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第1章
第279話 主神の罪
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『うわぁ・・』
思わず呻いて仰け反ったのは、マーブル主神である。
『あらあら、酷い感想だこと』
白銀色のドレスの女性が嘆息を漏らし、その視線をマーブル主神を背に庇って立っているオグノーズホーンと輪廻の女神へ向けた。
途端、オグノーズホーンと輪廻の女神が身を震わせ頭を垂れた。
『異界の賢者に、闇の女神・・いえ、輪廻の女神でしたね?』
『あぁっ、大丈夫だから! オグ爺も闇ちゃんも、ここはボクに任せて!』
マーブル主神が慌てて前に出る。
『女王様、御機嫌麗しゅう』
『取って付けたような・・とは、この事ですね』
死の国の女王が穏やかに微笑した。
『ははは・・あまりに突然のご来訪で驚きました』
マーブル主神が強張った笑いを浮かべた。
この女王陛下は、とても嫋やかで優しげな容貌をしているが、怒らせると非常に恐ろしい事になるのである。
『突然ではありません。幾度となく、訪問と面会の打診をしておりましたよ? 一度も、お返事を頂けておりませんが?』
『えっ? ええと・・いやぁ、そういえば』
マーブル主神が盛大に冷や汗を浮かべながら言葉に詰まる。女王が言う通り、神界の方には、何度も訪問の許可を求める連絡が入っていたのだ。
神界が色々な騒動の真っ只中だった事と、正直なところ非常に苦手だったので、返事を先送りにして逃げ回っていたのだった。
『いつまで経っても・・主神になったことを祝う機会すら無くて、とても残念に思っておりました』
死の国の女王が嘆息して見せた。
『あぁ・・いや、はは・・申し訳ありません。ちょっと立て込んでいたもので』
マーブル主神が、顔中に脂汗を滲ませながら頭を掻く。
『そちらの可憐な女神を娶られたと伝え聞いたのも、ここ最近の事ですし・・またも、お祝いを述べる機会を失うところでした』
死の国の女王が輪廻の女神を見る。
『め、娶る・・いや、うん・・その、闇ちゃんとは・・』
『まあ、闇ちゃんと呼んでいるの? 素敵だこと』
『い、いやぁ、昔の呼び方が抜けないっていうか・・』
『あら、そんなに昔からお付き合いを?』
死の国の女王が、輪廻の女神に声を掛けた。
初めは硬い表情だった輪廻の女神も、今は顔を赤くして俯いている。
『・・闇の精霊だった頃に、神様にお声を掛けて頂いて』
『あぁぁ、闇ちゃん、そんな前の事は良いから・・』
『神界の方はずいぶんと淋しくなったようですが、主神殿も、このような美しい女神がいらっしゃれば大丈夫ですね』
死の国の女王が、輪廻の女神を見つめて頷いた。
『そんな美しいだなんて・・私は精霊上がりで』
『いいえ、貴女はとても綺麗ですよ。貴女なら安心です。どうか主神殿と末永くお幸せに・・ね?』
『・・ありがとうございます』
輪廻の女神が涙ぐみながら低頭した。
『貴方も・・異界の賢者殿。どうか、主神殿を護って差し上げて下さいね』
「早く、主殿の子で神界が賑わうところを見てみたいものです」
オグノーズホーンも静かに頭を下げた。
『ふふふ・・それは愉しみですね』
『えっと! 何か急ぎの用事があったのでは?』
『主神となった祝い、成婚の祝い・・そうですね、うちのカーミュに頼まれていた件なのですけど』
死の国の女王が、シュンの方を向いた。
シュンの後ろでは、何を思ったのか、ユアとユナが正座をして食い入るように見つめている。
『使徒シュン』
死の国の女王が微笑した。
「はい」
『精霊を大切にしてくれているようで嬉しく思っております』
「カーミュとマリンには、幾度も助けられています」
シュンは深々と頭を下げた。
『貴女達も安心なさい。そちらの喪魂した娘は心配要りませんよ』
死の国の女王がユアとユナに微笑みかけた。
