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その3
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次の週には、カームと数人のお付きの者たちがケープ領の港にいた。
おいしい海の幸を取りに行きましょうと、嫌がるカームを船に乗せた。
「まあ、カーム様、魚を追い込むには、船べりを叩くのですよ?こうやって櫂で」
リモーネは、櫂で船べりをコンコンと叩いた。
「海の中へ振動が伝わるらしいですわ」
「ほう!」
「侍従様が乗っているのと連動で叩くといいかもしれませんね」
王子は、侍従の船と交互に聞こえるように船べりを叩いた。
「もういいかしら?」
漁師に合図を送る。
船に引き上げた網には、たくさんの魚が引っかかっていた。
「おお!」
「わあ!」
「大漁ですわね」
「夕食がかなり楽しみだ!」
歩いて城に戻る途中、漁師があいさつをしてきた。
カームは、年よりの漁師と会話をするのを嫌がっていた。
「大きなエビが取れるんですよ。この大きさになるまで、何年もかかるんですよね。だからいただくときは神様にお祈りをしてからいただくんです。ゆっくり成長するものほど、非常に大切なものなのです。女性の美しさのようにね」
ふん、とくだらないと言わんばかりに、カームは鼻でわらった。
「リモーネは昔から美しい、ゆっくり成長などしていないぞ?さなぎが蝶になるように突然変わるものだ。くだらないことをいうな」
嘘をつけ!姉上様と婚約されている時は、あんなだんご魚みたいな女と言っていたくせに!
リモーネの口がゆがむ。
「神様にお祈りは必要ですわ。今日は大漁でしたもの。ね、おじさん」
「さすがはリモーネ様ですな。明日も漁に出られるのですか?」
「お天気がよさそうですからね、船に乗る予定です」
「では、サメにお気をつけください。ここのところよく見かけまする」
「まあ、怖いですね。おじさんも漁に出る時は気を付けてくださいね」
「おお、うれしいお言葉をありがとうございまする」
塩風に鍛えられたしわが深い顔をくしゃっとさせて漁師は手をふった。
「ふん、本当にくだらん。海に神などいるわけなかろうが」
「いけません、カーム様と言えどその言葉は」
カテン侍従は真顔でたしなめた。
まわりのおつきのもの達は、カームの機嫌を取ろうとしているから、カテン侍従をなじる。
「もういい、いくぞ」
カームと3人のお付きは城へを歩いて行った。
その後ろ姿をカテン侍従とリモーネは、苦々しい顔をしてにらんでいた。
「海洋神を侮辱するとは!」
遠くから聞いていた父上の怒りはずざまじいものだった。
――海洋神と我がケープの者たちを愚弄した罪は海でさばいてやる!
次の日、再びリモーネは漁に出ようと誘ったが、カームは嫌だと言った。
リモーネはくすっと笑う。
「海の神様を侮辱しましたものね。海は怖いのでしょう?」
「はあ?面倒なだけだ」
「よろしいのですよ、カーム様と言えど神様は恐ろしいもの。逃げても笑われませんわ」
「!」
では、とリモーネだけ、城を出た。
部屋でゴロゴロしているカームに、庭掃除をしている使用人の声が聞こえる。
「カーム様は漁に行かれないそうだ。なんでも海が怖いんだと!」
「ははっ!気が強そうだけど、結局はお城にいるお坊ちゃんだな」
「神様はいないとかいったらしいぞ?」
「ははあ、バチがあたると思って海にいかないんだろう?リモーネ様はさきほどいかれたのにな」
「腰の剣は偽ものじゃないか?」
「王子も偽物だったりしてな」
あははは!と大笑いをしていた。
「!!」
怒り狂ったカームは、テラスから庭に向かって怒鳴った。
「誰だ!俺を侮辱する奴は!出てこい!切ってやる!」
だが、誰も返事をしない。
というよりか、誰もみえなかった。
「くそっ!」
めちゃくちゃに剣をふるい、低い木々を斬っていた。
そこへ、リモーネの父ヴェルガーが通りかかる。
「おや、カーム様、リモーネと共に船に乗らなかったのですか?」
「はっ!面倒だ!」
