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1.ボタニカル島 編
トト編
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あんな顔をするとは思ってもみなかった。
ビオラートの父親に頼まれたときに断ればよかったんだ。嫌だって。
「乗っていたのがお前だから、心を許すだろう、優しくしてやれ、そうしたら何か秘密の技術を教えてくれるだろうから。そうしたら、俺たちは大金持ちだ。いいな、トト。友達になれよ」
最初は、渦巻人の話を聞いて、うなずいて、声をかけただけ。
でも話しているうちに、知らない話や、見たこともないものを話されて、だんだん興味を持った。
「ビオラに?知らない世界の話に?」
俺はペリカンだ。
移動手段として飼われているたくさんの鳥の中の一羽だ。
スコットリア家の人間だって、ただの乗り物として、家畜として俺と話をする。
前のビオラは、父親にいつも怯えていた。
殴られるのは当たり前、食事もとれない、服はいつもボロボロ。
小声で話すから聞こえずらくて、いつも母親に舌打ちされていた。
姉や兄にいいように使われて、畑仕事もこなして毎日へとへとに疲れていた。
そんなビオラートを俺はただ見ていた。
余計なことを言って、食卓のシチューにされたら困るしな。
いつも妹と一緒に俺に乗って学校へ通っていた。
ある日、妹が学校へ行きたくないというから、仕方なくビオラート一人で学校へ行く途中だった。
「うぎゃわーー!!」
「うわ!」
ビオラートが急に変な声を出した。
俺は一瞬、何かと思って動作が止まった。
後は、ワラの山に真っ逆さまに落ちた。
一晩中熱が出て、物置小屋に寝かされていたビオラートに変化が現れた。
髪の毛の色が変わっていくのだ。
初めて見た。
本当に渦巻人はいるんだ!
スコットリアの夫婦は大喜びで、嫌がるシャーロットをなだめすかし、部屋を空けさせた。
目が覚めたビオラートは、ビオラートじゃなかった。
でも、新しいビオラは。
――トトー!
――きれいな羽なんだから、手入れしなさいよ。
――トトは力持ちだから、妹を安心して預けられるわ。
――これ食べる?教会でいただいたの。
――キレイな夕日ね。トトと見ることができて良かったわ。
俺を見下すことなんてしなかった。
誰にでも親切で、笑顔で。
妹と自分では重たいだろうと歩いて学校へ通った。
俺は大人一人くらい軽く運べるのに。
中身は本当に渦巻人なんだな。
かばうことをしていなかった俺に優しくしないでくれ。
見知らぬ土地に来て、習慣も食事も違うところにやってきて心細い人間に、優しく声をかけて傍にいて友人のようにして…
味方のふりして、毎日の行動や言動を父親に伝えて。
肥料の話をしているとき、どうしようか迷った。
島主の屋敷だし、それにこんな肥料の話、父親が喜ぶとは思わなかった。
そうしたら。
―-よくやった、トト。お前は絶対に食わないぞ。
下品な笑い顔を浮かべて、酒場に走って行った。
そこで知り合った野菜運びの男と一緒に盗みに入ったようだ。
王島に野菜を運んでいる男は、その情報を下級貴族に買ってもらったらしい。
酒臭い父親は、俺にいくつかのリンゴを差し出した。
―-礼だ。食えよ。かなり助かった。
食った。
うまかった。
でも、その後気持ち悪くなって戻した。
昨日のケガも見ていただけで、ヘンリー様や島主様に知らせなかった。
『お前だけは違うと思ったのに』
なんて、なんてことを。
なんてことを俺はしていたんだろう?
その声は俺の頭の上から全身に水をかけたように冷たかった。
いつもの優しい声じゃなかった。
怒るわけでもない。
悲しい、の方が強かった気がする。
ビオラは俺をトトとして信頼してくれていた。
家畜とか飛ぶためとかじゃない。
それなのに。
これが裏切りというやつか。
ろくでもない家にきたと思っていたが、何のことはない、お前が一番ろくでなしじゃないか。
何やってんだよ、俺。
スコットリア家の処分が決まり、それぞれが竜騎士に連れていかれる。
ビオラは、何か父親に言っていたが聞こえなかった。
笑って竜騎士と共に竜に乗る。
行ってしまう!
