヒカリゴケが淡く黄緑色に光っているものの、自分の手元すら見えない。体を動かしても痛みはないから、怪我はしてなさそうだ。
「ここ、どこ……?」
声が反響して消えていく。全体像はわからないが、広い空間のようだ。どう見ても、さっき休憩していた場所じゃない。
メルディを包んだ闇は、ドワーフが残した転送魔法装置だったのだろう。危ないから壁にはもたれるなと言われていたのに、うかつに触れた自分が嫌になる。
「メルディ? どこにいるの?」
「マルク? 一緒に来てるの? ちょっと待ってね。魔石灯をつけるから」
触感を頼りにポーチの中から筒形の魔石灯を取り出し、スイッチを押す。先端の丸いレンズから白い光が放たれ、ほんの少しだけ周囲を明るくする。
それを目印に、こちらへ駆けてくる足音が聞こえた。闇に溶けた黒髪の下、光を反射して煌めく緑の目にほっと胸を撫で下ろす。
「ごめん、巻き込んじゃって……。無事? どこも怪我してない?」
「俺は大丈夫。メルディは?」
「私も大丈夫。とりあえず座ろっか。無闇に歩くと危ないもんね」
それぞれ身につけていたマントを床に広げ、並んで腰を下ろす。幸いにも、床はぬかるんでいなかった。
むしろ硬いというか……きちんと整備された床の感触がする。レイが言っていたドワーフの横穴だろうか。
「メルディが明かりを持っててくれて助かったよ。俺のは森で落としちゃったから」
「もうちょっと光量があればよかったんだけどね。閃光弾だったらあるんだけど、一瞬だけ明るくなってもなあ」
「閃光弾? いくつある?」
なけなしの給料をはたいたので、まだ三つはある。そう答えると、マルクは魔法紋を改造して即席の照明を作ってみると言った。
「そんなことできるの?」
「わからないけど、やってみる。武器には魔法紋のロックがかかってないことが多いし……。要は一瞬だけ強く光るのを、長持ちさせればいいんだから……」
ぶつぶつ呟きながら、マルクが閃光弾を分解していく。幸いにもロックはかかっていなかったようだ。腰から抜いた短剣でガリガリと魔法紋を書き換える手元を照らしつつ、ほうっと息をつく。
「その短剣、すごく綺麗だよね。もしかして、お師匠さんが作ったの?」
偽物を作られた立場なので複雑な気持ちだが、技術に罪はない。メルディも武器は作れるが、いかんせん専門外だ。勉強できる機会は逃したくない。
「これ? 俺が作ったやつだよ」
「本当? すごいよ、マルク! 私、武器はまだまだ修行中なんだ。火の色の見極めってどうやってるの? 磨きのコツってある?」
マルクに詰め寄ろうとしたところで、グレイグの呆れた顔が脳裏をよぎり、はっと我に返った。
「ごめん、馴れ馴れしかったね。さっき弟にも注意されたばっかりなの。距離感を考えろって」
「なんで? そんな風に思ったことないよ。俺は嬉しかったけどな。たくさん話しかけてくれたおかげで、だいぶ気が楽になったし。それに……メルディは可愛いし」
「えっ」
思わず声がひっくり返った。父親を除けば、男の人に可愛いなんて言われたのは初めてだ。
子供の頃はレイも言ってくれたが、思春期を迎えた頃から、どんなに着飾っても言ってくれなくなった。だから自分で自分に言い聞かせてきたのだ。「私は可愛い! 大丈夫!」と。
「どうして驚くの? よく言われない? 彼氏だっているんでしょ?」
彼氏になってほしい人はいるが、袖にされ続けている。苦笑して首を横に振る。
「鉄とコークスの匂いが染み付いた女を、可愛いなんて言ってくれる人いないよ」
「なんだ、首都の男って見る目ないな。メルディみたいな子をほっとくなんて」
「そ、そういうマルクだって、彼女いるでしょ? なんかモテそうだし……。そんなお世辞さらっと言えちゃうんだもん」
「お世辞じゃないって。彼女もいないよ。今まで腕を磨くことで精一杯だったし、俺は……師匠とずっと二人でいられたら、それでよかったんだ」
悲しそうに呟くマルクに胸が痛くなる。工房への愛情も、師匠への愛情もよくわかるからこそ、余計にブラムへの怒りが湧く。
