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第1章
第281話 呪陣
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小悪魔、粘体、毒鼠・・リールの使い魔は、街の至る所に配置されている。本当は、虫を操れれば良いのだが、リールは虫が大嫌いだった。
逆に、一番の好みは粘体である。
捕獲し、使い魔と化した魔物とは異なり、培養し、交配し、飼育し、手間暇を掛けて育てている。
戦いに向いた種は少ないが、低温で、呼吸をせず、無臭・・色も形も自在に変化する粘体は、隠密性が極めて高い。土中に染みさせても良し、水中に紛れ込ませても良し、石の隙間などに潜らせても良い。わずかな隙間があれば、何処にでも入り込める。
おまけに、無音で移動が出来る。
知性の高い種であれば、鍵の開け閉め、物の運搬などはもちろん、複雑な魔法陣を描かせることも可能だ。
小悪魔を見せておき、粘体を潜ませる。それが、監視を任された時のリールの基本行動だった。
(ここまで粘体を使役する事になるとは思わなかったがのぅ)
リールはひっそりと笑みを浮かべた。
不本意な形で召喚され、こちらの世界の住人となったリールだったが、今ではそれを幸運に思っている。
住み心地が良い。
とても良い。
悪魔だからと、敬遠される事が無い。
遠慮される事が無い。
翼が有ろうが無かろうが、角が有ろうが無かろうが、誰も何も気にしない。
理由は分かりきっている。
誰も、悪魔を恐れないからだ。
悪魔より恐ろしい者が存在するからだ。
迷宮の頂点に、主殿が君臨しているからだ。
シュンという人間が居るからだ。
この世界では、リールは強者だ。
元の世界においても、リールは強者だった。
しかし、シュンに比べれば、リールなんぞ羽虫である。
気紛れで潰される。気紛れで見逃される。
力の差があり過ぎて比べる気すら起きない。
(・・馬鹿よな)
悲鳴をあげながら、骨という骨を打ち砕かれ、内臓を圧壊され、総身を擂り潰されている男達を眺めながら、リールは苦笑を浮かべていた。
何を思って主殿に挑んだのか。
無知にも程がある。
この世界の強さの物差しである"レベル"・・男達の300というレベルは平均を遙かに上回るものなのだろう。
だから、勝てると思ったのか?
だから、シュンより強いと勘違いをしたのか?
(愚か者めが・・)
リールの双眸が、大魔法を唱えている集団を捉えた。 直後、シュンを中心に、巨大な炎が噴出し、渦を巻いて天井まで噴き上がる。
幾人かが歓声を上げたようだったが・・。
あんなものが通用するなら、龍人は滅びなかった。
世界の裁定者たる暴君だった龍人を悉く殺して喰らうような存在に、床が溶ける程度の魔法を浴びせて、どうしようと言うのか。
(調べものかのぅ?)
主殿なら、この大陸を消し飛ばすことすら出来る。
それをせず、男達をテンタクル・ウィップで捉えて何やら尋問をやっていた。
四の五の考えずに鏖殺してしまえば良いのに・・と、思わないでも無いが。
男達が、宵闇の女神の居場所を知っているとは思えない。知っているとすれば、スコットの居場所だろうか?レベルの上がり方に不審を覚えていたようだから、鍛錬の方法について尋問しているのかもしれない。
数人を捉えて、延々と尋問を繰り返している。
それをリールは黙って眺めていた。
『リール殿・・』
"護耳の神珠"から声が聞こえた。
「ユキシラ?」
『その辺りを中心にして、地表に尖塔が出現した』
「ほう? 塔は何本じゃ?」
『8本・・円形に囲んでいる』
シュンとリールが居る場所を中心に、8つの尖塔が出現して八角形に囲んだらしい。
「何かの呪法陣じゃろうな」