俺はとっさに、隣家の夫婦とリリィとベンに向かって叫んだ。
「すまない!俺は行かないと!」
4人はびっくりしていたが、そう言うと思ったと笑われた。
「トト、急げ。ビオラは竜に乗っている。追いつけないぞ」
隣家の親父がそう言った。
「わかってる!王島まで血を吐いてでも追いかけるさ」
「トト、気を付けてね」
「おう、リリィ。すまねえな、学校ついていけなくて」
「ビオラのこと大好きなの知ってるから大丈夫よ。私もトト大好きだったわ」
リリィはトトをぎゅっと抱きしめた。
ああ、ろくでもない俺にこんなことをしてくれるのか。
暖かく接してくれる人はいたじゃないか。
俺は周りが見えていなかったんだな。
鳥なのに涙がこぼれそうになった。
胸のあたりがきゅっと締め付けられる感じがした。
別れるってこんなに悲しいのか。
いや、ビオラの父親とは別れても悲しくない。
じゃあ、なんだ、この違いは。
「急ぎなさい!」
「ああ、じゃあな!」
バタバタと足を踏み出して、飛び立った。
もうこの島に戻ることはないだろう。
竜騎士団はさすがに早い。
先頭は囚人護送用の竜と護衛だろうから、ビオラがいるとすれば最後の竜のはずだ。
目の前に豪華な馬車が見えた。
いける!
やっとペガサスの馬車に追いついた。
「トト!?」
「ヘンリー様、ビオラは?」
「前の方だ!馬車に入れ、王島までそのスピードじゃ持たないぞ!」
「ありがとう!」
トトは羽に力を入れた。
「あのままいくつもりか?」
ヘンリーは馬車の窓を閉めた。
「気合を入れないと無理だろうな。でもその試練を乗り越えないときっとビオラはトトを受け入れない」
ジョージは、トト自身が羽ばたいて追いつく事が大切だと思っていた。
今までの自分と別れるために。
「ダメだったら骨は拾ってやろう」
「…」
ふふふと笑うヘンリーに、ジョージは何も言わなかった。
口が苦しい。
初めてこの早いスピードでこの長距離を飛んでいる。
喉が渇く。からっからだ。
途中雲に突っこむけど、そのくらいでは喉はうるおわない。
大型の鳥、コウノトリよりもどっしりとしていて、安定感抜群!
なんて言われていい気になっていた自分が恥ずかしい。
コウノトリは、あまり羽ばたかないんだ。あいつらは滑空して風を読む。
俺は体が重いから羽ばたかないと浮かないし進まない。
ちくしょう、このくらいの距離縮めてやる!
人よりも短い命だけど、生涯を共にするパートナーとして。
新しい人生をやり直したい。
いいや、そんなカッコイイ話じゃない。
シンプルに。
「俺はあんたと生きたいんだ、ビオラっ!」
竜騎士団の最後尾の一頭が見えた。
たぶん、ビオラが乗っている竜だ!
全速力で飛びながら叫んだ。
聞こえないか。竜の羽ばたきの音が凄い。
それに近づきすぎると、竜の羽の強い風の流れに巻き込まれる。
はあはあと自分の息を初めて聞いた。
どくどくと自分の心臓が痛いほど動いている。
渇いた口の中は、血の味がした。
俺の思いの一方通行かもしれないし、裏切ったんだから嫌われて当然だ。
でも、違う世界のむちゃした話も美味しそうな話も、もっと聞きたい。
「それよりも傍にいて、同じ景色を見たいんだ!同じことをこれから経験したいんだ!いっしょに!」
だから。
「ビオラ!許してくれなくてもいい!俺を嫌いでもいい!いっしょについていくことを許してほしい!」
泣き叫びながら、トトは全身の力で竜に迫っていった。
「ビオラーっ!」
気が付くと、竜に落ちないようにくくられていた。
「!!?」
「気が付いたか。驚いたな、ペリカンが竜に、それも騎士団の竜に追いつくとは」
ルークが笑いながら、な、と同意を求めた。
「トトったら、泣いて鼻水たらしながら追っかけてくるんだもの。びっくりしたわよ」
「は、鼻水なんて、だ、出してない」
「あんなグズグズのペリカンに大声で名前を呼ばれたら迷惑だわ」
ビオラは笑いながら、トトに手を当てた。
「ビオラの手だ。温かいな」
「王島に着いたら手当をするから、しばらく我慢してね」
「おう」
「喉切れてるから、しゃべらない方がいいぞ。お前、口から血が流れてた」
ああ、やっぱり血だったんだ。
