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第1章

第269話 愛のキューピッド

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『さて・・』

 マーブル主神は、水玉柄の蝶ネクタイを整えつつ、シュンとユアナを見た。

『うむ・・とにかく、良くやってくれた』

「間に合って良かったです」

 シュンは低頭した。

『あぁ、うん・・言いたい事は山のようにあるけども。あんな奴に入り込まれたボクにも多少の責任はあるからね』

 マーブル主神がふわりと宙に浮かんで、シュンを見下ろす位置へと移動した。

「霊魂の核に迫られていました。危ないところでした」

『う・・うむ。そうだね。なかなか、手強い奴だったね』

 今ひとつ、調子が出ない様子で、マーブル主神が宙を漂う。

 オグノーズホーンは壁際に控え、輪廻の女神はマーブル主神の背後に浮かんでいる。マーブル主神が右に漂えば右へ、左へ漂えば左へ・・。

 心なしか、マーブル主神の顔色がよろしくない。

『君が活躍してくれた事はもちろん理解しているし、それは称賛されるべき事なんだけど・・』

「御無事で何よりです」

『むぅ・・』

 マーブル主神が腕組みをして唸った。攻め口を探す視線でシュンを軽く睨みながら宙を漂う。

『君、ボクの霊核に何か仕掛けをしてたよね?』

「霊的な迷路を構築していました」

『・・はい?』

「霊虫が入り込むことを想定し、霊魂の中核までは辿り着けないように、惑わしの迷路を設置してありました」

 シュンは、霊魂を護った仕組みについて簡単に説明した。

『き、君ぃっ! それは重大な問題だよ? 使徒が主神の霊魂をいじくっちゃダメでしょ!』

 マーブル主神が顔を真っ赤にして詰め寄る。

「申し訳ありません。万が一に備えて仕掛けさせて頂きました」

 シュンは頭を下げた。

『万が一って・・それならそうと言ってよ! 黙ってやることないでしょ!』

「霊虫予防だと、申し上げたつもりでしたが?」

 シュンは首を傾げた。
 以前、はっきりと伝えたつもりだったが、言葉が足りなかったらしい。

『はい? 霊虫予防って? そんなの聴いてないよ!』

「申し訳ありません」

 シュンは温和しく頭を下げた。

『・・ええと、それで・・ボクの中に入ったゾウノードは何をやってたの?』

「霊魂の核へ辿り着けず、方々へ霊毒を埋設したり、霊体を分けるなどの駆除対策をしていました。本体が非常に弱かったため、ゾウノードを仕留めるまでは簡単でしたが、霊毒を中和し、汚染を食い止める作業に時間を要しました」

 毒の処理は、かなり手間の掛かる作業だった。ゴーストの利用を思い付かなければ、より深い部分にまで毒が染み込んだかもしれない。

『お、おう・・なんだか危なかったんだね』

 マーブル主神が仰け反った。

「霊魂が大きく溶けて崩れたため、ゾウノードが遺した霊体を使って補修をしました。霊魂の大きさなど、従前と変わりないと思います」

『・・なに? じゃあ、ボクの霊魂にゾウノードの霊体が混ざってんの?』

 マーブル主神の顔が強張った。

「本体亡き後の残滓のようなものです。すでに、主神様の魂として完全に同化をしているはずです」

『そう? まあ、変な感じはしないけどさ?』

 マーブル主神が自分の体を見回しながら呟いた。

「その上で、念の為に予防をしておきたいのですが、お許し頂けますでしょうか?」

『へ? 予防って?』

「霊虫予防です」

『はぁ? もうゾウノードは滅んだんでしょ? なんでそんな事をするの?』

「大切なお体です。用心に用心を重ねておくべきだと思います」

『・・そうかなぁ? オグ爺は、どう思う?』

 マーブル主神が控えているオグノーズホーンを振り返った。

「万が一に備えておくべきでしょうな」

 オグノーズホーンが頷いた。

『そっか。じゃあ・・その予防ってのをやって貰おうかな』

 マーブル主神が言った瞬間、背後に回ったシュンが平手を大きく振りかぶって、振り下ろした。


 パァァァーーン・・


『・・っだぁーーーー!』

 マーブル主神が背を痛打されて悲鳴をあげた。

『なっ、なにを・・』

 苦情を言おうとして、マーブル主神が何かを思い出した顔で口を噤んだ。

『こ、これ・・あの時の? なに? 霊虫予防って・・これだったの?』

「はい。今、主神様の霊魂の中核に近い場所に"惑わし"の霊道を構築致しました。これで、仮に霊魂を狙った何かが入り込んだとしても、中心部までは辿り着けません」

 シュンは"惑わし"の回廊についての概要を説明した。オグノーズホーンに習った霊法を使い、夢幻の回廊に似通った空間を出現させて霊魂を囲ったのだ。

「お体は、輪廻の女神様とオグノーズホーン殿が護っています。もう、どのような存在であろうと、主神様を害することは出来ないでしょう」

『ふうん・・でもさ? 君ならどうなの?』

 マーブル主神がシュンを睨んだ。

「私ですか?」

『だって、今の君、とんでもない力を持ってるよね?  君がボクを狙ったらどうなるの? 闇ちゃんやオグ爺でも防げないんじゃない? ボクの霊魂だって、操れちゃうんでしょ?』