リールの双眸が楽しげに輝く。どうやら、面白い体験が出来そうだ。
『そう見える』
「それにしては、何の力場も生じていないようじゃが・・いや、これは?」
リールの結界に強力な呪力が干渉を始めていた。
「ふうむ・・吸命呪に似通った波動じゃ。面白いの。今のところ、妾の結界を破るほどでは無いが・・」
『今・・地上に現れた塔と塔を光が繋いで、地表に光る魔法陣らしき模様が浮かび上がった』
「ふん、それなりに強い呪じゃが、妾の結界を喰うにはちと足りんな」
リールが嗤った。
『シュン様は?』
ユキシラが訊ねた。
「尋問中じゃ」
『・・何か居るな』
不意に、ユキシラが声を潜めた。
「ユキシラ?」
『スコットだ。地表の光る魔法陣の中央に現れた』
「ほう? 逃げずに向かって来るか?」
愚かじゃな・・と、リールが嗤った。
「例の女神は見当たらんか?」
『・・スコットだけだ』
「強い効果を生む仕掛けというのは、そうそう数を作れるものでは無い。ここが勝負の地になると思ったが、期待外れじゃったか?」
『・・西と南それぞれから、魔王種の大群が近付いている。万を超える数だ』
ユキシラが言った。
「虫か」
リールの眉間に不快皺が刻まれた。魔王種の一匹一匹は脅威ではないが、姿が悍ましい上に数が多い。
『地表の魔法陣に誘き寄せられるように集まって来ている』
「・・主殿に伝える」
リールは、じゃれ付いてくる男達を赤黒い炎で灼き殺しながら、シュンの方へと歩いて行った。
「どうした?」
シュンが振り返った。
「ちと賑やかになりそうじゃ」
リールは、ユキシラからの報告をそのまま伝えた。
「吸命か。この男達に加えて、魔王種を吸収するつもりかな」
シュンが"魔神殺しの呪薔薇"を振り下ろして、吊していた男を叩き斬った。
「この男達に力を蓄えさせ、それをスコットが吸う・・そういう仕掛けらしい」
シュンが尋問で得た情報を口にしながら、テンタクル・ウィップを横殴りに振った。
遠巻きに囲んで魔法を撃っていた男達が、黒い触手の一撃でバラバラに千切れて飛び散る。
「もう尋問は良いのか?」
リールは、哀れな男達を見回しながら訊ねた。
「来るぞ」
シュンが呟いた。
直後、激しい振動音と共に天井が砕け、石や土が大量に降り注いで来た。
広々とした地下の広間が、上から崩落してきた土石で埋まる中、シュンとリールは空へ浮かんだまま立ち上る粉塵を見回していた。
「久しぶりだなぁ~、シュン!」
やけに陽気な声がして、シュンめがけて大きな岩が飛んで来た。
「スコットか?」
飛来した岩がシュンに届く前に粉々に砕ける。
「スコット様と呼べ! 原住民っ!」
大ぶりな剣を手に、甲胄姿のスコットが姿を現してシュンに斬りかかった。
瞬間、シュンの拳がスコットの顔面を打ち抜き、スコットの首から上が爆ぜた。
「・・ん?」
訝しげに顔をしかめたのはシュンだった。
首を失ったスコットが、そのまま大剣で斬りつけて来たのだ。
「なんだ?」
シュンの双眸が周囲へ巡らされた。
青白い光が渦を巻くように集まり、スコットの身体へと吸い込まれ始めたのだ。同時に、レベル300を超えた男達が次々に斃れて絶命を始めた。
「魔法陣が吸った力を与え、肉体の再生をする。なかなかに良い呪じゃな」
リールは、愉しげに笑みを浮かべた。
「妾の世界では珍しくない呪法じゃが、こちらの世界では初めて見るのぅ」
「悪魔の技か?」
シュンがリールを見た。
「手を貸した者がおるな。その愚か者に、ここまでの大規模魔法陣を生み出せるとは思えん」
リールが言った時、ユキシラから通話が入った。
『魔王種が魔法陣に吸われて消え始めた』
「主殿、集まって来た魔王種が呪に喰われ始めた。その愚か者は、もう人間を辞めたようじゃな」
リールが指差す先で、スコットの首の上から肉が盛り上がり、先ほど失った頭部が元通りに再生していった。