「大丈夫よ。レイさんが魔法紋を解析してすぐに迎えに来てくれる。そしたら、さっさとこんな洞窟を出て、お師匠さんを殴りに行きましょ!」
握り拳を掲げると、マルクは眉を下げて笑った。
「勇ましいなあ。……レイさんのこと、信頼してるんだね」
「もちろん。子供の頃からずっとそばにいるからね」
「でも、向こうはどうなんだろう? メルディのこと、信頼してくれてるのかな? 子供じゃなく、大人として」
胸の奥がずきりと痛んだ。メルディが傷ついたことに気づいたらしい。短剣を動かす手を止め、マルクが慌てて言葉を続ける。
「ごめん。無神経なこと言って。俺、いつもこんなだから、よく師匠に怒られるんだ」
「ううん、マルクの言う通りなの。レイさんの中では、私はまだ小さな子供。でも、いつまでもそうとは限らないじゃない? 一日でも早く、大人だって認めてもらえるように頑張るわ。最後まで諦めないのが私の才能なの!」
高らかに宣言して胸を張る。メルディの負けん気は父親譲りなのだ。
「メルディは強いな。羨ましくなるくらい。……ほら、できたよ」
マルクの手の中から、閃光弾だったものがふわりと浮かんで光を放った。一つ一つは淡い光だが、三つ合わせると結構明るい。おかげで周囲の様子がよくわかる。
ここはドワーフたちの作業場だったようだ。ところどころに、朽ちた作業台や棚、そして崩れかけた炉が残されているのが見える。
「さすがドワーフ。すごく大きくて立派な炉だね。うちの工房もこれだけあったら、なんでも作れるのに」
「個人の小さな工房じゃ、なかなか難しいよね。どうしても火力がほしいときは、大きな工房に頼んで貸してもらうよ」
「うちもだ。どこも同じだねえ」
小さな工房あるあるに、どちらともなく笑みがこぼれた。
「それにしても、どうしてここに転送するようにしたんだろう。侵入者を中心部に呼び寄せたら危なくない?」
「みんなで叩きのめすためだよ。外に出したって、また戻ってくるかもしれないしさ。それなら戦意喪失させて役所に引き渡した方が確実だから」
「ええ……。ドワーフって結構好戦的なんだ。ウィンストンに行ったら気をつけよう」
「一緒に酒さえ飲めば、気がいい人たちなんだけどね」
お酒か。成人になったと同時に解禁したが、飲兵衛の父親の血を引いたのか、今のところ酔った覚えはない。記憶に刻んでおこう。
そのとき、作業所の奥の方から何かが近づいてくる音がした。人間の足音ではない。ずるり、ずるり、と重たいものを引きずるような音である。
嫌な予感に顔を強張らせながら、その場に立ち上がり、音がする方に光を向ける。次の瞬間、メルディの全身に鳥肌がたった。
「ビ、ビッグスライム!」
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スライムには目も耳も鼻もないが、体表にまとう魔力で対象を感知することができる。闇魔法で気配を遮断しない限り、どこまでも追ってくるだろう。そもそも逃げ場がない。
「メルディ! 他に何か武器持ってる⁉︎」
短剣を構えたマルクが叫ぶ。はっと我に返って腰のポーチを探ったが、洞窟では使えない火炎弾だけだった。お金がなくて、高い雷光弾や氷結弾は買えなかったのだ。
「この剣しかない! 一か八か、やるしかないわ!」
自分を鼓舞するように叫んで、セレネス鋼製の短剣を鞘から抜き放つ。
明かりに反射して光る剣身に、マルクが息を飲んだ。どことなく顔が青い気がするが、人のことは言えない。メルディだって、気を抜くと今にも倒れそうなのだから。
「く、来るなら来なさいよ! この剣の錆にしてやる!」
「馬鹿なこと言うんじゃないの」
聞き慣れた声と共に、パン、と風船が破裂するような音がしてスライムが弾け飛んだ。
いや、正確には分裂したのだ。小さくなったスライムたちが、ざざざ、と一斉に来た道を這って行く姿に子供の頃のトラウマが蘇り、へなへなと腰が抜けた。
「お姉ちゃん、大丈夫? 生きてる?」
「アルティも巻き込まれ体質だけど、君も相当だね。そんなとこ似なくていいんだよ」
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