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
ユアとユナが、ぽろぽろと泪を流しながら床に両手を着いて頭を下げた。
『ただ・・喪失した魂を戻すためには少し時間が必要です。急に戻すことは良くないのです。説明が難しいのですが・・途切れた霊魂と肉体の縁を結び直すと、肉体に霊魂が引かれて戻り始めます。そこに無理な力を加えると不完全な蘇生となってしまいます。それは避けるべきでしょう』
死の国の女王の落ち着いた声音が響く。
それを、ユアとユナが大粒の泪を流し、何度も頷きながら聴いていた。
『すでに、その娘の霊魂の縁は繋ぎましたから、身体は何処にあっても問題ありません。この地から離しておいた方が良いでしょう』
「そうします」
シュンは頷いた。
『使徒シュン、まだ調べ始めた段階ですが、どうやら今回の件には、宵闇の女神が関わっているようです』
「宵闇の女神ですか?」
すでに幾度となく出ている名前だった。
『はい。そして、恐らく・・"終末の神器"が作動しています』
死の国の女王が、マーブル主神を見た。
『まさか・・?』
マーブル主神が息を呑む。神界から持ち出された神器はすでに破壊済みである。
『今回の件、神界の騒動を含めてあまりにも不審な出来事が多かったので、少し問い質しました』
『・・誰にです?』
『貴方の前の主神ですよ』
死の国の女王の双眸から微笑みが消えた。何かを思い出したかのように怒りが美貌を彩る。
『はは・・』
マーブル主神の顔色が真っ白になった。
『大半はどうでも良いような・・呆れるような事ばかり訴えていましたので割愛します。宵闇の女神に関する内容としては、2つ』
前の主神が、宵闇の女神に飽きたので婚姻解消しようとしたら、宵闇の女神が拒否をした。面倒になった前の主神が、適当な罪状をでっち上げて宵闇の女神を手討ちにした。
前の主神の元へ、死んだはずの宵闇の女神から恨み言を綴った手紙が届くようになった。次の主神を狙う神々のいずれかが匿っているに違いないと思い、すべての神々を疑い信じることが出来なくなった。
『これが、神々が創った世界を減らしたかった本当の理由のようです』
どこかの世界に匿われているだろう宵闇の女神を狩り出す狙いがあったらしい。
『くっ・・くだらな過ぎる! 動機が酷すぎる!』
マーブル主神が頭を抱えた。
『その恨み言を綴った手紙の中に、"終焉の秘紋"を作動させて一緒に死んで欲しいといった願いが記されていたそうです。もちろん、前の主神は相手にしませんでした』
淡々と語る女王の眼が厳しい。
『前の主神に逆らって宵闇の女神に入れ知恵できるとしたら、異界の・・ゾウノードあたりかな。向こうで、世界を壊す神器を手に入れたという事ですね?』
マーブル主神が唸った。
『そういうことです。こちらの世界にも存在したように、向こうの世界にも"終焉"だの"終末"だのを冠した神器が存在したということです』
『はぁ~・・』
マーブル主神が顔を手で覆って、大きな溜め息を吐いた。
『なんかもう・・本当にどうでも良くなって来たなぁ』
『異界の"終末"は、文明の破壊を行う物のようです。放っておいても、主神殿に害は及ばないでしょうが・・』
そう言ってから、死の国の女王がちらとユアとユナの方を見て目元を和ませた。
『面倒事ばかりで御免なさいね・・貴女達とは、もっとお話しをしたかったのですけど、またの機会にしましょう。長々と降りていると、カーミュが機嫌を悪くしますからね。調査の結果はカーミュを介して伝えます』
「ありがとう御座いました」
「ありがとう御座いました」
ユアとユナが、きちんと床に手を着くと2人揃って頭を下げた。
『ふふふ・・甘い御礼でしたら、何時でも受け付けていますよ?』
死の国の女王が2人に穏やかな声を掛けて、白銀の光が明滅しながら消えていった。顕現した時と同様、瞬く間の事である。
すらりとした丈高い女性の姿から、白翼を生やした美しい少年の姿へ・・。