でも、頑張ってよかった。
「おい、おいついた…」
そのままトトは気絶した。
「よかったな」
最後の言葉を聞いて、ルークは二人に言った。
ええ、と小さくビオラはうなずいた。
竜は、相変わらずの速度で王島に向かっていった。
王島編へ続く
ビオラートの父親に頼まれたときに断ればよかったんだ。嫌だって。
「乗っていたのがお前だから、心を許すだろう、優しくしてやれ、そうしたら何か秘密の技術を教えてくれるだろうから。そうしたら、俺たちは大金持ちだ。いいな、トト。友達になれよ」
最初は、渦巻人の話を聞いて、うなずいて、声をかけただけ。
でも話しているうちに、知らない話や、見たこともないものを話されて、だんだん興味を持った。
「ビオラに?知らない世界の話に?」
俺はペリカンだ。
移動手段として飼われているたくさんの鳥の中の一羽だ。
スコットリア家の人間だって、ただの乗り物として、家畜として俺と話をする。
前のビオラは、父親にいつも怯えていた。
殴られるのは当たり前、食事もとれない、服はいつもボロボロ。
小声で話すから聞こえずらくて、いつも母親に舌打ちされていた。
姉や兄にいいように使われて、畑仕事もこなして毎日へとへとに疲れていた。
そんなビオラートを俺はただ見ていた。
余計なことを言って、食卓のシチューにされたら困るしな。
いつも妹と一緒に俺に乗って学校へ通っていた。
ある日、妹が学校へ行きたくないというから、仕方なくビオラート一人で学校へ行く途中だった。
「うぎゃわーー!!」
「うわ!」
ビオラートが急に変な声を出した。
俺は一瞬、何かと思って動作が止まった。
後は、ワラの山に真っ逆さまに落ちた。
一晩中熱が出て、物置小屋に寝かされていたビオラートに変化が現れた。
髪の毛の色が変わっていくのだ。
初めて見た。
本当に渦巻人はいるんだ!
スコットリアの夫婦は大喜びで、嫌がるシャーロットをなだめすかし、部屋を空けさせた。
目が覚めたビオラートは、ビオラートじゃなかった。
でも、新しいビオラは。
――トトー!
――きれいな羽なんだから、手入れしなさいよ。
――トトは力持ちだから、妹を安心して預けられるわ。
――これ食べる?教会でいただいたの。
――キレイな夕日ね。トトと見ることができて良かったわ。
俺を見下すことなんてしなかった。
誰にでも親切で、笑顔で。
妹と自分では重たいだろうと歩いて学校へ通った。
俺は大人一人くらい軽く運べるのに。
中身は本当に渦巻人なんだな。
かばうことをしていなかった俺に優しくしないでくれ。
見知らぬ土地に来て、習慣も食事も違うところにやってきて心細い人間に、優しく声をかけて傍にいて友人のようにして…
味方のふりして、毎日の行動や言動を父親に伝えて。
肥料の話をしているとき、どうしようか迷った。
島主の屋敷だし、それにこんな肥料の話、父親が喜ぶとは思わなかった。
そうしたら。
―-よくやった、トト。お前は絶対に食わないぞ。
下品な笑い顔を浮かべて、酒場に走って行った。
そこで知り合った野菜運びの男と一緒に盗みに入ったようだ。
王島に野菜を運んでいる男は、その情報を下級貴族に買ってもらったらしい。
酒臭い父親は、俺にいくつかのリンゴを差し出した。
―-礼だ。食えよ。かなり助かった。
食った。
うまかった。
でも、その後気持ち悪くなって戻した。
昨日のケガも見ていただけで、ヘンリー様や島主様に知らせなかった。
『お前だけは違うと思ったのに』
なんて、なんてことを。
なんてことを俺はしていたんだろう?
その声は俺の頭の上から全身に水をかけたように冷たかった。
いつもの優しい声じゃなかった。
怒るわけでもない。
悲しい、の方が強かった気がする。
ビオラは俺をトトとして信頼してくれていた。
家畜とか飛ぶためとかじゃない。
それなのに。
これが裏切りというやつか。
ろくでもない家にきたと思っていたが、何のことはない、お前が一番ろくでなしじゃないか。
何やってんだよ、俺。
スコットリア家の処分が決まり、それぞれが竜騎士に連れていかれる。
ビオラは、何か父親に言っていたが聞こえなかった。
笑って竜騎士と共に竜に乗る。
行ってしまう!