「昨夜、明日のお昼ご飯は、船で食べようとリモーネは張り切っていましたが。食べ損ねてしまわないように、私もこれから沖へいくつもりです。ご一緒に乗りますか?私が操作しますから面倒ではないですよ?」
「ああ、いや…」
それでも、乗り気ではないカームの耳に、小さな声が聞こえた。
「おくびょうものだな」
「なんだと!?」
「うわっ!どうされました?」
お付きのカテン侍従がびっくりした。
「お、俺のことを臆病者って呼んだだろっ!?」
「は?何も申し上げておりませんが?」
他のお付きのものたちも??という顔をした。
はあっと息を切らせて、カームはいら立っていた。
ヴェルガーは、笑ってもう一度誘う。
「お付きの方もご一緒にどうぞ。カーム王子は、少し外に出られた方が良い。海風に当たれば少しは気分も変わりますよ?」
そうですよ、と機嫌を取ろうとお付きの者達も含めて港へと歩いた。
ヴェルガーの船は少し大きく、少し沖の海にいたリモーネたちの船団にすぐおいついた。
「まあ、カーム様。大丈夫ですか?」
「うるさいな、平気だ」
「海が嫌いならご無理なさらなくても」
「大丈夫だ」
ぶすっとしてカームは、リモーネの小舟に乗り移った。
お付きの者も違う漁師の船に乗り移る。
カテン侍従だけ、ヴェルガーの船に乗っていた。
「顔色が悪いですよ?大丈夫ですか?」
「…リモーネ、神を侮辱したらやはりバチはあたるのだろうか?」
「そりゃそうでしょうね」
リモーネは笑った。続ける。
「今さら謝ってももう遅いですけどね」
「え?」
見たこともないリモーネのゆがんだ唇と殺意のこもった瞳に、カームはぞくっと寒気を覚えた。
「サメだ!気をつけろ!」
「!!」
誰かの声が聞こえた瞬間だった。
小船はすべてひっくり返された。
ヴェルガーの風魔法で。
「!!」
「カーム様っ!」
「リモーネ様!」
漁師たちの悲鳴と水夫の絶叫が聞こえる。
リモーネは土魔法で自らを固め、風魔法を使い海に浮かんでいた。
海の泡が体にまとわりつく。
カームは息ができなかった。
もがくが、海面に上がれない。
靴のせいだ。
海にこなければよかった。
こんな目にあうなんて、やはり神はいないじゃないか!
大きいヴェルガーの船だけが無事で、カテン侍従はお付きの者たちを引き上げようとしていた。
そして、水夫たちは小船を元に戻す。
漁師は手慣れていて、泳ぐこともせず、じっとして浮きにつかまっていた。
血を流したり、暴れたりすれば、サメが寄ってくることを知っているからだ。
「お前の手を汚すこともない」
「お父様…」
「あ、あ。よかった、ヴェルガーっぷ。た、たすけ…」
カームが最後にみた光景はどんなものだったのだろう?
小船に乗って櫂を振り上げた父上の憤怒の表情か。
それとも、同じくすでに船に乗って、わらっていた私の顔だろうか。
「申し訳ございません、陛下。おしかりはいくらでもお受けいたします」
「サメが出たとか」
「は、常々退治をしておりました。ですが、船がひっくり返り王子が海面をバシャバシャとはねたため、弱ったアシカと勘違いされてしまったようです」
「そなたもケガをしておるではないか」
「ははっ、このような傷、ケガに入りません。リモーネを助け、次に王子をと。サメと格闘しましたが、櫂を折られてしまい、勝ち目がなく…申し訳ありませぬ」
そう言いながら、父上は左腕の包帯をとった。
広間にいた貴族たちから悲鳴があがる。
ざっくりとした傷が、二の腕から手先までつけられていた。
陛下は父上の腕に手を置き、小声で養生いたせ、世話になったなとつぶやいた。
その後、葬儀が粛々とおこなわれた。
かなり軽そうな棺だ。
両脇を持っている衛兵を見ればわかる。
それはそうか。
サメにやられた遺体は、顔も体も半分もなかった。
血の匂いを嗅ぎつけたのだ。
ひとたまりもなかった。
すべてを飲み込んで、陛下も、海も、静かだった。
一年の喪に服し、私は晴れてラント様と挙式をした。
「末の王子が皇太子だってね?」
「ええ、アラミス殿下が後見人となるらしいです。良かった」
「まだ、セレーサ殿との婚儀はしないのか?」
「もう少し髪が伸びてからにするそうです。かつらを使えばいいのにと、私もアラミス殿下も言っているのですがやはり花嫁としては、ね?」