「はははは・・見ろ、この強大な力を! この圧倒的な再生力を!」
スコットが愉悦に浸るように顔を歪めて叫び声を上げた。
逆に、一番の好みは粘体である。
捕獲し、使い魔と化した魔物とは異なり、培養し、交配し、飼育し、手間暇を掛けて育てている。
戦いに向いた種は少ないが、低温で、呼吸をせず、無臭・・色も形も自在に変化する粘体は、隠密性が極めて高い。土中に染みさせても良し、水中に紛れ込ませても良し、石の隙間などに潜らせても良い。わずかな隙間があれば、何処にでも入り込める。
おまけに、無音で移動が出来る。
知性の高い種であれば、鍵の開け閉め、物の運搬などはもちろん、複雑な魔法陣を描かせることも可能だ。
小悪魔を見せておき、粘体を潜ませる。それが、監視を任された時のリールの基本行動だった。
(ここまで粘体を使役する事になるとは思わなかったがのぅ)
リールはひっそりと笑みを浮かべた。
不本意な形で召喚され、こちらの世界の住人となったリールだったが、今ではそれを幸運に思っている。
住み心地が良い。
とても良い。
悪魔だからと、敬遠される事が無い。
遠慮される事が無い。
翼が有ろうが無かろうが、角が有ろうが無かろうが、誰も何も気にしない。
理由は分かりきっている。
誰も、悪魔を恐れないからだ。
悪魔より恐ろしい者が存在するからだ。
迷宮の頂点に、主殿が君臨しているからだ。
シュンという人間が居るからだ。
この世界では、リールは強者だ。
元の世界においても、リールは強者だった。
しかし、シュンに比べれば、リールなんぞ羽虫である。
気紛れで潰される。気紛れで見逃される。
力の差があり過ぎて比べる気すら起きない。
(・・馬鹿よな)
悲鳴をあげながら、骨という骨を打ち砕かれ、内臓を圧壊され、総身を擂り潰されている男達を眺めながら、リールは苦笑を浮かべていた。
何を思って主殿に挑んだのか。
無知にも程がある。
この世界の強さの物差しである"レベル"・・男達の300というレベルは平均を遙かに上回るものなのだろう。
だから、勝てると思ったのか?
だから、シュンより強いと勘違いをしたのか?
(愚か者めが・・)
リールの双眸が、大魔法を唱えている集団を捉えた。 直後、シュンを中心に、巨大な炎が噴出し、渦を巻いて天井まで噴き上がる。
幾人かが歓声を上げたようだったが・・。
あんなものが通用するなら、龍人は滅びなかった。
世界の裁定者たる暴君だった龍人を悉く殺して喰らうような存在に、床が溶ける程度の魔法を浴びせて、どうしようと言うのか。
(調べものかのぅ?)
主殿なら、この大陸を消し飛ばすことすら出来る。
それをせず、男達をテンタクル・ウィップで捉えて何やら尋問をやっていた。
四の五の考えずに鏖殺してしまえば良いのに・・と、思わないでも無いが。
男達が、宵闇の女神の居場所を知っているとは思えない。知っているとすれば、スコットの居場所だろうか?レベルの上がり方に不審を覚えていたようだから、鍛錬の方法について尋問しているのかもしれない。
数人を捉えて、延々と尋問を繰り返している。
それをリールは黙って眺めていた。
『リール殿・・』
"護耳の神珠"から声が聞こえた。
「ユキシラ?」
『その辺りを中心にして、地表に尖塔が出現した』
「ほう? 塔は何本じゃ?」
『8本・・円形に囲んでいる』
シュンとリールが居る場所を中心に、8つの尖塔が出現して八角形に囲んだらしい。
「何かの呪法陣じゃろうな」
リールの双眸が楽しげに輝く。どうやら、面白い体験が出来そうだ。
『そう見える』
「それにしては、何の力場も生じていないようじゃが・・いや、これは?」
リールの結界に強力な呪力が干渉を始めていた。
「ふうむ・・吸命呪に似通った波動じゃ。面白いの。今のところ、妾の結界を破るほどでは無いが・・」