 マーブル主神の表情が硬い。

「私が主神様を害することなどありません」

 シュンは静かに語りかけた。

『そんなの分からないじゃん! みんな・・神界のみんながボクを裏切ったんだよ? 嘘ばっかり言ってさ? 地上に迷宮を創った神々も、みんなして裏切ったじゃん!』

 マーブル主神が拳を握って叫んだ。様々な事に不信感を募らせているようだった。

「私が主神様を害することはありません」

 シュンはゆっくりと首を振った。

『だって、分かんないでしょ? いつ心変わりするか分からないじゃん!』

「私は心変わりをしません」

『なんだよっ! そんなの・・どこにも、なんにも確かな事なんて無いじゃないか! みんなボクを裏切って、馬鹿にして嗤って! 嘘ばっかり吐いて!』

 マーブル主神が拳を振り回して叫んだ。

「私は主神様を害しません」

 シュンは穏やかに言った。

『だからっ! そんなのどうとでも言えるじゃないか! 信じられないじゃないかっ! みんな嘘吐きなんだよ!』

「私は主神様を害しません」

 シュンは、繰り返し首を振った。

『だって・・だから、そんなの口でなら何とでも言えるって・・』

『神様・・』

 拳を握り締めて叫ぶマーブル主神の両肩を、背後に浮かんでいた輪廻の女神が掴んだ。

『や、闇ちゃん?』

 我に返った顔で、マーブル主神が硬直する。

『神様、ご無礼をお許しください』

 輪廻の女神が、宙に浮かんだマーブル主神の体を回して、自分の方へ向かせた。

『・・闇ちゃん?』

『神様・・闇はとても悲しいです』

 輪廻の女神の声が悲しみに震えた。

『えっ?』

『闇は・・神様をずうっとお慕いしています。闇は神様を裏切りません。ですのに・・闇の・・この気持ちをお疑いになるのですか?』

 輪廻の女神がマーブル主神を見つめた。その双眸から白い部分が消え去り、瞳が漆黒に消える。

『えっ・・いや・・ボクは闇ちゃんを疑ったことなんて無いよ』

『闇は、神様を愛しています。闇にとって、神様は幸せの全てなのです』

 輪廻の女神が、マーブル主神の両肩を掴んだまま言った。

『う、うん・・』

『闇は嘘吐きですか? 闇が神様を騙していると、お疑いなのですか?』

 輪廻の女神がマーブル主神を目の前に引き寄せる。

『違う・・闇ちゃんは嘘なんて吐かないよ。いつだって、ボクのために』

 マーブル主神が必死の形相で首を振った。

『闇は・・闇の気持ちを疑われるくらいなら・・どうか闇を殺してください。闇に死ねとお命じ下さい。それが神様のご意志なら、闇は喜んで命を絶ちます!』

 輪廻の女神の双眸から、冷え冷えとした闇が溢れ始める。部屋全体の温度が急激に下がり始めた。

『そんなんじゃないんだ。ボクは・・闇ちゃんを疑ったことなんて一度も無い!』

『・・闇は悲しいです』

 輪廻の女神が、激情に震える声で呻くように呟いた。

『違う! さっきのは、ほらっ・・言葉のあれで・・だから、違うから! ボクはちゃんと闇ちゃんを信じていてるから!』

『だって、神様が仰いました。みんな嘘吐きだって・・みんな裏切るって・・闇は悲しいです』

『違うから! あれはボクの間違いで・・つい言っちゃっただけで』

 懸命に語りかけるが、マーブル主神の両肩を掴む輪廻の女神の手は揺るがない。

 いや・・いきなり女神の手が離れた。

『闇は、神様だけを想って・・一度だって裏切るなんて・・思った事は無いのですっ!』

 輪廻の女神が、両手で顔を覆って肩を震わせ始めた。

『あぁぁぁ・・ちょ、ちょっと闇ちゃん! ボクが悪かった! ボクが間違ってた! そんなつもりじゃないんだ。さっきのは・・なんだか苛々しちゃって、八つ当たりをしただけで・・謝る! 謝ります! 御免なさい!』