『女王様、お話しが長いのです』
早速、カーミュが頬を膨らませている。
思わず呻いて仰け反ったのは、マーブル主神である。
『あらあら、酷い感想だこと』
白銀色のドレスの女性が嘆息を漏らし、その視線をマーブル主神を背に庇って立っているオグノーズホーンと輪廻の女神へ向けた。
途端、オグノーズホーンと輪廻の女神が身を震わせ頭を垂れた。
『異界の賢者に、闇の女神・・いえ、輪廻の女神でしたね?』
『あぁっ、大丈夫だから! オグ爺も闇ちゃんも、ここはボクに任せて!』
マーブル主神が慌てて前に出る。
『女王様、御機嫌麗しゅう』
『取って付けたような・・とは、この事ですね』
死の国の女王が穏やかに微笑した。
『ははは・・あまりに突然のご来訪で驚きました』
マーブル主神が強張った笑いを浮かべた。
この女王陛下は、とても嫋やかで優しげな容貌をしているが、怒らせると非常に恐ろしい事になるのである。
『突然ではありません。幾度となく、訪問と面会の打診をしておりましたよ? 一度も、お返事を頂けておりませんが?』
『えっ? ええと・・いやぁ、そういえば』
マーブル主神が盛大に冷や汗を浮かべながら言葉に詰まる。女王が言う通り、神界の方には、何度も訪問の許可を求める連絡が入っていたのだ。
神界が色々な騒動の真っ只中だった事と、正直なところ非常に苦手だったので、返事を先送りにして逃げ回っていたのだった。
『いつまで経っても・・主神になったことを祝う機会すら無くて、とても残念に思っておりました』
死の国の女王が嘆息して見せた。
『あぁ・・いや、はは・・申し訳ありません。ちょっと立て込んでいたもので』
マーブル主神が、顔中に脂汗を滲ませながら頭を掻く。
『そちらの可憐な女神を娶られたと伝え聞いたのも、ここ最近の事ですし・・またも、お祝いを述べる機会を失うところでした』
死の国の女王が輪廻の女神を見る。
『め、娶る・・いや、うん・・その、闇ちゃんとは・・』
『まあ、闇ちゃんと呼んでいるの? 素敵だこと』
『い、いやぁ、昔の呼び方が抜けないっていうか・・』
『あら、そんなに昔からお付き合いを?』
死の国の女王が、輪廻の女神に声を掛けた。
初めは硬い表情だった輪廻の女神も、今は顔を赤くして俯いている。
『・・闇の精霊だった頃に、神様にお声を掛けて頂いて』
『あぁぁ、闇ちゃん、そんな前の事は良いから・・』
『神界の方はずいぶんと淋しくなったようですが、主神殿も、このような美しい女神がいらっしゃれば大丈夫ですね』
死の国の女王が、輪廻の女神を見つめて頷いた。
『そんな美しいだなんて・・私は精霊上がりで』
『いいえ、貴女はとても綺麗ですよ。貴女なら安心です。どうか主神殿と末永くお幸せに・・ね?』
『・・ありがとうございます』
輪廻の女神が涙ぐみながら低頭した。
『貴方も・・異界の賢者殿。どうか、主神殿を護って差し上げて下さいね』
「早く、主殿の子で神界が賑わうところを見てみたいものです」
オグノーズホーンも静かに頭を下げた。
『ふふふ・・それは愉しみですね』
『えっと! 何か急ぎの用事があったのでは?』
『主神となった祝い、成婚の祝い・・そうですね、うちのカーミュに頼まれていた件なのですけど』
死の国の女王が、シュンの方を向いた。
シュンの後ろでは、何を思ったのか、ユアとユナが正座をして食い入るように見つめている。
『使徒シュン』
死の国の女王が微笑した。
「はい」
『精霊を大切にしてくれているようで嬉しく思っております』
「カーミュとマリンには、幾度も助けられています」
シュンは深々と頭を下げた。
『貴女達も安心なさい。そちらの喪魂した娘は心配要りませんよ』
死の国の女王がユアとユナに微笑みかけた。
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
ユアとユナが、ぽろぽろと泪を流しながら床に両手を着いて頭を下げた。