「まあな。リモーネの髪も素敵だよ」
ボスコ領の城から見える河は、金色できらきらと輝いていた。
―終わり―
おいしい海の幸を取りに行きましょうと、嫌がるカームを船に乗せた。
「まあ、カーム様、魚を追い込むには、船べりを叩くのですよ?こうやって櫂で」
リモーネは、櫂で船べりをコンコンと叩いた。
「海の中へ振動が伝わるらしいですわ」
「ほう!」
「侍従様が乗っているのと連動で叩くといいかもしれませんね」
王子は、侍従の船と交互に聞こえるように船べりを叩いた。
「もういいかしら?」
漁師に合図を送る。
船に引き上げた網には、たくさんの魚が引っかかっていた。
「おお!」
「わあ!」
「大漁ですわね」
「夕食がかなり楽しみだ!」
歩いて城に戻る途中、漁師があいさつをしてきた。
カームは、年よりの漁師と会話をするのを嫌がっていた。
「大きなエビが取れるんですよ。この大きさになるまで、何年もかかるんですよね。だからいただくときは神様にお祈りをしてからいただくんです。ゆっくり成長するものほど、非常に大切なものなのです。女性の美しさのようにね」
ふん、とくだらないと言わんばかりに、カームは鼻でわらった。
「リモーネは昔から美しい、ゆっくり成長などしていないぞ?さなぎが蝶になるように突然変わるものだ。くだらないことをいうな」
嘘をつけ!姉上様と婚約されている時は、あんなだんご魚みたいな女と言っていたくせに!
リモーネの口がゆがむ。
「神様にお祈りは必要ですわ。今日は大漁でしたもの。ね、おじさん」
「さすがはリモーネ様ですな。明日も漁に出られるのですか?」
「お天気がよさそうですからね、船に乗る予定です」
「では、サメにお気をつけください。ここのところよく見かけまする」
「まあ、怖いですね。おじさんも漁に出る時は気を付けてくださいね」
「おお、うれしいお言葉をありがとうございまする」
塩風に鍛えられたしわが深い顔をくしゃっとさせて漁師は手をふった。
「ふん、本当にくだらん。海に神などいるわけなかろうが」
「いけません、カーム様と言えどその言葉は」
カテン侍従は真顔でたしなめた。
まわりのおつきのもの達は、カームの機嫌を取ろうとしているから、カテン侍従をなじる。
「もういい、いくぞ」
カームと3人のお付きは城へを歩いて行った。
その後ろ姿をカテン侍従とリモーネは、苦々しい顔をしてにらんでいた。
「海洋神を侮辱するとは!」
遠くから聞いていた父上の怒りはずざまじいものだった。
――海洋神と我がケープの者たちを愚弄した罪は海でさばいてやる!
次の日、再びリモーネは漁に出ようと誘ったが、カームは嫌だと言った。
リモーネはくすっと笑う。
「海の神様を侮辱しましたものね。海は怖いのでしょう?」
「はあ?面倒なだけだ」
「よろしいのですよ、カーム様と言えど神様は恐ろしいもの。逃げても笑われませんわ」
「!」
では、とリモーネだけ、城を出た。
部屋でゴロゴロしているカームに、庭掃除をしている使用人の声が聞こえる。
「カーム様は漁に行かれないそうだ。なんでも海が怖いんだと!」
「ははっ!気が強そうだけど、結局はお城にいるお坊ちゃんだな」
「神様はいないとかいったらしいぞ?」
「ははあ、バチがあたると思って海にいかないんだろう?リモーネ様はさきほどいかれたのにな」
「腰の剣は偽ものじゃないか?」
「王子も偽物だったりしてな」
あははは!と大笑いをしていた。
「!!」
怒り狂ったカームは、テラスから庭に向かって怒鳴った。
「誰だ!俺を侮辱する奴は!出てこい!切ってやる!」
だが、誰も返事をしない。
というよりか、誰もみえなかった。
「くそっ!」
めちゃくちゃに剣をふるい、低い木々を斬っていた。
そこへ、リモーネの父ヴェルガーが通りかかる。
「おや、カーム様、リモーネと共に船に乗らなかったのですか?」
「はっ!面倒だ!」
「昨夜、明日のお昼ご飯は、船で食べようとリモーネは張り切っていましたが。食べ損ねてしまわないように、私もこれから沖へいくつもりです。ご一緒に乗りますか?私が操作しますから面倒ではないですよ?」
「ああ、いや…」
それでも、乗り気ではないカームの耳に、小さな声が聞こえた。