『闇はぁ・・闇はぁ・・神様を裏切るなんてぇ』

 女神の黒衣から闇が噴き上がった。ビリビリ・・と部屋の空気が鳴動し、軋み音が鳴り始める。

『わ、分かってる! 疑ったことなんて、無いから! 違うから!』

 マーブル主神が宥めるように声をあげつつ、助けを求める視線を壁際のオグノーズホーンへ向けようとする。

 その顎先を、女神の白い指が押さえた。

『神様? どうして、闇を見て下さらないの? どうして他所を見るのですか?』

 闇に染まった双眸が、マーブル主神の眼を覗き込む。

『えっ? あ、ああ・・いやぁ、ちょっと』

『闇を信じて下さらないのですか?』

『信じてるよ? 信じてるからっ!』

 マーブル主神が震え声を放つ。

『・・なら、どうして? どうして、オグ爺を見ようとしたのです?』

『え? な、何を言っているんだい? ボクは・・』

『まさか・・闇が、神様に危害を加えると思ったのですか? 闇が・・闇は、そんな女だと思われているのですか?』

 輪廻の女神が呆然とした面持ちで、マーブル主神からゆっくりと身を離した。

『ち、違っ・・』

 マーブル主神が恐怖で喉を引き攣らせた。

 その時、ユアナが動いた。

 小走りに輪廻の女神に駆け寄ると、

「女神様」

 小さく声を掛けて、女神の耳元に唇と近づける。そのまま小声で何やら囁きかけた。何を話したのか、輪廻の女神の表情が微かに動く。

『あ・・?』

 輪廻の女神から噴き上がる負の気魂が緩み、マーブル主神が自由になった。

「さあ、主神様?」

 ユアナが、マーブル主神の背中に手を当てて声を掛けた。

『え・・と?』

 マーブル主神が困惑した顔でユアナを見た。

「本当のお気持ちを・・きちんとお伝えしないと伝わりませんよ?」

 ユアナが微笑みかけた。

『え? 気持ちって・・』

「さあ、女神様がお待ちです」

 ユアナが笑顔のままマーブル主神の背を押して前へ出す。

『ひゃ・・』

「さあ・・」

『あ・・う、うむ・・あぁ・・』

「私が居る事など、お忘れ下さい」

 ユアナが微笑した。

『う・・あぁ・・ええと、闇ちゃん?』

『・・はい』

『ボクは、闇ちゃんを疑ったりしてな・・』

「主神様、そこじゃないですわ」

 ユアナの手がマーブル主神の背をさらに押した。いよいよ、輪廻の女神との距離が無くなってくる。

『き、君・・』

「私なんかの事はお忘れ下さい。今は女神様です」

『うっ・・ああ、その・・闇ちゃん』

『はい』

『や、闇ちゃんの気持ちは・・』

「女神様は主神様を愛していらっしゃいます。勇気を振り絞って、そう告白なさいましたよ? 次は、主神様がお答えする番ではありませんか?」

 ユアナがすかさず間に入って話を誘導する。

『い、いや・・ちょっと』

「あまり、女神様を待たせてはいけないと思います」

『神様?』

『ああっ、ちょっと・・ボクは、だから・・』

 マーブル主神が尻込みをする。


『闇ちゃん、大好きだよ!』


『闇ちゃん、愛してる!』


『闇ちゃん、戻って来て!』


『愛してるよ、おまえ・・』



 ユアナの手元で、蓄音の魔導具からマーブル主神の告白が流れる。

『君ぃっ・・』

「女神様の・・女の勇気に答えましょう?」

 ユアナの微笑みに、マーブル主神がたじろいだ。

『・・神様?』

 輪廻の女神が不安げに見守っている。

『や、闇ちゃん・・』

「さあ、御手を・・」

 ユアナが、優しく女神の手を取り、マーブル主神の手を掴んで握り合わさせた。

『・・闇は、ずっとお慕いしておりました。その気持ちを疑われたようで、とても悲しかったのです』

 輪廻の女神が打ちひしがれた様子で告白した。

『ごめん・・なんか、裏切りばっかりあって、気持ちが荒れちゃってて・・本当にごめんね? あんな事を言うつもりじゃ無かったんだ』

 マーブル主神が頭を下げる。

『闇は・・神様に、相応しくありませんか?』

『う、う~ん・・いや、闇ちゃんを嫌いじゃ無いんだよ? なんだけど・・照れ臭いというか。心の整理がつかないような・・』

『・・そのお言葉だけで、闇は幸せです』

 遠回しに拒絶されたと感じたのだろう。輪廻の女神が俯いた。どこか悄然しょうぜんとした様子で肩を落とす。

『う・・』

 マーブル主神が息を呑んだ。
 壁際のオグノーズホーンから、非常に厳しい眼差しを向けられていた。

『・・う』

 シュンも、冷えた眼を向けていた。

『うぅ・・』

 当然のように、ユアナも呆れ果てた様子で見ている。

 完全なる孤立であった。

 このまま終わると、色々と終わる。
 それが鮮明に理解出来る空気である。

 それでもなお葛藤し、相当に迷い悩んだ末に、マーブル主神が震える手を伸ばして輪廻の女神の肩を掴んだ。

『ぁ・・神様?』

『あ、あぁぁぁ・・愛してるよ、闇ちゃん! ボクと夫婦になって欲しい!』

 マーブル主神が、ありったけの蛮勇をかき集めて宣言した。


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