『ただ・・喪失した魂を戻すためには少し時間が必要です。急に戻すことは良くないのです。説明が難しいのですが・・途切れた霊魂と肉体の縁を結び直すと、肉体に霊魂が引かれて戻り始めます。そこに無理な力を加えると不完全な蘇生となってしまいます。それは避けるべきでしょう』
死の国の女王の落ち着いた声音が響く。
それを、ユアとユナが大粒の泪を流し、何度も頷きながら聴いていた。
『すでに、その娘の霊魂の縁は繋ぎましたから、身体は何処にあっても問題ありません。この地から離しておいた方が良いでしょう』
「そうします」
シュンは頷いた。
『使徒シュン、まだ調べ始めた段階ですが、どうやら今回の件には、宵闇の女神が関わっているようです』
「宵闇の女神ですか?」
すでに幾度となく出ている名前だった。
『はい。そして、恐らく・・"終末の神器"が作動しています』
死の国の女王が、マーブル主神を見た。
『まさか・・?』
マーブル主神が息を呑む。神界から持ち出された神器はすでに破壊済みである。
『今回の件、神界の騒動を含めてあまりにも不審な出来事が多かったので、少し問い質しました』
『・・誰にです?』
『貴方の前の主神ですよ』
死の国の女王の双眸から微笑みが消えた。何かを思い出したかのように怒りが美貌を彩る。
『はは・・』
マーブル主神の顔色が真っ白になった。
『大半はどうでも良いような・・呆れるような事ばかり訴えていましたので割愛します。宵闇の女神に関する内容としては、2つ』
前の主神が、宵闇の女神に飽きたので婚姻解消しようとしたら、宵闇の女神が拒否をした。面倒になった前の主神が、適当な罪状をでっち上げて宵闇の女神を手討ちにした。
前の主神の元へ、死んだはずの宵闇の女神から恨み言を綴った手紙が届くようになった。次の主神を狙う神々のいずれかが匿っているに違いないと思い、すべての神々を疑い信じることが出来なくなった。
『これが、神々が創った世界を減らしたかった本当の理由のようです』
どこかの世界に匿われているだろう宵闇の女神を狩り出す狙いがあったらしい。
『くっ・・くだらな過ぎる! 動機が酷すぎる!』
マーブル主神が頭を抱えた。
『その恨み言を綴った手紙の中に、"終焉の秘紋"を作動させて一緒に死んで欲しいといった願いが記されていたそうです。もちろん、前の主神は相手にしませんでした』
淡々と語る女王の眼が厳しい。
『前の主神に逆らって宵闇の女神に入れ知恵できるとしたら、異界の・・ゾウノードあたりかな。向こうで、世界を壊す神器を手に入れたという事ですね?』
マーブル主神が唸った。
『そういうことです。こちらの世界にも存在したように、向こうの世界にも"終焉"だの"終末"だのを冠した神器が存在したということです』
『はぁ~・・』
マーブル主神が顔を手で覆って、大きな溜め息を吐いた。
『なんかもう・・本当にどうでも良くなって来たなぁ』
『異界の"終末"は、文明の破壊を行う物のようです。放っておいても、主神殿に害は及ばないでしょうが・・』
そう言ってから、死の国の女王がちらとユアとユナの方を見て目元を和ませた。
『面倒事ばかりで御免なさいね・・貴女達とは、もっとお話しをしたかったのですけど、またの機会にしましょう。長々と降りていると、カーミュが機嫌を悪くしますからね。調査の結果はカーミュを介して伝えます』
「ありがとう御座いました」
「ありがとう御座いました」
ユアとユナが、きちんと床に手を着くと2人揃って頭を下げた。
『ふふふ・・甘い御礼でしたら、何時でも受け付けていますよ?』
死の国の女王が2人に穏やかな声を掛けて、白銀の光が明滅しながら消えていった。顕現した時と同様、瞬く間の事である。
すらりとした丈高い女性の姿から、白翼を生やした美しい少年の姿へ・・。
『女王様、お話しが長いのです』
早速、カーミュが頬を膨らませている。
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