「おくびょうものだな」
「なんだと!?」
「うわっ!どうされました?」
お付きのカテン侍従がびっくりした。
「お、俺のことを臆病者って呼んだだろっ!?」
「は?何も申し上げておりませんが?」
他のお付きのものたちも??という顔をした。
はあっと息を切らせて、カームはいら立っていた。
ヴェルガーは、笑ってもう一度誘う。
「お付きの方もご一緒にどうぞ。カーム王子は、少し外に出られた方が良い。海風に当たれば少しは気分も変わりますよ?」
そうですよ、と機嫌を取ろうとお付きの者達も含めて港へと歩いた。
ヴェルガーの船は少し大きく、少し沖の海にいたリモーネたちの船団にすぐおいついた。
「まあ、カーム様。大丈夫ですか?」
「うるさいな、平気だ」
「海が嫌いならご無理なさらなくても」
「大丈夫だ」
ぶすっとしてカームは、リモーネの小舟に乗り移った。
お付きの者も違う漁師の船に乗り移る。
カテン侍従だけ、ヴェルガーの船に乗っていた。
「顔色が悪いですよ?大丈夫ですか?」
「…リモーネ、神を侮辱したらやはりバチはあたるのだろうか?」
「そりゃそうでしょうね」
リモーネは笑った。続ける。
「今さら謝ってももう遅いですけどね」
「え?」
見たこともないリモーネのゆがんだ唇と殺意のこもった瞳に、カームはぞくっと寒気を覚えた。
「サメだ!気をつけろ!」
「!!」
誰かの声が聞こえた瞬間だった。
小船はすべてひっくり返された。
ヴェルガーの風魔法で。
「!!」
「カーム様っ!」
「リモーネ様!」
漁師たちの悲鳴と水夫の絶叫が聞こえる。
リモーネは土魔法で自らを固め、風魔法を使い海に浮かんでいた。
海の泡が体にまとわりつく。
カームは息ができなかった。
もがくが、海面に上がれない。
靴のせいだ。
海にこなければよかった。
こんな目にあうなんて、やはり神はいないじゃないか!
大きいヴェルガーの船だけが無事で、カテン侍従はお付きの者たちを引き上げようとしていた。
そして、水夫たちは小船を元に戻す。
漁師は手慣れていて、泳ぐこともせず、じっとして浮きにつかまっていた。
血を流したり、暴れたりすれば、サメが寄ってくることを知っているからだ。
「お前の手を汚すこともない」
「お父様…」
「あ、あ。よかった、ヴェルガーっぷ。た、たすけ…」
カームが最後にみた光景はどんなものだったのだろう?
小船に乗って櫂を振り上げた父上の憤怒の表情か。
それとも、同じくすでに船に乗って、わらっていた私の顔だろうか。
「申し訳ございません、陛下。おしかりはいくらでもお受けいたします」
「サメが出たとか」
「は、常々退治をしておりました。ですが、船がひっくり返り王子が海面をバシャバシャとはねたため、弱ったアシカと勘違いされてしまったようです」
「そなたもケガをしておるではないか」
「ははっ、このような傷、ケガに入りません。リモーネを助け、次に王子をと。サメと格闘しましたが、櫂を折られてしまい、勝ち目がなく…申し訳ありませぬ」
そう言いながら、父上は左腕の包帯をとった。
広間にいた貴族たちから悲鳴があがる。
ざっくりとした傷が、二の腕から手先までつけられていた。
陛下は父上の腕に手を置き、小声で養生いたせ、世話になったなとつぶやいた。
その後、葬儀が粛々とおこなわれた。
かなり軽そうな棺だ。
両脇を持っている衛兵を見ればわかる。
それはそうか。
サメにやられた遺体は、顔も体も半分もなかった。
血の匂いを嗅ぎつけたのだ。
ひとたまりもなかった。
すべてを飲み込んで、陛下も、海も、静かだった。
一年の喪に服し、私は晴れてラント様と挙式をした。
「末の王子が皇太子だってね?」
「ええ、アラミス殿下が後見人となるらしいです。良かった」
「まだ、セレーサ殿との婚儀はしないのか?」
「もう少し髪が伸びてからにするそうです。かつらを使えばいいのにと、私もアラミス殿下も言っているのですがやはり花嫁としては、ね?」
「まあな。リモーネの髪も素敵だよ」
ボスコ領の城から見える河は、金色できらきらと輝いていた。
―終わり―
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