『今・・地上に現れた塔と塔を光が繋いで、地表に光る魔法陣らしき模様が浮かび上がった』
「ふん、それなりに強い呪じゃが、妾の結界を喰うにはちと足りんな」
リールが嗤った。
『シュン様は?』
ユキシラが訊ねた。
「尋問中じゃ」
『・・何か居るな』
不意に、ユキシラが声を潜めた。
「ユキシラ?」
『スコットだ。地表の光る魔法陣の中央に現れた』
「ほう? 逃げずに向かって来るか?」
愚かじゃな・・と、リールが嗤った。
「例の女神は見当たらんか?」
『・・スコットだけだ』
「強い効果を生む仕掛けというのは、そうそう数を作れるものでは無い。ここが勝負の地になると思ったが、期待外れじゃったか?」
『・・西と南それぞれから、魔王種の大群が近付いている。万を超える数だ』
ユキシラが言った。
「虫か」
リールの眉間に不快皺が刻まれた。魔王種の一匹一匹は脅威ではないが、姿が悍ましい上に数が多い。
『地表の魔法陣に誘き寄せられるように集まって来ている』
「・・主殿に伝える」
リールは、じゃれ付いてくる男達を赤黒い炎で灼き殺しながら、シュンの方へと歩いて行った。
「どうした?」
シュンが振り返った。
「ちと賑やかになりそうじゃ」
リールは、ユキシラからの報告をそのまま伝えた。
「吸命か。この男達に加えて、魔王種を吸収するつもりかな」
シュンが"魔神殺しの呪薔薇"を振り下ろして、吊していた男を叩き斬った。
「この男達に力を蓄えさせ、それをスコットが吸う・・そういう仕掛けらしい」
シュンが尋問で得た情報を口にしながら、テンタクル・ウィップを横殴りに振った。
遠巻きに囲んで魔法を撃っていた男達が、黒い触手の一撃でバラバラに千切れて飛び散る。
「もう尋問は良いのか?」
リールは、哀れな男達を見回しながら訊ねた。
「来るぞ」
シュンが呟いた。
直後、激しい振動音と共に天井が砕け、石や土が大量に降り注いで来た。
広々とした地下の広間が、上から崩落してきた土石で埋まる中、シュンとリールは空へ浮かんだまま立ち上る粉塵を見回していた。
「久しぶりだなぁ~、シュン!」
やけに陽気な声がして、シュンめがけて大きな岩が飛んで来た。
「スコットか?」
飛来した岩がシュンに届く前に粉々に砕ける。
「スコット様と呼べ! 原住民っ!」
大ぶりな剣を手に、甲胄姿のスコットが姿を現してシュンに斬りかかった。
瞬間、シュンの拳がスコットの顔面を打ち抜き、スコットの首から上が爆ぜた。
「・・ん?」
訝しげに顔をしかめたのはシュンだった。
首を失ったスコットが、そのまま大剣で斬りつけて来たのだ。
「なんだ?」
シュンの双眸が周囲へ巡らされた。
青白い光が渦を巻くように集まり、スコットの身体へと吸い込まれ始めたのだ。同時に、レベル300を超えた男達が次々に斃れて絶命を始めた。
「魔法陣が吸った力を与え、肉体の再生をする。なかなかに良い呪じゃな」
リールは、愉しげに笑みを浮かべた。
「妾の世界では珍しくない呪法じゃが、こちらの世界では初めて見るのぅ」
「悪魔の技か?」
シュンがリールを見た。
「手を貸した者がおるな。その愚か者に、ここまでの大規模魔法陣を生み出せるとは思えん」
リールが言った時、ユキシラから通話が入った。
『魔王種が魔法陣に吸われて消え始めた』
「主殿、集まって来た魔王種が呪に喰われ始めた。その愚か者は、もう人間を辞めたようじゃな」
リールが指差す先で、スコットの首の上から肉が盛り上がり、先ほど失った頭部が元通りに再生していった。
「はははは・・見ろ、この強大な力を! この圧倒的な再生力を!」
スコットが愉悦に浸るように顔を歪めて叫び声を上げた。
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