俺はとっさに、隣家の夫婦とリリィとベンに向かって叫んだ。
「すまない!俺は行かないと!」
4人はびっくりしていたが、そう言うと思ったと笑われた。
「トト、急げ。ビオラは竜に乗っている。追いつけないぞ」
隣家の親父がそう言った。
「わかってる!王島まで血を吐いてでも追いかけるさ」
「トト、気を付けてね」
「おう、リリィ。すまねえな、学校ついていけなくて」
「ビオラのこと大好きなの知ってるから大丈夫よ。私もトト大好きだったわ」
リリィはトトをぎゅっと抱きしめた。
ああ、ろくでもない俺にこんなことをしてくれるのか。
暖かく接してくれる人はいたじゃないか。
俺は周りが見えていなかったんだな。
鳥なのに涙がこぼれそうになった。
胸のあたりがきゅっと締め付けられる感じがした。
別れるってこんなに悲しいのか。
いや、ビオラの父親とは別れても悲しくない。
じゃあ、なんだ、この違いは。
「急ぎなさい!」
「ああ、じゃあな!」
バタバタと足を踏み出して、飛び立った。
もうこの島に戻ることはないだろう。
竜騎士団はさすがに早い。
先頭は囚人護送用の竜と護衛だろうから、ビオラがいるとすれば最後の竜のはずだ。
目の前に豪華な馬車が見えた。
いける!
やっとペガサスの馬車に追いついた。
「トト!?」
「ヘンリー様、ビオラは?」
「前の方だ!馬車に入れ、王島までそのスピードじゃ持たないぞ!」
「ありがとう!」
トトは羽に力を入れた。
「あのままいくつもりか?」
ヘンリーは馬車の窓を閉めた。
「気合を入れないと無理だろうな。でもその試練を乗り越えないときっとビオラはトトを受け入れない」
ジョージは、トト自身が羽ばたいて追いつく事が大切だと思っていた。
今までの自分と別れるために。
「ダメだったら骨は拾ってやろう」
「…」
ふふふと笑うヘンリーに、ジョージは何も言わなかった。
口が苦しい。
初めてこの早いスピードでこの長距離を飛んでいる。
喉が渇く。からっからだ。
途中雲に突っこむけど、そのくらいでは喉はうるおわない。
大型の鳥、コウノトリよりもどっしりとしていて、安定感抜群!
なんて言われていい気になっていた自分が恥ずかしい。
コウノトリは、あまり羽ばたかないんだ。あいつらは滑空して風を読む。
俺は体が重いから羽ばたかないと浮かないし進まない。
ちくしょう、このくらいの距離縮めてやる!
人よりも短い命だけど、生涯を共にするパートナーとして。
新しい人生をやり直したい。
いいや、そんなカッコイイ話じゃない。
シンプルに。
「俺はあんたと生きたいんだ、ビオラっ!」
竜騎士団の最後尾の一頭が見えた。
たぶん、ビオラが乗っている竜だ!
全速力で飛びながら叫んだ。
聞こえないか。竜の羽ばたきの音が凄い。
それに近づきすぎると、竜の羽の強い風の流れに巻き込まれる。
はあはあと自分の息を初めて聞いた。
どくどくと自分の心臓が痛いほど動いている。
渇いた口の中は、血の味がした。
俺の思いの一方通行かもしれないし、裏切ったんだから嫌われて当然だ。
でも、違う世界のむちゃした話も美味しそうな話も、もっと聞きたい。
「それよりも傍にいて、同じ景色を見たいんだ!同じことをこれから経験したいんだ!いっしょに!」
だから。
「ビオラ!許してくれなくてもいい!俺を嫌いでもいい!いっしょについていくことを許してほしい!」
泣き叫びながら、トトは全身の力で竜に迫っていった。
「ビオラーっ!」
気が付くと、竜に落ちないようにくくられていた。
「!!?」
「気が付いたか。驚いたな、ペリカンが竜に、それも騎士団の竜に追いつくとは」
ルークが笑いながら、な、と同意を求めた。
「トトったら、泣いて鼻水たらしながら追っかけてくるんだもの。びっくりしたわよ」
「は、鼻水なんて、だ、出してない」
「あんなグズグズのペリカンに大声で名前を呼ばれたら迷惑だわ」
ビオラは笑いながら、トトに手を当てた。
「ビオラの手だ。温かいな」
「王島に着いたら手当をするから、しばらく我慢してね」
「おう」
「喉切れてるから、しゃべらない方がいいぞ。お前、口から血が流れてた」
ああ、やっぱり血だったんだ。
でも、頑張ってよかった。
「おい、おいついた…」
そのままトトは気絶した。
「よかったな」
最後の言葉を聞いて、ルークは二人に言った。
ええ、と小さくビオラはうなずいた。
竜は、相変わらずの速度で王島に向かっていった。
王島編へ続く
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